Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/07/05
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カテゴリ: 言葉


1. 西中島南方  ( にしなかじまみなみかた=または、「みなみがた」とも)=淀川区。地下鉄御堂筋線・新大阪~梅田駅の間にある駅名です。駅をつくる際、付近にある「西中島」と「南方」という地名を合わせた安易なネーミング。「南方」の由来は「南の干潟」とか。十三トリス

2. 十三  ( じゅうそう )=淀川区。淀川の上流から数えて13番目の渡し場であったことが由来という説が有力。阪急電車の京都線、神戸線、宝塚線が交わる大乗り換え駅にして、駅前には庶民的な大歓楽街を抱える。僕の大好きな、あのBAR「十三トリス」もあります( 写真右 )。

3. 御幣島 ( みてじま )=西淀川区。大阪・住吉大社に、中国・朝鮮からの貢ぎ物を運ぶために寄進された「幣島浜」の名にちなむとか。JR東西線の駅名にもなっています。

4. 柴島 ( くにじま )=東淀川区。「柴」で「くに」なんて、まず読めません。平安時代には「国島」だったらしいが、いつのまにか…。大阪市民には市営最大の浄水場のある場所としても知られる。柴とは、薪材のこと。昔は薪材に「クヌギ」がよく使われていた。「クヌギ」が転じて「クニ」になったという説も。

5. 河堀口 ( こぼれぐち )=阿倍野区。788年(延暦7年)、和気清麻呂が開削した堀の名が由来。堀自体は現存していないが、近鉄南大阪線の駅名にその名を残すほか、天王寺区には「北(南)河堀町」という地名もあるので、これも河堀口の名残かな。

6. 茨田大宮 ( まったおおみや )=鶴見区。日本書紀にも登場する古い地名という。「茨田」は「茨」の田、すなわちかつては湿地だったことを意味する。「大宮」は文字通り神社のこと。現在も残る「大宮神社」にちなむらしい。ハナテン中古車センターCM

7. 放出 ( はなてん )=鶴見区。大阪の珍地名の代表格。知らなかったら、他県の人にはまず読めない。関西人には昔、深夜時間帯のテレビで放送していた「ハナテン中古車センター」のコマーシャルでお馴染み。「あなた、車売る? 私、高く買うわ」というセリフとともに意味もなく、半裸の美女が出てきたりして、もうB級CMの横綱!だったが、同社は2015年、BIGMOTORに買収されて完全子会社となり、あのCMももう見られなくなった( 写真右 =ハナテン中古車センターのHPから)。

8. 道修町 ( どしょうまち )=中央区。薬といえば道修町、道修町といえば薬屋という言うくらい、昔から薬関係の会社や薬の卸問屋さんが密集しています。この界隈に本社を置く国内大手メーカーも多かったが、最近の業界再編で、本社を次々と東京へ移すところが増えて、昔の活気はなくなりました。

9. 丼池 ( どぶいけ )=中央区。船場商人の集まる街・丼池。今も繊維関係の卸問屋さんが軒を連ねています。昔は「素人さんお断り」と表に書いた店がほとんどだったが、不景気もあって、今では「素人さん歓迎」という店も増えた( 写真右下 =船場商人の故郷、丼池商店街の風景)。

10. 靫本町 ( うつぼほんまち )=西区。靫公園という有名な公園も近くにあります。靫とは、あのどう猛な魚。江戸時代、この地に塩干魚の商人が数多く住んでいた名残でもあるという。丼池商店街

11. 立売堀 ( いたちぼり )=西区。大阪夏の陣の際、伊達氏の陣所となったことから「伊達堀」と言われるようになったという説と、川を利用して木材の立ち売りが行われるようになったことからという説などいろいろありますが…。

12. 四貫島 ( しかんじま )=此花区。昔は海であった埋め立て地。江戸時代、この地を開発した人が「四貫文」で買い受けたという説が一般的だが、定かではない。

13. 波除 ( なみよけ )=港区。阪神高速道路の「波除」ランプ(入り口)でお馴染み。貞亨元年(1684)、大阪湾の河口に造られた人工の山「波除山」がその名の由来とか。

14. 遠里小野 ( おりおの )=住吉区。万葉集にも詠み込まれている古い地名。瓜の名産地で、昔は「瓜生野」(うりうの)と言っていたのが、転じて現在の地名になったという説が一般的。

15. 粉浜 ( こはま )=住吉区。この辺りはかつては海岸だった。古くは「粉洲」とも言った。きっと、粉を蒔いたように美しい砂浜だったのだろう。瓜破天神社

16. 杭全 ( くまた )=東住吉区・平野区。中世には「杭全荘」と呼ばれていたという。「河川が杭状に分かれた地形から」とか「百済」がなまったとか、地名の由来には諸説ある。「杭全神社」というのが今もあります。

