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長い間、楽天ブログにお世話になりましたがこのたび、FC2ブログ「読書日記」に引越すことにしました。理由はいくつかあるのですが一番大きなものはカテゴリ数が少ない!ということです。タグ検索もできなくなり、自分の記事を探すのもままならなくなりまして思い切って引っ越すことにしました。過去の記事は移動したのですがやり方がうまくなくて、いただいたコメントを移せてないものが多いです。ごめんなさい。楽天ブログのお友達にはとてもよくしていただいて感謝しています。よかったら、新しいブログにも変わらずに遊びに来てくださいませ。こちらのブログは残していきます。ほんとうに、ありがとうございました。
2012年05月20日
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★★★☆初めて恋するときめきを描いた純情恋愛長編左京区恋月橋渡ル2012年4月発行 小学館 333p【内容情報】(「BOOK」データベースより)京都の理系男子が初めて恋した相手は姫!?たいせつに育まれる初恋のときめきをいとおしく描いたとびきりキュートな純情恋愛長編。感想 ★★★☆ かわいいなぁ。 春から夏にかけての京都を舞台に描かれる 理系大学院男子学生の初恋。 慣れないことにとまどい、舞い上がる。 あー、今でもこんな子もいるんかぁ。 なんだか心配だけれど安心もする。 恋せよ若人よ。それはきっとあなたの糧となる。
2012年05月19日
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★★★☆ただ一日の逢瀬を想い、長い歳月を生き抜いてきた男女。異母姉弟の二人が、秘めてきた気持ちを初めて明かす。至極の恋愛小説。美しき一日の終わり2012年4月発行 講談社 349p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ある日、父が家に連れてきた少年は秋雨と名乗り、美妙より七つ年下の異母弟であった。それから五十余年、互いへの思いを心の奥底に秘め、それぞれの人生を歩んだ二人は、取り壊しの決まった、古い家で再会する。ともに暮らした幼い日々をなつかしみながら、長い歳月を慈しむように来し方を語り始めた。生涯のすべてを一日に込めて、至高の愛の姿を描く恋愛長編小説の新境地。感想 ★★★☆ 読み終えて溜息。 なんて美しくてせつない恋愛小説なんでしょう。 とある秋の一日、 70歳の美妙は昔の家で義弟・秋雨と会う。 昭和・平成の世の変遷とともに 静かに語られる二人の出会いからの日々。 二人の想いの行く末は。 不道徳といえばそうかもしれないけれど、 それはもう出会うべき二人だったとしか 言えない物語を堪能しました。
2012年05月18日
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★★★引きこもりニートの鋭一は姉の出張中、幼稚園児のリサと同居し面倒を見ることに。幼稚園を巡る様々な事件にデコボココンビが挑む。キュート&ニート2012年1月発行 文藝春秋 318p【内容情報】(「BOOK」データベースより)園児探偵白畠リサ登場!人気ゲームのコミカライズ『逆転裁判』も大ブレイクの著者が贈る謎と笑いのハートウォーミング・ミステリー。幼稚園には危険がいっぱい!?「ひきこもりニートの僕が、姪っ子の世話をするハメに…」。感想 ★★★ 姉の海外出張に伴い 姪の幼稚園児・リサの世話をすることになった 28歳ひきこもりニートのエーイチ。 ところがエーイチは失敗ばかり、 リサはしっかりもの、という 逆転の関係で日常の謎に絡んでいきます。 ほんわかと読んでいたら 次第にエーイチは成長。 ラストは思わぬところへ。 う~ん、どうだろう。 特にラストにこういうエピソードは なくてもよかったと思うけれど、 全体的には楽しいお話でした。 リサがしっかりしすぎ、っていう感想を 読書メーターで見たけど、 小説だからそれはありかなって思います。
2012年05月17日
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★★★海堂氏初の短編集。『アリアドネの弾丸』で一躍人気者になった玉村警部補が加納警視正ともに活躍する短編集。もちろん田口医師も作中に登場!「東京都23区内外殺人事件」ほか4話収録予定。 2012年2月発行 宝島社 315p【内容情報】(「BOOK」データベースより)正月特番用のバラエティ番組収録中、巨大迷路内でタレントが殺された。カメラが設置された密室での犯罪が加納と玉村を待ち受けるが、加納の論理的推理が炸裂する(「青空迷宮」)。「チーム・バチスタ」シリーズの加納警視正と玉村警部補が難事件に挑む。【目次】(「BOOK」データベースより)不定愁訴外来の来訪者/東京都二十三区内外殺人事件/青空迷宮/四兆七千億分の一の憂鬱/エナメルの証言感想 ★★★ 加納警視正と玉村警部補が四つの事件を捜索する短編集。 二つは加納警視正の推理とカンがさく裂するミステリー。 二つは検死制度に対する皮肉をこめた話。 コミカルで医療と捜査のバランスよく面白かった。 これからも加納・玉村コンビの短編が読みたいです。
2012年05月16日
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★★★樹海に抱かれた村で暮らす大輝は、ある日、金色の毛をした不思議な生き物と出合う。ルークと名付けて飼い始めるが、次第に大輝の体に異変が起きてきて……。「樹海」と「サンカ」をテーマに、鬼才が読者を神々の世界に誘う、表題作を含む4編を収録。金色の獣、彼方に向かう2011年11月発行 双葉社 269p【内容情報】(「BOOK」データベースより)稀代の物語作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの咆哮4編。傑作ダークファンタジー。【目次】(「BOOK」データベースより)異神千夜/風天孔参り/森の神、夢に還る/金色の獣、彼方に向かう感想 ★★★ 「金色の獣」を共通とする四短編。 異国の巫女が連れてきた獣、 超常現象を引起こす獣、 森の守りの獣、 少年に千里眼を与える獣。 人の醜さ弱さを暴きながらも美しく幻想的。 森や山の中にはまだまだ 未知の生き物がいるのかもしれない、とふと思う。 四つのお話は つながっているようでつながっていないようで。 その微妙な感じがよかったです。
