私訳・源氏物語

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January 30, 2011
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カテゴリ: 源氏物語

実は斎宮の御母・六条御息所が『日ごろの物思いの慰めにもなろうか』と、
忍んでおいでになったのでした。

左大臣家の人々は知らぬふりをしているのですが、
六条御息所の御車であることは自ずと分かります。それでも、

「それくらいの者に、偉そうな事を言わせるな。
大将殿を笠に着ているのだろうが、こちらをどなたとお思いか」

など言います。

源氏の大将の供人も混じっていますので、
そのように言うのは御息所にお気の毒とは思うのですが、
諫めるのも厄介ですので知らぬ顔をしています。

 ついには左大臣家の御車が幾両も立て続けましたので、
六条御息所の御車はお供の女房が乗る車の後、
物も見えない奥の方に押しやられてしまいました。

 情けなさはもちろんですが人目を忍んだ姿であると知った上で、
このような扱いを受けた事がどうにも癪に障ってなりません。

轅を乗せる台などもみな折られてしまい、御車はとんでもない所に掛けられています。

六条御息所はひどく体裁が悪く悔しく、『これでは何のために来たのか』と思うのですが、
その甲斐もありません。






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最終更新日  March 6, 2017 09:37:26 PM
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