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December 10, 2012
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カテゴリ: 教授の追悼記
 俳優の小沢昭一さんが亡くなりました。享年83。1万回以上続いた名物ラジオ番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』が、小沢さんの体調不良により休止し、「傑作選」の放送に切り替わったというニュースが伝えられてから、私も心配していたのですけれども、残念なことになってしまいました。

 小沢昭一さんと言えば、『幕末太陽伝』以来、一癖ある脇役俳優として活躍されたわけですが、私にとって小沢昭一さんは、やはりなんといっても『小沢昭一的こころ』で慣れ親しんだ人、という感じがします。地域によって放送時間帯が異なるようですけれども、東京では確か夕方5時15分頃の放送だったのではないかと。「お疲れ様、5時です」の渋いコールで若山弦蔵さんの番組が始まり、その番組の中の名物コーナーが『小沢昭一的こころ』だったはず。

 この時間帯、中学校・高校・大学時代ですと、なかなか家に居てラジオを聞くという暇がありませんでしたが、風邪をひいたりして学校を休んでいる時など、私はよくこの番組にチューナーを合わせ、無聊を慰めたものです。自分の部屋から見える外の景色が黄昏てきて、山本直純氏による軽快なお囃子が聞こえてくると、「ああ、もうこんな時間か・・・」と思ったものでした。

 そうそう、それから大学院を修了したものの就職先が決まらず、1年間ほど非常勤講師をして食いつないでいた頃、自宅から遠く離れた厚木の山奥まで某大学に教えに行き、その帰り道にこの番組を聞いたこともありましたっけ。夕日に染まる町々をクルマで通過しながら聞いた『小沢昭一的こころ』、確かに心に沁みましたなあ・・・。

 「宮坂さん」なる架空の登場人物を狂言回しに、中年サラリーマンの悲哀を描く、というのが基本路線ですが、必ずしもそればかりではなく、時に小沢さんが日本各地を旅して、旅先で見たものなどを面白おかしく語ってくれる時もあり、もう少し真面目に日本の芸事や文化について考察したり、とにかく小沢昭一という人の多面的な才能の赴くまま、話題百出の番組でありました。まさに小沢昭一の話芸のすべてがここにあったと言ってよいかと。

 小沢さんのそれのように、豊富な教養と知識と経験に裏打ちされた話芸を持った人というのは、この先、出るのでしょうかねえ・・・。小沢さんのような話芸というのは、激動の「昭和」を経験した人でないと、なかなか作り上げられないんじゃないかな。

 これは私の勝手な持論なんですけど、小沢昭一さんとか永六輔さん、あるいは黒柳徹子さんあたりが亡くなったら、もう昭和は完全に終わるな、と。そう思っていた中で、その一角、小沢昭一さんが亡くなったことで、私にとっての昭和は、瀬戸際まで追い詰められたという気がしております。

 ということで、若い頃から私が愛聴してきた名物ラジオ番組で、至芸ともいえる話芸を披露し続けてくれた小沢昭一さんのご冥福をお祈りしたいと思います。合掌。





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Last updated  December 10, 2012 11:39:46 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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