私訳・源氏物語

私訳・源氏物語

PR

プロフィール

佐久耶此花4989

佐久耶此花4989

カレンダー

バックナンバー

November , 2025
October , 2025
September , 2025
August , 2025
July , 2025
June , 2025
May , 2025
April , 2025
March , 2025
February , 2025

キーワードサーチ

▼キーワード検索

January 21, 2011
XML
カテゴリ: 源氏物語

御代替りといえば、先の春宮と六条の御息所の間にお生まれになられた姫宮が、
伊勢の斎宮にお定まりになりました。

源氏の大将の御心のほども頼りなく、六条御息所は
『斎宮の幼さにかこつけて、伊勢に下ってしまおうかしら』
と、以前から考えておいででしたが、桐壺院が聞し召して、

「今は亡き春宮が、かつては御息所を格別な人としてたいそう大切になさったものを。
そちが軽々しく並みの女と同じように扱うのは、気の毒なこと。

私は斎宮についても我が子同然と思っているのだから、
いずれにしても疎かに扱わぬがよかろう。
気の向くままこのように弄ぶのは、世間の非難を負う事になろうぞ」

など仰せになります。


『本当に、仰せの通りだ』と思い知りながら御前に硬くなって座っていらっしゃいます。

「女に恥をかかせるような事をせずどちらも穏やかにとりなして、
女の恨みを負ってはいけない」

 と仰せになるにつけても
『身分不相応な我が恋心を、院がお聞きつけになったらどうしよう』
と思うと恐ろしく、かしこまって退出なさいます。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  March 6, 2017 09:39:54 PM
[源氏物語] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: