Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

2013/11/10
XML
カテゴリ:
 北京3日目の観光は、映画「ラスト・エンペラー」にも登場した皇帝の祭祀の場、「天壇」と、皇帝の庭園兼離宮、「頤和園(いわえん)」へ行く予定だった。
s-IMG_4810.jpg

 ともに世界遺産に認定されている北京を代表する観光スポット。しかし、この日はあいにく朝から雨、加えて、北京名物の交通渋滞がとくにひどい。頤和園は市内中心部から車でスムースに行っても1時間ほどかかる。


 この渋滞では「往復の移動だけで4時間はかかりそうだ」と運転手さん。日本の家族や友人へのお土産も買いに回る時間も見ておかなければならない( 写真左 =天壇公園への入り口)。


 北京の友人夫婦とも相談した結果、大変残念だけれども、今回は頤和園は次回の楽しみにとっておいて、手頃なロケーションにある天壇へ向かうことにする。
s-IMG_4821.jpg

 天壇のある天壇公園は、天安門広場から南へ約2km。英語では「Temple Of Heaven」と表記されることからも分かるように、皇帝が天に対して祭祀を行った宗教的な場所である。


 1420年、明の永楽帝が建立したとされ、明とそれに続く清王朝でも、皇帝はここで天を祭り、五穀豊穣を祈る儀式を行ってきた( 写真右 =天に向かって大きく開けた「圓丘檀」。最上段の中央に立つと、霊気を感じるような気持になる)。


 北京の有名な観光名所は、どこもそのスケールの大きさ、広さで度肝を抜かれるが、この天壇公園も例外ではない。面積は約273万平方mというから、甲子園球場(約3万8500平方m)72個分の広さである。




s-IMG_4825.jpg

 南のエリアに「圓丘檀」、「圓丘檀」の北側の、中央のエリアには「皇穹宇」という建物、最も北のエリアには、最も有名な建物「祈年殿」という象徴的な施設(建物)がある。



 「圓丘檀」は豪華な大理石をふんだんに使って造られ、欄干や階段の数はすべて皇帝を表す「九」の倍数となっているという。


 南北2つのエリアは石の広い通路で南北に一直線に結ばれ、周囲には建物もあり、大阪の四天王寺の伽藍配置に似ているような気もする( 写真左 =左側の建物が「皇穹宇」。祭祀の時、皇帝の位牌が置かれたという)。
s-IMG_4842.jpg

 広い街路の中央だけ特別な石が使われている。聞けばここは昔は、皇帝の馬車や籠しか通れなかった専用の通路という= 写真右


 さて、「祈年殿」は映画「ラスト・エンペラー」にも登場したので、覚えておられる方も多いだろうが、高さ38mの円形の祭壇(建物)である= 写真下左


 青色の瑠璃瓦がとても美しい特徴的な建物。そして、言うまでもなく天安門、紫禁城と並ぶ古い北京のシンボル的な建造物だ。


 天壇か今の形に整備されたのは、清の乾隆年間(1736~1850)というが、王朝や民族が変わっても、先の王朝の建物を壊さず、大事に使い続けたことは特筆に値する。



s-IMG_4856.jpg

 さて、天壇を後にした僕らは、古い歴史的な北京だけでなく新しい北京も見たいと思い、昼食の後、若者が多く集まる代表的なエリアである「三里屯(サンリートン)」へ移動した。


 三里屯は東京で言えば、六本木、神宮前、青山と言った雰囲気の街であり、モダンなビルやブランド・ショップが並んでいる。


 そして、そういうおしゃれな最新の流行が漂う街という一面だけなく、観光客向けのカジュアルな衣料品、ドラッグストア、土産物店が密集する雑居ビルもある。


 そんな場所も訪れたが、シルク製品などはおそろしく安い。お土産にちょうどいい巾着袋や靴袋、ティー・マット、ワインのボトルカバーなどを購入したが、安くても品質は良い。


 加えて、この雑居ビルには偽ブランド品を半ば公然と売る店もある。ここには商標権保護などという概念は存在しない。プラダやグッチ、ルイヴィトン等ありとあらゆるブランドの偽物が存在する。
s-IMG_4899.jpg




 値段は本物の3分の1~5分の1程度。取り締まっても、取り締まっても、買う人間がいる以上、抜け穴を探して商売をする人間も出てくる( 写真右 =三里屯周辺には近代的でモダンな建物が目立つ)。


 中国人は、商標権や著作権等の保護を求める西欧諸国や日本による少々の圧力には屈しない。この世に欲しいと人がいる限り、彼らは「限りなく本物に近い偽物」を作り続ける。この不屈のエネルギーは、ある意味凄い。
s-IMG_4782.jpg
 この日最後にお邪魔したのは、僕らが旅行に行けば必ず訪れる市場。「三源里菜市場」と言い、場所は故宮から北東へ4kmほど行った辺り= 写真左


 日本人も含めて在住の外国人もよく利用しているというが、観光客などが立ち寄るような場所ではないという。


 ここでは肉、魚、野菜、果物、干物、お惣菜などありとあらゆる物を売っている。種類も多いし、値段も安い。友人もよくここで買い物をするという。


 品質はよく分からない。新鮮なのは間違いないが、最近の中国の生産現場での現状をあれこれ聞いているだけに、安全性には若干の不安がぬぐいきれない。
s-IMG_4780.jpg

 友人はそんなことをいちいち気にしていたら、北京では生きてゆけないという。ただそんな友人もコメだけは日本のものが旨いと言い、一時帰国のたびに持ち帰るという。


 残念ながら、食に関しては日本の方がはるかに安全で、信頼度も高い(最近のメニュー偽装の数々は論外だが…)。


 だが、日本さえ良ければという考えに立つのは偏狭だ。中国の人たちにもぜひ安全な食品が食べられるように、日本人としてできることはないのかと思う( 写真右 =三源里菜市場内の様子)。


 日本人の食が、今さら中国からの輸入品なしで成り立つとも思えない。中国各地の生産現場、飲食の現場に安全・衛生思想と技術を広め、環境対策などで技術的に支援できることはできる限り手助けしてあげることが必要不可欠だろう。我々は引っ越しできない隣人同士なのだから。


<次回へ続く> ※10回で終了の予定です。


こちらもクリックして見てねー! 【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013/11/14 07:57:54 AM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。 ▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Favorite Blog

「続・豚肉と大根の… はなだんなさん

東北の夫婦旅。 きんちゃん1690さん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: