Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/05/09
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 秋田の旅・最終日(秋田ネタで4回も引っ張ってすみません!)、5月3日(水)。天気は快晴。空気も澄み切って、田沢湖畔から対岸に望む山々は実に美しい(5月だというのに、山はまだ雪を戴いている= 写真左 田沢湖畔からの眺望

 田沢湖はご存じかもしれないが、日本で最も水深(423m)が深い湖。水の色は深いエメラルド色をしていて美しい。しかし、今年はなぜか雪解け水が少ないのか、水量が少ないという。

 昨夜泊まった「K心亭」の朝ご飯はさっさと済ませた僕らは、湖畔の道路脇をテクテクと歩いて約20分。「ハート・ハーブ」( 写真右下 )というハーブ・ガーデンに向かう。

 道中、すれ違う車やツーリングを楽しむバイクのナンバーを見ていると、青森、岩手、宮城、栃木、札幌…と、県外ナンバーが目立つ(およそ7~8割も!)。田沢湖周辺は、秋田県内よりも県外の人に人気の観光地のようだ。ハート・ハーブ

 「ハート・ハーブ」は、ハーブも含めた沢山の花の販売スペース、見て楽しめるハーブ・ガーデン、地元の土産物ショップのほか、カフェ&レストランもある。昼ご飯にまではまだ時間があったので、僕らはカフェでこの「ハート・ハーブ」自家製のハーブ・ティーを頂く。

 ここでは約16種類のハーブ・ティーを自分でブレンドできて、しかも飲み放題というメニュー(ハーブティー・バー)がある( 写真左 )。もちろん、僕らはそれを頼んだ。ハーブ・ティー飲み放題



 僕が最初に選んだのは、この店の人気No1という「ローズ・ブレンド」( 写真右 )。ローズ、ローズヒップ、ハイビスカスが3分の1ずつの割合。他の組み合わせのブレンドもいろいろ飲んだけれど、上品でほのかな甘さのこのブレンドが一番僕の味覚に合った。ローズ・ブレンド・ティー

 「ハート・ハーブ」でリラックスした時間を過ごした僕らは、昼ご飯に予定している「湖畔の杜レストラン・ORAE」へ向かう。歩いて10分ほどの距離。人気レストランなので心配したけれど、幸い時間が早かったので窓側の田沢湖の景色を望めるテーブルに案内された。

 で、このレストランで僕らが頼んだのは、名物の「行者ニンニク入り手作りソーセージ」( 写真左 )と「お豆100%コロッケ」( 写真右下 )、そしてこの日のおすすめメニューだった「こごみ(山菜)の酢の物」。行者にんにく入りソーセージこれがまた歯ごたえがシャキシャキして旨い!飲み物はもちろん、このレストラン自家製の地ビール「こまちラガー」や「味わいデュンケル」( 写真左下 )。

 最近は、日本全国どの地方へ旅行しても、さまざまな地ビールが味わえるのが嬉しい。規制緩和政策の中で僕が一番国民のためになっているのは、このビール製造の規制緩和だと思っているが、それは単に僕が酒好きだからかなぁ。豆100%コロッケ

 さて、お昼ご飯も腹一杯頂いた後は、バスで田沢湖駅へ向かい、帰途につくため新幹線で秋田へ。「立ち席特急券」なるものを買って乗り込んだが、車内は東京方面からの観光客で満席。しかし10数分後、角館駅で半数近くの客が降りて、僕らは幸い、残りの45分ほどは座ることができた。

 余裕を持って田沢湖駅を発ったので、秋田には午後2時に着いた。秋田空港発の飛行機は6時15分発。まだ時間に余裕があるということで、1日目に定休日で見られなかった 「平野政吉美術館」 味わいデュンケル

 訪れたこの日は藤田のコレクションの何点かは、全国巡回展のため貸し出し中だったが、その見返りに展示中だった佐伯祐三の油絵( 写真右下 )は、言葉にできないほど素晴らしかった。夭折した佐伯の天才ぶりを改めて確認できたことは貴重な体験だった。

