全29件 (29件中 1-29件目)
1
日曜日、恩師と別れた後、我々は倉敷を目指しました。 恩師Y先生からは「倉敷に行くなら、松山道・高松道を経由して瀬戸中央自動車道を通るのがいい」とアドバイスされましたが、家内が「しまなみ海道を通ってみたい」と言っていたので、家内の案を採用。 で、しまなみ海道を初めて走ってみたのですが、なかなか趣があって良かったです。時間があれば、一つ一つの島に寄ってみたかったですが、そこまでの時間はなかったので、大三島にチラッと寄っただけで、あとは我慢。 で、無事に倉敷に到着! 私が学生の頃に家族で旅行したことがありますが、それも40年前の話ですからね! 美観地区も大分様変わりしました。 で、ホテルに入って荷物を解き、すぐに美観地区を散策。既に閉めているお店が多かったですけど、川沿いの道がライトアップされ、古い洋館にプロジェクト・マッピングがなされたり、なかなか趣があります。 だけど、一つ困ったのは、夕食を食べるところがないこと! 飲み屋とかバーは沢山あるのですが、普通の食事をするところがない! で、さんざウロウロした挙句、ホテルの真ん前にあった喫茶店「カフェ・バラッド」で提供してくれる夕食をいただくことに。本当は人気のハンバーグ定食が食べたかったですけど、売り切れということで、ステーキ・プレートとチキン・プレートをセレクト。まあ、おいしかったです。 で、一夜明けた旅行最終日、今日は倉敷美観地区を徹底散策。月曜日ゆえ、閉まっている店も多く、とりわけ大原美術館が閉まっていたのが残念でしたが、それは致し方なし。 前に来た40年前と違うのは、デニムの店が増えたこと。岡山県児島は今や日本のデニム生産のメッカですからね。メイドイン・ジャパンのジーンズなどがあちこちで売っている。 だけど! イマイチ、魅力がないんだよなあ。特にデザイン。変にケバいというのか、余計な意匠を施したものが多く、ジーンズ本来の機能美がない。しかも、生地が良すぎて重い! 重くてデザインがケバいとなれば、我々世代は食指が伸びないじゃないの。しかも、価格は3万くらいするので、若者にも手が出ない。店はにぎわっていますが、買っている人はほとんどいませんでしたね。隣国のお金持ちは知らんけど。 で、むしろ美観地学で一番良かったのは、アイビースクエア内にある「倉紡記念館」よ。倉敷を紡績のメッカに変えた初代倉紡社長・大原孝四郎、そしてその次男で二代目を継いだ大原孫三郎の偉業を顕彰する記念館ですが、これは充実していて見ごたえがありました。 でもね、感心するのは、そもそも倉紡を作るというアイディアを出したのは大原孝四郎ではない、というところ。彼は出資者なのね。もともとこの地に住む星雲の志をもった三人の若者が、頭を寄せ合って倉敷の未来を考えた挙句、紡績で町おこしするしかないとの結論に至り、そのアイディアを、地元の資産家であった大原のところに持ち込んだと。で、その若者たちの意気や良しってんで、大原が出資をし、イギリスから技術者を呼び寄せ、機械を輸入したりして倉紡の基礎を作ったんですな。 で、そうやってこの地に紡績工場が完成し、その稼働が始まった時、その稼働開始の織機の音を聞きながら、オリジナルのアイディアを出した三人の若者の内の一人が病で死ぬの。なんてドラマチック! で、倉紡はどんどん業績を伸ばしていくんだけど、初代の意志をついだ孫三郎っていうのがよくできた人で、社員の幸福なくして社の発展なし!とか言って、社員の福利厚生に尽くすの。近代的な社員住居を作り、学校を作り、病院を作って、社員が身心ともに健やかに働ける環境を作ったのよ。素晴らしい経営者。しかも作った病院は、社員のみならず開放して、一般の人の治療にも当たるというね。 しかも、病人に差別をつけない、とか宣言して、金持ちも貧乏人も等しく最高の治療を行い、病室にも一等とか二等などの区別を設けなかったのだとか。 さらに大原さんは石井十次を支援して、岡山孤児院も作るの。石井十次の孤児院については、自己啓発思想の歴史の中でも重要なトピックの一つなんだけど、そのバックにいたのが倉紡だったのか! というのが分かって、私としてはユーレカでしたよ。あと、今も法政大学に「大原社会問題研究所」というのがあるけど、あれももともとは倉紡の大原さんが作ったもので、資本家と労働者のあるべき姿を究めんとした志から出たものと知り、感動! いやあ、昔の創業者って言うのは、志が高いよね! 大原孝四郎、大原孫三郎、すごいわ! あ、そう、もう一つ感心したのは、倉紡の初期のトレードマークが「ニ三マーク」だったこと。 これは漢字の「二」に、三つの丸を加えたものなんだけど、この「二三」ってどういう意味か分かる? トップに立つと、慢心して成長が無くなるから、常に二番手、三番手の意識を持ち、明日は一位になろうと努力すること、その心掛けを忘れるな、というところから来ているんだって。すごくない? いやはや、倉紡記念館は見学の甲斐がありました。教授、絶賛! で、そろそろ昼飯に、と思ったのだけど、ここで再び「食べる場所がない」という問題に直面。まあ、これだけの観光地にして、特に月曜日には本当に食べるところがないのよ。仕方なく、またもや喫茶店みたいなところがやっているランチで、地元のB級グルメ「えびめし」を食べてごまかしましたが、ちょっとね。 で、その後は美観地区をグルグル回って、ところどころで買い物をしたり。 で、大分見尽くしたし、そろそろお暇の時間ということで、我々は倉敷の駅近くにある天満屋デパートで、この地方の名菓「大手饅頭」をゲット! で、そこで旅程をすべて終え、帰路についても良かったのですが・・・ここで帰らないのが釈迦楽流。 倉敷駅の北側には、もとは倉紡の工場があったのよ。それは倉紡記念館で知っていたのですが、その後地に今はでっかい商業施設が二つ作られている。そのうちの一つが三井アウトレットパークなの。倉敷は駅前にアウトレットがあるのよ。 行くでしょ。 ということで、旅の最後はアウトレットでショッピングというね。もう、何やってんだかって感じですけど、実のところ、今日一、盛り上がったという。自分、実は買い物が好きなんだなと。 で、ユナイテッド・アローズで服を買いまくるという。 そしてさすがにここでタイム・アウト。我々は帰路につくことに。 あとはひたすら高速道路を爆走。山陽道から名神、新名神、伊勢湾岸道と走り継いで家に着いたのが夜中近い11時半と。 かくして四泊五日の学会がらみの四国旅行が終了したのでございます。 15年ぶりの四国路、特に恩師Y先生との再会もあり、面白かった。夏休み最後にして最高のイベントでございました。
September 30, 2025
コメント(0)
四国四日目。 今日は中学時代の恩師Y先生に会うことになっております。 午前10時にホテルを出てそのまま松山市役所の地下駐車場にクルマを止め、待つことしばし。恩師が買ったばかりというスズキ・ハスラーに乗って登場! 15年ぶりの再会です。 で、先生のハスラーに乗せてもらって、先生ご推奨の大黒屋という、鯛・蛸釜めしのお店に連れて行ってもらうことに。 Y先生は私の中学1年の副担だったのですが、当時大学出たての新人で、23歳の若者。我々とは10歳しか年齢差がないので、先生というより兄貴分として親しく接しておりました。特に私の場合は、副担であると同時に生物部の顧問でもあり、バスケットボール部の顧問でもあって、二重・三重にお世話になっていた。 ところが先生はわずか2年で故郷宇和島の中学校に移られてしまった。まあ、私の出身中学でもせっかく新任で入ったのに、2年で辞められてはたまらないということで、当時の中学部長・カニさんと、校務主任・ノミさんに随分怒鳴られたとのこと。まあ、仕方ないこととはいえ、私にとっても非常に残念なことでした。 でも、その時からずっと、Y先生とは年賀状の交換だけはしていたのよ。そうやって細々と連絡をつないでいたこともあり、今から15年前に家内を連れて、宇和島までクルマを飛ばして、先生に会いに行ったんですわ。その時ですら30年ぶりの邂逅だったんですけどね。そこからまた親しいお付き合いが再開して、今日に至ると。 で、今回、松山大学で学会があるので、もう一度先生にお会いすることにしたわけ。というか、先生に宇和島から松山まで出てきていただいてしまったのですが。 15年ぶりにお会いする先生は、しかし、以前と変わらずお元気そのもの。なにしろ先生はスキーの指導員1級の持ち主ですから、今でも毎冬、北海道をはじめ各地にスキー転戦していらっしゃるほど。10年前に癌を患われたものの、それは快癒されておりますしね。 で、15年ぶりに会う懐かしい恩師としゃべるしゃべる。昔の話も、今の話も。楽しい、楽しい! 先生のスキー談義も面白かった。40代でスキーに目覚め、かなり上達したものの、指導員の方から「上手いけれど我流」と言われ、そこから指導員の資格を取ることを目指したと。で、指導員1級を取られたんですけど、指導員としての技量というのは、基本に徹するというものだとおっしゃるわけ。 では、その基本とは何かと言えば、斜面に対して常に垂直の姿勢を保つことだと。それは本当に難しいことなんですって。だから、先生はその基本を徹底して訓練してきたし、今もそうだと。 我流では、結局、どこかで行き詰る。だけど、基本に徹する滑りをしていれば、常に課題が見つかり、それを克服した先に次ぎの課題が見つかる。そうやって永遠に上達への道が見つかるのだと、先生はおっしゃるわけ。うーん、これはもう、私がやっている武道の上達の道と全く同じです。すごいな。先生はサムライ・スキーヤーですわ。勉強になるなあ! でも色々な話をした中で、やっぱり一番感動したのは、癌の話。先生曰く、全然自覚症状がない、体重も変わらない、食欲もある、そういう時が一難危ない、とのこと。 先生は生物が専門の科学者ですので、医者も遠慮なく癌の告知をしたそうですが、先生は別に不安にも思わなかったとのこと。ただ、全身のMRIで骨に転移がないと分かった時はほっとしたとのこと。 で、いよいよ手術となったら、ロボットを使った最新の手術法で患部(キャンサーという言葉通り、カニがべったり貼り付いたような感じだったとのこと)をがっつり摘出したそうで。先生としては、癌の手術となれば、ストレッチャーに乗せられて手術室に入るのかと思っていたら、歩いて来いと言われ、トボトボ手術室まで歩き、「手術って、こんな感じかなあ?」と思われたのだとか。 でも、やっぱり術後は体力が落ち、退院した時はまともに歩けなかったとのこと。 私が感動したのは、この先の話。 先生は、ちょうど定年を迎えた歳で、これからスキーをバンバンやるぞ!と思っていた矢先の手術だったのですが、何としてもスキーのゲレンデに立つという決意で、必死にリハビリをやったんですと。で、もしスキーという趣味が無かったら、そこまでの生きる欲望は生じなかっただろうと。 だから、そういう生きがいを持つことが重要なんだよと、Y先生は私に教えてくれたの! 嬉しいなあ! やっぱりいつまで経っても、先生は私の先生なのよ。教え導いてくれる。そうか!と思いましたもん。これから私もガン年齢になるけれども、万が一、癌だと言われても、今日、先生にならったことを思い出して、サバイバルしてやりますとも! とまあ、そんなことも学びつつ、先生との楽しい時間はあっという間に過ぎ、また別れの時間に。 先生は、「また会えるとは思わなかった」と、私が四国を再訪したことを本当に喜んでくださいましたが、いやあ、当たり前ですよ! これが最後じゃないですよ! また来ます。5年後に来ます。先生の喜寿のお祝いに! かくして先生にお暇を告げてから、我々は松山を出てしまなみ海道へ向かいます。そして瀬戸内海の島々を橋で数珠繋ぎにするこの海道を堪能し、今日の宿となる倉敷へ。 6時頃、倉敷のホテルに入り、美観地区を散策。ちょうど今、古い蔵にプロジェクトマッピングを施すイベントをやっていて、そんなものを見つつ、あたりをプラプラと。ま、そんな感じで倉敷の夜は更けたのであります。 とにかく、今日はY先生と15年ぶりに再会できたのが圧巻。四国まで来た甲斐があったというもの。最高の一日となったのでした。
September 28, 2025
コメント(0)
四国三日目。 今日は学会の日。なんですが、研究発表は2時からなので、ホテルを10時に追い出されてから少し時間を潰さなくちゃいけない。 というわけで、まずは路面電車に乗って、松山の繁華街の一つ、大街道に向かいます。 で、この繁華街の途中に、松山城へ行くロープウェイ&リフト乗り場があるの。で、旅先で城があったらとりあえず登城する主義のワタクシとしては、行くしかないだろうと。 で、リフトをセレクトしてぐんぐん上っていきました。だけど、松山城ってのは結構な山城なので、リフトで上がってからさらに徒歩で坂を上がる感じ。 松山城には初めて来ましたが、本気の城で、これを攻め落とすのは難しいだろうなと、素人目にも分かるほどの名城よ。前に来た時には、道後温泉に直行してしまったので、松山城はスルーしちゃったんだけど、これは見ておくべき城だわ。素晴らしい。 で、城見学を堪能した後、再びリフトに乗って大街道に戻った我らは、昼食をとることにいたしまして。で、選んだのが「笑姫キッチン」なる地元の小さなご飯屋さん。ここで愛媛のB級グルメ、「焼豚タマゴ丼」をいただきましたが、めちゃ旨かった。そしてここで、松山名物、水道の蛇口からみかんジュースが出るというヤツを飲みました。一杯200円。旨し! で、お腹が膨れたところで、これまた近くにあった Ramble という古着屋さんにチラッと寄って店主の方とおしゃべりしつつ、服を物色。買うところまではいきませんでしたが、しばし古着談義して楽しかった。 そうこうしているうちに時間になったので、そこから徒歩で松山大学へ向かいます。20分弱くらいかかったかな? そう、松山大学についたら、学会が用意してくれていた「蛇口からみかんジュース」をやっていたので、タダで一杯飲ませてもらっちゃった。これが、今回の学会で唯一、素晴らしかったところ。 肝心な研究発表はどうかと言いますと、4本の研究発表を聴講させていただいたうち、1本を除いて、あとは極端につまらなかったっていう(爆!)。 わかんないわ~。なんでつまらない話しかできないのに、学会発表したいと思うんだろう? 意味不明だわ。ワタクシが学会で発表するときは、絶対面白い話するけどね。面白い話ができるから発表するのであって、面白くない発表する人のことがまったく理解できない。 特に、今、ダメな学会発表の典型例ってのがあって、それが「ケアの倫理」っていうヤツ。 もうね、どういうわけか知らないけど、今、アメリカ文学会で「ケアの倫理」っていうのが大流行りでね。これがまったく意味ない話なの。 「ケアの倫理」っていうと、なんだか大層な話のような気がするでしょ? でも「ケアの倫理」っていうのは、思いやりがあるかないか、っていう話なの。本当にただそれだけの話。思いやりがある人はいい人、思いやりがない人は悪い人。それだけ。 でね、小説読んで、思いやりのある登場人物が出てくると、この人はケアができる人、だからいい人って判定するの。それでわがままな人が出てくると、この人はケアができない最低な奴ってスタンプを押す。それだけ。 それが「ケアの倫理」で文学を分析する、ということなの。馬鹿まるだしでしょ? だから、発表の中で、発表者が「ケア」とか言い出すと、あ、もうダメだなって思う。実際、ダメだから。 もう、ほんっとに文学研究の世界は終わったわ。 ま、最近は学会発表に何の期待もしてないからいいんだけどね。 むしろ私にとっての学会の楽しみはこの先。普段、埼玉の方に住んでいてなかなか会えない同業の親友と飯を食う。そして語る。これが楽しみで学会に参加するわけだから。 で、今回は家内も含め、三人で松山名物「鯛めし」を食べることにし、「もとやま」という名店の本店に行きました。 鯛めしにも二種類あって、鯛の炊き込みご飯タイプと、鯛のたまごかけご飯タイプがあるんだけど、もとやまは後者のパターン。で、実際に食べてみたら、超美味しかった。これは食べる価値がある。昨日から松山で食べたものはみんな旨かったなあ。いいところだね、松山って。 で、その後、コーヒーでも飲もうということになり、大街道のアーケード街にある「フライング・スコッツマン」というカフェに行って、コーヒーをのみながらケーキを食べたんだけど、この店も良かったわ~。 ということで、旨い飯を食い、旨いコーヒー&ケーキを食べながら、親友T君とあれこれ話をし、情報を仕入れることができたので、もう、完璧。松山学会は充実したわ~。 さてさて、こうして四国三日目は楽しく過ぎ去ったのでございます。 明日は明日でイベント満載! まだまだ満喫しますよ!
