Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/06/13
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 一昨日の11日(土)、約1年ぶりに東京への出張があった。そして仕事の後、夕刻から久しぶりのBAR巡りを楽しんできた(土曜に仕事というのも変わっているが、まぁそんなことも…)。

 今回は、東京在住のBAR好きの友人に加えて、ステラビアさんが同行してくれた。仕事の後、ステラビアさんと落ち合うまで少々時間があったので、友人と早めに待ち合わせ、赤坂で1軒、初めてのBAR「S」の扉を開けた。「S」は、オープン約3年という若い店。ある雑誌で、松山猛というエッセイスト(あの映画「パッチギ」の原作者)がオススメBARとして紹介していたのが、頭の片隅に残っていた。Back Bar of BarS
 このBARの特徴を一言で表現すれば、「アーティスティック」。バック・バーの壁には、動物たちがシェフに扮している不思議な絵( 写真左 )。作者は画家の金子國義さん(1936~)。

 金子國義と言えば、エロチックで、耽美的な画調で有名で、澁澤龍彦の本の装丁や、松山猛の親友でもある加藤和彦(あのパッチギで音楽を担当)のアルバムのジャケットのデザインでも知られる。動物の奇妙なオブジェもいっぱい飾られている異次元空間。おヒマがあったら一度どうぞ。Back Bar of BarD

 さて、ステラビアさんと待ち合わせしたのは、赤坂見附の駅から近いモルトBAR「D」(04年12月13日の日記参照)。以前にも書いたけれど、気さくな“モルト博士”のマスターは神戸出身、同じくカウンターに立つ素敵な奥様は西宮出身と、いずれも現在僕が住む兵庫県のご出身とあって、初めて訪れて以来、格別の親近感を持ってきた。

 500本以上のボトルがバック・バーの6段(!)もの棚に並ぶ姿は壮観( 写真右 )。涙が出るほど嬉しいのは、ほとんどすべてのモルトがハーフ・ショットから味わえること。僕のように、さほど酒に強くなくて、たくさんの種類を楽しみたい人間にとっては、これ以上の幸せはない。Okonomiyaki

写真左 )を注文する。これがまたピザのLサイズくらいでかいので、3人で食べてちょうどいいくらいの量。文句なしに美味しい!

 3人であれこれモルト・ウイスキーや、これまたD名物の「新潟の地ビール」を飲んだりしていると、話も弾んで、ちょっと予定時間をオーバー。ではそろそろ2軒目に、ということで、タクシーで渋谷へ。

 渋谷ではまず、前からお邪魔したいなぁと思っていたBAR「C」( 写真右下 )へ。ここのオーナー・バーテンダーのOさんは70代前半。東京の現役バーテンダーでも、今や最長老格の方かもしれない。僕は以前、同じ渋谷の別の場所でなさっていた頃の「C」を訪れた。関西から来た初めての人間に対しても、とても優しい接客をしてくれて、感激した記憶がある。移転の案内も頂きながら、なかなか行けずにずっと気にはなっていた。BarC

 新しい「C」は、前の店からは5分ほどの距離だが、店に入ると、土曜の夜の渋谷の喧噪が嘘のように落ち着いたBARだ。「以前の店の時に、一度お邪魔させていただきました」と僕が伝えると、飾らない人柄のOさんは、以前と変わらず温かく接してくれて、(たぶん、外交辞令だろうけれど)「覚えてますよー」と言ってくれた。嬉しいなー。

 店の雰囲気は以前と変わらず、Oさんも元気だったので、安心した。渋谷と言えば、今や完全に若者の街の様相。夜の通りには、言葉は悪いけれど10代の「ジャリたち」が溢れている。僕は「Oさんはなんで渋谷に「こだわるんだろうねぇ?」と友人に聞いたが、彼は「渋谷にもこんな落ち着いたBARがなくては、大人たちが困るじゃない」と言った。確かにそれもそうだ。BarI

 「C」を後にした僕らは、同じ渋谷で、「C」から歩いて7、8分のところにあるBAR「I」( 写真左 )へ。この店は、友人は何度か訪れているが、僕はまったく初めて。同じ渋谷でもオフィス街にあり、先ほどまでの喧噪からは無縁の、落ち着いたBARだ。

 ただ、残念ながらマスターのIさんは、NBA(日本バーテンダー協会)の全国コンクールが12日に博多であり、お手伝いのため前日から福岡へ向かったとのことで、不在だった(残念!)。Blueberry Cocktail

 「I」では、カウンターにフルーツ・カクテルのメニューの大きな「ポップ」が立ててあった。せっかくだからと3人ともフルーツ・カクテルを頼む。友人はスイカ、ステラビアさんはパッション・フルーツ、僕はブルーベリーのジャム(ジャムだって?!=「コンフィチュール」って書いてあった)を使ったもの( 写真左 )を注文した。

BarL

 「I」に別れを告げた後、ステラビアさんの帰路を考えて、新宿へ転戦する。新宿末広亭の近くにあるBAR「L」へ。このBARも僕は6年くらい前に一度お邪魔したが、その後、同じ新宿で移転された後は、まだ訪れていなかった。

 木をふんだんに使った重厚な内装( 写真右 )は、まるで老舗BARのような雰囲気。Bar「Radio」出身のオーナー・バーテンダーのHさんとも、6年ぶりくらいの再会。僕のことを覚えていてくれたのが、何よりも嬉しかった。

 ステラビアさんは、終電に間に合うようにと、残念ながらこの「L」でお別れ(長時間ほんとにご苦労さまー!)。時計はそろそろ、「日付変更線」を回りかける頃、「さて、どうしようか」と友人と相談したが、彼は「新宿で馴染みのBARはもうあまり…」と言うので、じゃぁ、銀座へ引き返そうかという話になった。で、ぎりぎり地下鉄が動いていたので、丸の内線で銀座へ。BarH

 もっとも銀座も土曜とあって、早めに閉めているBARが多い。彼が電話したBAR「H」は、まだ開いているというのでお邪魔する。女性バーテンダー・Kさんがやっている「H」は、カウンター9席の小さなBAR( 写真左

 長かった(?)夜も終わりに近づき、僕はここで友人ともお別れし、今夜の宿へ。計6軒という実に充実したBAR巡りを堪能し、心地よい眠りにつけました。ステラビアさんもほんとに遅くまで、お付き合いありがとー!

 翌12日の昼は、徳島時代の友人で、この4月から東京勤務しているSさんと丸の内でイタ飯ランチ。友人がお勧めの「アントニオ」という店でしっかり食べて、「今日は暑いからビールでも飲もうか」と、昼間からしっかりアルコールも摂って、あぁいい気分!Odaiba

 帰りの新幹線の発車時刻は3時すぎ。まだ少し時間があるなぁ…と、時間つぶしを兼ねて、ゆりかもめで「お台場」へ( 写真右 )。話題のスポット「お台場」を訪れるのは初めて。日曜で好天とあって、さすがに人出は多い。

 関西にはポートアイランド、六甲アイランド、舞洲など人工島が数多くあるので、「ゆりかもめ」(ポートライナーも無人運転だ)に乗っていると、若干の既視感も…。まぁ何となく、こんな雰囲気かとだいたい分かったところで、東京駅へ引き返し、帰路につく。

 東京のBAR巡りはいつ来ても刺激的で、面白い。次回は、いつ来られるかは分からないけれど、今度は(土日は閉まってる店も多いので)できれば平日に来たいなぁ、なんて勝手なこと言ってる僕でした。





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Last updated  2005/07/02 11:25:29 PM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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