Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/02/01
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
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その12:会計について

◆座っている席で支払う場合が多い
 日本国内のオーセンティックBARでは、カウンターやテーブルなど貴方が座っている席でチェック(=会計)をして支払い、席を立つという店が最近は多数派になってきた。だが一方、現在でも、カジュアルなBARなどを中心に、レジで支払うというスタイルの店もなお少なからず存在する。席で支払うか、レジで支払うかの比率は、7:3か、8:2くらいだろうか…。

 欧米では、オーセンティックBARが街場にほとんどなく(大衆的なパブは多いが)、BARはホテルに併設されていることが多い。会計スタイルは、BARでもパブでも、請求書の総額に10~15%のチップを加えた金額をテーブルの上に置いて、席を立つという方式が多い。ただし欧米のパブや一部のホテルBARでは、注文するたびに支払う「キャッシュ・オン・デリバリー」(COD)というシステムをとっている店(結構格式ある店でも!)も多いので、要注意だ。なお、「COD」のパブでは基本的にチップは不要だが、気持ちだけを置いても断られることはない。

 日本のBARで、席かレジかどちらで支払うのかが分からない場合、「お支払いはどちらで?」と店側に尋ねてみてもいいが、普通は聞くまでもない。周りの(常連客らしき)客がどのように支払うかを観察すればいい(周囲の観察は外国でも役立つ!)。なお日本でも、アイリッシュ・パブ、イングリッシュ・パブを銘打っている店では「COD」方式が主流だ。At the Bar18

◆支払いはスマートに
 お勘定を頼むときは、タイミングを見計らいたい。マスターやバーテンダーさんが忙しくしていれば、少し待ってあげるくらいの余裕や優しさがほしい。店内が騒々しくて声が届きにきければ、タイミングをうまく見つけて、目が合った時に左右の指で×印を作って見せればいい。

 支払いは紳士らしくスマートにいきたい。笑顔で「きょうはご馳走様でした!」と感謝の言葉もひとこと添えたい。貴方がバーテンダーから紹介してもらったBARや、貴方がこの「うらんかんろの日記」を参考にして選んだ「いいBAR」のほとんどは、明朗会計のはずだ。

 貴方が見せられる勘定書は日本の場合、明細を明記してある場合と、総額を書いた切れ端だけという場合の2通りある。いずれの場合も「チャージ」や「サービス料」といった料金が含まれることが多い(もちろん、チャージやサービス料を一切とらない店もある)。もし万一、貴方が「チャージ」や「サービス料」に不可解、不愉快な思いを抱いたとしても、それは店の経営方針だから仕方がない(この問題は別の機会に考えたい)。

 もちろん明らかに不明朗な会計だったり、法外な請求だったりした場合は、紳士的にクレーム言うのは構わない。ただし、警察に駆け込んでも「民事不介入」ということで何もしてくれないし、お金が返ってくることは、まずない。

◆チャージ、サービス料について
 「チャージ」は国際的にも日本だけの独特の料金システムで、一種の「サービス料」「席料」のようなものと言われるが、その定義・解釈はBARの数だけあると言ってもいい。日本では「チャージ」を取るBARが多数派である。

 サービスに自信があるなら、はっきりと「サービス料」と名乗って取ればいいが、「チャージ」という定義・解釈の曖昧な言葉を使うのは、ある種の後ろめたさなのかもしれない。もちろん、「ノー・チャージ」をうたい文句にしているBARも結構あるし、「チャージ」を取らないBARのサービスが悪いということでは断じてない。

 BAR好きの酒呑みの中には、うらんかんろも含めてチャージを「不可解な料金」と思っている人も多いだろう。しかし、それが世のオーセンティックBARの多数派である以上、また1杯で長時間席を独占して粘るような、マナー知らずの輩(やから)がBARからなくならない以上、「席料」という意味でのチャージ料金がなくならないのはやむを得ない(私はもし自分でBARを開く場合には、「チャージ」という曖昧な言葉は使わずに、はっきりと「サービス料」と明示し、その料金も200~300円程度にするつもりだが…)。

