Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/10/07
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 伊太利亜往還記フィレンツェ、ローマ、アッシジ編、ご愛読有難うございました。最後に、3回の日記で紹介できなかったこと、旅の途中で感じたこと、気付いたこと等をもう少し書きつづってみたいと思います。

◆選べる機内の映画
 行きも帰りも、ジャンボ機内では座席ごとにテレビがあり、映画が12本上映されていて、好きなのを観ることができた。フィレンツェのユニフォーム売りゲームも確か10種類くらいあった。海外旅行に行くたびに驚くのは、長時間のフライト中、乗客をいかに退屈させないかの工夫がどんどん進化していくこと。

 それに比べ、エコノミークラスの座席の狭さは日航機だけでなく、外国のエアラインも30年前からあまり変わっていないような気がする。新幹線だって、この40年で座席間隔は随分広くなって快適になったというのに…( 写真左 =フィレンツェの広場で見た屋台のユニフォーム屋さん。なぜか「NAKATA」がまだ売られている)。

 日本人と比べ、体格の大きな外国人などはとても窮屈そうだし、日本人の体格も確実に大きくなっている。なぜだ…という感じ。次回はエコノミークラスもビジネス並みに広いというヴァージン・アトランティック航空にぜひ乗ってみたいと思う。

◆入り口が分かりにくい
 ウフィッツィ美術館もヴァチカン美術館も入り口はどこという表示が極めて少ない。朝イチで向かっても探すのに少々苦労した。まぁ僕より先に着いた人たちが並んでいるので、よく探せば分かるのだけれど…。ヴァチカン美術館前の行列

)。

 あわてて並び直したが、無駄な時間を使い、後から来た100人くらいに先を越されてしまった。皆さんもこれからヴァチカン美術館へ行くときは、通常の最寄り駅とされている「チプロ・ムゼイ」駅よりも、一つ手前の「オッタヴィアーノ」駅で降りる方が個人客の行列の後ろが近いので、覚えておいてください。

◆ローマの地下鉄はあまり快適ではない
 ローマには地下鉄が2路線(A線とB線)ある。僕らは今回、スペイン広場からヴァチカンへ行く際だけに利用したが、まず切符の自販機に1ユーロ硬貨を入れても入れても戻ってくる。自販機は1台しかなく、改札にはだれもいない。故障中とも書いてないので、とにかく何度も何度も挑戦して、ようやく8回目くらいでコインが通り、カードのような切符が出てきた。

 このカードに改札口の刻印機で刻印してゲートを押して入場するシステムだが、今度は刻印機のカード入り口にカードが入らない。その時、どこからか駅員が現れ、「こうやるんだ」とやってくれた。いい加減なこの国の国民性を表すような地下鉄。現在はC線を建設中だが、このC線も「本来の計画通りならもう出来ているのだが、工事の遅れであと5年もかかるらしい」とはガイドさんの話最後の審判 写真左 =感動的だった「最後の審判」。シスチナ礼拝堂内は撮影禁止だったので、この画像だけは借り物です)。

◆観光施設のトイレはどこも汚い
 観光施設のトイレはどこも汚いし、便座がなかったりするのは当たり前という感じ。フィレンツェの玄関口の空港のトイレも、3つあった便器の2つまでが便座がなかった。ペーパーも日本のようなソフトでやわらかいものではなく、硬いざらざらしたもの。

 男子トイレだけかと思ったら、女子トイレでも同じで、便座のない便器がよくあったという。男性ならなんとかなるとしても、女性は大変だろう。連れ合いは「腰痛になりそうな格好をさせられる」と憤慨していた。観光を重要な産業に位置付けているイタリア政府よ、何とかしろよと言いたい。

 旅行中、比較的きれいなトイレだったのはホテルの部屋と、サン・ピエトロ寺院のトイレくらい。観光施設のトイレの清潔さ、設備の良さでは、僕は日本に軍配を上げざるを得ない。

◆「スリに注意」と言われて
 「地下鉄の車内はスリが多い。とくに入り口近くは立たないで」とガイドさんに言われた。朝乗った際は通勤時間だったこともあって、ほぼ満員。後から乗った僕らは入り口付近に立つしかない。スリが多いなんて言われると、周りの乗客が皆スリに見えて、精神衛生上、非常によくない。

 駅のホームも暗くて、そうきれいではない。地上の出入り口も少なくて分かりにくい。はっきり言って地下鉄はロンドンやパリとは違って、そう快適ではない。連れ合いも「地下鉄は気持ち悪い」というので、結局この後は、市内の移動は徒歩かタクシーにした。ローマへ行ったら、話の種に一度は地下鉄に乗ってみるのもいいだろうが、あまり頻繁な利用はお勧めできない( 写真右 =市場のチーズ屋さん。たくさんあって選ぶのに迷いそう)。市場のチーズ屋さん

◆イタリア人も働くようになった?
 前回の日記で「スペイン広場周辺では日曜でも開けている店が多かったし、昼休みなしの店もあった」と記したが、それでも、「いい加減」「時間にルーズ」という言葉は、この国の国民のためにあるのかもしれない。列車が30分、1時間遅れるのは当たり前。始業時間もあまり守らない。



