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2018/07/26
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 オランダで一番よく飲まれているお酒と言えば、やはりビールです。世界的には、隣国のベルギーやドイツがビール王国として君臨しているため、その陰に隠れがちですが、オランダは、地ビールメーカーがたくさんある隠れたビール大国です。とくにオランダ国民の約半数は国産ビールを飲んでいるというくらい、地元愛が強い国民です。

 さて、せっかくなのでビール発展の歴史に、少しだけ触れておきましょう。ビールが誕生したのは紀元前4000年以上前のメソポタミアだと言われています。農耕生活を始めた頃、放置していた麦の粥(かゆ)に酵母が入り込んで、自然発酵したのが起源とされています。紀元前のメソポタミアの粘土板には、当時のビールのつくり方が描かれたものも見つかっています。

 中世のヨーロッパでは「ビールは液体のパン」として、修道院でビールがさかんに作られるようになりました。当時、修道士は化学や発酵・醸造学の知識や、実験経験が豊富でした。彼らの作ったビールは品質的にも優れていたので評判を呼び、次第に一般の人にも幅広く普及するようになりました。

 日本には鎖国時代の江戸時代末期、西欧文化の唯一の窓口だった長崎・出島にオランダからビールがもたらされ、蘭学者たちがビールの試飲や試作をしたといわれています、その後、江戸にもビールが伝わり、この飲物はオランダ語の「ビア(Bier)」から「ビール」と呼ばれるようになりました。


 しかし残念ながら、現代の日本では、オランダのビールと言っても、ハイネケン(Heineken)=(C)Kirin HP=以外はほとんど知られていませんし、あまり見かけません(ハイネケンは、日本ではキリンとの合弁会社「ハイネケン・キリン株式会社」がライセンス生産しています)。

 オランダの国産ビール事情については、日を改めて詳しく紹介してみたいと思いますが、とりあえず、ハイネケン以外どんな銘柄があるのかだけを少し知っていてくださいませ。主な銘柄名だけ以下に挙げておきます。
 「グロールシュ (Grolsch)」「アムステル(Amstel)」「ババリア(Bavaria)」「ブランド(Brand)」「ラ・トラッペ(La Trappe)」「アルファ(Alfa)」「ヘルトグ・ヤン(Hertog Jan)」「ブラウェライ・アイ(Brouwerij ‘t I)」等々(他にもまだありますが…)。


 さて、オランダ滞在4カ目。デン・ハーグから戻った僕らは午後から、アムステルダム中心部にある、オランダを代表する世界的大手ビールメーカー、ハイネケンの醸造所跡につくられた博物館のような見学施設「ハイネケン・エクスペリエンス(Heineken Experience)」(写真上)にお邪魔しました。


 「ハイネケン・エクスペリエンス」は、ゴッホ美術館もあるミュージアム広場から東へ約1kmほど、歩いて15分くらいところにあります(写真は、ロビーのチケット売り場。従業員のお兄さんから「君たち、どこから?」と尋ねられ、「日本からです」と答えると、「僕は東京で働いていたことがあるんだよー」と。来日経験がある人がそれなりに多いのに驚きます)。


 ハイネケンは1863年、ヘラルド・A・ハイネケンによって創業されました(写真に見えるファースト・ネームの綴りは「Gerard」となっていますが、オランダ語で「G」は「ハ」行の音なので、「ジェラルド」ではなく「ヘラルド」と発音します)。


 ハイネケンは、現在では世界170か国以上で販売され、「バドワイザー」ブランドなどで知られる「アンハイザー・ブッシュ・インベブ=略称・ABインベブ」(ベルギー)、「ミラー」などで知られる「SABミラー」(英国)に次いで世界第3位のシェアを持つ世界的ビール・メーカーです、とここまで書いたところで、念のためにと思って改めてネットで確認すると、驚きの事実が分かりました。
 第2位の「SABミラー」は、2016年に「ABインベブ」に買収されていました(世界のビール業界はまさに戦国時代!)。なのでハイネケンは第2位にランクアップしていましたが、世界のビール市場は事実上「ABインベブ1強時代」となったとも言えます。ちなみに日本は、キリンがようやく9位にランクインしています(写真は、ロビーに展示されていた創業当時のビール樽と荷車)。



 ハイネケンと言えば、1873年に誕生した緑色のボトルがトレードマーク。ラガービールはさっぱりしてフルーティーで飲みやすい味わいで、今も世界中で愛飲されています(写真=館内には、歴代のいろんなボトルが展示されています)。


 ハイネケンは、オランダも含めて世界100か国に醸造工場を持っているそうです(写真は、昔の醸造設備。現在は使っておらず、観光客向けのディスプレーとして残っています。実際のビールは国内の別の場所で造っています)。




 説明するスタッフには女性の姿が目立ちます。下の写真は、出来立ての麦汁の試飲を勧めてくれるお姉さんたち。ほんのり甘くて、ウイスキーの麦汁にも通じる味わいです。


 見学コースの中では、最新のハイテク映像を、天地左右・360度のディスプレー(すなわち閉鎖空間)で見せて、驚かせるような演出も目立ちます。今どきの若者受けを狙った工夫なんでしょうが、少々時間が長いなぁという印象。それよりも、色んなビールを試飲する時間をたくさんとってくれー。



 醸造所跡内には、馬車置き場や馬屋(実際に馬も何頭かいます)、広い馬場も。昔は出来立てのビール樽を馬車で運んでいたのを再現しているようですが、観光客向けのパフォーマンスがあるのかは聞き忘れました。




 最後に一緒に見学したグループが全員、ビールの注がれたグラスをもらって「Proost!」(オランダ語の「カンパーイ」)と叫んでフィナーレ(壁には世界中の言語で書かれた「乾杯」)。ただし試飲できるビールは1種類のみ。15€も入場料を取る割には、中身は少し薄めかなぁという印象でした。

 という訳で、ハイネケンの「歴史体験」は終了。そろそろ夕方近くになってきたので、本日の晩ご飯の時間に近づいてきました。オランダ料理(1日目)→シーフード料理(2日目)→インドネシア料理(3日目)とこなしてきましたが、4日目については、事前には決めていませんでした。さて、どうしたものか?

<11回目に続く>

※過去の「旅報告」連載は、トップページ中ほどのリンク 「旅は楽しい」 からお読みになれます。


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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