September 27, 2025
コメント(0)
四国二日目。 リゾートホテルで目を覚まし、ルームサービスの朝食をとりながらテレビを見ていたら、ちょうど彬子女王殿下が登場しておられて、近々刊行予定の『飼い犬に腹を噛まれる』という本について語っておられました。 で、その本を編集したPHP研究所の編集者の桑田さんという方も取材に応じていたんですが・・・ ん? PHPの桑田さん? ひゃー、私、この人に会ったことあるわ。っていうか、桑田さんに取材を申し込まれて、実家の近くで会って一時間くらい話をし、それがPHPの雑誌『THE21』に載りましたよ。 当時桑田さんは雑誌の編集部にいたんだけど、単行本の編集に行きたいと言っていて。じゃあ、希望が通って編集部に異動し、彬子女王殿下の本を編集するような大物になっていたんだ!! すごい大出世じゃないの! 良かったねえ。でも、もう偉くなっちゃって、私なんかとは会ってくれないかもね! さてさて、今日のワタクシですが、今日はホテルを出て、クルマで5分のところにある大塚国際美術館に向かいました。 ここは大塚製薬の作った美術館で、世界中にある超有名な美術作品を陶板に転写したものを、これでもかというほど展示してあるところ。全部見るのには4時間くらいかかります。歩く距離も4キロ。 陶板に転写、というところが全然意味不明だったのですが、実物を見て納得。驚くほど精密に、実物と見まごうほどに陶板に絵が転写してあるの。ほぼ、本物よ。 だけど、まごうかたなく、偽物だというね。 でも、偽物には偽物の良さがあって、写真とか、いくらでも撮っても可だから。システィナ礼拝堂を覆い尽くすミケランジェロの絵とか、現地に見に行っても写真撮れないからね。おなじことは、フェルメールの「青いターバンの少女」にも言える。陶板転写画だからこそ、バシャバシャ写真撮れるわけよ。 まあ、とにかく、噂には聞いていたけど、すごいもんですわ。あれだけの量の陶板画、作るのにいくらかかったのか。ポカリスエット、何本売れば、その資金が調達できるのか。 正直、二度行く場所ではないけど、一度行く価値は十分になるな。教授のおすすめ!よ。これこれ! ↓大塚国際美術館HP で、3時半頃まで美術館にいて、そこから松山を目指します。3時間くらいかな。で、ビジネスホテルに入って、松山市駅で飯を食い、さっき、ホテルに戻ったところ。 ちなみに夕食は松山市駅にある高島屋の9階にある地元のイタリアン・レストラン、「にんにく屋」というところに行ったのだけど、ファミレス・レベルかと思いきや、結構、美味しかった。パスタが細麺で、にんにくが効いた味付けはパンチがありましたね。 さてさて、明日はいよいよ学会。明日ばかりは少し真面目にお勉強してまいります。
September 26, 2025
コメント(0)
はーい、ワタクシ、ただいま四国に来ております。人生二度目の四国入り。 いや、実は今週末、松山で学会があるのよ。だから土日には松山にいなければならないのだけど、どうせ四国に行くなら、もう少し色々回ろうと。 というわけで、今日はお昼少し前に家を出て、クルマで四国に向かいました。 名二環から伊勢湾岸道を通り、新名神へ。途中、土山SAで昼食。私は肉そば、家内は伊勢うどんをチョイス。旨しでございます。 そしてそのまま信楽、京都、大阪、神戸を通過し、淡路島を通過して徳島へ。 で、徳島に入った途端のところにあるホテルに宿泊。一応、名前はリゾートホテルなんだけど、なんとなく雰囲気がラブホっぽいという・・・。インター脇にあるというところも含め・・・。でも、内装は豪華だし、言うことなし。 で、ホテルの周辺にはレストランなどは一つもないので、夜ご飯は鳴門市内へ出ることに。 で、見付けたのが「味処あらし」という店。そうしたらね、これが大当たりだったのよ。 我々が食べたのは、てんぷら定食だったんだけど、魚のてんぷらがめちゃくちゃ旨い。そして名物のわかめ汁がこれまた馬鹿うま。とにかく魚が新鮮で旨かったので、つい、焼き魚も単品で頼んじゃった。頼んだのはなんかの魚のカマを焼いたものだったんだけど、ものすごく脂が乗っていて超美味しかった! ということで、四国旅行一日目は大成功裏に終わったのでした。 明日は、とりあえず大塚国際美術館に行くぞ~!
September 25, 2025
コメント(0)
ビリー・バンバンの菅原孝さんが亡くなられたとのこと。享年81。 なつかしいな、ビリー・バンバン。特に「さよならをするために」は良かった。最近の若者向けの楽曲って、まったく日本語として意味をなさない歌詞ばかりだけど、石坂浩二さん作詞の「さよならをするために」は、共感できる、そして情緒ある言葉で成り立っていましたからね。心に触れる歌ってのは、こういうもんじゃないの? こんな素晴らしい曲を、兄弟デュオで歌われてきた菅原孝さんのご冥福をお祈りいたします。これこれ! ↓ビリー・バンバン「さよならをするために」 さて、先日、セカンド・カーの1年点検をやったばかりですが、今日は今日で、私の愛車ルノー・キャプチャーの車検整備のため、通勤前にディーラーに寄り、入庫してきました。 で、驚いたのはその時にもらった代車よ。 入庫予約をした時、係の人から「日本車でもいいですか?」と尋ねられたので、「何でもいいです」と答えておいたのよ。だから、代車への期待はゼロで、どうせ前と同じように、走行距離20万キロのトヨタ・ヴィッツとか、トヨタ・パッソとか、そういうしょーもないクルマに乗ることになるんだろうなと思っていたわけ。 そうしたら・・・ なんと、今日の代車はルノー・アルカナよ。それもフルハイブリッドの奴。 ハイブリッドと言っても、ルノーのそれは普通のとは大違いだからね! トヨタのハイブリッドは、プラネタリーギアを使ったものだけど、ルノーのハイブリッドは「ドグ・クラッチ」を使ったもの。ドグ・クラッチって、F1のレース車とかで使うヤツで、通常のATのように間に粘性の高いオイルとかをかまさずに、直でエンジンとシャフトをつなぐの。だから摩擦ロスがまったくない。ただ、普通にガチコンとつなぐとものすごい衝撃がくる。 ところがルノーの乗用車用ドグ・クラッチでは、間にモーターが入るので、このモーターを使ってエンジンとシャフトの回転数を自動的に合わせるわけ。だから、直でつなぐのだけど、つないだ時に衝撃がないと。 仕組みとしては理解しているんだけど、しかし実際乗ってみてどうなのか。 乗ってみたらね、これが実にスムーズなのよ! 衝撃なんて全然ない! しかも直結だからロスもなく、アクセルと加速のシンクロがすごい。 私が今乗っているキャプチャーはDCTなので、これもほとんどロスがないんだけど、走り出しの低速域でぎくしゃくするんですわ。だけど、ドグ・クラッチのアルカナは、この低速域でのぎくしゃく感もまったくないの。 で、メーターで見る限り、燃費はリッター16キロくらい。キャプチャーが10キロだから、1.5倍ですな。満タンにすると、750キロくらいは走れるのではないかしら。 いいね、アルカナ。次の愛車として、アルカナを買う可能性も、あるかな? なんつって。 というわけで、今日は面白い代車をもらってご機嫌のワタクシなのであります。今日も、いい日だ!
September 24, 2025
コメント(0)
自宅マンションのリフォームをちょっと考えているもので、「マンション・フルリノベ」などというワードで検索して、関連動画とかチラチラ見ているんですけど、これがなかなかね、「いいな」と思うものがない。 なんだろう、「生活感がない」=「カッコいい」と思っている人が多いのかなあ? シラーっとしたモデル・ルームみたいなのばっかり上がってきて、全然参考にならない。 あと、「広い空間がいい」というのもあって、大きな箱型の空間の中に、アイランド型キッチンとダイニングとリビングが点在している、というのもよく見かけるんだけど、これも私の望むモデルではないんだなあ。キッチンはキッチン、ダイニングはダイニング、リビングはリビング、という風に機能別に分割している方が住みやすいと思うのだけど、どうなんですかね? あと、膨大な量の本を置くスペースを例示しているモデルが一つも見つからない。普通の人の家には、本ってないの? うち、馬鹿馬鹿しい量があるんだけど。これをどうやって整理し、配置するか、参考になる動画が一つもないのよ。 まあ、ピンタレストで気に入った画像(洋物)をチマチマ集めていくしかないのかもね。 だけど、日本の近代家屋建築って、まだまだ基準が設定されてない気がするなあ。建築家があまりにも不勉強すぎる。現代日本にル・コルビジエは一人もいないのかね?
