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May 15, 2018
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カテゴリ: 教授の読書日記
最近、割とまともな本ばかり読んでいたこともあり、ここらでちょっとアーパな感じのものが読みたいなということで、ヘレン・ガーリー・ブラウンの『恋も仕事も思いのまま』という本を読んでしまいました。

 ヘレン・ガーリー・ブラウンっつっても、普通、誰のことか知らないよね? 『コスモポリタン』って雑誌あるじゃん? あれの編集長を長年やってた人。落ち目になっていたこの雑誌を立て直した中興の祖ね。1922年生れの人で、この本(原題は『Having It All』)が出たのが1982年だから、60歳の時に出した本、ということになりますな。ちなみに、この人のご主人は『ジョーズ』のプロデューサーか何かをやっていた映画人。ちょい有名な夫婦です。

 さて、そんなヘレンさんですが、本書冒頭、ヘレンさんはこの本を「マウスバーガー」のために書いた、とおっしゃっております。「マウスバーガー」ってのは、ヘレンさんの定義によれば「とくに魅力的でもないし、美人でもない。IQがずば抜けてもいないし、誇れるような学歴もない。家柄も大したことはない。要するに普通の女の子」のことらしい。

 で、それはまたヘレンさんご自身のことでもあるのね(もっとも著者近影を見る限り、なかなかゴージャスなマダムですけれども、本書の中でしばしば言及されているように、ご自身としてはご自身の容姿に相当なコンプレックスがあるらしい)。

 だけど、そんな「普通の女の子」であった自分も、今、こうしてNYでもちょっと名の通った人物になれた。だから、マウスバーガーのあなたもそうなれるはず。じゃあ、私がどうして今の地位を築いたか、教えてあげましょう・・・というのが本書のキモでございます。

 ま、その意味で、本書は日本で言えば松下幸之助の『道をひらく』みたいな感じですな。内容はごく当たり前のことを言っているだけなんだけど、言っている本人が立派な業績を挙げているから、本の存在意義が出てくるというパターン。ある意味、自己啓発本の王道です。

 じゃあ、ヘレンさん流の「マウスバーガー出世指南」というのはどういうのかと言いますと・・・

 一生懸命働け・・・それだけ。

 ヘレンさんも、高校出て、とりあえず秘書になったそうなんですが、秘書というのは、女の子が最初に選ぶ職業としてはなかなかいい、というのがヘレンさんの持論。というのは、自分が貼りついているのは、社内でもそれなりに有力な男のはずだから。そういう男と親しくなれるのだから、一般の事務職よりいいと。



 で、それだけ転職を繰り返す中で、彼女は失敗を繰り返しながらも、一生懸命働いた。時間外で働くこと、無償で残業するなんて当たり前。だって、他の女の子が定時に帰るのに、自分だけ余計働いたら、その分目立つでしょと。

 つまり、織田信長に仕える羽柴秀吉みたいに働けと(もちろん、この譬えは私のものですが)。そしたら、チャンスが巡って来るよと。

 で、仕事の話は大体それで終わるのね。

 じゃあ、後は何の話になるかというと、女の子の日常に起る様々なことについての、マダム・ゴージャスからのアドバイス。

 例えば服装とかね。下着なんかは安物でいいよとか。だけど、冬場のコートには良い物を買え、とか。何しろ、冬の間中、一番目立つのはそのコートだから(なるほど!)。

 あと、容姿はどうにもならないけど、姿勢とか、細身であることは意志によってどうにでも出来る。その代わり、本気で痩せたいと思ったら、「お腹いっぱい食べる」ということと永遠に決別しろ、とか。

 あと、男とどう付き合うかとか(これがかなりの比重を占める。しかもかなり生々しいところまで。具体的に性的なプレイのアドバイスも含めて・・・)。

 まあ、『コスモポリタン』の編集長ですからね。『グッド・ハウス・キーピング』の、ではなくて。となれば当然、当時としては相当に先端を行くお姉さまだったわけですよ。「ラブ・アフェアこそ、人生のスパイス」的な発想、不倫上等の考え方ですからね。ただ、それによって自分が楽しく充実した生活を送れるかどうかが重要で、そうでないなら近づかない方がいい、という程度には常識的。

 その他は、もう、何と言うか、普通のことね。貯金はしなさい、とか。気品は保て、とか(←結構いいアドバイス)。お礼はしろ、とか。良い聞き手になれ、とか。友だちは絶対に必要だから、相当数用意しておけ(ヘレンによれば、友だちを得るのは算数と同じで、こうすれば友達になれる、という公式があるとのこと)とかね。他人の悪口は言うな、とかね。泣くのはいい気分転換だからそれ自体はいいけど、人前で泣くな、とか。結婚が100%いいものだとは言わないけど、一度はしておけ、とか。

 ちなみにヘレンさんは、どれほど容姿に自信がなくとも、とりあえず女の子であれば誰でも一人は自分の男をゲットできる、と断言しています。そのためには、「私は誰か、自分のための男をゲットしたいと思っているのよ~」という無言のメッセージ(ヘレンさんはこれを「毒」とも表現する)を世界に向けて放出すればいいとのこと。そしたら、誰かはその毒にやられると。ま、日本にも「破れ鍋に綴蓋」っていう言葉があるからね、多分、ヘレンさんのおっしゃっていることはその通りなのでしょう。

 とにかく、「健康」と「仕事上のサクセス」と「愛のサクセス」、この3つが揃えばマウスバーガーは誰しも幸福になれるのよ~と。それがヘレンさんのメッセージね。



 まあ、これが「女性向け自己啓発本」の一つの典型例なんでしょうなあ・・・。

 ということで、私は「女性向け自己啓発本」ってどんな感じ? というのを知りたいがために読んでいるのであって、その目的は達したからいいですけど、どうなんだろうね、世の女性にはこういうのって参考になるのかな?

 なるんだろうね。だからこそベストセラーになって、日本語にも翻訳されるわけで。

 というわけで、今から35年くらい前に出た本ですけれども、日本のマウスバーガーの皆さんへのアドバイスとして今でも通用しなくもないんだろうな~、程度には思える本なので、そういうモノとして一つ。



【中古】 恋も仕事も思いのまま 集英社文庫/ヘレン・ガーリーブラウン【著】,矢倉尚子,岡部行子【訳】 【中古】afb





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Last updated  May 15, 2018 02:39:18 AM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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