Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/06/29
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カテゴリ: BAR
 初めてお邪魔したのは、20年ほど前だったろうか…。一見すると、これと言って、店のウリや特徴があるような、ないような店だった。いわゆる普通のオーセンティック・バー。その店の名前は「蘭」と言った。Bar蘭

 1958年オープンの老舗。そして銀座のど真ん中にあるのに、銀座のバーにありがちな気取ったところを、微塵も感じさせない店だった。それはおそらくは、マスター・田中達也さんのキャラクターに負うところが大きかった。

 優しく、親しみやすく、気さくなマスターは、まだ銀座の敷居が少々高かった僕の緊張を、そのソフトで温かい接客で解きほぐしてくれた。以来、上京する機会があるたびに、時々お邪魔してきた( 写真左 =「蘭」のドアとサイン。昔と変わらないままだ)。

 お値段も良心的で、僕にとっては銀座で安心して飲めるBARの1軒だった。10人も入ればいっぱいになるこじんまりした店。だが、居心地の良さは銀座でも群を抜いていた。

 その田中さんが亡くなったというニュースを聞いたのは、6年前だったろうか。闘病生活を送りながらも、最後までカウンターに立ち続けたという。僕は、あのカウンターの中でよく客と一緒にグラスを傾けた田中さんの笑顔を思い浮かべた。

 田中さんが亡くなってからしばらく、「蘭」からは足が遠のいた。マスターのいなくなった老舗バーは、Bar蘭いずれ消えゆく運命になるのでは…という先入観もあった( 写真右 =Bar「蘭」の店内。先日お邪魔した時は、奥さんのほか若いバーテンダーさんもいらした)。



 そして、久しぶりに訪れた「蘭」。奥さんはもちろん僕の顔を覚えてはいなかったが、亡きご主人との話をすると、嬉しそうに顔を見せ、歓待してくれた。温かい家庭の応接間にいるような雰囲気は、変わっていなかった。

 帰り際、奥さんは「08年にはお店の50周年ですから、必ず来てくださいね」と話した。「はい、必ず! でも、それまで待たなくてもまた来ますよ」と僕は応じた。愛されるBARには理由がある。「蘭」がある限り、僕はこれからも時々、この温かい空間に浸りたい。

【Bar蘭】 中央区銀座6丁目3-6 栄ビル2F  電話03-3571-3415 午後6時~11時 土日祝休  ノー・チャージが嬉しい!

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Last updated  2006/06/30 12:14:55 AM
コメント(8) | コメントを書く


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良い雰囲気ですね  
汪(ワン)  さん
こういうイイ感じの、家庭的なバーが銀座にあったとは、まだまだ、修行が足りません。

一度、行ってみたいナァ。
(2006/06/30 02:43:11 AM)

Re:「蘭」:母娘が守る老舗の空間/6月29日(木)(06/29)  
ステラビア  さん
心にしみるお話です。亡くなられてからも奥様と娘さんが守られているのであれば、マスターも安心してお休みになれますね。

家族っていいなぁ。 (2006/06/30 11:42:00 AM)

汪さんへ  
 汪(ワン)さん、こんにちはー。

>こういうイイ感じの、家庭的なバーが銀座にあったとは、まだまだ、修行が足りません。一度、行ってみたいナァ。

 「蘭」は、Bar保志からも歩いて近いですよ。
どこがどうってことない、普通のオーセンティックBARですが、
何とも言えない、ほんわかした雰囲気が漂っています。
お時間があれば、帰京の際にでも一度訪れてみてください。 (2006/06/30 01:59:17 PM)

ステラビアさんへ  
 ステラビアさん、こんにちはー。

>心にしみるお話です。亡くなられてからも奥様と娘さんが守られているのであれば、マスターも安心してお休みになれますね。家族っていいなぁ。

 気さくで優しい奥さんの人柄が素晴らしいんです。再出発した「蘭」には、
マスターが健在だった頃とはまた違った、素敵なBARになっていると思います。
マスターも今頃は、天国で安心して美味しいお酒を楽しんでいるでしょう。
(2006/06/30 02:06:57 PM)

Re:「蘭」:母娘が守る老舗の空間/6月29日(木)(06/29)  
hiko1963  さん
「愛されるBARには理由がある」

名文句!!
もし料飲業界でCMがあるとしたら、間違いなく採用ですね!!
(2006/07/01 12:16:36 AM)

hiko1963さんへ  
 hiko1963さん、こんばんはー。

>「愛されるBARには理由がある」 名文句!! もし料飲業界でCMがあるとしたら、間違いなく採用ですね!!

 お誉めの言葉、有難うございまーす。自分でも書いた後、実は、
「なかなかいい表現だなぁ」と思っていたところです。
客に愛される、すなわち通い続けるBARには、絶対に何らかの理由があるはずです。
マスターの人柄、接客、サービス、品揃え、雰囲気、お値段、ロケーション…等々。
どれも大切な要素ですが、僕は、まず人柄重視かなぁ…、そして接客も大切ですね。
(2006/07/01 01:08:16 AM)

Re:「蘭」:母娘が守る老舗の空間/6月29日(木)(06/29)  
カピタン さん
温かい家庭の応接間にいるようなバーっていいですね。しかもそれが銀座に有るとは!

行ってみたいし、また今度お店をする機会が有ればそんな寛げるお店にしてみたいですね。 (2006/07/01 02:16:34 AM)

カピタンさんへ  
 カピタンさん、こんにちはー。

>温かい家庭の応接間にいるようなバーっていいですね。しかもそれが銀座に有るとは! 行ってみたいし、また今度お店をする機会が有ればそんな寛げるお店にしてみたいですね。

 「フルハウス」も、今振り返れば、結構家庭的な店だったんじゃないでしょうか。
Bar「カピタン」実現のあかつきには、ぜひぜひ、家庭的な、くつろげる店にしてくださいねー。
(2006/07/01 08:03:55 PM)

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