Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2018/07/14
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 オランダは資源のない小さな国です。昔、そんな国が、英国やスペインのような大国と対抗するには、貿易・通商で優位性を持つしかありませんでした。オランダは1602年、「連合東インド会社」(末尾 【注】 ご参照)という世界初の株式会社を設立し、遠くアジア、アフリカとの交易を通じて一大海上帝国を築くまでになりました。

 そして、皆さんもよくご存知のように、鎖国を続けた江戸時代。唯一、日本と国交を持っていたのがオランダです。長崎の出島にオランダ商館を置き、江戸幕府の世界への窓として西洋の最新情報や文化を伝えました。開国後の欧米諸国受け入れがスムーズにいった背景には、オランダとの長い交流が役立ったに違いないと僕は考えています。

 オランダのこうした進取の精神は、小国が生きていくための知恵でした。東インド会社は今はありませんが、その精神は現在も受け継がれ、(後の回で取り上げますが)農業分野などでの世界的な先進性、優位性につながっています(小国オランダは驚くなかれ、現在米国に次ぎ、世界第二の農産物輸出国なのです)。

 さて、国立ゴッホ美術館鑑賞を終えると、ちょうどお昼すぎになりました。そろそろお腹も空いてきましたが、2日目のお昼ご飯は、オランダ名物フードのパンケーキ(Pannenkoek=オランダ語では「パネクック」)に挑戦することに決めていました。


 パンケーキと言うと、日本のおやつのホットケーキを想像しますが、オランダでは、クレープのような薄い生地のうえに様々な具をのせて焼き、お好みの味付けで頂く軽食のようなものです。僕らは、ゴッホ美術館からそう遠くない、そんな人気店の一つ「パンケークス・アムステルダム」を目指しました。


 オランダ人はパンケーキが大好きです。ランチ代わりによく食べるそうです。なので、アムステルダムにもパンケーキの有名店、人気店がたくさんあり、行列ができるのは珍しくありません。案の定、「パンケークス・アムステルダム」でも先客が数名並んでいました。しかし、数名なのでここは待とうと思い、列に並びました(写真は、甘口系のパンケーキ。イチゴにヨーグルト、これにオリジナル・シロップをかけて頂きます)。


 オランダのパンケーキには甘口系から非甘口系まで幅広い味付けがあります。大きさは直径25cmくらい。食べた印象では、う~ん、クレープとピザとお好み焼を足して3で割ったような雰囲気でしょうか? 結構ボリュームがあるので、最後の方になると少し味に飽きてきます(笑)。でも、美味しいので、皆さんもオランダに来られたらぜひ一度ご賞味を!(写真は、非甘口系のパンケーキ。ベーコン&チーズの塩味です)。


 さて、昼ご飯の後は、再びミュージアム広場に戻って、今度は国立美術館(Rijks Museum)にお邪魔します。建物は1885年に完成。アムステルダム中央駅と雰囲気が似ているなぁと思ったら、設計者は同じ人物で、ペトルス・カイパースという方でした。


 国立美術館の正面には「 I am sterdam」という大きな「文字のオブジェ」があって、観光客の絶好の記念撮影スポットになっています。


 ここが美術館の入り口。欧米の有名観光地に行けば必ず1人や2人はいる「動かないパフォーマンス芸人」がここにも! オランダらしく、自転車に乗っています。


 国立美術館には、中世から20世紀まで様々な絵画や工芸品などが展示されていますが、一番有名な作品は、美術の教科書にもよく出て来るオランダが生んだ偉大な画家、レンブラント(1606~1669)の「夜警」です。本物の「夜警」は、6畳分のタタミくらいの巨大な絵であることに度肝を抜かれました。
 大きな作品なので、細部までじっくり観ることができます(ゴッホ美術館とは違って、ここはフラッシュをたかなければ撮影OKなのが嬉しいです)。レンブラントは多作な作家として知られ、生涯に千点以上もの油絵、版画、素描などを残していますが、この美術館でも数多くのレンブラントを楽しむことができます。


 この美術館のもう一つの”目玉作品”は、オランダが生んだ偉大な画家フェルメール(1632~1675 ※オランダ語での発音は「フェアミア(Vermeer)」)です。フェルメールは光と影の微妙な色合いや、自然光に照らされた人物の一瞬の表情を見事に表現した作品を残したことで知られています。
 寡作だったフェルメールは、現存している作品がわずか36~37点しかありませんが、そのうち7点がオランダ国内にあり、うち4点がこの国立美術館が所蔵しているのです(他の3点は、デン・ハーグのマウリッツハウス美術館所蔵)。そんなフェルメールの傑作が、生で至近距離で観られるのは、なんと幸せなことかと思いました。


 この美術館では、他にもフランス・ハルス、ヤン・ステーンの名作の数々や、19世紀の印象派画家の作品もたくさん楽しむことができます(写真は、お土産で買った公式ガイドブック<日本語版>。A5判という珍しい小さいサイズですが、実に面白い体裁の本です。製本するのが大変でしょうね)。


 さて、国立美術館鑑賞を終えた僕らは、次にミュージアム広場のすぐそばにある「ハウス・オブ・ボルス(House Of Bols)」(写真中央の建物)にお邪魔しました。この建物はオランダを代表する世界的なリキュール&スピリッツメーカーのボルス(1575年創業)の体験型ミュージアム&研修施設です(本社機能もここにあるのかは聞き忘れました)。


 ここが「ハウス・オブ・ボルス」の入り口。ボルスのジン(ジュネヴァ)やリキュールにはバーUKでもとてもお世話になっています。「ボルス」を訪問するのは、もちろん趣味と(バーUKでの)実益を兼ねてです。リキュール・メーカーはいろいろあるのですが、多彩なラインナップと安定した品質ということで言えば、やはりボルスは世界一でしょうね。

「ハウス・オブ・ボルス」では、観光客向けの体験型ツアー「Cocktail& Genever Experience」(€16)もあります。、美味しいジュネヴァを味わい、自分でカクテルをつくって味わったりも出来るのですが、僕らは時間があまりないのと、晩ご飯でまた酒をたらふく飲むので、残念ながらツアーは断念して、ギフトショップでお土産を物色することに(写真は、エントランス・ロビー)。


 これがギフト・ショップ。結構充実した品揃えですが、さすがにジュネヴァやリキュールは日本でも買えるのでやめて、ここでしか買えない記念品を探しました。


 という訳で、最終的に買ったのは、ダブル・ステンレスカップのボストン・シェーカー、ジュネヴァ専用グラス、ペストル(フルーツやミントを潰す道具)、オリジナル・カクテルブック、オリジナル・ビターズ。ジュネヴァ・グラスは帰国後、早速バーUKで活躍しています。

<5回目に続く>

【注】 オランダの連合東インド会社は1799年に解散するまで存続しました。ちなみに、東インド会社は他にも、イギリス、フランス、スウェーデン、デンマークの各国に設立されましたが、もちろん歴史上ではオランダの会社が一番有名です。

※過去の「旅報告」連載は、トップページ中ほどのリンク 「旅は楽しい」 からお読みになれます。


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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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