Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/02/05
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カテゴリ: 今宵も、BARへ…
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その14:「いいBAR」の条件(1)

 さて、長々と書いてきた「BAR入門講座」も終盤に差しかかってきた。この辺りで私の考える 「いいBAR」の条件というのをもう一度整理しておくと、以下の12の条件に行き着く (紹介する順序にとくに意図はなく、重要度という意味でもない。どれを重要と考えるかは人それぞれで違ってくる→※以前の日記= 08年12月29日の日記「Barカドボール」 =でもこのテーマに少し触れたので、少し重複する部分もあるが、お許し願いたい)。


(1)カクテル等の酒づくりの技術に優れている
 (2)接客・サービスのレベルが高い
 (3)酒の品揃えが充実し、マスターら店の方の知識も豊富
 (4)マスターら店の方のトーク(話術)が長けている
 (5)内装や椅子、照明など店の雰囲気がいい
 (6)酒やサービスに見合った明朗な料金である
 (7)美味しいフードがそこそこある
 (8)商魂見え見えの経営方針ではない
 (9)心地よいBGMが流れている(時にはライブもある)
 (10)そのBARに集う客の質がいい
 (11)広すぎず・狭すぎず・清潔感もある
 (12)マスターら店の方の人柄がいい



(1)カクテル等の酒づくりの技術
 一般的に言って、「オーセンティックBAR」を名乗る店なら、美味しいカクテルやウイスキーは飲めるに違いない。ベテラン・バーテンダーやコンクールで優秀な成績をおさめたバーテンダーのいるオーセンティックBARなら、なおさら期待を裏切らないカクテルをつくってくれるだろう。At the Bar22

 しかし、老舗BARと言っても、普段はビールとウイスキー(水割りかハイボール)しか出していない店の場合、カクテルを頼むと、がっかりということも珍しくない。いくら長年BAR経営に携わってきたとしても、普段シェイカーなど振っていなければ期待するのが無理であろう。

 どのマスターにもバーテンダーにも得意の分野(カクテル)がある。ハイボールをつくれば絶品という方もいれば、マティーニは誰にも負けないほど素晴らしい方もいる。フルーツ・カクテルの名手がいれば、ボストン・シェイカー(片方がガラス製になったシェイカー)という扱いが少し難しいシェイカーの名人もいる。創作カクテルも日々新しいものが生まれている。だからカクテルを得意とするBARでも、その店のバーテンダーがすべてのカクテルに長(た)けている訳ではない。

 もちろん、熱心なバーテンダーは、たとえコンクールで1位をとっても、さらに上を目指して生涯研鑽を積んでいる。そういう姿勢が見られるマスターやバーテンダーがいる店なら、まず間違いなく「いいBAR」だ(30~40代のオーナー・バーテンダーがいるBARにはそういう店が多い)。ただし、そのカクテルが美味しいかどうかを決めるのは、最終的には客である貴方自身。そのためにも舌も含めた五感を普段から十分養っておくことも大切だ。

(2)接客・サービスのレベル
 接客・サービスなんて、飲食・サービス業であれば当然のこと。それに物足りないBARがあるから、こういう条件を挙げなければならない。基本的なことだが、言葉遣いも含めて、接客がぞんざいな店には二度と行きたいとは思わない。客のいる目の前で断りなくタバコに火を付けたり、大声で喋るグループ客や店内で携帯を平気で使う客にすぐ注意をしないマスターは論外だが、それだけではない。

 私は、かつてBAR業界のコンクールで優秀な成績をおさめたバーテンダーが店長をつとめるBARに友人と一緒に訪ねた。店はほぼ満員の繁盛ぶりだった。そして僕らはマティーニを頼んだ。すると、驚いたことにそのバーテンダーは、ミキシング・グラスで材料をステアしてできたマティーニを、常温のグラスに注いだのだ。普通のオーセンティックBARでは、冷蔵庫で直前まで冷やしたグラスに注ぐか、グラスに氷を数個入れて回してグラスを冷やしてからマティーニを注ぐ。

