Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/03/22
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カテゴリ: 言葉
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 連休のお彼岸に、京都へ墓参りに行ってきた。僕の先祖のお墓は、京都市北区の来光寺という小さな寺の墓地にある。すぐ東隣に大徳寺という有名な寺( 写真上 大徳寺境内

 墓には、祖父母や18年前に亡くなった父らが眠っている。信心深くはない僕だが、来光寺の周辺は雰囲気がとてもいいので、墓参りに行くと結構すがすがしい気分になる(墓参の帰りに、京都で美味しいものを食べて帰るという楽しみもある)。

 京都市内(中京区)生まれの僕だが、幼稚園に入る前に大阪に転居したので、幼少時の記憶は(当たり前だが)ほとんどない。でも、祖父母が健在だった頃は、小学生の時など、夏休みや冬休みにしばしば壬生(みぶ)の近くにある、祖父母の家に長期滞在し、社寺仏閣や名所旧跡を一人で歩き回る、少し変な子どもだった。祇園祭

 だから京都には、生まれ故郷というのは別にしても、ことのほか愛着がある。千年の都だったせいか、「しきたり」が色々うるさくて、よそ者に排他的なところもある街だが、それでも旅の人間には温かい、情に厚い街だと僕は思う( 写真中 は、京都を代表するまつり「祇園祭」)。

 京都と言えば「京ことば」。その代表格は、「~どすえぇ」という言い回しだろう。もっとも、「~どすえぇ」は今の若い人はまず使わないが、街の場所を示す「上ル(北へ行く)」「下ル(南へ行く)」なんていう独特の言い方は、世代に関係なく、今でも普通によく使われる。

 散策がてらに街を歩き、ひやかしで覗いた老舗の店などで、「かましまへん(構いません)」「よろしゅうおす(よろしいです)」「食べていっておくない(食べていってください)」「ええべべ着てはるなぁ(いい服着てるねぇ)」なんて言葉を聞くと、「あぁ、京都やなぁ…」と嬉しくなる。金閣寺

 僕の祖母は、美しい京都弁を話す人だった。今でもよく記憶に残っているのは、帰り際に必ずかけてくれた「また、おいないなー(また、いらっしゃいね)」という言葉。とても優しい、素敵な京ことばだと僕は思う。

 「せぇだい、おきばりやすなー(精いっぱい、頑張ろうねー)」「おかいさん(お粥)、たいたん(炊いたもの)食べるかぁ?」なんて、言い方もよくしていたのが、とても懐かしい。

 京都弁は、男性より女性が使う方が、圧倒的に美しく、趣があると僕は思う。「うち、もう、かなん…(私、もう嫌だぁ…or たまらない、の意味)」「**さん、なんぼ待っても来(き)やらへんから…(いくら待っても来てくれない…)」という言い方なんて女性が話すと、とても艶っぽい( 写真下 =京の寺と言えば、やはり金閣寺。雪景色の季節はとりわけ美しい)。

 ただ、京都弁の未来を思うといささか不安にもなる。40歳以下の世代では標準語の影響が著しく、京都の生まれ育ちであっても、正しい京ことばを話せる人は少ない。舞妓さんも今や地方出身の子がほとんど。以前、会社の同期会を祇園のお茶屋さんで開いた際、舞妓さん2人と芸妓さん2人の計4人を座敷に呼んだけれど、全員が関西以外の出身だったのに愕(がく)然とした記憶がある。話す京都弁が妙だったことは言うまでもない。

 正しい京都弁を聞きたければ、祇園のお茶屋さんに舞妓さんを呼んで大金をはたいて遊ぶより、年配の女将さんがいる小さなおばんざい屋さん(小料理屋さん)に行く方が、よほどいい。美しい、素敵な「京ことば」は今や、客商売をしている(京育ちの)女将さんか、年配の京都人しか話せないのかもしれないと思うと、ちょっと悲しい。






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うらんかんろ

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Comments

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