September 23, 2025
コメント(0)
昨年の今頃買った我が家のセカンド・カー、スイフトの1年点検の時期となったので、今日のお昼過ぎ、ディーラーに入庫してきました。 1年点検ですから、2時間ほどもあれば終わるということで、代車をもらって近くのサブウェイのお店まで行き、そこで軽い昼食。 代車にもらったのはアルトだったのですが、マットなブルーグレーみたいな色でわりとカワイイ! 安全装備もひと通りついているし、小さくて小回りが効くし、移動手段として考えればクルマなんてこんなんでいいのかなあ・・・なんて。 で、お腹が膨れた後、まだ少し潰すべき時間があったので、スズキのディーラーの近くにあったトレファクに行き、ちょっとだけ古着ショッピング。 家内ともども、色々なブランドの色々な服をとっかえひっかえ着てみては姿見で検討。なかなか面白い。 こういうところだと、普段自分が選ばないような色・柄の服でも、試しにちょっと羽織ってみる、というようなことができる。で、散々着倒して楽しんだ挙句、ポロ・ラルフローレンのセーターでちょっと気に入ったのがありましたが、結局、買うところまでは行かず。でも、面白かった。 で、ディーラーに戻ってスイフトを受け取った次第。 なお、ディーラーに新型車のフロンクスが置いてあって、ちょっと試しに室内に入ってみたのですけど、中は結構広いし、装備も充実しているし、今私が乗っているルノー・キャプチャーの後継にどうかなと。大きさ的には、だいたい同じですしね。 でも、まあ、ファースト・カーとセカンドカー、どちらも同じメーカーというのではちょっとつまらないかもね。 というわけで、今日はクルマの点検にかこつけて、あちこちに行って、ちょっといい気晴らしになったのでした。
September 22, 2025
コメント(0)
なんか、今朝起きた時、「あ、秋が来た」という気がしましたねえ。何だろう、吹き抜ける風の中に不穏な冷気(このまま吹かれていたら風邪ひくな、という感じ)を感じたからか、あるいは日差しの中に赤ではなく白さを感じたからか(朱夏白秋とはよく言ったもので)。 でもいいじゃない。炎熱の夏が終わったって。今年の夏は、長すぎました。これからスーパーマーケットのフルーツ売り場が彩り豊かになり、食材が豊かになり、少しずつ鍋のシーズンが始まると思えば。半袖・Tシャツの単調な服装の季節が終わり、重ね着の季節に入ると思えば。 現在、執筆活動の方は不調で、あまり目立った進行が見えてないんですけど、秋になって気温が下がって来れば、おのずと「勉強の秋」的な気分にもなるでしょう。ま、気分が乗らない時は、乗るまで待つ。これしかないよね。 その分、読むことはあれこれ読んでいて、今日は前田愛の名著『近代読者の成立』の「明治立身出世主義の系譜」の章を再読し、自分の考えている『西国立志編』観や『学問のすゝめ』観と前田のそれとの間に何ら違いがないことを確認。それは大変良かった。それにしても、さすがに前田愛クラスになると、読み応えがありますな。 ま、今日の近況報告は、こんなところで。
September 21, 2025
コメント(0)
![]()
モンゴメリの書いた『青い城』という小説を読んだので、心覚えをつけておきましょう。 モンゴメリってアレよ、『赤毛のアン』を書いた人。『赤毛のアン』って、昔から超有名だし、我が姉の本棚にもシリーズが何冊も刺さっていたので、子供の頃から読もうと思えばいつでも読めたんですけど、逆に姉の本棚に刺さっていたことで、「これは男の読むものじゃないんだろうな」という気がして、敬して遠ざけていたの。 そんなモンゴメリの作品を、還暦過ぎた初老のおっさんになってから読むという・・・。シュールじゃろう? 何で読んだかというと、なんかの本に『青い城』は超面白いって書いてあったから。何の本だったか忘れたけど。 で、読んでみたら、本当に超面白かった。二、三日、夢中になって読んでしまった。 以下、ネタバレ注意ですけど、『青い城』ってのは、こんな話。 主人公はヴァランシー・スターリングという29歳の適齢期を過ぎた未婚女性。スターリング家は、それなりに格式こそあるけれど、没落途上の下層上流階級。だから、娘がいれば財産目当てで金持ちと結婚させる的なしきたりもあるのだけれど、なにせヴァランシー(一家の中ではなぜか「ドス」という愛称で呼ばれている)は地味であまり見目麗しくないので、若さの絶頂にあった頃ですら男性の目を惹いたことがない。だから、このまま行かず後家になりそうな雰囲気で、家族の中ですら憐れまれている始末。 でまた、家の中には彼女を憐れんだり、からかったりする親戚、おじさん、おばさん、いとこ、口うるさい母親とか、そういうのが山ほどいるのよ。あと、年下のいとこで、絶世の美女オリーブっていうのがいて、この女はヴァランシーの持っていないものをすべて持っており、その格差がまたヴァランシーを悩ませている。そんなヴァランシーの唯一の愉しみは、ジョン・フォスターという自然派エッセイストの本を読むことだけ。 だから、ヴァランシーは家に居ながらにして居場所がないんだけど、そんな彼女には心の中に「青い城」がある。自分の空想でこさえた理想郷ね。だから白日夢の中で、ヴァランシーは青い城の中で、理想の王子様と幸せに暮らしている。 だけど、若いうちは、空想上の王子様も若々しい青年だったんだけど、なにせヴァランシーが29歳ともなると、王子様の年齢もあがってしまって、今では中年男性くらいになっちゃった。情けない。 ところが、この状況が一変する出来事が起こります。ヴァランシーには狭心症的な心臓の持病があるのだけど、医者に見せたら、「余命一年」って言われちゃうの。言われるというか、手紙で知らされるんだけど。 心臓の権威とも言うべき医者に、余命一年と言われたヴァランシーは、人生観が一変します。だって、もうすぐ死ぬんだもん。怖いものなしよ。ならば、この一年間くらいは、自分の好きなように暮らそうと思うわけ。 で、今までは地味で、親やおじさんたちに口答えの一つもしたことのないヴァランシーだったのだけど、一夜にして人格豹変! 今までの借りを返すがごとく、平然と口答えし、嫌なことは嫌といい、今まで言われ放題だったことへの意趣返しのように、彼らの欠点を平然と指摘するような、大胆な娘に大変身。そして親・親戚は驚愕! この立場逆転の愉快・爽快たること! で、これからは好きに生きようと決意したヴァランシーは、町の大工兼何でも屋の「がなり屋」アベル・ゲイの娘で、私生児(既に死んでいる)を生んで村八分になっているセシル(シシイ)が肺病で臥せっていると聞くや、一族の猛反対を押し切ってゲイの家に行き、そこで雇われ家政婦となってシシイの面倒を見ることにするわけ。スターリング家は、当初、ヴァランシーに翻意を促しますが、彼女の決意が固いとみると、もう、勘当扱いに。 かくして家政婦となったヴァランシーは、生まれて初めて自分の力でお金を稼ぐとともに、シシイのいい友達となり、その父親のアベル・ゲイとも親しくなります。飲んだくれだけれども、それなりに教養も信仰もある、親切気のある娘思いの父親として。そしてシシイの私生児の謎も解ける。町の噂では、この界隈に住んでいるバーニイ・スネイス(過去のあるごろつきと思われている)が父親なのではないかと言われていたけれども、そうではなくて、さる上流階級のボンボンにのぼせた挙句のことだったと。そのボンボンは、責任を取って結婚してくれるといったけれども、そこに愛はないと知ったシシイから断っていたんですな。 でもね、シシイは結局、死んでしまいます。彼女が死ぬ前、ヴァランシーは自分の空想上の青い城のことを打ち明けるんだけど、それを聞いたシシイは「わたしにも青い城があった。名前は「青い城」ではなかったけど」って言うの。そして死んでいく。 さて、シシイの看病という大義名分が無くなり、アベル・ゲイの家で家政婦を勤める意味も無くなったヴァランシーは、ここでさらなる大胆な一歩を踏み出します。シシイの私生児の父親ともみなされ、町で評判のごろつき、バーニイ・スネイスにヴァランシーの側からプロポーズし、結婚するんです。 バーニイはアベル・ゲイと親しく、また哀れなシシイのことも気にかけて、しばしばこの家を訪れ、なにくれとなく面倒を見ていたんですな。それを見て、前々から「この人はいい人なのではないか」と、ひそかに憧れていたヴァランシーは、どうせもう少しで死ぬのだから、一度くらい結婚してみたいと思い、大胆に女性の側からプロポーズしてみたと。するとバーニイは、「別に愛しているわけじゃないけど、前から素敵な人だと思っていたから、いいよ」と言ってあっさり結婚を承諾。ある意味、一年間の契約結婚みたいな感じで、二人は正式に結婚します。そしてバーニイの所有する島で暮らすことに。 島には小さいながらも居心地のいい家が一軒あって、二人はここで楽しく暮らします。家の傍に小屋があって、バーニイは「ここに入ってはいけない、自分がここにこもって何をしていようが、干渉してはいけない」と厳命していたんですけど、ヴァランシーとしては、バーニイがどんな秘密を持っていようと、自分にかかわらないことであれば構わないと思っていたので、これを二人の契約の一つとして認め、とにかく互いに干渉しないと言うことを踏まえて、この上なく快適に結婚生活を楽しみます。でまた、バーニイというのが、自然のことを良く知っている人で、この男と一緒にいると、まあ、楽しいのよ。 で、そうやって四季が巡り、段々、死ぬ時期が近づいてくる。でもヴァランシーは、以前と違い、心臓の痛みなんてものを感じなくなってもいたんですな。 そんな時、ヴァランシーとバーニイが町に出た時、たまたまヴァランシーが履いていた靴のかかとが線路に挟まり、身動きが取れなくなる事件が発生! 危うい所でバーニイに助けられますが、そんな大事故にもかかわらず、ヴァランシーは心臓発作で死ななかった。医者には、心臓がドキドキするようなことは絶対に避けろと言われていたにもかかわらず。要するに、ヴァランシーは自分が死にそうにないことに気づくわけ。 で、このままでは「死ぬ死ぬ詐欺」になってしまう! バーニイに「もうすぐ死ぬから結婚して」といったのがウソになり、騙されたと知ったバーニイは彼女に愛想を尽かすに違いない! ヴァランシーは意を決して、自分を診察した医者を問い詰めると、医者が別な人と間違えて、彼女に余命宣告をしていたことが判明。