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September 19, 2025
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カテゴリ: 教授の読書日記
必要があって、「岩波少年文庫」の『クマのプーさん』を読んでいるのですが、訳がひどい。

 誰がこんなひどい訳をしているのかと思ったら、石井桃子さんだった。あら、失礼いたしました。位階従四位、芸術院会員のことをディスっちまった。

 でも、これはちょっとないんじゃないか、というような訳でした。まあ、1956年の訳だからねえ。ひどいというより古いというべきか。それにしても、ちょっとひどくないか? プーさんは「プー・クマ」、ピグレットのことなんか「コブタ」と訳しているからね。時代に即してない。

 そういう、個々の問題だけでなく、全体として、すごく分かりにくい訳になっている。まあ、原作が訳しにくい作品だということは分かるけど、たとえば同じ岩波少年文庫でも、大塚勇三訳の『長くつ下のピッピ』とか、別に読みにくいというものではないからなあ。

 で、あんまり読みにくかったので、ワタクシが訳し直してやろうかと、ちょっと色めき立ったんですけど、そうしたら既に阿川佐和子さんが『ウィニー・ザ・プー』として、新潮社から新訳を出されていた。

 だけど、うーん、どうなんだろうか。阿川訳にも癖があるんだ。ピグレットが「コプタン」になっているのも解せないし。それから、阿川訳はあまりにも理屈っぽ過ぎる。原作のナンセンスさが、全部、理屈で整理されている感じ。大人は読みやすいけれども、子どもは・・・。

 あと、クマプーの一番の魅力とも言うべきあのアーネスト・H・シェパードの可愛いイラストが新潮社版にはないらしい。版権のアレかねえ?

 やっぱり、岩波少年文庫の石井訳を、新訳にしないといかんのじゃない? 岩波さん、ここにいい訳者がいるよ~。阿川さんは講談社エッセイ賞の受賞者だけど、こっちは日本エッセイスト・クラブ賞獲っているからね!

 それにしても、今回、初めてプーさん読んで驚いたのだけど、クマのプーさんって、すごく頭悪いのね。ビックリ。そういう本だったのかと。プーさんのみならず、出てくる登場人物すべてがものすごく頭悪い。え、そんな感じ?と驚くほど。いくら動物とはいえ、彼らの能力をあまりに低く見積もりすぎじゃね? ひどすぎないか、A・A・ミルン? 今だとコンプライアンス的に?



 ということで、石井桃子訳『クマのプーさん』にはビックリさせられっぱなしだったのでした。人生、60年以上生きていても、ビックリすることが多いねえ。



【3980円以上送料無料】クマのプーさん/A.A.ミルン/作 石井桃子/訳



ウィニー・ザ・プー A・A・ミルン/著 阿川佐和子/訳





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Last updated  September 19, 2025 03:15:21 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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