2012年05月15日
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★★★12万部突破の法廷ミステリー『最後の証人』著者、最新作! 出所したばかりの累犯者が起こした窃盗事件の真実を抉る「罪を押す」。県警上層部に渦巻く嫉妬が、連続放火事件の真相を歪める「樹を見る」。同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する「恩を返す」。東京地検特捜部を舞台に、法と信義の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名をきてまで、約束を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」。検事・佐方貞人の姿を描く、『このミス』大賞作家による傑作検察ミステリー連作集です。検事の本懐2011年11月発行 宝島社 376p【内容情報】(「BOOK」データベースより)県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める(『樹を見る』)。出所したばかりの累犯者が起した窃盗事件の、裏に隠された真実を抉る(『罪を押す』)。同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する(『恩を返す』)。東京地検特捜部を舞台に“検察の正義”と“己の信義”の狭間でもがく(『拳を握る』)。横領弁護士の汚名をきてまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く(『本懐を知る』)。骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が、見事に融合した極上の連作集。【目次】(「BOOK」データベースより)樹を見る/罪を押す/恩を返す/拳を握る/本懐を知る感想 ★★★ 「条件やデータだけで事件を見ず、 事件を起こす人間を見る」 検事・佐方の捜査方法・解決方法が 心にすとんと落ちてくる。 彼が携わった四つの事件と 彼の父親に関する一つの物語。 重みのある読後感に満足です。 シリーズ化していってほしい。 前作『最後の証人』は 佐方がその後、弁護士に転身して手掛けた裁判の物語。 こちらの方がばりばりのミステリーでしたが、 これも面白かったです。 弁護士になっても事件に対する佐方の姿勢は健在でした。最後の証人
2012年05月14日
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★★★突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。執筆復活を願う編集者に対し怜花が告白した衝撃の物語。甘美で残酷な究極のラブストーリー。新月譚2012年4月発行 文藝春秋【内容情報】(「BOOK」データベースより)八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だったー。感想 ★★★ 読後、こういうお話だったのかと改めてびっくり。 ミステリーだと思い込んでいたので。 560pの分厚さだが 短いセンテンスがぐいぐいとこちらに迫ってくるので、 テンポ良く読めた。 8年前に絶筆した女性作家の内面。 新月は見えないけれどそこに確かにあった。 女性作家はどうして小説を書き始めたのか、 どうして作風が変わったのか、 どうして筆を折ったのか。 それら全てに関わる一人の男性。 その男性との恋愛は苦しいことの連続だったけれど、 彼と巡り合えたことは 彼女にとって幸せだったと思いたい。 小説を書く手法や編集者との付き合い、 なども盛り込まれていて興味深かったです。 怜花(=女性作家)の書いた小説を読んでみたい。
2012年05月13日
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★★★千春はバス事故で友人や教師を失った。一人生き残った罪悪感から引きこもる千春。そんな彼女の姿は同情を呼び、一方では複雑な思いで受け止められる。弟、担任教師、友人の遺族である母親、新聞記者など、千春と関わる6人の視点で綴る連作短編集。現実を真摯に見つめ、再生への兆しを温かく描く。これからの誕生日2011年6月発行 双葉社 217p【内容情報】(「BOOK」データベースより)どうして私だけ生き残ってしまったの。たったひとり、少女はバス事故で助かった。深い心の痛みを抱えて過ごす日々の先にー。とりまく人々の心模様を絡めて描いた、優しい強さが沁みわたる「再出発」の物語。感想 ★★★ 自動車事故でただ一人、生き残った少女。 生きていくことに思い悩む。 亡くなった生徒の家族も悲しみと複雑な思いが募る。 周りの悪意やおざなりな言葉・態度も哀しい。 でも読み終えて明るい光。 生きていくのは大変だけど、 やっぱり命ある限り生きて行こう、と思える物語。
2012年05月12日
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★★★大事な人をなくし、いまは小さなバーを営む渚。街のギター流しの入院を聞き、思いは揺れる。切なくも温かい人生を切りとる珠玉の六篇黄金街2012年4月発行 講談社 216p【内容情報】(「BOOK」データベースより)生きるとは巡り逢うこと。不器用で、孤独で、そこはかとない。でも、必ず寄り添う誰かがいるー「人情の名手」が綴る切なくも温かい珠玉の六篇。じんわりと心に響く、珠玉の短編集。【目次】(「BOOK」データベースより)ファインプレイ/黄金街/パタパタ小父さん/しあわせの鐘/通夜噺/青い鳥感想 ★★★ ノスタルジックな雰囲気の6つの短編。 かつての誰かとの触れ合いが自分を助け育ててくれ、 自分も他の誰かに触れ合うことで その人の力になる。 そうして人と人とはつながっていく。 そんなつながりの素晴らしさを静かに語る物語。 「しあわせの鐘」がいちばん好きです。
2012年05月11日
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★★★八年前、新聞社に勤める久平可南子は、体重四千百二十グラムの男子を出産した。家族の中で唯一面会に来たのは妹の柚奈ただ一人、世間的に歓迎されていない子どもだった。「父親はいない」と可南子は言う。その半年以上前、可南子は写真週刊誌に深夜プロ野球選手の片岡信二と一緒にいるところを写真に撮られ、それが掲載されていた。片岡は、その写真を撮られた数日後、賭博に関わる八百長疑惑で逮捕される。両親を含めまわりの人間は、子どもの父親は片岡だと信じて疑はない。・・・新聞社に勤めるシングルマザーと、戦力外通告されたプロ野球選手の胸打たれる再生を描く。トライアウト2012年1月発行 光文社 280p【内容情報】(「BOOK」データベースより)「これまでは他人と競争するためにやってきたーこれからは自分との競争をする」父親の名は明かさないシングルマザーと戦力外通告されたプロ野球選手、二人の生きがいで紡がれる感動長編。感想 ★★★ タイトルは プロ野球の合同トライアウト、だけでなく 登場人物それぞれの人生におけるトライアウト、 っていう感じかな。 シングルマザーの新聞記者・可南子、 元プロ野球選手・深澤、 可南子の家族、 およびその周辺の人々が お互いに影響を与えながら 新たな人生に向かって進んでいくのを応援しつつ、 こちらも勇気がもらえるお話でした。 いいシーン、いいセリフがいっぱいでした。 家族の間の微妙な心の動きとか、 ああ、そうだよなぁと納得。 特に可南子の父親と妹がいい味を出していました。 ただ「終わりがなかったら全力を出せない」っていう 深澤のセリフ。 そうなんだけれど、 まぁ現実は終わりが見えないことに延々と 取り組んだりするなど、 そううまくいかないからしんどいよね。
2012年05月10日
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★★★☆あなたの代わりに、全国どこでも旅に出ます!唯一のレギュラー番組「ちょびっ旅」が打ち切りになった売れないタレント・丘えりか。ひょんなことから、病気などの事情を抱えた人から依頼を受けて、代わりに旅をする「旅屋」を始めることに。旅屋おかえり2012年4月発行 集英社 284p【内容情報】(「BOOK」データベースより)売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりか。唯一のレギュラー番組が、まさかの打ち切り…。依頼人の願いを叶える「旅代理業」をはじめることに。とびっきりの笑顔と感動がつまった、読むサプリメント。感想 ★★★☆ 読んでいる最中ずっと涙。 幸せな涙です。 売れないタレント・おかえり(丘えりか)が 様々な事情で旅に出られない人の代わりに旅をする。 旅先でのふれあい、依頼人への誠意、 おかえりをサポートする人たちの温かさ、 そしておかえり自身の素直な性質がとても素敵でした。 しみじみ、じんわり、しみこんでくるお話でした。 あー旅に出たい! 黒石、角館、田沢湖、内子、そして礼文島。 本書に出てきた旅先などの一部です。 いつかはぜひ。
2012年05月09日
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★★★☆新感覚青春ミステリ、シリーズ最新作惜しくも普門館出場を逃したハルタとチカは、息つく暇もなく文化祭に突入した。だが、文芸部、アメリカ民謡部、演劇部と次々に問題が持ち上がり……。大好評青春ミステリ“ハルチカ”シリーズ最新作!千年ジュリエット2012年3月発行 角川書店 332p【内容情報】(「BOOK」データベースより)こんどの舞台は文化祭。アメリカ民謡クラブ、演劇部、そして吹奏楽部…おかしなキャラクターたちがひき起こす難問題とは?青春ミステリ“ハルチカ”シリーズ第4弾。【目次】(「BOOK」データベースより)イントロダクション/エデンの谷/失踪ヘビーロッカー/決闘戯曲/千年ジュリエット感想 ★★★☆ ハルチカシリーズ最新刊! 文化祭を舞台とする4つのエピソード。 吹奏楽部がメインではないけれど 楽しくてせつなかった。 「失踪ヘビーロッカー」がスピード感があって 甲田さんのキャラがよくて 一番のお気に入り。 「決闘戯曲」は結末に唖然&拍手。 甲田さんをはじめとして ブラックリストの面々が活躍していましたね。 日野原さま(=生徒会長、ブラックリスト十傑の1人)、 文化祭開催してくださってありがとうございました。 また次作を楽しみにしています。
2012年05月08日
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★★★★ココロ・ファインダ2012年4月発行 光文社 224p【内容情報】(「BOOK」データベースより)自分の容姿に自信がもてないミラ、クラスの人気者カオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、そして誰とも交わろうとしないシズ。同じ高校の写真部に所属する4人は、性格も、好きなカメラも違うけれど、それぞれのコンプレックスと戦っていた。カメラを構えると忘れられる悩み。しかし、ファインダーを覗く先に不可解な謎が広がっていて…。高校の写真部を舞台に、女子高生たちが構えるカメラに写るのはともだち、コンプレックス、未来、そしてミステリー。感想 ★★★★ 高校写真部の4人の女子高生を主人公とした連作短編集。 素敵でした。 彼女らには悩みがあり、 それが写真にまつわるミステリと絶妙に絡み合い、 お互いが親身になって解決していく。 繊細な女子高生の心が写し取られ、 静かで温かな余韻が残ります。 彼女らはカメラをのぞきながら、 被写体の真実の姿を自然と探り出し 自分たちの心に焼き付けているのかな。 被写体に寄り添うことで 自分の写したい、と思った写真が 撮れるのかもしれないな。 相沢さんのこれまでの作品とは雰囲気が違いましたが、 とてもよかったです。 写真やカメラに関する専門的な話が多くて、 私にはそのへんがよくわからないのだけれど、 写真・カメラ好きの人はその辺も 面白く読むかもしれませんね。 それとも、ちょっと違う。。。とか思われちゃうのかな。
2012年05月07日