さらに島に戻ると、そこにバーニイの父親が来て、実はバーニイが大金持ちの子息であり、絶世の美女と婚約までしていたことが判明! 絶望したヴァランシーは、バーニイに置手紙をし(この時、筆記具を探すために秘密の小屋に入り、バーニイが実はエッセイスト、ジョン・フォスターその人であったことを知ります)、実家に戻ってしまう。すっかり絶望して。 もちろん、バーニイはヴァランシーの実家に突撃してきて、自分の秘密を打ち明けます。それによると、確かに彼は金持ちの子息だけれど、生まれつきの金持ちではなく、成金の子供であったことから、上流階級の間では馬鹿にされ、親友にも裏切られて辛い子供時代を過して来たこと、そして確かに絶世の美女と婚約したけれど、この女も単に金目当てだったことが判明し、以後、人嫌いとなって自然の中で一人で暮らして来たこと、そして何よりも今やヴァランシーのことをこの上なく愛していることを告白する。 かくしてすべての誤解が晴れ、さらにヴァランシーの実家も「大金持ちと結婚するなら文句なし」ということでヴァランシーの味方に転じ、皆に祝われてバーニイとの結婚生活、それもリッチな結婚生活を続けることとなりましたとさ。ヴァランシーはついに、彼女の「青い城」を手に入れたわけですよ。オリーブにやっかまれながら。 というお話。 まあ、かなり典型的なロマンスですな。ヴァランシーが絶世の美女ではないこと、バーニイが親友と婚約者に裏切られた手負いの「prince in disguise」であること、二人の最終的な結婚で、ヴァランシーが金と身分に不自由しなくなることなど。完全なロマンスでないのは、バーニイが生まれながらの王子様ではないことと、ヴァランシーの実家が、下層とはいえ上流階級であること、くらいかな。 そういう意味では平凡なストーリーなんだけど、やっぱり書き方が上手いんだろうねえ。読んでいて面白いことは確か。楽しい読書体験でした。このロマンス、教授のおすすめ!です。 もう、こうなったら、『赤毛のアン』も読んじゃおうかな! 60過ぎのおっさんが!これこれ! ↓【中古】青い城/角川書店/ルーシー・モード・モンゴメリ(文庫)
September 20, 2025
コメント(0)
![]()
必要があって、「岩波少年文庫」の『クマのプーさん』を読んでいるのですが、訳がひどい。 誰がこんなひどい訳をしているのかと思ったら、石井桃子さんだった。あら、失礼いたしました。位階従四位、芸術院会員のことをディスっちまった。 でも、これはちょっとないんじゃないか、というような訳でした。まあ、1956年の訳だからねえ。ひどいというより古いというべきか。それにしても、ちょっとひどくないか? プーさんは「プー・クマ」、ピグレットのことなんか「コブタ」と訳しているからね。時代に即してない。 そういう、個々の問題だけでなく、全体として、すごく分かりにくい訳になっている。まあ、原作が訳しにくい作品だということは分かるけど、たとえば同じ岩波少年文庫でも、大塚勇三訳の『長くつ下のピッピ』とか、別に読みにくいというものではないからなあ。 で、あんまり読みにくかったので、ワタクシが訳し直してやろうかと、ちょっと色めき立ったんですけど、そうしたら既に阿川佐和子さんが『ウィニー・ザ・プー』として、新潮社から新訳を出されていた。 だけど、うーん、どうなんだろうか。阿川訳にも癖があるんだ。ピグレットが「コプタン」になっているのも解せないし。それから、阿川訳はあまりにも理屈っぽ過ぎる。原作のナンセンスさが、全部、理屈で整理されている感じ。大人は読みやすいけれども、子どもは・・・。 あと、クマプーの一番の魅力とも言うべきあのアーネスト・H・シェパードの可愛いイラストが新潮社版にはないらしい。版権のアレかねえ? やっぱり、岩波少年文庫の石井訳を、新訳にしないといかんのじゃない? 岩波さん、ここにいい訳者がいるよ~。阿川さんは講談社エッセイ賞の受賞者だけど、こっちは日本エッセイスト・クラブ賞獲っているからね! それにしても、今回、初めてプーさん読んで驚いたのだけど、クマのプーさんって、すごく頭悪いのね。ビックリ。そういう本だったのかと。プーさんのみならず、出てくる登場人物すべてがものすごく頭悪い。え、そんな感じ?と驚くほど。いくら動物とはいえ、彼らの能力をあまりに低く見積もりすぎじゃね? ひどすぎないか、A・A・ミルン? 今だとコンプライアンス的に? まあ、お馬鹿さんの魅力というのもあるからいいのか。頭のいい人ばかりがいい目を見る社会へのアンチテーゼか。 ということで、石井桃子訳『クマのプーさん』にはビックリさせられっぱなしだったのでした。人生、60年以上生きていても、ビックリすることが多いねえ。【3980円以上送料無料】クマのプーさん/A.A.ミルン/作 石井桃子/訳 ウィニー・ザ・プー A・A・ミルン/著 阿川佐和子/訳
September 19, 2025
コメント(0)
名優ロバート・レッドフォードが逝ったじゃん? それで一つ、気がついたことがありまして。 レッドフォードが亡くなって、当然、あちこちに訃報を伝える記事が出る。ところが、その訃報記事が全部、匿名なのよ。つまり、新聞社とかの記者が書いているわけ。 昔はこんなことなかったですよ。少なくともロバート・レッドフォードほどの大物が亡くなった時、記者の書いた記事で終始する、なんてことはなかった。 必ず知名度の高い「映画評論家」のコメントが入ったものですよ。 たとえば淀川長治さん。たとえば荻昌弘さん。そして水野晴郎さん。あるいは小森のおばちゃまとか浜村淳さんとか。 今、そういう人がいないんだなと。こんな寂しいことってある? 映画、特に洋画は、こういう人たちが居たから支えられていたんだなということが、よく分かる。 上に挙げた面々以降、映画評論の世界では、たとえば蓮實重彦さんとか加藤幹郎さんとか、そういう系統の人たちがいますけど、この人たちの書くものってのは、素人には難し過ぎて、逆に「映画は難しいもの・・・らしい」というイメージを植え付けてしまった。むしろ映画を遠ざけたんですよ。近づけるんじゃなくて。 今の日本の洋画離れってのは、結局、そういうところから来ているのではないかと。先日、京都大で教えていて、アメリカ文学専攻の学生が『2001年宇宙の旅』の、そのタイトルすら知らなかった、というのも、同根だよね。 だから、洋画愛好家として、ワタクシは声を大にして言いたい。『水曜ロードショー』とか『金曜ロードショー』とか『日曜洋画劇場』とか、そういうのを復活させて欲しい! ああいうので、洋画に親しみ始めたという人は、(私も含め)とてつもなく多いのだから。あるいは昔の東京12チャンネルあたりでやっていた、土曜の午後の映画とか。 今のつまらない芸人の悪ふざけなんか延々と見させられるより、よっぽどよくない? そしてそういう『〇〇ロードショー』には、冒頭で映画紹介をやってほしい! 映画評論家でなくても、高島忠夫的な芸能人でもいい。とにかく、視聴者と映画の接点を、誰かに結んでもらいたい。 私はあのロバート・レッドフォードが、淀長さんのような人から追悼されずに逝ったことが、本当に申し訳ないです。
September 18, 2025
コメント(0)
はあ・・・ついにこの日が来ましたか・・・。米俳優のロバート・レッドフォードさんが亡くなりました。享年89。 私が子供の頃、アメリカの二枚目俳優といったらこの人、という感じがしましたねえ。『明日にむかって撃て!』、それに『スティング』。ポール・ニューマンとのコンビが素晴らしかった! ポール・ニューマンが明るいキャラ、レッドフォードがクールなキャラ、という感じは、ちょっとルパンと次元のコンビにも似てましたな。 それから『華麗なるギャッツビー』ね。ギャッツビー役としては、やっぱりレッドフォードが一番なのではないかしら。あと、ダスティン・ホフマンと組んだ『大統領の陰謀』も忘れてはいけない。 あの見目麗しい俳優が、ついに・・・。 私が子供の頃に「かっこいいなあ」と思った俳優たちがどんどん亡くなっていくね。マーロン・ブランドも、スティーブ・マックイーンも、チャールズ・ブロンソンも、ライアン・オニールも、アラン・ドロンも、ジャン・ポール・ベルモントも、みんな死んじまった。クリント・イーストウッドは驚異的に頑張っているけど、それもそう長くはないでしょう。 なんかなあ・・・。寂しいのう。 しかし、まあ、俳優というのは、羨ましいことに、肉体は滅びても、フィルムは残る。もう少しして、私も暇になったら、昔観た映画を片っ端から見直して、往時の華やぎを思い起こそうかな。 美形俳優として一世を風靡し、サンダンス映画祭を企画して若手の育成にも貢献したロバート・レッドフォードさんのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。
September 17, 2025
コメント(0)
昨夜、世界陸上で、かのスウェーデンのデュプランティス選手が「6メーター30」を飛んで、自己の持つ棒高跳びの世界記録をまた塗り替えた、その世紀の一瞬を見てしまった。デュプランティス選手については、彼が子供の頃、親父さんに作ってもらった家の裏庭の私設特訓場で棒高跳びの練習をしていたころの映像を観た記憶があるので、余計感慨があります。あの坊やがねえ・・・的な。 陸上競技に限らず、スポーツってのは、いつの時代も古い記録が塗り替えられる場なのであって、進化が実感できる。それはスゴイと思います。 翻って、私の職業である文学研究はどうよ。劣化しかしてないじゃないの。 たまたま今、若手研究者の投稿論文の審査をやっているんだけど、まあ、ひどいよ。いい論文ではない、というレベルではなく、もう、そもそも論文の体をなしていない。それも、一つ二つそういうのがある、というのではなくて、投稿論文の全部がそうなんだもん。こんなの、卒論のレベルよりさらに下だ。 一方、プロの研究者が書いた論文集の書評もやっているんだけど、こちらもねえ・・・。 さすがに投稿論文のように、体をなしてない、というようなことはないけれど、なんつーか、単なる思いつきに過ぎないようなものばっかりなのよ。 たとえば「スポーツと文学」というようなテーマで書いた論文がある。そりゃあまあ、英米文学の中には、スポーツがテーマとなる小説もあるでしょう。でも、そういうのを幾つか集めて論じたって、それっきりじゃん。「ああ、そうなんだ」で終わりますよ。 そうじゃないというのだったら、スポーツというものが文学にとっていかに重要かを徹底的に論じて、一冊の大部な本にまとめればいい。でも、そこまでやろうとしないで、この論文を1本書いて、また別のテーマに移るのでしょう? それじゃ、思いつきで論文書いているとしか言えないじゃない。こっちの花でちょっと蜜を吸い、あっちの花でちょっと蜜を吸い、ってな具合で花から花へ飛び回るチョウチョみたいなもんだ。 最近、そんな論文ばっかりよ。 それでいて、自己啓発文学という視点からアメリカという国のあらゆる側面に新たな光を当てようとしているワタクシの壮大な研究は、学会からは評価されないんだからなあ、嫌になるね。 まあ、いいよ。学会からは無視されても、ビジネス界からは注目の的だからね。今日も一件、そっち方面から講演依頼が来たぜ。こういうの片っ端から引き受けて、ひと財産作ろうかな。 そう言えば、フラナリー・オコナーというアメリカの作家も言っていたっけ。文学的評価が受けられない以上、経済的なメリットがなければ、作家なんてやってられないと。今更ながら、彼女の言い分は、分かる気がするねえ。