 美術館でつかの間の時間を過ごした僕らは、いよいよ秋田とお別れするために空港へ。そして、ほぼ定刻通り飛び立ったJAL便で無事帰宅いたしました。で、ここで日記を終わっては面白くないので少々、蛇足を。佐伯祐三

 僕らを心地よくもてなしてくれた秋田県のために、どうしても書いておきたいこと。それは、いかに秋田へもっと人を呼び寄せるか…。黄金週間の角館は大賑わいだったが、秋田市内は閑散としていた。角館だって桜の季節以外は、ここまでの人出はないだろう。今回の旅では、集客の工夫がまだまだ足りないと僕は感じた。

 秋田県には素晴らしい自然もあり、美味しい海・山の幸もある。そして、米どころ、酒どころである。有数の漬け物文化があり、温泉もたくさんある。これらのメリットを、もっと観光に生かさぬ手はないではないか。

納豆屋・福治郎の納豆漬け物博物館なんて作れば面白い。酒蔵ツアーの定期バスなんかができれば嬉しい( 写真左 =納豆は茨城が有名だが、秋田の納豆も侮るなかれ、旨いんです)。

 長年続く人口減少に歯止めをかける策も必要だろう。「持ち家&一戸建て比率が全国都道府県で2位」(総務庁統計局調べ)というデータは、暮らしやすさを示すもの。加えて県内就業者比率は全国5位と上位なのに、出生率はなぜか全国最下位の47位。

 県外に出てしまう地元出身者が意外と少ないのに人口が増えないのは、子どもを生み育てる環境・条件に何か問題があるのだろう。出産、育児・保育、教育などで自治体がもっと手厚い支援策を打ち出せば、きっと秋田の活性化につながると信じるのだが…。お土産に買った秋田の銘酒

 最後に、僕の好きな方言の話題を少し。秋田弁と言えば、か行・さ行・た行がしばしば、が行・ざ行・だ行に転化するのが一番の特徴(東北弁一般に共通する特徴かもしれないが…)。若い人でも、平気で「わがんねぇ」って言ってるのをあちこちで聞いた。

 「い」と「え」の音の区別も曖昧で、鼻にかかったような音も特徴だ(聞きようではフランス語にも、ハングルにも聞こえる)。そして、一つの単語が短いのも多い。「け!」(食え)、「く」(食べる)なんて、その代表的なもの( 写真右 =酒どころの噂は本当だった。秋田は辛口の旨い酒が溢れていた)。

 Bar「Lady」のマスターほか優しい秋田県人の皆さんから教わった秋田弁を少し。「めがったー!」(美味しかった!)、「がっこけー」(漬け物食べてみなさい)、「きょうは、ぬぎがった」(きょうは暑かった)、「なしたなや?」(どうしたの?)、「んだんだ」(そうだそうだ)…等々。秋田名物・いぶりがっこ

 もっとも秋田でも10~30代前半くらいの若い世代は普段、友達同士と喋る時でもあまり方言が出ない、というかほとんど標準語に近い(NHKの力おそるべしである)。この世代が大人になった頃には、秋田弁はどうなってしまうのか心配でならない。方言は歴史と伝統が培った一つの文化である。標準語で統一されてしまった日本なんて、見たくもない。

 今回は準備不足のため、僕はほとんど秋田弁を披露できなかった(もっとも他の地域の東北弁との区別も付かない)が、次回訪れる際は、少しは秋田弁で地元の人たちとコミュニケーションをとってみたい。ところ変われば、味も言葉も変わる。日本ってほんとに面白い( 写真左 =秋田土産で僕が一番好きなのは、やはり「いぶりがっこ」)。

 3日間、僕らを温かくもてなしてくれた秋田県の皆さん、ほんとに有難う。東北はもっと遠いところというイメージがずっとあったのだけれど、今回の旅でそんな印象はすっかりなくなった。近い将来、また訪れる機会を今は心から願っている。

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Last updated  2006/05/10 05:59:59 PM
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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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