Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2007/10/19
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 アイラ島滞在2日目の25日(火)。天気はほぼ快晴。空気も清々しいので、いつもより早く目覚める。きょうはボウモアと並ぶアイラ・モルトの雄で、島の南部にあるラフロイグ蒸留所を訪れるのがメインテーマ。アザミの花

 さらに、ラフロイグから比較的近くにある、アードベグ、ラガヴーリンという有名どころの蒸留所にも少しお邪魔するつもりだ(アードベグでは、蒸留所内のレストランで昼食をとる予定)。

 さて、出発前にまずハーバー・インで朝食。朝7時半、1階のレストランに向かう。すると、従業員は「朝食は8時からだ」という。島の一流ホテルにしては、遅いスタート。いや、「ここ(アイラ)まで来たら、そんなにあわてずのんびり朝食をとりなさいよ」ということなのか。

 レストラン隣の海を望むティー・ラウンジで、置いてあった本や写真集などを見ながら少し時間をつぶす。すると予定より早く、10分前(7時50分)に「もうOKだよ」と席まで案内してくれた( 写真左 =レストランの窓辺には、スコットランドの国花「アザミ」の花が)。ブラック・プディング

 朝食はメインの料理とサイドオーダー、それにパン。コーヒーや紅茶、ジュースなど飲み物はセルフで好きなだけ飲める。

 僕らはスモーク・サーモンと卵(スクランブルエッグ)の料理、タラのスモークと卵(同)の料理、それにブラック・プディング(豚ミンチを豚の血で固めてハンバーグ状にしたスコットランドの伝統料理)= 写真右 =を頼む。

 昨夜のディナーも美味しかったが、ハーバー・インの料理はさすがという高いレベル。上品かつ繊細な味わいで、実に美味しい。パンにも手抜きはなく、温かい状態で出してくれるのが嬉しい。ここを宿にして、つくづく良かったと思う。ラフロイグ



 だが、部屋もわりと広くて綺麗で、辺境の島のホテルとしては設備も申し分ない。従業員の応対も親切で、料理のレベルも考えたら、決して高いお値段ではないと僕は思う。

 アイラ・モルト充実のパブが有名なロッホサイド・ホテルも決して遜色ないが、1泊だけなら、僕はハーバー・インをおすすめする(家庭的な「B&B」に泊まりたいのなら、ロッホサイド・ホテル近くの「ランベス・ゲスト・ハウス(Lambeth Geust House)」が人気とか)。ポート・エレン

 さて朝食を済ませて、僕らは再びレンタカーに乗り込み、一路、島南部の中心都市(と言っても町だが)・ポート・エレン方面へ。ラフロイグ蒸留所( 写真左上 )はポート・エレンからさらに東へ車で10分ほどのところ。

 見学ツアーは午前10時15分に予約している。初めて走る道だが、とんかく行き先表示通りに走れば、迷うことはまずないのがアイラの道だ。

 余談だが、アイラではすれ違う車のほとんどすべてが軽く手を挙げて挨拶してくれる。みんなとてもフレンドリーだ。僕もつられて挨拶を返す。これがやってるうちに楽しくて、自然とできるようになる。ラフロイグ・海辺

 僕らは遠くからやってきた旅人じゃなくて、もうすっかり住人のような気分。ポート・エレンの町には、ボウモアから約30分弱で着く。

 旧ポート・エレン蒸留所( 写真右上 )を利用した製麦工場の横を抜けて、さらに走ると写真などで見慣れたあの緑のサイン、ラフロイグのマークが道路脇に見えてきた。)。

 ここが、あのラフロイグ蒸留所への入り口。「サインは見つけにくいので気を付けて」と言われていたが、そうでもなかった。右に折れて、私道を100mほど行くと蒸留所の正面に出る( 写真左 =ボウモア同様、ラフロイグも海のそばに建つ)。

ラフロイグのショップ

 見学予約者に日本人の名前が入っていて、それが僕らだと思ったのだろうが、声をかけて迎えられて実に嬉しい(日本から予約しておいた甲斐があった)。

 ジャックはこの日の見学ツアーの案内役もした。ツアー参加の総人数は11人。英国内だけでなくカナダ、オースラリア、ドイツなどさまざまな国からやってきた「ラフロイグ・フリーク」が、ツアーのスタート場所であるショップ( 写真右 )に集っている。ラフロイグ・ポットスチル

 そういう僕も「ラフロイグ・フリーク」の1人。実は、ラフロイグの公式HPからリンクできる「ラフロイグ友の会(フレンズ・オブ・ラフロイグ)」の会員になっている。

 この日のツアー客にも、僕以外に3人の会員がいた( 写真左

 この「友の会」に登録すると、ラフロイグ蒸留所内の「30cm四方の土地のオーナー」に認定してくれて、一代限りの「土地の権利証」をくれる。

 そして、その「権利証」には、「あなたがラフロイグ蒸留所を訪れた際には、1杯のラフロイグを差し上げ、その土地にご案内します。よければ野鳥よけの防具(衣服)もお貸しします」とある。ラフロイグのピート

 念願叶ってラフロイグにやってきた僕は早速、ジャックに「実は僕はフレンズ・オブ・ラフロイグの会員なんだ」と日本から持参した証明書を誇らしげに見せる。今回のラフロイグ訪問では、「自分の土地」に立って、そこで1杯のラフロイグを飲むのが何よりも夢だった。

 ジャックは「後で、(ここへやってきた)証明書を発行しよう。君の土地の場所も教えるよ。記念に国旗を立てるがいい」と嬉しそうに言い、各国国旗の小旗が準備してある物置のような場所に案内した( 写真右 =ラフロイグのピート。そばにいるのがジャック)。

 見たところ、約30カ国くらいしかなかったが、幸い日本の国旗はあった。僕はツアーの後、国旗を立てることにして、とりあえずみんながいるショップに戻る。ラフロイグ友の会・証明証

 見学ツアーは格段変わった内容のものではなかった。約2時間ほどで終了した。ボウモアの時とは違って一般客と一緒のツアーだったので、特別な場所を見せてもらえるということもなかった。

 最後に、ビジター・センターのショップに戻った僕たち見学者に、ジャックはラフロイグのクォーター・カスクを振る舞った。

 レンタカーで来た僕は当然飲めないので、連れ合いが飲む1杯を少し舐めるだけにとどめた。ジャックは車で来ている運転手(僕も含めて)には、代わりにミニチュア・ボトルをくれた。ラフロイグの「土地」で

 「友の会」の会員には「訪問証明書」( 写真左上 )と、ミニチュアボトルをもう1本をくれた。さらに嬉しいことに、後でホテルに帰ってプレゼントの袋の中を見たら、僕らの袋にはショットグラスが2個、別に入っていた。

 日本からはるばる来た僕ら2人への、ジャックからの心からの「歓待の証(あかし)」と思うと、とても嬉しかった。

 帰り際、僕は事務所で教えられた「僕の土地」のある場所へ向かった。現場は、見た目は草原のようだが、歩くと想像以上にぬかるんでいる。

 「僕の土地」と言っても、境界線が引いているわけでもなく、僕は「だいたいこの辺かな」という場所に日の丸の小旗を立てて、連れ合いに写真を撮ってもらった( 写真右 )。

 さて、ラフロイグ蒸留所見学を終えた僕らは、「アイラ2日目の昼ご飯はここで」と事前に決めていたアードベグ蒸留所へ向かう。

 ◆英国への旅:アイラ島編(4)へ続く。





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Last updated  2007/10/19 08:46:50 PM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

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