私訳・源氏物語

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June 25, 2011
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カテゴリ: 源氏物語

御息所は『もう、何も見ずに帰ってしまおう』とお思いになるのですが、
どうにも身動きがとれません。

そうこうするうち、「行列が来たぞ」と言う声が聞こえます。

御息所はつれない源氏の大将を恨めしくお思いになるのですが、
やはりお通りを待たずにいられないのも、分別のなさというものでしょうか。

 源氏の大将が馬も止めず、素知らぬ顔で過ぎ給うを見るにつけても、
御息所には反って物思いの種となるばかりです。

ほんにその通り、この日の女車どもはいつもより趣向を凝らして調えてあり、
その下簾垂れの隙間からは、
女房たちがこぼれそうなほど、我も我もと乗り込んでいるのが見えます。

源氏の大将は知らぬ顔をしていらっしゃるのですが、
それと分かる女車にはにっこりなさりながら、流し目でご覧になることもあります。

 左大臣家の御車ははっきり分かりますので、御前は真面目なお顔でお通りになります。

お供の人々も、殊更かしこまって通ります。

御息所は、左大臣家の勢いに気圧されるありさまを、
ひどく口惜しくお思いになるのでした






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最終更新日  March 6, 2017 09:27:47 PM
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