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August 6, 2019
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カテゴリ: 教授の読書日記
仕事の都合上、19世紀アメリカ文学の巨人の一人、ラルフ・ウォルドー・エマソンのことについてあれこれ調べものをしているのですが、とある文献にこんなことが書いてあった。

 エマソン研究ってのには明確に波があって、例えば同時代人の哲学者ヘンリー・ジェイムズ(小説家の方じゃなくて、その親父さんの方)は、エマソンを「つかみどころがない奴」と評し、あまり重んじなかったと。

 で、その後、20世紀初頭のモダニズムの時代や、その後の新批評の時代にも、エマソンはあまり評価されなかったらしい。つまり、この辺りまで、エマソン研究史には明確な「暗黒時代」があったと。

 しかし、その後、エマソンの全集ものとか日記とかが刊行され、テキストが揃い始めた1960年代から再評価の兆しが現われ出す。

 そして、1982年になって、その再評価の波が頂点を迎えたらしいんですな。

 じゃあ、なぜ1982年かというと、エマソンは1882年に死んでいるので、1982年というのは彼の死後100年に当る年だった。だから、この年を境として、エマソンのさらなる見直しが進み、それに伴ってエマソン・リバイバルみたいなものがあったらしい。なにしろ1982年だけに限っても13冊の研究書がアメリカで出たそうですから、なかなかお盛んだったんですな。

 一方、日本における状況はどうかと言うと、1957年に斎藤光さんが『エマソン』という著書を出すも、その後が続かず、エマソンだけを取り上げた単行本の研究書としては僅かに2冊くらいしかないと。

 ふーん! そんなもんか!?  エマソンほどの大物でも、研究書はたった3冊か・・・。それは、私のような門外漢からしてもちょっとビックリだねえ。

 だけど、今の話はアカデミックな世界での話だからね。



 例えば、エマソンって、森が好きで、森の中に入っていくと、その世界に同化しちゃうらしいんですよ。もう体も溶けちゃって、透明な眼球だけになっちゃって、自然の神秘の流入を許しちゃうみたいな。

 で、エマソンのこういう側面ってのは、お堅い学者先生方は、なかなか受け容れられないらしいのね。「またまた、ばっかみたいなこと言っちゃって・・・」って思って、あーあ、こんな奴の言うことまともに受け取れないよ~って思うらしいんですな。

 だけど、自己啓発サイドから言うと、「そーんなの、当たり前じゃーん!」って思うわけ。だって、この宇宙は元々すべて同じ材料、すなわちエーテルから出来ているので、人間も森の木も、そこにいるリスももとはみーんなエーテル。だから森の中ですべてが一体化しちゃうのなんて当たり前~って思う。エマソンが「自分はついに透明な眼球になった」というと、「わかる~」ってなる。「そうだよね~」って。

 ま、そこだよね。

 だから、エマソンのこと勉強したい奴はさ、エマソンの書いたものを読む前にだ、まず自己啓発本を読め。そうすると、もう、1から10まで、エマソンの言っていることが全部分かるようになるぜ。

 と思います。

 ま、今度の学会では、そんなようなことを言って、お堅い学者の皆さんの目を白黒させてこようかな。





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Last updated  August 6, 2019 10:12:26 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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