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2007/10/28
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 9月26日(水)。スコットランド滞在5日目。いよいよ、エジンバラ観光の華、「世界遺産」のエジンバラ城見学に向かう。エジンバラ城・正面

 エジンバラ城( 写真左 =城の正面です)は、エジンバラ市内のどこからも見える岩山を利用した要塞である。

 7世紀の初め頃から築かれ始め、その後、ここを居城とした王たちによって、たびたび改築・増築が繰り返されてきた。

 歴代の王のなかには、あのシェイクスピアの有名な戯曲「マクベス」にも登場するマルカム3世もいる。

 またスキャンダラスな生涯を送った悲劇のスコットランド女王メアリーが、息子(後のイングランド国王ジェームズ6世)を生んだのもこのエジンバラ城である。

 メアリーは後年、女王エリザベス1世に謀反の疑いをかけられ、処刑されてしまうが、ここエジンバラ城でも謀略や暗殺という暗い歴史が砲台数多く伝えられている。城内には、そんな反逆者と見なされた人たちが囚われた牢屋も残っている。

 エジンバラ城は何世紀にもわたって増改築が繰り返されてきたため、実に複雑な構造になっている( 写真右

 あちこちに時代背景の違う宮殿などの建物や門や砲台などが点在。建築様式を見ているだけでも興味深い。城内風景

 城内の宮殿内には、清教徒革命時にオリバークロムウェル軍に奪われそうになったスコットランド王家の「三種の宝器」(黄金の宝冠、御剣、水晶入りの御笏)が保管され、公開されている。

 余談だが、城内の建物のなかには、近現代の英国の戦争の歴史を記した国立記念館もある。管内には当時の軍服や武器が数多く展示されている( 写真左 =城内は複雑な構造です)。

 時間があったので少し覗いたが、かつて大英帝国が世界中に繰り広げた戦争、そして各地の植民地政策を肯定的に紹介した展示のオンパレード。エジンバラ城から見た市内の眺め

 帝国主義、植民地主義などの英国の「過去」は、決してほめられない「影」の部分。それへの反省が見られないような展示というのはいかがなものか。

 いまだ「大英帝国意識」が抜けきれない国民性には少々がっかりする(過去への反省という点では日本も、「他山の石」として自戒しなければならない)( 写真右 =城から見たエジンバラ市街)。

 さて、エジンバラ城観光を終えて、そろそろ昼飯タイム。城正面の門から歩いてすぐのところにある「ウイッチャリー」( 写真左下 )というスコットランド料理のレストランへ。ウィッチャリー

 夜は高級らしいが、昼にはお手軽なランチがあるという話を聞いて、ここに決めた。僕はラムと豆のソテー。連れ合いは鶏料理。上品な味付けで満足。パブ料理とは少し趣が変わって面白い。

写真右下 =見学受け付けロビーです)にお邪魔する。連れ合いはここでちょっと別行動して、買い物へ。

 同センターでは、スコットランドのウイスキーのすべてがわかる見学ツアーがあるというので参加することに。ツアーの同行者は10人ほど。ここにもドイツやカナダ、豪など英国外からの参加者が目立つ。スコッチウイスキー・ヘリテージ・センター

 僕らはまず短い映画やスライドを見せられた後、案内ガイドによるお話(ウイスキーができるまで)、そして、ニューポットやシングルモルト数種を試飲した。

 最後に2人乗りの電動カートに乗せられ、ウイスキーづくりの歴史を蝋人形を使って紹介する暗い展示室を回る。まぁ、ディズニー・ランドのカリブの海賊のアトラクションのようなもの。

 若干子供だまし気味の展示。スコッチ・ウイスキーの入門者者には楽しいかもしれないが、僕には「一度見たら、もう二度目はもういいな」という内容。ヘリテージ・センターのショップ

写真左 )はとても充実している。スコットランドのウイスキー(モルト&ブレンディド)のほぼ全銘柄がここでは買える。

 お酒以外のお土産グッズも多彩だ。ただ肝心のスコッチウイスキーはと言えば、残念ながら、ここでしか買えないような珍しい品はほとんどなかった。僕はTシャツや絵葉書、ピンバッジなどを買い込む。

 ヘリテージ・センターの見学を終えた後、再び連れ合いと合流。10分弱ほど歩いて、ウェーバリー駅そばにある「国立スコットランド美術館」( 写真右 )に立ち寄る。国立スコットランド美術館

 美術館は石造りの立派な建物だが、展示品の方は「どうせ英国の地方都市だし、たいしたコレクションはないんだろうなぁ」と予想していたら、入ってびっくり。良い方に裏切られた。

 ラファエロ、レンブラント、ベラスケス、ゴヤ、エル・グレコ、モネ、セザンヌ、ゴッホ…と教科書に載ってそうな有名どころの絵がこれでもかと展示されている(入場はなんと無料!=好きな金額を募金箱に入れるシステム=さすが太っ腹の英国)。

 美術館でちょっぴり教養を深めた僕らは、夕方までは新市街のデパートなどを覗いたり、あちこちでお土産物などを探して過ごす。ラ・ランテルナただし、エジンバラのデパートの品揃えはいまいち。ロンドンへ行ってから、ハロッズなどの老舗デパートに期待することにする。

 さて、エジンバラ最後の夜の晩ご飯は、麺(パスタ)が恋しくなってイタリアンに決める。新市街にトラットリア(またはリストランテ)が集まる「ハノーバー・ストリート」という通りがある。

 当初考えていたお店の場所にあるは、なぜかスコットランド料理の店に代わっていた。仕方なく5、6軒あるトラットリア(同)の中から、表通りから見て一番はやっている店を選ぶ。

 旅先で目的のジャンルの店を選ぶ際、地元の人(=すべてが地元の人とは限らないが)で一番にぎわっている店を選ぶというやり方は、店選び成功の秘訣の一つだと思っている。実際、今回の旅でも、事前予約をしない場合はこの方法でうまくいった。ランテルナのパスタ

 で、選んだのは「ラ・ランテルナ」( 写真左上 )。今夜は何と言ってもパスタ( 写真右 )。久しぶりの麺類が旨い! もう1品とったけれど、それが何だったか忘れるくらいパスタが旨かった。ワインは気分を変えて赤にする。

 テリー・サバラス似のマスターはイタリア系の方。客とイタリア語で話していたので、僕も「モルト ブオーノ(とっても美味しいよ)」とマスターに賛辞を伝える。マスターも「グラッチェ(ありがとう)」と応じる。こうした一期一会のふれ合いも旅の醍醐味だ。

 そんなこんなで、楽しかったエジンバラ滞在も今夜でおしまい。明日はいよいよロンドン。約10年ぶりのロンドンはどう変わっているのか、あるいは変わっていないのか、いろいろと楽しみだ。

 ◆英国への旅:ロンドン編(1)に続く

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Last updated  2007/10/30 12:42:07 PM
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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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