Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2013/10/02
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 日本にとっては、近くて遠い存在。そして、隣国だけれど、近年の過去の歴史もあって、複雑な感情を抱く。それが、今や世界第二のGDPを誇る大国・中国という国だろう。
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 かつては遣唐使も向かった、日本が教えを乞う国であった。漢字を生み出し、仏教も日本に伝えた。麻雀というゲームは大衆の娯楽として定着し、21世紀の今なお、中華料理は我々の食生活の一部となっている。


 どんなに嫌いでも、お互い、地理的には引っ越しはできない隣国。仲良くしていくしかない。話し合って、理解し合って、解決していくしかない( 写真左 =北京首都国際空港。大阪(関空)からは空路でわずか3時間。時間的距離はまさに「近くて近い国」だ)。


 万一、難しい問題が起きて、一触即発の事態になっても、軍事力という力でぶつかり合う愚は、1945年でもって終わりにすべきだろう。そうでなければ、人類は成長・進歩したことにはならない。
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 2013年秋。僕は連れ合いとともに三泊四日で、友人夫妻が暮らす中国・北京を訪れた。中国語文化圏は、台湾も含めると5度目(上海、香港など)であるが、首都・北京は初めてである( 写真右 =建国門そばのホテルの部屋から見た北京市内)。


 北京は何よりも四千年の歴史の都。名所旧跡には事欠かない。中国全土から集まる食の楽しみもある。好奇心と期待をいっぱいに抱いて、僕らは首都国際空港へ降り立った。


 首都国際空港から北京市内中心部までは、車で1時間弱。近代国家と変貌した中国では、高速道路網が急ピッチで整備されている。2008年の北京五輪が終わった後も、開発はなお続いている。
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写真左 =習近平・国家主席ら政府要人が居住するエリア「中南海」の入り口。警備は厳重なので、隠し撮りで1枚)。


 しかし、経済発展と人口膨張に伴って、マイカーがこれほど急増するとは、政府や北京市当局も予想外だっただろう。かつての自転車、バイクに代わって、今や北京も道路はマイカーで埋め尽くされている。


 増えすぎたマイカーに道路網の整備が追い付かず、地下鉄網が整備されても、世界で最も深刻な都市と言われる交通渋滞はなかなか改善されない。交通マナーも国際的な基準には追い付かない。
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 さらに、近年国際的にも大きな問題となっている大気汚染。周辺工場の排煙対策の不十分さに加えて、多くの家庭がいまだに化石燃料を使っていることや、急増したマイカーによる排気ガス( 写真右 =天安門広場そばの路上に残るこの黒い部分。1949年、中華人民共和国建国記念式典で集まった数十万の人民のためのトイレの跡=穴だったところに蓋をした=という)。


 北京で青空が見える日は、今や「4日に1日あればいい方」とも聞く。急速な発展にインフラ整備や環境対策が追い付かないというのは、まさに40年前の日本の姿に他ならない。日本は深刻な公害被害から学び、数多くの犠牲は伴ったが、なんとか克服した。


 日本が、中国へ漢字や仏教など様々な文化伝来への恩返しをする機会や能力はたくさんあるはずだが、今や大国となった中国には、日本の力を借りるなどは、そのプライドが許さない。かくして中国は、いびつで急速な発展の中で、もがき苦しみ続けている。


 さて、長い前置きはともかく、僕らはそんな中国の現実をしっかりと見つめながら、友人夫妻との旧交を温め、市井の人びととも友好を深め、世界屈指の文化遺産の数々を、自分たちの目で見るという貴重な時間を楽しむことにする。

<次回へ続く>


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Last updated  2013/10/04 07:43:47 AM
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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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