Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2008/09/07
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カテゴリ: グルメ
 前回の日記(奈良日帰りの旅)の最後にちらっと記した焼き肉屋さんの話です。大阪の鶴橋と言えば、JR環状線、近鉄奈良線、地下鉄千日前線の3本が集まるターミナルで、飲食店などの集まる、とても庶民的な街です。

 JRや近鉄の鶴橋駅に立ち寄ったことのある方ならよくお分かりでしょうが、ホームに立った瞬間、独特の匂いが漂ってきます。そうです。ここは大阪最大の焼き肉屋さん密集地帯です。駅周辺の商店街には、韓国・朝鮮系の食材屋さん、衣料品店なども数多く集まっており、「コリアンタウン」とも呼ばれる御幸通商店街も徒歩圏内で、今では観光名所にもなっています。

 鶴橋エリアがある大阪市の生野区(鶴橋駅の周辺には天王寺区のエリアもありますが…)は、朝鮮半島からの移住者とその子孫の方々の割合が日本で最も多い地域として知られています(生野区の人口約15万人のうち、約4分の1が朝鮮半島出身者とその子孫の方々と言われています)。鶴橋・焼き肉「空」

 なぜ、鶴橋界隈に朝鮮半島出身の方々が多いのか。なぜ「コリアンタウン」なのか。関西以外のブログ読者の方のために、簡単に、僕の分かる範囲で説明しておきますと(間違いがあればご指摘ください)、昭和30年以前の日本の歴史と深い関係があります。

 戦前、日本支配下の朝鮮半島では農地を奪われたりして生活に困窮し、数多くの人々が日本に仕事(働きの場)を求めてやってきました(そのなかには、半ば強制的に日本へ連れて来られた人たちもいました)。また、戦後の韓国内の政治的迫害や、朝鮮戦争(1950~1953年)の動乱から逃れてきた人たちも数多く大阪へやって来たのです。

 大阪市内(とくに生野区周辺)に数多く住むようになった理由は、残念ながら僕は詳しくありません。(1)当時の大阪は、繊維や鉄鋼、木材などの工場が数多くあって「東洋のマンチェスター」と呼ばれるほど発展し、仕事を見つけやすかった(2)大阪と定期航路があったこと(3)大阪に韓国系のキリスト教会があったことが信者(日本人に比べてとても多い)に都合よかった--などが背景にあるとも言われていますが、僕は加えて、大阪の気質・風土が住みやすかったのではないかと想像しています。

 それはともかく、朝鮮半島からやって来た人たちの労苦のおかげで、僕らは今、焼き肉も含めて美味しい韓国・朝鮮の料理だけでなく、彼らの文化にも手軽に触れることができます。大阪には、ほかにも中国系華僑の子孫も数多く暮らしており、「多民族共生のモデル都市」と言ってもいいくらいです。

 さて、肝心の話です。僕らが数多い焼き肉屋さんの中から選んだのは「空」(そら)という変わった名前の店です。「空」の魅力は、味も旨いのはもちろんですが、一皿の量が普通の店の半分くらいで、その分値段も350円~500円とお安く設定(400円が一番多い)していることです。

 メニューの種類が多いのも嬉しいです。カルビやタン、ハラミ、ハツ、レバー、ミノという一般的なものはもちろんありますが、カルビスジ、ハラミスジ、ウルテ、ハチノス、ネック、ホソ、ウチワ、プップギ、ヨントン、グレス、ハキジ等々(まだあるけど書き切れません!)、普通の焼き肉屋さんではまず味わえないレアなネタや、聞いたこともないネタがいっぱいあります。



 鶴橋には、「鶴一」や「吉田」、「新楽井(あらい)」とかいう有名焼き肉店もありますが、この「空」もいいですよ。難点は、「旨い・安い・種類が楽しめる」とあって、いつも行列ができているということです。僕らは開店(午後5時)とほぼ同時に入ったのでOKでしたが、6時前にはもう行列ができていました。

 でも、「空」は並んで食べるだけの値打ちのある店です。鶴橋にお出かけの際は、ぜひ一度並ぶのを覚悟でお越し下さい(向かい合わせに3店舗=これがすべて鶴橋本店=あるので、待っても案外回転が早いです)。

【焼き肉「空」】 大阪市天王寺区下味原町2-14 電話06-6773-1300 午後5時~午前1時 年中無休(ただしお盆と年末年始に休みあり)/大阪市内には、道頓堀にも支店(6213-9929)がありますが、雰囲気も味わいたければやはり鶴橋の本店が一番。

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Last updated  2008/09/22 12:22:49 AM
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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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