17. 喜連瓜破 ( きれうりわり )=平野区。「喜連」と「瓜破」という地名が一つになったもの。「喜連」は渡来人の「伎人(クーレン)」が住みついた、「伎人郷」がなまったものという説が一般的。「瓜破」は、当地の法師が瓜を割ってお供えしたことからとか、「瓜」の産地であったことからとか諸説あり( 写真右上 =「瓜破天神社」というのが今もあります)。

18. 野江内代 ( のえうちんだい )=都島区・城東区。地名ではなく、地下鉄谷町線の駅名。新駅の名を付ける際、付近の地名の「野江」するか「内代」にするかで地元で綱引きがあり、悩んだ市交通局は2つを単純にくっつけたのでした。

19. 蒲生 ( がもう )=城東区。ご想像の通り、古来この地が低湿地で、蒲穂の産地だったことが地名の由来という。ちなみに埼玉にも蒲生っていう地名がありますね。新鴫野橋

20. 鴫野 ( しぎの )=城東区。昔はこの辺りも干潟が多く、鴫(シギ)が舞い降りてきたのだろう。ちなみに、叶姉妹は、あんなにセレブぶってるけど、意外や意外、大阪市城東区鴫野の出身という話を上沼恵美子がある番組で暴露していました( 写真右 =かつては、大阪城の城内に位置していた「新鴫野橋」)。

21. 富田林 ( とんだばやし )=富田林市、22.枚方( ひらかた )=枚方市、23.交野( かたの )=交野市。いずれも市名です。地名の由来は省略します。富田林市はあの夏の「PL」の大花火で有名。枚方市は、同市出身でV6の岡田准一クンが「名誉園長」をつとめる「ひらかたパーク」で知られる。

24. 樟葉 ( くずは )=枚方市。古事記には「糞袴」(くそばかま)とある。これが「久須婆」→「楠葉」→「樟葉」となったという説が信じられているが、はたして?

25. 私市 ( きさいち )=交野市。交野には「私部」(きさべ)という珍しい地名もある。私部とは皇后のために仕事をしたり、世話をしたりする役所だったという。結構由緒ある地名らしい。布忍神社本殿

26. 水走 ( みずはい )=東大阪市。阪神高速の渋滞名所、「水走」出口で有名です。僕は大人になるまで、「みずばしり」だとばっかり思ってました。豪族「水走氏」が住んでいたことが地名の由来とか。ちなみに現在、地元に「水走」姓はなく、子孫は東京在住という。

27. 弥刀 ( みと )=東大阪市。弥刀は「水戸」「水門」から転化したもので、河口の意。地元には「弥刀神社」もあります。

28. 布忍 ( ぬのせ )=松原市。地名の由来には「白い布を敷いて神を迎えた」とか、「布忍」という豪族がいたとか、様々な言い伝えがあるが…( 写真右上 =地元にある「布忍神社」の本殿。朱塗りが鮮やかです)。

29. 七道 ( しちどう )=堺市。天平年間の740年頃創建の、地元の寺、浄得寺に七堂伽藍があったことが地名の由来とか。南海本線に「七道」駅があります。

30. 淡輪 ( たんのわ )=岬町。日本書紀にも「田身輪巴」と見えるというから、相当古い地名のようです。昔は海もきれいで、海水浴場として賑わいましたが…。

31. 深日 ( ふけ )=岬町。漁港として、そして、淡路島とを結ぶフェリーの発着港としても有名だったが、フェリーは経営難で現在廃止になったとか。万葉集にも「吹飯」(ふけい)として登場、「吹飯」が「深日」になったのは江戸時代という( 写真右下 =南海電車・深日変電所。明治44年に建てられた赤レンガが綺麗な建物です)。深日変電所

32. 箱作 ( はこつくり )=阪南市。古くから見える地名。かつて石棺をつくっていた職人がたくさん住んでいたことが由来という。

33. 堅下 ( かたしも )=柏原市。由来は定かでない。「続日本紀」にも「堅下郡」として登場するという。この辺りは、ブドウの産地として有名。

34. 売布 ( めふ )=兵庫県宝塚市。地元にある「売布神社」にちなむ地名。出雲風土記にも登場する「売布の社」が由来とか。阪急宝塚線には「売布神社」駅があります。

35. 清荒神 ( きよしこうじん )=同・宝塚市。これも阪急の駅名になってます。平安初めに開祖の地元のお寺「清荒神清澄寺」にちなむ。「火の神(台所の神)」として有名です。

36. 大物 ( だいもつ )=同・尼崎市。平安末期の古文書には「大物浜」として見える。地名の由来には定説はない。「大物主命」「大仏」「大きな材木」とかいろいろ。阪神電車に「大物」駅あり。

【追記】 この日記の執筆にあたっては、大阪難読地名がわかる本(創元社編集部編)ほか、多数の辞典、参考書、ホームページのお世話になりました。この場を借りて心から感謝いたします。





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Last updated  2022/03/13 05:18:33 PM
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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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