◆車は荒っぽい、信号を守らない◆
 タクシーに乗っても、バスに乗っても感じるのが、イタリア人の車の運転の凄さ。方向指示器を出さずに車線変更なんては当たり前。赤信号だって、車が来なければGO! 縦列駐車は、前と後ろに停まっている車にぶつけて、1台分のスペースをつくってしまう!!もう驚きの連続。彼らに言わせれば、「信号は道路の飾り、車線の白線は道路の模様」なんだって。

 ローマ在住の日本人によれば、世界で一番法律が多いのはイタリア。でも、一番その法律を守らないのもイタリア人とか。自動車学校に通った日本人の友人は、いきなりの路上教習で、赤信号で停まったら教官に怒られたという。「お前が停まったら、ローマじゅうの渋滞の原因になる!」と。いやはや。街のピッツェリアの店先

◆ピッツアはローマの方が…
 フィレンツェでもローマでもピッツアを食べたが、フィレンツェのピッツェリアはナポリ出身の人が多くて、生地が厚い。これに比べて、ローマのピッツアは生地が薄い。どちらが美味いかは好き嫌いだが、僕らが好きなのはローマのピッツア( 写真左 =ピッツェリアでは、小さいピースでいろんな種類が楽しめる)。

 ピッツェリアでは何種類ものピッツアが楽しめるが、普通のオステリアやトラットリアでは、1枚単位。でも頼めばきっと1枚の半分、半分を別の種類で焼いてくれますので、お試しあれ(僕らも、半分をマルゲリータ、半分をナポレターノで焼いてもらいました)。

◆ジェラートも旨いよ
 フィレンツェでもローマでもジェラート屋があちこちにあって、実に旨い。とくにローマは結構汗ばむいい天気だったので、僕らはよく食べながら歩いた。コーンに乗せるジェラートも沢山の種類から選べるので楽しい( 写真右 )。ただし、例えば「リモーネ(レモン風味)とティラミスの、2つください」と頼むと、僕らはリモーネのコーンとティラミスのコーンが別々に出てくると思っていたが、出てきたのは2つを積み重ねたコーンが1個。ジェラート屋さんの店頭

 店の従業員は1個をつくった後、連れ合いに「あんたは何?」と聞く。では、1個(コーン)に1種類のジェラートだけを乗せて欲しければ、どう頼んだらいいのか? 「solo、(ジェラートの種類)、per favore」でいい。簡単なのでぜひ、覚えて行ってください。

◆イタリア語の発音は日本人には易しい
 旅行中は買い物でも、リストランテでも、タクシーでも、もっぱらイタリア語(8割くらいは)で通した。出発3カ月前から、通勤の行き帰りなどには旅行会話のMDを聞いて、マイカーを1人で運転するときなどは音楽の代わりにイタリア語のMDを聞いて、復唱していろんな表現を覚えた。

 どの外国へ旅行しても、現地の言葉で喋って通じると実に楽しい。フランス語やドイツ語と違ってイタリア語のいいところは、発音がほぼローマ字読みでOKで、アクセントの位置やイントネーショーンさえ間違わなければ、まず日本人が喋っても確実に通じること。冠詞とか、動詞や形容詞の語尾変化などは、少々間違っても大丈夫。相手は必ず理解してくれる。

 リストランテを電話で予約するのはちょっと怖いという場合は、早めに直接店へ行って交渉すれば、イタリア語だって怖くない。基本的な言い回し(Vorrei prenotare un tavolo per due per stasera alle 時刻?=今晩X時に2人予約できますか?)さえ覚えれば、大丈夫だ(高級店でなくとも、人気のある店は予約した方が絶対にいい。今回の晩飯を食べた店では、2度ほど予約なしの人の行列を見た)。

 ブォンジョルノ(おはよう&こんにちは)とグラッチェ(ありがとう)とアリヴェデールチ(さようなら)、イル・コント、ペルファヴォーレ(お勘定をお願い)の4語だけでも、旅行はできる。でも、もし皆さんが近い将来、イタリアに行かれるのなら、もう少しいろいろ喋ってみてほしい。現地の人との距離はぐんと近づき、親しみも増し、サービスも違ってくること間違いなし。

◆ユーロはユーロ圏で使い切ろう
 ロンドン・ヒースロー空港での乗り継ぎ時間に買い物をしたと日記に書いたが、ユーロは、基本的にヒースローの免税店ではあまり歓迎されない。お札は一応OKだが、硬貨はダメ。1ユーロ、2ユーロの小銭をたくさん持っていた僕は、ヒースローで使い切ろうとしたアテが外れ、日本円のお札やカードで買い物をするハメになった。

 ただし、1万円札や千円札で払っても、日本円ではお釣りはくれない。英ポンドでくれる。最終的に僕のポケットには余ったユーロ硬貨とポンド紙幣&硬貨、それに日本円のお札が混在するおかしなことになった。ユーロはやはりユーロ圏で使い切ってしまうに限るかも。





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Last updated  2005/10/07 08:31:19 AM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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