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★★★★一人でだって生きてはいける。でも、あなたとだったらもっと楽しい!瀬尾まいこの魅力を凝縮した、傑作長編恋愛小説!葉山イエス。イエスはあだ名。何に対しても心が広い、キリストのような奴だから。でも実際は、人に対して無関心だっただけ。趣味(?)は黄昏と自分探し。上村小春。唐揚は苦手だけど、ケンタッキーは好き。ポカリ派。自分をしっかり持っていて、決めた事は覆さない。でも、おばあちゃんの言葉は日本国憲法より重い。流されるがままの男子と、頑なまでに我が道を進む女子。ちっともイマドキでもなければ情熱的でもない高校生の二人は、体育祭の競技“米袋ジャンプ”がきっかけで付き合う事になった。大学に行っても、“恋愛”と言って良いのか分からない淡々とした関係を続ける二人だが、一つだけ自信を持って言えることがある。それは、互いを必用としている事。でも人生は、いつも思わぬ方向に進んで行き……。笑って、泣いて、じんわり温かい。読者の心に春を届ける、著者の魅力がぎゅっと詰まった優しい恋の物語。僕らのごはんは明日で待ってる2012年4月発行 幻冬舎 217p【内容情報】(「BOOK」データベースより)体育祭の競技“米袋ジャンプ”をきっかけに付き合うことになった葉山と上村。大学に行っても淡々とした関係の二人だが、一つだけ信じられることがあった。それは、互いが互いを必要としていること。でも人生は、いつも思わぬ方向に進んでいき…。読んだあと、必ず笑顔になれる、著者の魅力がぎゅっと詰まった優しい恋の物語。感想 ★★★★ 瀬尾さんの新刊! 高3の体育祭の“米袋ジャンプ”を契機に 付き合いだした葉山と上村。 二人は素気なくてべたべたしていないのだけど、 お互いが大切で お互いを信頼していて お互いを必要としているのが 素敵。 こういう恋愛が好きだなぁ。 二人が二人で歩む姿に ほのぼの(少しひやひや)しながら 楽しく読みました。
2012年05月06日
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★★★☆小野寺の弟・小野寺の姉2012年3月発行 泰文堂 221p【内容情報】(「BOOK」データベースより)東京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするのだがー。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。感想 ★★★☆ アラフォー独身姉弟が共に暮らしていく中でのあれこれ。 お互いを邪魔に思っているようでいて、 その実のところ お互いを思い合う 地味でささやかな毎日。 その優しい空気が心地いです。 生活の細かなエピソードや姉弟の行動が 笑えるネタのオンパレード。 また、話が姉弟それぞれ順番に語る形で進められるので、 相手の様子が客観的に見えるのがまた楽しい。 「酢味噌」って書かれた栞がついていますが、 これの意味が分かった時にはじーん、としました。 二人がこの先もいい関係でありますように。
2012年05月05日
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★★★★★お待たせしました! 待望の人気シリーズ第7弾下町で古本屋を営む大家族が活躍する、大人気「東京バンドワゴン」シリーズの第7弾。今回も謎に満ちた客がつぎつぎ来店し、なんと一家の大黒柱に恋のうわさが舞い込む予感も!?レディ・マドンナ2012年4月発行 集英社 301p【内容情報】(「BOOK」データベースより)齢八十を越えてもなお堀田家の大黒柱として、古書店“東京バンドワゴン”を切り盛りする勘一。そんな勘一をお目当てに通ってくる女性が現れて、一家は色めき立つ。しかし、その出会いが思わぬ家族の秘密を連れてくる…。さらに、蔵から大事な稀覯本が盗み出されて、店は大混乱。次々に新たな謎が舞い込む堀田家を救うキーワードは「母の愛」。女性のパワーで家族の絆を結び直す、待望の最新作。感想 ★★★★★ 今年の春も東京バンドワゴンが読めてよかった! 昔ながらの日本の人情や 生活の美しさ正しさを 再認識させてくれる。 多くの登場人物が個性的できっちり出番があって、 些事諸問題をみんなで温かく解決していく。 今作もほんと素敵でした! 今回も「LOVEだねぇ」にあふれていて、 さらに最後の最後にサチさんのつぶやきに 鼻の奥がツンときた。 いつまでも続いてほしいこのシリーズ。 来年がもう楽しみです。 このシリーズはサチさんを語り手にしたところが うまいんだろうな、と思う。 だって一瞬にしていろんな場面にとべるものね。 サチさんもいつまでも元気で(?) たくさんの新しい思い出を作っていってほしいです。
2012年05月04日
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★★結婚詐欺師を通して描く男女の業と性(さが)結婚願望を捨てきれない女、現状に満足しない女に巧みに入り込む結婚詐欺師・古海。だが、彼の心にも埋められない闇があった……。父・井上光晴の同名小説にオマージュを捧げる長編小説。結婚2012年3月発行 角川書店 207p【内容情報】(「BOOK」データベースより)結婚願望を捨てきれない女、結婚生活から脱したい女…。満たされない女たちの欲望を金に換える古海とるり子、そして古海を家で待つ妻。果たして彼らに待ち受けるものとは?サスペンス色に溢れる父・井上光晴氏の同名小説に材を採り、まったく新しい物語を構築した野心的な長編小説。感想 ★★ 結婚詐欺師の男と それをセッティングする女と 騙される女と 結婚詐欺師の妻。 それぞれの思いが嘘なのか真実なのか わからないままどろどろと 「結婚」の周りをうずまいていました。 結婚にとらわれる登場人物が哀しいなぁ。 お話が終わったこの先どうなるのか怖いです。
2012年05月03日
