Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2015/11/09
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 オーストリア共和国は、日本の北海道とほぼ同じくらいの面積で、人口は約870万人(2014年現在)です。しかし、1人当たりのGDPは年5万1300ドルで世界第13位(同)。芸術&音楽文化だけでなく、経済的にも豊かな国です。

 主要産業は自動車産業、鉄鋼業ですが、ヨーロッパを代表する音響機器メーカーとして長い歴史を持つ「AKG(アー・カー・ゲー)」は有名です。AKGは高級マイクロフォンやヘッドフォンが有名で、世界各国の放送局やプロのミュージシャンに数多く使われているほか、一般のクラシック愛好者にも人気のブランドです。ただ、全体としては(経済的にも関係の深い)ドイツの大企業の「下請け的な役割」を果たす中小企業が多いとのことです(もちろん、ウィーンやザルツブルク、チロル地域では観光産業も盛んですが)。

 なお、経済が比較的好調なオーストリアは、失業率が他の欧州諸国と比較して低く、昔から移民も数多く受け入れてきました(現在、人口の約12%が国外からの移民なのだそうです)。欧州の地理的中心にあることから、近年、日本企業の欧州拠点、工場なども増加しつつあり、オーストリアにとって日本はアジア有数の貿易相手国です。個人的には、今後、オーストリアのビールやワイン、食材が日本にもっと輸入されて、身近な存在になればいいなぁと願っています。

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 さて、ザルツブルクともお別れする時間が近づいてきました。もう一つ必ず訪れたかった場所が、世界的にも有名なザルツブルク音楽祭のメイン会場でもある「祝祭劇場(Festspielhäuser)」(写真)でした。
 中には、かつてカラヤンやベーム、小沢征爾、アバドらが指揮した歴史的なホールがありますが、建物の外観は結構新しい感じだったので、近年に改築されたのでしょうね。残念ながら、見学コースで回るだけの時間はありませんでしたが、僕自身は外から眺めただけでも十分満足でした。

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 ザルツブルク旧市街は、車の乗り入れがほとんど禁止されていて、歩行者(観光客)優先になっています。でも、ウイーンと同様、観光用の馬車は例外で、あちこちで見かけました(乗ってみたいけれど、なんとなく恥ずかしい気分でしょうね)。

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 まだ昼ご飯まで少し時間もあるので、ぶらり歩きを続けていると、青空市場に出合いました。ヨーロッパはこんな市場が多いのがいいですね。

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 市場の花屋さん。実にたくさんの種類の花を売っていて、しかも安いです。

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 これはプレッツェルの専門店。美味しそうですが、いま食べると昼ご飯にたたるので、見るだけにしました。

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 ザルツブルクでの最後の食事は、旧市街の文化財指定の建物を利用した、伝統的なオーストリア料理の店「ヴァーグプラッツ(Waagplatz)」にしました。店は「K+K」というホテル内の2階とホテル玄関前のオープンテラスの2カ所に分かれていましたが、天気も良いのでテラス席に。

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 ここの名物は「ウイーン風チキンフライ(Wiener Backhuhn)」と聞いていたので、早速注文。結構大きめですが、あまり油っぽくもなく、意外とあっさりした味わいなので、1人でしっかり頂けました。まっ昼間ですが、もちろんチキンフライのお供には「Glas Bier, zwei, bitte(グラスビールを2つお願い!) 」。ビールも進みました。

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 メニューの一番上が「Wiener Backhuhn」です。お値段は15.9ユーロ。チェコに比べたら物価はやや高めですが、このボリュームで、サラダも付いているので、まぁ納得です(メニュー2行目の英語表記のなかで、「Lamb's lettus」とは子羊が好んで食べる野菜のことです)。

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 一緒に出てきたポテト&野菜のサラダ。オーストリアに来てからは、メインの肉のサイドメニューでは必ずポテト系の料理を頼んでいましたが、注文する手間が省けました(笑)。上にかかっているマスタード&サワー系のソースも上品な味わい。「Es hat sehr gut!(エス ハット ゼーア グート=とても美味しかったです!)」とウェイターに御礼を言って、店を後にしました。

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 食後には、最後にもう一度、旧市街のメインの通り「ゲトライデガッセ(Getreidegasse)」へ。この通りの素敵な雰囲気を目に焼き付けました。

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 少し時間もあったので通りに面したカフェへ。その名も「モーツアルト」というベタな名前の店でしたが、意外と古くからのカフェのようで、雰囲気はなかなか良かったです。

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 カフェのすぐそばには、立ち呑みのバールが。昼間から客で賑わっていました。入ってみたかったけれど、そろそろウイーンへ帰るためにザルツブルク中央駅へ戻らなければなりません。なお、駅まで戻るトロリーバスの車内では初めて、抜き打ち検札に遭遇しました(もちろんザルツブルク・カードを見せたらOK)。普段着の人だったので、最初は市交通局(あるいはバス会社?)の担当者とはわかりませんでした。

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 ホテルで預けていた荷物をピックアップして、余裕を持って駅へ向かいました。そして、乗車予定の特急「RJ67」(15時8分発 ウイーン経由ブダペスト行き)の運行状況を確認しようと、表示板を見たとたん、脳ミソが凍り付きそうになりました。そこには「Ausfall/Cancelled」の文字。どう見ても、これは間違いなく運行中止です。おそらくシリア難民騒動の影響で、ミュンヘンから戻ってくるべき列車が運行できなくなったのでしょう。
 ウイーンではJTBの担当者から「帰りの列車もひょっとして突然運行中止になる可能性もありますから、その場合も別の列車の自由席なら乗れるので、なんとか自力で帰ってきてください。誰も助けてはくれません。ここは自己責任の国なので」と聞いていました。昨日、「帰りは運行中止になったりしてねー(笑)」と冗談で言ってたのが、まさか現実になろうとは!

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 嘆いていても仕方がありません。表示板の前には、僕らと同じように困った表情の日本人旅行者が2人(母親と娘さん)いました。お互い相談して、少し早い時間帯に出るウイーン行きに一緒に乗ろうと決めました。特急ではなく、停車駅も多いタイプの列車でしたが、幸い、自由席(6人掛けの個室でしたが)にも座れてホッとひと安心。事なきを得ました(東のウイーン方面行きなので、難民は乗ってきません)。
 ウイーン西駅にも結果的に、元々乗る予定の特急より早く到着できて、まぁ、終わりよければすべてよしでした(写真は、ザルブルク駅のホーム上で列車を待つシリア難民たち。ホームに上がるエスカレーターや階段は警官が通行規制していて、ホーム下の駅構内にいる難民は少し殺気立っていました)。




<ウイーン編(4)>へ続く。


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Last updated  2015/11/09 09:09:27 AM
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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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