私訳・源氏物語

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August 3, 2011
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カテゴリ: 源氏物語

「ほんにその通りでございますよ。体裁を繕うような御仲ではございませんでしょう。
たいそうな御病後とはいえ、几帳越しに対面なさるものではございませんわ」

女房がそう言いながら、女君が臥していらっしゃるお傍へお席を寄せましたので
几帳の内へ入り、お話し申し上げます。

 女君のお返事が時々聞こえ給うのですが、やはりたいそう弱々しげです。

 それでも、『もはや亡き人』と思い諦めたあの御有様をお思い出しになりますと、
このようにして対面なさいますのは夢のような心地がなさって、
これまでの病状の重篤であった事などを女君にお話しなさいます。


何やらぶつぶつと御物の怪が仰せになった事などは、
お思い出しになると厭な気がしますので、

「さてさて、申し上げたい事はたくさんあるのですが、
まだだるそうに見えますのでこれまでにしておきましょう」とて、



女房たちは「このような事まで、いつ覚え給うたのでしょう」と、
お褒め申し上げるのでした。

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最終更新日  March 6, 2017 06:05:13 PM
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