PR
カレンダー
キーワードサーチ
この日は女人たちから離れ、二条院におわして祭り見物におでかけになります。
紫の姫のいらっしゃる西の対にお渡りになり、
惟光には車を用意するよう仰せつけになります。
姫のお遊び相手である女童たちに、
「『女房たち』も出かけますか?」
と仰せになり、姫君がたいそう可愛らしげに着飾っていらっしゃるのを、
にっこりしながらご覧になります。
「さあ、姫はいらっしゃい。いっしょに祭りを見ましょうね」
と、御髪がいつもよりうつくしく見えますのを、かき撫で給いて、
「久しく御髪を削がずにいましたね。今日は髪削ぎに良い日なのでしょうか」
とて、暦の博士をお召しになりお尋ねになりながら、
「先に女房がおでかけなさい」と、童たちの可愛らしい姿をご覧になります。
浮紋の袴にかかる髪の様子がはっきり見えるのです。