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August 31, 2006
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カテゴリ: 教授のお買い物

先日、チェット・ベイカーの『チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ』というジャズ・アルバムを買ったんですけど、なかなかいいんだ、これが。

チェット・ベイカーってのは、1950年代から活躍したジャズ・トランペッターで、50年代にはかのマイルス・デイヴィスよりも人気があったというほどの人。ま、ルックスも良いので、そのせいかも知れませんが。その風貌は、ジャズ界のジェームズ・ディーンって感じですからね。

ところでチェット・ベイカーという人の特徴の一つは、彼が歌う、ということなんです。彼はトランペットを吹くだけでなく、ヴォーカルもやるんです。

で、それが人気のもとでもあり、また不人気の理由でもあるんですな。事実、ジャズ関連の本の中で、チェット・ベイカーについて触れている部分を読むと、たいてい彼のヴォーカルのことが批判的に書かれています。たとえば『ジャズCDの名盤』(文春新書)で悠雅彦氏は「打ち明ければ昔から熱心なファンではない。ことに彼の歌は苦手だった」(189頁)と書いているし、『新ジャズの名演・名盤』(講談社現代新書)の著者・後藤雅洋氏は「彼の異様とも思える中性的ヴォーカルが・・・うまいんだかへたなんだかよくわからないが、とにかく個性的であることはまちがいない」(121頁)と述べています。他にも色々ありますが、とにかくジャズ通の間ではチェット・ベイカーのヴォーカルはあまり高く評価されていないんです。

しかし、「異様とも思える中性的ヴォーカル」だなんて言われると、私のような素人は逆に興味が出てくるわけですよ。ヴォーカルが「異様」ってどういうこと!?

で、買ってみたわけですよ。で、聴いてみた、と。

・・・いいじゃん、結構。ワタクシ、好きかも・・・。

ま、確かに「中性的」と言えば、そうかも知れません。こういう感じのくぐもった、アンニュイな感じの歌い方をする女性ヴォーカルって、結構いますからね。でまた、上手いか下手かと言われたら、答えに窮するところがある。しかし、そんなこと言ったら、松任谷(荒井)由美の歌は上手いか下手か、小野リサのボサノバは上手いか下手かを問うのと同じで、あんまり意味がないような気がするんですよねー。

要するに、雰囲気が出てるかどうか、その雰囲気が好きか嫌いかってことですよ。で、それを言ったら、私はかなり好きな部類ですね。特に8曲目の「You Don't Know What Love Is」なんて、歌詞・曲調とも泣かせてくれます。トランペットの方は、洗練されたウェスト・コースト系のクールな音色。



ま、そういう彼のめちゃくちゃな人生のストーリーのことも含め、気に入っちゃったなあ、チェット・ベイカー。こうなった以上は、続けて彼の代表作である『チェット・ベイカー・シングス』も買っちゃうか。後期の作品、たとえば『ダイアン』なんてのもいいらしいし。あと、『シングス・アンド・プレイズ』の冒頭の曲と同名の『レッツ・ゲット・ロスト』というドキュメンタリー映画もあるらしく、こいつはチェット・ベイカーの破天荒な転落人生をそのまま映像化して一幅の絵になっているようですから、こちらの方も気になります。

ということで、このところチェットのクールなトランペットと、甘く物憂いヴォーカルに酔いしれているワタクシなのでした。チェット・ベイカー、教授のおすすめ!です。


これこれ!

チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ
チェット・ベイカー・シングス・アンド・プレイズ

チェット・ベイカー・シングス
チェット・ベイカー・シングス





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Last updated  August 31, 2006 09:05:38 PM
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Re:チェット・ベイカーで Let's get lost!(08/31)  
AZURE0702  さん
 ははは、チェット・ベイカー讃、気にいりました。ユーミンが上手いか下手かって----ははは、本当ですね。釈迦楽さんのオマージュでチェット・ベイカー、もって瞑すべし! (September 1, 2006 03:03:42 AM)

ジャズ評論  
釈迦楽  さん
AZURE0702さん

有り難うございます。山田さんはジャズ、お好きなんでしたっけ?

ところで、いわゆる「ジャズ評論家」ってのは、何というか、その、「面白い」ですね。人によってまったく言うことが違うんですもん。文学研究にだって、もちろん意見の違いはありますが、あそこまで好き勝手には言えないところがあります。

でまた、ごくまれにジャズ評論家たちの意見が一致することがあるんですが、実際に聴いてみると、その評論家たちの一致した意見が、私自身の感想とまったく一致しないということがよくある。ほんとに、彼らは信用できません。

しかし、私はそのことを批判しているのではないんです。むしろ、文学研究も、ジャズ評論的にならないといかんのではないかと思っているくらい。少なくともジャズ評論家は、自分の耳をたよりにものを言いますから。文学研究なんて、「誰がこう言った、彼がこう言った」っていうような、人聞きのことの羅列ばっかりですよ。そんなのを読むのと比べたら、まるで信用できないジャズ評論に対して毒づく方がよっぽど楽しいです。 (September 1, 2006 01:49:25 PM)

Re:ジャズ評論(08/31)  
AZURE0702  さん
釈迦楽さん

思い出した本がありますのでちょっとお知らせまで。あるいはお読みになっているかもしれませんが。黒人音楽としてのジャズ、そのなかのクール・ジャズの発生と白人であるチェット・ベイカーについての記述があります。
BLUES PEOPLE by LeRoy Jones,1963: Morrow and Co.,Inc.,New York (September 2, 2006 02:35:03 AM)

Re[1]:ジャズ評論(08/31)  
釈迦楽  さん
AZURE0702さん

リロイ・ジョーンズ、又の名をアミリ・バラカですね。この本、(学生の卒論指導がらみで)随分前に読みましたが、その時はジャズにまるで関心がなかったので、よく分からないまま飛ばし飛ばし読んでしまいました。今度再読してみましょう。ご示唆有り難うございました。 (September 2, 2006 12:03:21 PM)

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丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
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