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★★★☆中学将棋部の冴えない男子3人が、転校した女の子に会うために、修学旅行を抜け出し京都から大阪へ。たどりついた先で待っていたのは・・・?くるくるコンパス2012年4月発行 ポプラ社 239p【内容情報】(「BOOK」データベースより)さえない中学将棋部の男子三人カズト、シンヤ、ユーイチは、転校してしまった部活仲間の佳織に会うために、京都行きの修学旅行を飛び出して大阪へ。恐ろしい体育教師や、非協力的な班の女子、不慣れな大阪の街…数々の困難を乗り越えて、たどりついた先にはー?苦くて痛いような、甘酸っぱくてくすぐったいような、熱くて特別な、長い旅が始まる。感想 ★★★☆ 約35年前、男子中学生3人は 京都での修学旅行を抜け出して大阪に向かう。 それは転校していった女子に会うため。 それは失敗と冷や汗の連続。 あまりにも頼りない彼らに読んでいて はらはらしましたが、 それでも頑張る彼らを応援しながら読みました。 エピローグが素敵でしみじみと感動。 若い頃の無鉄砲な冒険は その後の人生の糧になるんだなぁ。 若いときはどんどん、冒険をしていってほしい。 (身の安全があって、他人に迷惑をかけない範囲で ←とか言っていると結局は冒険が出来ないのかも しれませんね) あと、大阪で道に迷ったら、 ためらわず道行く人に尋ねてね。 たいていの人は暑苦しいくらい親切だから(笑)。
2012年05月02日
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★★★転校クラブ2012年3月発行 原書房 295p【内容情報】(「BOOK」データベースより)早川理14歳。お父さんの仕事の関係で転校ばかりしている。そんなあたしにとって“転校クラブ”は情報ツールであり愚痴の吐き出し口だったりする。今度の学校は海と遊園地の近くっていうのがポイントだけど、転校早々、別人と間違われてクラスのシカトにあった。-「事件」はもう始まっていたんだ。感想 ★★★ 女子中学生・サトルが 海と遊園地が近くにある学校に転校して、 っていうことなので、 爽やかな冒険ミステリーかと思ってたら、 あらあらあら~なんという展開。 人魚伝説や、地元の有力者一家の争いから 思わぬ事態に広がり、 思いもかけなかった真実に行き当たる。 伏線はきっちり張られ、 サトルが前のめりになって謎を解決していくのが お見事でした。 残虐な描写も一部あるので その場面になったときにはびっくりしました。
2012年05月01日
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★★★☆こなもん屋馬子2011年10月発行 実業之日本社 298p【内容情報】(「BOOK」データベースより)謎のレシピでお悩み解決。大阪発B級グルメミステリー。【目次】(「BOOK」データベースより)豚玉のジョー/たこ焼きのジュン/おうどんのリュウ/焼きそばのケン/マルゲリータのジンペイ/豚まんのコーザブロー/ラーメンの喝瑛感想 ★★★☆ 大阪の街角の片隅に期間限定で出現する「こなもん屋」。 その料理と女主人・馬子は客の悩みを解決。 女主人の馬子は 料理の腕はよくて、口は悪くて、怪力で、 何でもお見通しで、外見は「大阪のおばはん」で、 という謎の女性。 その手腕には恐れ入るばかり。 いやいや面白かったです。 出てきた料理はお好焼き・たこ焼き・うどん・ 焼きそば・ピザ・豚まん・ラーメンでした。 続編読みたいけれど、 こなもんにこれ以上にポピュラーなものがないかな?
2012年04月30日
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★★★★ユリゴコロ2011年4月発行 双葉社 288p【内容情報】(「BOOK」データベースより)暗黒の欲望にとり憑かれ、さまよう魂。運命は、たったひとつの愛と出会わせた。沼田まほかるの小説は、身も心もからめとるー。おそるべき筆力で描ききった衝撃の恋愛ミステリー。感想 ★★★★ 読み終えて涙が出てます。 なんという愛の物語。 100p位までは気持ち悪くて、 どうしよう、と思いながら読んでいましたが、 それでも、と読み続けていると 大きな愛情が見えてきました。 沼田さんは苦手だと敬遠していたこの一冊ですが 読んでよかったです。 真相は実は途中で予想がつきましたが、 最後のシーンには感動しました。 本屋大賞の候補作に選ばれなかったら 読まなかったであろう、この一冊。 書店員の皆様、 ノミネートしてくださってありがとうございました。
2012年04月29日
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★★★☆ピンクの神様単行本版 2008年6月発行 講談社 212p 文庫本版 2012年4月発行 講談社文庫 246p【内容情報】(「BOOK」データベースより)年齢も職業も性格もバラバラの女性たちが主人公の7つの物語。共通点は、みな周囲の同性との関係に悩んでいるということ。この本は、ちょっと不器用な人、人間関係に悩んだことがある人たちにとって、きっと心優しい“女友達”になってくれる。講談社児童文学新人賞作家が初めて大人の女性に贈る珠玉の短編集。【目次】(「BOOK」データベースより)卒業/首なしリカちゃん/ピンクの神様/みどりの部屋/囚われ人/魔法の時間/ベランダからキス感想 ★★★☆ 女性のいじいじとした嫌な面を描いた7つの短編。 なんだか自分にも思い当たる節があり居心地が悪い。 でも、本人にとっては大変な状況でも、 少し見方を変えれば明るい兆しも見えてくる。 その転換が気持ちよく、 前向きになれる終わり方が心地よかったです。 登場人物が少しずつかぶっているのが楽しい。 最後まで読んだ後、 どこにどんな人が出ていたのか探しながら 再読しました。
2012年04月28日
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★★★学園大奥2012年4月発行 実業之日本社文庫 268p【内容情報】(「BOOK」データベースより)女子校に憧れた和実は、猛勉強のすえ中の丸学園に合格。だが入学すると、学園は共学になり、「大奥」と呼ばれる生徒会に牛耳られていた!憧れの「上様」はまるで雲上人。クラスメイトは外部入学者に冷たい。さらに、大嫌いな幼馴染み・鼻くそギルバートに愛を告白されてしまい…。子どもから大人まで全ての女子をときめきと笑いの渦に巻き込む、学園ラブコメの決定版。【目次】(「BOOK」データベースより)ムッシュ上様、大奥シルブプレ/愛と占いに呪いは含まれません/夏休みスペシャルーギルバート、パンチパーマ復活記念/薔薇とラフレシアのアリア/クリスマススペシャルーおとうさんといっしょ(腰痛編)/今、銀歯ちゃんの歯は観音様と同じくらい白い☆/無所属新人、S字カーブの縁石に乗り上げる感想 ★★★ 男子が二人だけ混じった 仏教系私立女子中を舞台にした学園コメディ。 生徒会が大奥っておかしすぎ。 元ネタがあるらしいんだけど(『マリア様は見ている』) それは全然わからない私。 でもこれ単独でも面白く読みました。 女の子の成長小説でもあります。 読んでいて笑える言葉づかいも楽しいです。 宮木さんはほんといろんなものを書かれるんだなぁ。 この本と『花宵道中』が同じ作者のものとは なかなか信じられません。 まるでカメレオンのよう?(いい意味で) あとがきにもありますが 3月11日の地震を経て 当初の構想とは違う結末になったとのこと。 もともと考えておられた構想では どんな結末だったのかなぁ。
2012年04月27日
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★★★パークチルドレン2007年10月発行 小学館 239p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ひとりぼっちだった15歳の水香は、閉鎖された遊園地で仲間に出会い、初めての恋をした。そして突然、親友の千夏が事故死し、水香は千夏が妊娠していたことを知る。お腹の赤ちゃんを代わりに産んでほしい…!?水香は、千夏の最後の願いを叶える約束をするが-。大切な人を守るために、何ができるだろう?全編に「愛しさ」が満ちあふれる、期待の新人によるみずみずしい感動作。第八回小学館文庫小説賞受賞作。感想 ★★★ 作者は『月のさなぎ』の石野晶さん。 居場所が見つけられない子供たちが集まる 閉鎖された遊園地。 そこで彼らは何事もなかったように自分たちを解放する。 でもそれは終わりの予感をはらみつつ。 透明で美しい壊れそうな何かを抱えながらも、 前に進む物語。 親の再婚に伴い引越してきた高校生・水香は 街をさまよっているうちに遊園地に入り込み、 同級生・千夏や同い年の男子生徒・直澄と知り合う。 そこで水香は自分の喪失感を埋めてくれる 大切なものを手に入れます。 後半はいきなりのファンタジー展開。 でもそれは命が大事なことや、 大切なものを守ることの尊さを伝えてくれて 美しいシーンでした。
2012年04月26日
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★★★☆今夜も残業エキストラ2012年1月発行 PHP学芸文庫 309p 【内容情報】(「BOOK」データベースより)キャラクタービジネスを手掛ける小さな会社に転職した紺野真穂。26歳。大手企業の下請け業務が中心で、プロジェクトの主役にはなれず、いわば「エキストラ」ですけど、それが何か?社会の隅っこにいたって会社の下っ端だって、意地とプライドでいい仕事、目指しますから!憧れの先輩、面倒くさい同僚、困った後輩と共に、さあ今日もお仕事ですっ。共感度ピカ・イチのワーキング・ガール小説。感想 ★★★☆ 若い女性の明るいお仕事小説。 自分はエキストラだと思っていたけど、 納得のいく仕事をしようと心がけていくうちに 舞台の中央へ。 ミーハー心や恋心が仕事動機に紛れ込んでるのが おかしく微笑ましい。 読み終えて元気がもらえるお話でした。
2012年04月25日
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行方不明の父親を探しにきた山の娘・由布が見つけた下宿屋「海馬亭」。愉快な住人たちとの心温まる交流譚。休みを古い洋館「海馬亭」で過ごすことになった景に、主治医が手渡した古い手紙の束には、かつて海馬亭で暮らした少女・由布の物語が・・・。 海馬亭通信海馬亭通信(2)2012年1月・3月発行 ポプラ文庫ピュアフル 253p・255p【内容情報】(「BOOK」データベースより)行方知れずの父親をさがして人間の街に下りてきたやまんばの娘・由布。自称ワルの小学生・千鶴を助けたことがきっかけで、彼女の祖母が営む下宿「海馬亭」にやっかいになることにー海からの風が吹きわたる風早の街。古い洋館「海馬亭」で繰り広げられる、由布と愉快な住人たちとの心温まる交流譚。文庫版には書き下ろし中編を特別収録。『コンビニたそがれ堂』著者の初期傑作が、新たな物語として生まれ変わりました。人間が大好きで、再び山から降りてきたやまんばの娘・由布が、ちょっと訳ありな風早の街の住人たちとの切なくも心温まる日々を綴った三通の手紙。その十七年後、とある事情から冬休みをこの街で過ごすことになった少年・景が出会う。幻想のような不思議の数々…。風早の古い洋館「海馬亭」を舞台に、過去と現在ふたつの物語が優しく響き合い、美しい奇跡の扉が開くー。著者の初期傑作が長い時を経て、ここに完結。感想 ★★★☆ 『コンビニたそがれ堂』『カフェかもめ亭』に続いて 風早の街の不思議で優しい物語がまた一つ。 父親を捜しに街に下りてきたやまんばの娘・由布が 古い下宿・海馬亭に住みついて、 住人や街の人たちと交流する話、 そして17年後の話。 人や自分を信じる気持ちや思いやる気持ちが温かいです。 やまんば、といっても洋風で。 ゲーム好き、とか親近感わきまくり(笑)。 色々な場面が幻想的で、ありありと目に浮かびました。 特に、桜の木に由布が生命の力を流し込む場面。 本当に美しかったです。 昔の本に新しい物語を加え、再びの出版。 有難うございました。
2012年04月24日
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★★★☆「100回泣くこと」作者の新たなる代表作小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里崎さんを好きなるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに、かつてのキャンプ場を訪れ、再び謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。そして、さらなる時間が流れ、アキオたちは大人になった。物語は、大きく動き始めるーー。【編集担当からのおすすめ情報】07年刊行の絵本「星空放送局」から着想を得て、約5年の歳月を経て出来上がった小説が本作になります。イラストレーター宮尾和孝さんとのコラボレーションが、本小説でも堪能できます。星に願いを、月に祈りを2012年4月発行 小学館 345p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ひとは流れ星を見ると、なぜ願い事をしたくなるんだろう。それぞれの章の物語が最後でひとつに繋がる、恋愛×青春×ミステリー。累計50万部突破のロングセラー「100回泣くこと」作者の新たなる代表作。感想 ★★★☆ ハロー、ハロー、こちらは星空放送局。 で始まり、 どうか君の夜空に、優しい星が流れますように。 で終わる物語。 好きな人のことを一心に思う物語。 切なくて素敵。 少年少女が大きくなり色々なことが繋がり一つの結末へ。 夢みる気持ちで読み終えました。 途中にはさまれた 「嘘つきなうさぎくんと真っ黒なカラス」の童話には 泣けました。 同じ中村さんの『星空放送局』という本も 読んでみたいです。
2012年04月23日
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★★★伊坂幸太郎(第5回本屋大賞受賞/第21回山本周五郎賞受賞)、中山七里(第8回『このミス』大賞受賞)、柚月裕子(第7回『このミス』大賞受賞)、吉川英梨(第3回日本ラブストーリー大賞特別賞受賞)ら大人気作家が、“人の死なない”幸せなミステリーをお届けします。伊坂節全開、決して期待を裏切らない超絶人気作家の書き下ろし短篇「Bee」。ラストで想定外の巧妙な仕掛けが炸裂する中山七里の新境地「二百十日の風」、新たな高みに到達した検事・佐方シリーズ、感動の新作「心を掬う」。ドラマ化の女性秘匿捜査官・原麻希シリーズからは子供探偵・原菜月(6歳)が大活躍の「18番テーブルの幽霊」。以上四篇を収録。しあわせなミステリー2012年4月発行 宝島社 229p【内容情報】(「BOOK」データベースより)亭主関白の真逆を体現する男・兜。愛する息子も恐妻も知らない、彼の本当の職業は…殺し屋!?(「BEE」)。故郷の自然と思い出を守りたい。そんな主人公・夏美の前に現れた、不思議な男。彼の正体は…?(「二百十日の風」)。大人気、佐方検事シリーズ最新作。相次ぐ郵便事故に目を留めた佐方は、ありえない秘策で事件を解決する!?(「心を掬う」)。今回の名探偵は…著者人気シリーズ「アゲハ」から飛び出した、ハラマキ捜査官の愛娘・菜月(8歳)(「18番テーブルの幽霊」)。大人気作家オール書き下ろし、“人の死なない”ミステリー。心にしみる、とっておきのアンソロジー。【目次】(「BOOK」データベースより)BEE(伊坂幸太郎)/二百十日の風(中山七里)/心を掬う(柚月裕子)/18番テーブルの幽霊(吉川英梨)感想 ★★★ “人の死なない”ミステリーという売りだけれど、 それが「しあわせ」かどうかは微妙かなぁ。 伊坂さん、柚月さん、吉川さんの作品は 他作品とのシリーズもので、 そちらも読んでみたいという気持ちになりました。 ほぼ同じ時期に発売されたアンソロジーの 『Happy Box』(こちらも伊坂さん参加)のほうが 全体的なまとまりはよかったように思います。
2012年04月22日
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★★★☆猫弁単行本版 2012年2月発行 講談社 282p文庫本版 2012年3月発行 講談社 377p【内容情報】(「BOOK」データベースより)婚活中の天才弁護士・百瀬太郎は、毎日持ち込まれるやっかいな依頼に悪戦苦闘。-とにかく引き受けて、共に考え、解決の道を探したい。黄色いドアの向こう側、猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考える日々に、新たな依頼が舞い込んだ。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい!」すべてのピースがつながった後には、誰にも予想できない結末が待っている。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー。感想 ★★★☆ 大変気持ちよく読み終えました。 頭脳明晰、気のいい弁護士百瀬。 現在の依頼は猫関係ばかり。 そんな中、霊柩車盗難を解決するよう依頼されて、 というお話。 話の方向は見えるものの、 ぴたりぴたりとピースがはまっていく様が楽しいです。 今夜(4月23日)、 ドラマがTBSで放送されるのですね。 今キャストを番組HPで見てきましたが、 あんまりおふざけにはしってなければいいな、 と思いました。なぜかたった一ヶ月違いで文庫本が出ています。なんでかな~。文庫本はこちら。猫弁
2012年04月21日
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★★★池上彰氏絶賛! 瀬戸内を舞台に、ロックと野球をこよなく愛する少女の、ちょっぴり切なくて甘酸っぱい物語。胸いっぱいの愛を2012年2月発行 徳間書店 235p【内容情報】(「BOOK」データベースより)1970年代、瀬戸内海に面した平和な城下町、香川県丸亀市。高校野球とロックをこよなく愛する少女・高山桂子は、ひょんなことから野球部のマネージャーになり、甲子園目指す日々。そんなとき、学園祭で見つけたジミー・ペイジ似のギタリスト・恭平に、桂子の胸は高鳴って…。あたたかで、平和で、のんびりとした時代に生きていた若者たちの青春物語。感想 ★★★ 1970年代後半、香川県。 古き良き時代の高校生活。 高校野球とロックが大好きな主人公・桂子。 惚れっぽくて、特に取り柄もないけれど、 その普通さ加減が安心感を与えてくれました。 出てくる人たちものんびり。 タイトルはレッドツェッペリンの曲からです。
2012年04月20日