September 16, 2025
コメント(0)
このところ、一つは京大での集中講義(とその事前準備)と、科研費取得のための書類書き、それに学会関連の仕事で2週間ほど、自分の仕事から遠ざかっていたのですけど、そろそろそこに戻ろうかなと。で、今日は、2週間前まで書き継いでいた原稿を読み直す作業を行っておりました。 そうやって読み直して、調子を取り戻す。方向性をたどって、この先どう書いて行けばいいかを確認する。そういう作業。 で、それをやってみると、まあまあ、いい出来なのよ。しばらく間を置いてから自分の原稿を読み直すと、いいなと思う時とダメだと思う時があるのだけど、今回はまあ、割といいなと。 だーけーどー。 それにもかかわらず、ちょっと迷走中。なんかこう、自分の殻を打ち破れてないような気がする。今までの自分の路線としては、結構いいのだけど、その路線内で終始している感じがする。 今までは、定期的にテーマが変わっていたので、路線を続けていてもある程度、高レベルの本を書き続けることができたのだけど、同じ路線の中で画期的な本を出すというのは、やっぱり難しいのよ。 でも、どうすればいいのか。全然分からない。 まあいいや。こういう時こそ、テキトーにやろう! やっている内に、なんとかなるっしょ。
September 15, 2025
コメント(0)
今日は地元で花火大会がありまして。歩いて15分くらい、川沿いの土手の特等席から30分間、花火の競演を楽しみました。これが終わると段々秋に向かっていく感じがするのですが、さて、猛暑の今年はどうでしょうか。 で、家に帰れば待ちに待った「井上尚弥 vs アフダマリエフ戦」。今回、井上は敢えてKOを狙わず、判定勝利を狙うと戦前に宣言しておりましたが、まさにその宣言通り、徹底したアウトボクシングで相手に何もさせず、スピードで圧倒する展開。 まあ、打ち合っても多分、井上が勝ったと思いますが、敢えて無理をせずという戦略、それはそれで良かったのではないでしょうか。こういうボクシングをしていたら、まだまだ当分、井上は負けないでしょうな。 それにしても、井上の試合はいつ見ても痺れるねえ! まさにアートだよ、アート。井上と同じ時代を生きられて良かった。野球の大谷、ボクシングの井上、将棋の藤井。この3人はもう、別格だな。 というわけで、花火も見られたし、痺れるボクシングも見られたし、今日は充実の一日となったのでした。
September 14, 2025
コメント(0)
昨日まで京都大学で集中講義をしていたわけですが、その講義の中で、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に触れることがありまして。 この作品、アメリカSF映画の金字塔であるわけですけれども、自己啓発思想の面でも非常に面白い映画でね。 というのも、この映画の主題が「人類の進化」だから。冒頭、猿が道具を扱うことを知り、人間への進化の道筋をつけるシーン。そして最後、ボーマン船長が人間からスター・チャイルドへの進化を遂げるシーン。どちらも「新人類への進化」が重要な概念となっている。 で、この映画がアメリカで封切られた1968年という時代は、まさに人間の進化が切実に希求されていた時代でもあったわけ。公民権運動(内憂)とベトナム戦争(外患)で国が荒れていた時期、人々(特に若者)は、社会の大改編、それも長い時間をかけたゆるやかな改変ではなく、一夜にして社会が変わるような、巨大なパラダイムシフトが望まれていた。その人々の希求が、スター・チャイルドへの進化という形で、あの映画の中で描かれていたわけですよ。 だから、この映画は自己啓発映画なのね、人間の進化がテーマだから。 それはいいのだけど、そういうことなしに考えても、私たち世代の人間にとって、『2001年宇宙の旅』を観たことがないとか、そういう状態は考えられないわけよ。私は中学生の時に観ましたし、それ以来、様々な形でこの映画のことが話題に上がることがあった。常識中の常識なわけ。ところが・・・ 京大生・院生ともに、受講生の誰一人として、この映画のことを知っている者がいなかったのでした。観たことがない、ではなく、この映画の存在自体を知らなかった、というんですわ。タイトルすらも、初めて耳にしたと。 で、逆に聞かれましたもん。「この映画とどうやって出会えばいいんですか?」と。 ええ゛ーーーーー、だよね! 私の感覚だと、逆に、「どうやってこの映画のことを知らずに生きて来られたんですか?」なんだけどね! 今、時代はそうじゃないんだ・・・。 それが、一般の人ならまだわかるけど、京大の学生・院生、それもアメリカ文学とかそういうことに興味のある連中がそうなんだからね。 そのうちに日本で、「ピカソって何をやった人ですか?」とか、「シェイクスピア? そんな人の名前を聞いたことがありません」とか、そういう風に言われる日が来るのかな。 いや、ひょっとしてもう既に来ていたりして・・・。
September 13, 2025
コメント(4)
一週間にわたった京大での集中講義も今日で最後。ついにこの日がやってきました。 午前中、最後の授業をし、昼過ぎの授業時間で試験。そして最後の時間は課外活動と称し、受講生諸君とキャンパスの外の某喫茶店に行き、コーヒーとケーキをいただきながらの一週間の振り返り・・・という名の打ち上げ。 まあ、この真夏の暑さの京都で一週間、共に頑張った戦友という感じで、受講生の学部生・院生さんたちともすっかり馴染みとなり、授業中からそうでしたけど、カフェでもざっくばらんに色々な話をしました。 でもやっぱり京大生は頭のいい子ばっかりだね。さすがだわ。 なんでこの授業を取ったの?と聞いてみたところ、自己啓発思想に興味があった、とか、京大の先生以外の先生の話を聞いて見たかった、など、知的な好奇心からの受講生ばかりで、「火曜の2限と4限の間が空いてたので、先生の3限の授業がちょうどいいなと思って取りました」などとほざく某所属大学の学生さんたちとは大分・・・。 それに、受講生の何人もが私の本を買っていて、「サインしてください!」なんて可愛いことを言うのよ。なんていい子たちなの! でも一つ気になったのは、大学院修士まで進学していながら、博士まで進むかどうか悩んでいる子が多かったこと。要するに、プロの研究者としてやっていけるかどうか自信がないと。 まあね、わしらの若い時とは違って、今、アメリカ文学とか哲学とかで、大学の先生として食って行けるかっていうと、分からないもんね・・・。3年の年期付きとか、年俸制とか、夢の無い話しかないからね、現実問題として。 まあ、でも、頑張ってもらいたいもんですわ。いつか、彼らがプロになって、同じ業界で、学会とかで顔を合わせたいものでございます。彼らの前途に幸多かれ! そしてカフェ解散のあと、私はそのまま名古屋にバック。京都駅も名古屋駅も、なんだかごった返していて、重い荷物を持った私としてはなかなかしんどかった! そして家について家内と再会! 良かった~! それで今日は外食をすることにし、名古屋の味、味噌煮込みうどんを食べに行っちゃった! もちろん家に帰ってきて、我が家はいいなと思うのですが、思い返してみると、この6日間のホテル暮らしも板について、それはそれでなかなか良かったなと。朝の豪華朝食バイキング。出勤の支度をしながら見たNHK・あさイチの華大さんたち。常に掃除の行き届いた部屋。飲み放題のコーヒー・紅茶。 もしまた来年もお声がかかったら、京大での集中講義、また引き受けちゃおうかな・・・。
September 13, 2025
コメント(0)
いやあ、集中講義も4日目終了。いよいよゴールが見えてきました。 今日のトピックは、授業の話ではなく、休憩時間中のこと。 集中講義の担当者は、授業をしていない時は「講師控室」に待機しているんですけど、私と同時期に集中講義をされている先生がもう一人いらっしゃる。 で、毎日この先生とこの部屋で顔を合わせるのですが、今まで、軽い挨拶くらいしかしてこなかったのよ。 だけど、こう毎日顔を合わせているのに、軽い挨拶だけじゃな、と思い、今日は思い切って私の方から話しかけてみたと。 そうしたら、東京外語大の先生で、西南アジアの専門家だった。西南アジアというのはイランとかトルコのことだけど、先生の主たる研究対象はトルコの方。 で、後で判明したんだけど、私と同年代(向こうが一つ下)。そしてすごく有名な先生だった。 で、実は私にはイラン人の親友がいまして・・・という話をしたところから盛り上がっちゃって、結局、昼休み時間中、ずっとその先生と話をしていた次第。先生の奥様はイランを研究しているそうなので、話題が合ったのよ。 それで、色々な話をしていたんだけど、中でも面白かったのは、トルコ語のこと。 先生によると、トルコ語というのは、日本語に極めて近いんですって。だから習得も超簡単なのだとか。知らない単語の意味を調べ、調べた結果を読んでいくと、そのまんま日本語になるんだって。だから、外国語というよりも、古文に近いそうな。 ということで、友達でーきーたー。 もっとも、明日が最終日だから、先生とも明日でお別れだけど、まあ、そういう淡い付き合いもいいよね!