 なお、チャージをとるBARでは普通、おしぼりが出て、1品くらいの「付き出し(おつまみ)」が付く。しかし時たま、チャージやサービス料をとりながら、おしぼりもなく、付きだし(1品)もまったく出ないというBARに出会うことがある。この店にとってのサービス料とは一体何の対価なのか、ただあきれるしかない。貴方がこういう店に出会ったら、2度と行かない方がいい。不明朗会計でなおかつ低サービスのBARは、客側が排除していくのが業界全体のためにもなるだろう。

◆チャージは1000円以下のBARを選ぼう
 もし貴方がBARを選ぶなら、チャージは原則として1000円以下(できれば500円以下が望ましい)の店をお勧めする。チャージを1500円以上取る店もあるが、そういうBARでは、「サービス料」という名目で別途、総額の10~20%の料金を併せて取る店が多い。チャージを取りながら、サービス料も取る。では、「チャージっていったい何に対する対価なのか」「サービス料の2重取りではないか」という批判的な声もよく聞く。At the Bar19

 残念ながら日本では、誰が発案したのか知らないが、こういう不可解な商慣習が一部でまかり通っている。だから在日外国人たちはオーセンティックBARよりもノー・チャージのパブに行きたがる。そういう高額のチャージやサービス料を取る店が「いいBAR」であったためしは個人的にはほとんどない(店側から「セレブな気分」にさせられ喜んでいる一部の評論家たちや雑誌は、そんな店を「いいBARだ」と持ち上げているが、本当に酒呑みを愛しているBARはそういう経営方針はしない)。

 だがこういう疑問や批判を、消費者(客)側からBAR業界の団体に投げかけても、まともに取り合ってくれることはまずないだろう(「個々の店の経営方針には立ち入りません」と言われるのがオチだ)。1人の客として、店を選別していくしかない。

 もし、ガイドブック等で良さそうなBARを見つけても、1000円を超すチャージ料のほかにサービス料までも取るような店なら、初心者の貴方は行かない方が賢明だ。いずれにしても、「チャージ」という不明朗な料金システムが存在している限り、日本のBARはいつまで経っても「国際的なスタンダード」にはなれない。それは、私も含め日本のBAR業界の発展を願っている多くの愛好家たちにとっても、とても残念なことだ(「チャージ」の問題については、 06年12月2日の日記 で詳しく考察しています。ご参照を)。

◆明朗会計の店かどうかを見分ける
 繰り返しになるが、日本のBARの場合、会計の際なぜか勘定書明細は見せずに「合計金額が記された切れ端」しか客に見せないところが多い。そういう店はほとんどの場合、チャージが加算されている。勘定書明細を客に見せない理由については、「明朗会計だという信頼関係が客との間にあるので明細まで見せることはない」という暗黙の了解が浸透してきたからと言われるが、そういうルール(暗黙の了解)をいつ誰が決めたかは知らない。

 私は、会計の公正さに曇りがないのなら、勘定明細を見せる・見せないという些細(ささい)なことは問題にしない。長年通い慣れた馴染みのBARなら信頼があるので、今さら明細を問う必要もない。しかし残念ながら極めてまれに、「(明細を)見せてください」と求めて確認してみたら(=客には当然の法的権利)、不可解な加算を見つけることがある。

 個人的経験では、チャージ、サービス料とは別に、「チャーム」というまるでスナックのような料金を加算していたり、ウイスキーの水割りを頼んだら、水(ミネラル)代は別料金で付いていたりしたこともあった。不可解、不明朗な料金請求には、その場できちんとクレームをつけることが大切だ。クレームを付けてもまぁ、「うちはこういう店なんです」と開き直られるのがオチだが、言うべきことは言わねばならない。

 そして、貴方がおかしいと思えば、そういう店には2度と行かなければいい。そういう店だということを口コミで教えてあげればいい。「1人の客を失えば10人の客を失うことになる」とあるマスターが言っていたが、まさにその通りだろう。そういう不明朗、不可解なことをする店は、遅かれ早かれ客から見放され、淘汰されると僕は信じている。

【その13へ続く】

【おことわり】 写真は本文内容とは直接関係ありません。



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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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