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高校時代、生物部の部活で作成したサンショウウオ(幼生)の 顕微鏡写真 。
本命はカエルの受精卵だったのだが、地学の先生が採取して持ってきてくれたので、
手順どおりホルマリンで固定してパラフィン埋没、 ミクロトーム
で切片にし、
パラフィンを除いて、 ハイデンハインの鉄明礬ヘマトキシリン
(化学の先生が調整してくださった)で染色してみたら、とてもきれいにできたのだ。
これは写真が趣味だった物理の先生が、顕微鏡写真に撮ってくれたもの。
写真の劣化で見えなくなってしまったが、右側には 眼杯
と レンズ
があって、
脊索
もはっきり出た会心の作だった。
球形の受精卵は切片にしたとき、希望する断面が出るかどうかがわからないので、
高校生にとっては難しかったと思う。
当時の私は高校二年生。
授業の合間や放課後はもちろん、春休みから夏休みまですべてたった一人で、
受精卵の 永久プレパラート
作成作業に熱中してすごした。
一番苦しかったのは、ミクロトームの歯の切れ味が悪く、
きれいな切片ができなかったこと。
そんな時は校舎の屋上に出て、風に吹かれながらよく泣いた。
顧問の先生は私に指導なさることはなかったが、
そんな私を見ていてくださったのだと思う。
私の知らぬ間に、歯の研磨を業者に頼んでいてくださった。
しかも二度や三度ではない。
パラフィンの溶剤として、 プロパノール
や ブタノール
を湯水のように使ったが、
試薬類の使用はとても自由だった。
私はこのミッションスクールで、
自分の好きな活動を好きなように、自由にできただけでなく、
自分でやり始めた事への責任感、黙々と続ける忍耐力、
やり遂げた時の喜びを、同時に育み教わったと、
支えてくださった先生方への感謝とともに、しみじみ思い出す。
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