 しかし、彼はただ漫然と常温のグラスに注いだ。マティーニはみるみるうちにぬるくなり、美味しさを失ったことは言うまでもない。いくら忙しいとは言え、これは手抜き以外の何ものでもない。このバーテンダーはカクテルづくりの技術は立派でも、「本当のサービスとは何か」を知らなかったのである。

 最高の接客・サービスとは、どういうものを言うのか。ただ丁寧な言葉遣いで客に話しかけることではない。会計を割り引いてくれるのがサービスでもない。客にコートを着せてくれたり、トイレから帰ってくるたびに新しいおしぼりが出すなんてどうでもいい。「当たり前のことを普通にやってくれる」のが僕は一番嬉しい(上記のマティーニづくりも然り)。そして抽象的な表現で申し訳ないけれど、「かゆいところに手の届く」「目と目でお互いの心が伝わる」ような接客・サービスが一番いい。

 例えば、モルト・ウイスキーをストレートやロックで飲んでいる時、チェイサーの水がなくなったら、すぐに足してくれる。客の顔色を見て、話したがっていそうだったら、良き話し相手になってくれる(逆に放っておいてほしそうだったら、At the Bar23そっと独りにしておいてくれる)。お代わりを頼みたがっている客がいないかどうか、常に店全体に目配りしている。そして、他の客がいない時にはとっておきの話(情報)を聞かせてくれる。そういう接客・サービスがバーテンダー全員にきちんと躾られている店こそが、うらんかんろは最高の接客・サービスができる店だと信じている。

(3)酒類の品揃えや知識
 酒の知識に関して言えば、普通、「オーセンティックBAR」と名乗るプロのマスターなら、一般的な知識は素人よりも豊富だろうから、まず心配ない。最低限の知識さえ持っていてくれればそれでいいと、うらんかんろは思っている。プロであれば、この「入門講座」の「その5:お酒の基礎知識」で書いた内容の何倍もの知識を持っている。

 最近では、プロも顔負けの素人客がいる。僕も驚くような凄い「モルト・マニア」もいる。だから、プロがごく一部しか知らない、マニアックな知識を知らなかったとしても、まったく恥ずべきことではない。たとえ、私の知っているカクテルの名前やレシピを、その店のバーテンダーが知らなかったとしても、不思議ではない。以前、広島県の福山でお土産に買ってきた 「保命酒」=08年4月28日の日記参照= (ペリーが飲んだ最初の日本の酒)なんて、ほとんどのマスター、バーテンダーは知らなかったが、そんな小さなことでプロを軽蔑しては絶対にいけない。

 要は、そのBARやマスター、バーテンダーに、どこまで「理想」を求めるのか、だ。モルト・ウイスキーの場合、欲を言えばキリがない。強いて個人的に基準を挙げれば、シングルモルトのオフィシャル・ボトル(蒸留所販売の正規ルート品)なら少なくとも40銘柄くらいは、ボトラーズ(独立系販売業者)のボトルなら、20銘柄くらいは置いてほしい。ボトラーズのボトルの種類の多さを売りにしているBARもあるが、うらんかんろは、数(種類)よりも、どういう銘柄を置いているかや、客が飲みやすい値段設定のボトルを選んでいるか等、店主のセンスの方が大切だと思う。

 四大ホワイト・スピリッツ(ジン、ウオッカ、ラム、テキーラ)やブランデーはカクテルのベースにぜひものだ。ワインは赤、白、シェリーは各数種類ずつは欲しい。他にも欲を言えば、スパークリング・ワインや日本酒、焼酎も少しは置いてほしい。カクテルも一応、スタンダードと言われるカクテルの7~8割はつくれる材料(リキュール等)は揃えておいてほしい。かつて日記= 07年2月25日の日記 =で書いたような、基本的なリキュールすら置いていないBARではちょっと困る。

【その15へ続く】

【おことわり】 写真は本文内容とは直接関係ありません。



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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

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