Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2013/11/13
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 北京の旅も終りに近づいてきた。今回の旅の主な目的は3つあった。まずは北京在住の友人を訪ね、旧交を温めること。それから4000年の歴史都市・北京の世界遺産をこの目で見ること。そして、最後に北京でBarを開くオーナー・バーテンダーを訪ねることだった。
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 ようやく3日目の夜に、最後の目的を果たせる機会が巡ってきた。北京市内中心部の東のエリア、あのSMAPも公演したという工人体育館のそばに、目的のBarはあった。


 「Glen Classic」。ホテル(複合ビル?)の中庭を通り抜けた奥という、謎めいたロケーション。ドアを開けると意外に広い空間が広がり、雰囲気はまるで日本のオーセンティックBarそのもの( 写真左 =Glen Classicへ向かう道の最初のゲート)。


 ネットでの紹介記事には「北京に誕生した初めてのオーセンティックBar」とあった(それまで北京には、カラオケBarかカジュアルなCafe Bar、あるいはClubのようなBarしか存在しなかったらしい)。
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 オーナーのKさん= 写真右 =は、まだ30代半ば。銀座の名だたるバー2軒で、8年半ほど修業した。そして国際派の二人の師匠(Kさん、Uさん)の背中を追って、独立と同時にアジアへ飛び出した。「日本人が今さらヨーロッパやアメリカへ行くより、アジアで活躍の場を探したい」と。


 縁あって、北京の物件で誘いがあり、中国人の共同オーナー(中国では外国人単独ではビジネスができないという法的ルールがある)と一緒に、Bar「Glen」を開いた。


 Kさんが数年前からバーを営んでいることは、大阪のとあるBarのマスターからも聞いて知っていた。そして、いつか機会があれば訪ねてみたいと願ってきた。


 ちなみに、僕はKさんとはまったく面識がないものとばかり、ずっと思っていた。だが、今回改めて話をしているうちに、意外な接点がいくつか分かった。
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 10年ほど前、NBA(日本バーテンダー協会)の全国バーテンダー・コンクールが神戸で開催された際、Kさんは出場していた。僕もその大会を見に行っていた。


 また、Kさんがかつて勤めていた銀座のSというバーには、成田一徹さんと二度ほどお邪魔したことがあるが、ちょうどその頃、Kさんはそのバーで働いていたという。すなわち、僕はそこで出会っていたのだ(もちろん、その時は挨拶はできなかったが)。


 さらに驚いたことが一つ。僕が8年ほど前にブログで知り合って、先般のスペイン旅行の際も現地のとっておき情報をいろいろと教えてもらうなど、ずっと交友があるHさんという女性がいる。


 そのHさんとKさんは、なんと知り合いでスペイン・アンダルシア地方のシェリーのボデガ(醸造所)を一緒に見学したことがあるというのだ(Hさんは当時現地に短期留学中だった。Kさんは現地でシェリーの専門資格、ベネンシアドールを取得したという)。
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 Hさんはスペイン好きが高じて会社を辞め、現在は、スペイン・ワインやシェリーのインポーターをしている。先般は難関のベネンシアドール資格試験にも合格したバイタリティあふれる女性だ。


 僕のBar・UK計画も後押ししてくれているHさんとKさんが知り合いだったとは! 世の中は狭いというが、北京で共通の知人が見つかるとはまさか思っていなかった。


 さて、店(Glen Classic)の話に戻る。北京の友人夫婦が事前に下見を兼ねて訪れてくれ、この夜の僕の訪問を伝えておいてくれたおがげで、Kさんは笑顔でもって、僕らを歓待してくれた。
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 北京最後の夜に何を飲むか、しばし迷ったが、やはり、ベネンシアドールでもあるKさんに敬意を表して、ショート・カクテルのバンブーを頼んだ。すると、Kさんは、ボトルを3本用意した= 写真上から3枚目


 通常、バンブーはドライ・シェリーとドライ・ベルモットだけを使う。しかしこの日、Kさんはシェリーをフィノと長期熟成のオロロソという違うタイプの2種を用い、オロロソは隠し味的に使った。なんと心憎いパフォーマンス!( 写真左


 Kさんは現在、北京でもう1店、お店を営む(そちらは中国人店長に任せている)。そして、なんと近々、シンガポールにも3店目を出す計画という。「4年後くらいにはロンドンにも店を出したいという夢があるんです」と語るKさん。夢もグローバルで、スケールが大きい。
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 日本人バーテンダーは昨今、その技術や丁寧な仕事ぶりで、国際的にも高い評価を受けている。日本人バーテンダーは、Kさんのように、もっと世界へ目を向ける時なのかもしれない。


 この夜は僕らは4人で訪れ、他にもフルーツ・カクテルも何種類か頂いた。僕にはさらにKさんからのサービスで、台湾のウイスキー蒸留所が造ったという珍しいモルト= 写真右 =もいただいた(味わいやクオリティの高さは、日本やスコットランドにも引けを取らないと感じた)。


 楽しい時間はあっという間に過ぎた。心地よく、しっかりと酔いしれた。でも、もうお別れしなければならない時間だ。まだまだ何度もここに来られる友人夫婦が羨ましい。





<次回10回目は番外編>


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Last updated  2013/11/14 07:59:12 AM
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うらんかんろ

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Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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