September 11, 2025
コメント(0)
今日も今日とて集中講義。 受講生たちとも、もう完全に顔なじみというか、気ごころ知れた仲となったので、授業自体は非常にしやすい。それに、何と言っても京大だからね。学生の質はいい。 授業後にある程度討論的なこともやるのだけど、結構、まともな意見を言うからね。大したものよ。 あとは明日と明後日、残すところ二日となりましたが、最後の日は、授業後にみんなを連れて喫茶店にでもいって、受講生たちと慰労会しようかな。この夏の暑い時に、1週間、付き合ったんだから。そのくらいの連帯感はあってもいいでしょう。 それにしても、一日3コマをやるとなると、結局、ホテルと大学の往復以外、なんもできないんですよね・・・。せっかく京都に来たのだから、少しは観光っぽいこともやろうかと思っていたのですが、4限が終わる頃には、もう観光地は閉まってしまう。 ま、遊びに来たわけじゃないのだから、それでもいいのですが、それでもね、たとえば地元の古本屋を歩いてみるとか、そういうこともちょっとしたかったな・・・。
September 10, 2025
コメント(0)
昨日は講義後、京大の先生方に歓迎会を開いていただき、楽しいひと時を過ごすことができました。感謝感激。若手のM先生とも意気投合して、有意義な会話をすることができ、大満足。やっぱり、やる気のある若手と話すのはこちらも気が若くなっていいもんですな。 さて、一夜明けて今日は集中講義2日目。今日も3コマばっちり。授業自体は完全にペースをつかみ、緩急織り交ぜながら、うまいことやっております。 ところで、日曜日から私に同行してくれていた家内が、今日、一足先に名古屋に戻るので、授業後、急いで京都駅に行き、そこで家内と落ち合って、夕食を一緒に食べることに。今日は「おぶや」という人気お茶漬け店で、豪華海鮮お茶漬けをいただきました。で、その後、新幹線に乗るところまで家内を見送って私はホテルへ。 さてさて、ここからは私一人で京都に滞在という状態に。いやはや、なかなか厳しい。というのは、私は一人でお店に入って外食するのが極端に苦手でね。明日から飯を一人で食わなくちゃならないのが辛いところ。 でもまあ、それも含めての体験だからね。せいぜい、貴重な体験を楽しまなくちゃ。
September 9, 2025
コメント(0)
今日は京大での集中講義の初日。2・3・4限と、3コマやりました。講義科目なので、ずっとしゃべりっぱなし。まあ、疲れる。 でも、さすが京大、受講生は賢そう。賢いとまでは言い切れないのは、まだ初日だからね。 でも、学部生と院生、両方いるし、何人かは研究者になりたいという希望まで持っている。その意味で、研究者の卵なわけ。 残念ながら、本務校には研究者の卵はいない(素質のあるやつはいるけど)ので、後進を指導するという感じではありません。ところがここには研究者の卵がいるからね。そういう意味では、やりがいは本務校以上にありますな。 それにしても、一日3コマは疲れる。これが5日間続くかと思うと、ちょっとゾッとします。まあ、息抜きしてもいいですよ、と言われているので、たまには受講生を喫茶店にでも連れ出して、リラックスする時間でも持とうかな。 でも、明日はまだ二日目だから、手を抜かずに3コマびっしりやる予定。京大の学生に舐められるわけにはいかんのでね。当面はビシビシやりますわ。
September 8, 2025
コメント(0)
はーい、京都に来ております。 まずは新幹線に乗りまして京都まで45分。昼過ぎに到着し、すぐにエキナカの松葉でにしんそばをいただくことに。老舗だからね。 そしてとりあえずホテルに荷物を置いて、京阪電鉄七条駅から祇園四条へ。そこから歩いて建仁寺を見、その後、鍵善でくずきりを食べて一休み。知恩院に行く時間はなかったので、そのまま四条通りを散策。先斗町を流し、新京極から錦市場を通って四条烏丸から地下鉄に乗って京都駅に舞い戻り、ホテルで一休み。そして夜、再び京都駅に出てポルタ地下街で萬重の京料理を堪能と。ま、そんな一日でした。 まあ、集中講義の前乗りにしては、遊び過ぎかしら? でもね、これだけ堪能しておいて言うのもなんだけど、京都はもう、観光地としては終わっていました。 外国人ばっかりで、しかも店が外国人向けになったので、もう、日本人としては買うものなんかないよ。特にひどかったのが錦市場で、昔は地元のお漬物とか売っていて、風情があったけど、今は外国人向けに串焼きの牛肉とか、寿司とか、てんぷらとか、バカみたいに高い値段で売っているばかりで、何も風情がない。ほんと、京都は終わりました。 まあ、もともと京都嫌い・・・というか、京都を憎悪している私ですから、終わろうが何しようがいいんですけれども。 さてさて、それはともかく、明日は集中講義の初日。慣れない環境で、しかも初めての集中講義なので、ちょっと緊張するところもあり。まあ、私は学会発表などは百戦錬磨だし、授業だって三十年越えのベテランだから、別に緊張するほどのこともないのだけど、なにせ私は京都嫌いなもので、自分でアウェイ感を勝手に感じているのよ。 とりあえず明日一日、3コマをこなせば、感覚がつかめるでありましょう。あ、それに明日は歓迎会にも出なくちゃいかんので、それもちょっと緊張しちゃうんだけどね。 まあ、なるようになるんだから、明日は明日で楽しまなくちゃ!
September 7, 2025
コメント(2)
昨日、ネットフリックスでアメリカのTVドラマシリーズ『ブラックリスト』の第1シリーズの最初のエピソードを観たのですけど、なんか超面白い。 軍人として非常に優秀で、将来を嘱望されていたレッドは、突如姿をくらまし、犯罪コンシェルジェとして名を馳せるようになるんですな。で、当然、国際指名手配犯となる。ところがそのレッドがFBI本部に出頭してくるところからドラマは始まります。 で、レッドは、これから起こる様々な犯罪の情報をFBIに渡すので、その代わり免責しろと言う。しかも、自分とFBIの連絡係として、新人のリズを指名する。 なぜレッドはこの期に及んで出頭したのか? なぜ彼はリズを指名したのか? 謎は深まるばかり。 しかし、実際に彼はFBIの無能ぶりをあざ笑いながら、一つのテロを未然に防ぎ、その首謀者に止めを刺す。そしてFBIに渡す極悪人のリスト(ブラックリスト)はまだまだ沢山あるのだと。 うーん、超面白い! これはちょっと次のエピソードが観たくなります。 ということで、ネトフリに加入している皆さんには、このドラマ、教授のおすすめ!です。これこれ! ↓『ブラックリスト』 しかし、思うのだけど、ここ20年程の間、アメリカのテレビ・ドラマシリーズというのは、本当に面白いよね。で、その反面、この20年くらいの間に作られたアメリカの映画のつまらないこと! その入れ替わり具合を見るに、アメリカ映画史研究というのは、テレビドラマの方を研究対象にしなければならないのではないかと。 アメリカ映画は1997年の『タイタニック』で終わったのよ。そしてそれ以降、たとえば1998年の『Sex & The City』とか、2001年の『24』あたりから、もうアメリカ映画界の主流は、映画からTVドラマの方に移行したんだね。だから映画研究も、そっちを対象にしないといかんのではないか。 ということで、私もこれからはもっと積極的にアメリカのTVドラマを観ようかなと。まあ、そんなことを思っている次第。 さて、それはともかく、来週はずっと京都大学で集中講義。そのため、前乗りで明日から京都入りです。明日以降、京都からのお気楽日記、お楽しみに!
September 6, 2025
コメント(0)
![]()
古本界のゴッドファーザーこと紀田順一郎さんが亡くなり、橋幸夫さんが亡くなり。毎日のように知った人が亡くなりますな。昭和がどんどん遠くなる。 さて、昭和と言えば、このところ『一銭五厘たちの横丁』(ちくま文庫)を読んでおります。 太平洋戦争の時、出征兵士に送る家族写真を撮るという制度があったらしいのよ。ところが空襲であちこち焼けてしまって、そんな昔の写真のことなんか忘れられていた。そんな中、たまたま焼け残ったネガがあったんですな。で、戦後30年経った頃、この本の著者の児玉さんという方が、現像した写真をもとに、そこに写っている家族を下町に尋ねたと。 ところが戦後30年の間に、下町の形も変わってしまって、写真に写っている家族を尋ね当てるのにすごく時間が掛かるのね。でもなんとか、一人、また一人、という感じで、写真に写っている人が判明する。 で、そうして判明した人に、現像した30年前の写真を見せて、当時のことを語ってもらう。この本は、そんなやりとりを通じて戦後30年という時間を語る、そういう趣向の本。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作ですな。 まあ、戦時中のこと、そしてそれから30年経ったときのこと、その両方を行き来しながら二つの時間を語るわけで、読んでいて色々感慨があります。 で、それもそうなんだけど、この本を読んでいて思ったのは私自身のこと。 私が生まれた昭和38年、もはや戦後ではないわけで、私も成長の過程で戦争の時のことなんてほとんど意識したことはなかった。たまに父から、戦争中、お腹が空いた話を聞きましたが、父は中学生くらいだったので、学徒動員は体験しているけど出征はしていない。母も群馬県に疎開していたので、それほど危機感はなかったと。また父と母のそれぞれの両親も、歳をとり過ぎていて出征していない。だから、釈迦楽家とその周辺は、戦争にはあまり被害を受けてないわけよ。 それにしても、私が生まれたのは、戦後、わずか18年後だったんだなと。 たった18年! 私が生まれた時、戦争は、ちょっと前の記憶だったんだなと。 だってさ、愛知万博が開催されたのは2005年、つまり20年前ですわ。私の感覚だと、ついこの前という気がする。だとすると、18年前なんて、もっと近い記憶だったはず。 『一銭五厘たちの横丁』を読むと、父親が出征した家族、夫が出征した妻、息子が出征した両親の話が山ほど出てくるんだけど、その中には帰って来た人もいるし、帰らなかった人もいる。幸いに帰ってこられた人だって、戦争で人生を変えられちゃったり。そういう悲劇が日本中に山ほどあった後、たった18年で私は生まれたんだなと。戦争で辛い思いをした人たちの重い人生と、私の軽薄な人生と、ちょっとの差で大きな差が出たわけですよ。 だからどう、っていうこともないんだけど、そういう時間感覚って、なかなか気づかないからね。 まあ、そういう、気づかないことを気付かせてくれたという意味でも、この本、面白く読んでおります。これこれ! ↓一銭五厘たちの横丁 (ちくま文庫 こー59-1) [ 児玉 隆也 ]
September 5, 2025
コメント(0)
腰痛に悩まされておるわけですけど、前回、7月に病院に行った時は、一般的な鎮痛薬としてロキソニンを処方されたんですわ。で、こんなもん効きゃあしないと。 で、先日、2回目に行った時、今度は「リリカ」というのを処方されたわけ。そうしたら・・・ これがね、劇的に効いたの。腰痛って、なんの話? みたいな感じ。 リリカちゃんは、痛みを伝達する神経を麻痺させるような感じのお薬らしいのですが、それがこうも効くとは・・・恐れ入り谷の鬼子母神。 まあ、レントゲン撮って骨に異常なし、MRI撮ってヘルニアなし、なんだから、形質的な障害ではないということですわな。つまり、よく分からないけど、何らかの理由で腰のあたりの神経に障りがあると。その神経をリリカちゃんで押さえ込んだわけだから、痛みがなくなるのも道理なのかもしれません。 それにしても、こうも効くと気味が悪いよね! ありがたいことではあるにせよ。 でも、薬で症状を抑えているということは、根本的に治ったということではなく、ただ薬を飲んでいる間だけ痛みがない、ということだよね? じゃあ、この先、一生リリカちゃんと共に過ごさなきゃいかんってこと? どうなんだろう。そんな、薬に頼る人生ってのもなあ・・・。 というわけで、リリカちゃんには感謝感激だけど、この先ずっとリリカちゃんの世話になるのかと思うと、ちょっとぞっとするワタクシなのであります。
September 4, 2025
コメント(0)

今日は家内が午前中、ちょっと外に出る用事があったので、家内が戻ってから二人でランチを外食してきました。 で、今日、我々が向かったのは、前々から興味があったスリランカ料理のお店、日進市竹の山の外れにあるお店で、その名も「Mr. Hut (ミスター・ハット)」。 このお店が提供するのは、スリランカ・カレーやナシゴレン、それにチョプスイ(スリランカ風八宝菜)やコットゥ(スリランカ風焼きそば?)をはじめとする本格的なスリランカ料理です。で、家内はチキンのチョプスイ(上)を、私はチキンとチーズのコットゥ(下)を注文。 もうね、分量が半端ない。普通の店の2倍くらいはあるのではないでしょうか。それでいてお値段は格安。このご時世、こんなに沢山野菜が入っていて、しかもこのボリュームで1200円と950円だなんて、どう考えても安すぎる! しかも、紅茶とスープは飲み放題よ! で、両方とも優しい味で、とても美味しかった。分量が多すぎて食べきれなかったので、残りは包んでもらいました。人によってはこれで二食分かも。 で、食後、スリランカのミルク・ティー(これがたったの150円、しかも激旨!)と、ビスケット・プリン(300円)なるものを一つ、家内と分けて食べたんですけど、これも優しい味で美味しかった。 このお店、なにせおいしいミルク・ティーが150円だし、ワタラッパンなどの珍しいスイーツ(今日は売り切れで食べられなかった!)もあるので、カフェとして利用するのもありかもね。 それで、これも声を大にしていいたいのだけど、スリランカ人の店員さんたちが実にいい人たちなのよ~。穏やかで、いつも優しい微笑みを絶やさず。 で、今日は、お昼ちょっと遅い時間に行ったせいもあり、お客さんが我々だけだったこともあって、お店の方の小さいお嬢ちゃんがお昼を食べに来ていて、この子がまためちゃくちゃ可愛いの。2歳か3歳くらいかな? 我々に手を振ってくれて。 ということで、このお店がもっともっと多くの日本人に親しまれる店になってほしい! 竹の山のスリランカ料理店「ミスター・ハット」、教授のおすすめ!です。
September 3, 2025
コメント(0)
もう2カ月以上、腰痛が全然治らないので、今日、病院でMRIを撮ってきました。 前回はレントゲンを撮っていただいて、異常なしの所見だったんですけど、骨だけでは分からないので、今回、MRIを撮って、より詳細な状況を見ようと。 で、例のギンゴン、ガンゴンの中に入ってきたわけですわ。 MRI検査、前にひどい五十肩をやった時以来、2度目。なので、慣れたものですが、やっぱりあのチューブみたいな中に入ると圧迫感がありますなあ。閉所恐怖症の人は無理だろうね。 で、思ったのだけど、あれ、のぺーっとした無地の壁が目の前に迫って来るから圧迫感があるのであって、その辺りに4コマ漫画とか描いておいてくれればいいのになと。昔の『サザエさん』とか。少しは和むのではないかしら? あと、説明を聞いてへえーっと思ったのだけど、MRI検査って、入れ墨のある人もダメなんだって。入れ墨のところを火傷してしまうから。ふーん、そうなんだ。 まあ、それはともかく、検査結果をお医者さんに見ていただいたところ・・・ 何でもないってさ(爆!)。少なくともMRI画像を見る限りでは、ヘルニアとか、そういう問題がありそうなところはないと。 え¨ーーーー、ガッカリ・・・。 問題がなかったのはホッとするけど、腰痛の原因が分からないという点ではガッカリ。悪い所が発見できれば、それに対処できるけど、それが発見できなかったんだから、今後も対処療法を施すしか手がないということになる。 うなだれるワタクシを慰めるように、担当のお医者さんがおっしゃっるには、MRI撮って「ああ、これが腰痛の原因だったんだ!」って明確に判明するケースって、だいたい35%なんだって。3人に2人は、謎が残ると。 まあ、形質的な問題はないと分かっただけでも、感謝しないとね。 ということで、今後は飲み薬と貼り薬でごまかすしかない。あるいは、整体とかに通ってみようかな?
September 2, 2025
コメント(0)
レイトショーで『バレリーナ』を観て来ました。あの『ジョン・ウィック』のスピンオフね。アナ・デ・アルマスがヒロインを演じるヤツ。 観てない方が多いと思いますので、あらすじとかは書きませんが、さすがジョン・ウィック系だけあって、バトルシーンは豊富。やたらに火器が出てくるよ! まあ、殺し屋の世界の話ですから、そういうのが好きな方は是非!これこれ! ↓映画『バレリーナ』 さて、『鬼滅』も観て、『バレリーナ』も観て、そうですな、この先、観てもいいかなと思っているのは、『国宝』ね。まあ、まだ当分やるだろうから、もう少し涼しくなったら、考えようかな。
September 2, 2025
コメント(0)
全29件 (29件中 1-29件目)
1