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5年生存率は3分の一。急性白血病の宣告を受け、仕事も家族の世話も放棄しての緊急入院。抗癌剤治療、転院、そして骨髄移植へ。無菌病棟より愛をこめて2012年3月発行 文藝春秋 317p【内容情報】(「BOOK」データベースより)2010年6月、私は急性白血病だと告知された。愛してくれる人たちがいるから、なるべく死なないように頑張ろう。たくさんの愛と勇気、あたたかな涙と笑いに満ちた壮絶な闘病記。【目次】(「BOOK」データベースより)それより前の日々/突如として重病人?の日々/中休み/ドナー日記/無菌病棟より愛をこめての日々/それよりあとの日々感想 新刊案内でこの本の出版を知ったとき 「加納さんが白血病になられたの?!」と 驚愕したこの1冊。 2010年6月から2011年2月までと後記。 おどけた調子で治療の様子が書かれているけれど、 それはとても厳しい内容でした。 今は退院なされているとのこと。 本当にうれしいです。 実の弟さんから骨髄移植を受けられた加納さん。 骨髄移植がこれほど大変な治療法だとは 知りませんでした。 入院中、少しでも家に戻れたら家を片づけたり、 体調が悪いのに体操をしたりする 加納さんにはらはら。 でも前向きに病気と向き合う姿に頭が下がりました。 そして、ご主人の優しさと頼りがいのある様、 加納さんがご主人を気遣う様が素晴らしいです。 その他ご家族・友人・病院関係者の優しい心も 伝わってきました。 それを受け取った加納さんが読者にまで 届けて下さったのだと思います。 本当に書いて下さって有難う、の1冊でした。
2012年04月19日
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★★★☆今年一番の面白本に木内エンタが殴り込み!ふられた彼女に返すカネがなく、誘拐犯に協力することにした23歳のノボル。完璧な計画に失敗の余地はなかった、のだが……。ブレイク直前、注目作家の最新作!デッドボール2011年11月発行 講談社 279p【内容情報】(「BOOK」データベースより)16万5000円借りていた彼女にふられた23歳のノボル。このカネだけは返したい。でもカネがない。そこに、絶対に関わってはいけない男からの電話。報酬は1000万円。先が見えない人生を再スタートするには充分だが、手助けするのが誘拐って。しかし話を聞いてみると、この計画、失敗する恐れだけはない。やるか。やった。だが…。感想 ★★★☆ 木内さんの本は『キッド』に続いて2冊目なんだけれど、 これも凄く展開が早くて 先が気になってどんどん読みました。 ひょんなことから誘拐犯の片棒を担がされた 気の弱い青年がかかわった事件が どのような顛末を迎えるのか。 目が離せない面白さでした。
2012年04月18日
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★★★★どんまいっ!2012年4月発行 幻冬舎文庫 289p【内容情報】(「BOOK」データベースより)青春ー。それは人生のなかで最も輝かしく希望に満ちた頃。でもキラキラしていなくったって青春なのだ!ラクダ顔のくせにイチ早く童貞を捨てたキャメル。年上の風俗嬢にハマったマッハ。初めての彼女と付き合い続けるゲイリー。それぞれに、人生の岐路はやってきて…。くだらなくも幸せな男たちの日々を鮮やかに描写した青春群像劇の傑作。感想 ★★★★ あー、面白かった! 17歳の高校生男子キャメル・マッハ・ゲイリーの トリプルデートから始まる9つの青春。 他人からはおバカで効率悪く見えるけれど、 本人たちは超真剣! 生き生きと楽しく彼ら・彼女らが 小説の中で動くのを羨望の思いで読みました。 おバカだけれど、友情に厚く、愛に貪欲、 そんな登場人物がかっこいいし憧れます。 そう思うのは きっと彼ら・彼女らを見つめる 作者の目が優しいからなんだろうなぁ。
2012年04月17日
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★★★☆美人で優等生の漆原依理、おなじく才色兼備だが奔放な山口葉、どじでおっとりした連翹ゆな。三人の女子高生が漫才トリオを結成! どんな漫才をくりひろげるのか?それぞれ家庭に事情を抱えながら、漫才を通して結びつく三人。80年代の世相を背景に、女子高生らしい弾ける明るさと、思春期の甘酸っぱさが交錯する青春群像劇。注目の著者が新たな一面をかいま見せる快心作!トマト・ケチャップ・ス2012年3月発行 講談社 251p【内容情報】(「BOOK」データベースより)さえない女子高生・連翹ゆなは、同級生の漆原依理と山口葉から漫才トリオに誘われる。学校で1、2を争う美人で、しかも成績優秀なふたりからの唐突な勧誘に、ゆなは戸惑う。それぞれ家庭に事情を抱える三人のトリオ「トマト・ケチャップ・ス」はどうなるのか?そして、彼女たちのこれからは?-“あの頃”を一生懸命生きていた少女たちの青春グラフィティー。【目次】(「BOOK」データベースより)トマト・ケチャップ・ス/草の上のアヒルたち/トマトスとフーテンのケチャップ感想 ★★★☆ 美人女子高生のイリとヨウと 平凡女子高生ゆなが漫才トリオ結成。 楽しい話かと思っていたら、 話は意外な色合いを見せます。 シリアスな状況に胸を痛めつつも、 それを包むユーモアと優しさに救われました。 詩の引用が短い言葉で多くを伝えて素敵です。 主人公3人はもちろんけなげでかわいくて 応援しながら読みましたが、 なぜか同級生の波子が印象に残りました。 園芸生物部の部長にして漫才トリオのマネージャー。 冷静に事に当たる姿が私は好きです。
2012年04月16日
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★★★★「ジョーカー・ゲーム」シリーズ、待望の新作登場!異能のスパイたちを率いる“魔王”・・・結城中佐。その知られざる過去が、ついに暴かれる!? 世界各国、シリーズ最大のスケールで繰り広げられる白熱の頭脳戦。究極のスパイ・ミステリ!パラダイス・ロスト2012年3月発行 角川書店 357p【内容情報】(「BOOK」データベースより)大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立された、スパイ養成学校“D機関”。「死ぬな。殺すな。とらわれるな」-軍隊組織を真っ向から否定する戒律を持つこの機関をたった一人で作り上げた結城中佐の正体を暴こうとする男が現れた。英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライス。だが“魔王”結城は、まるで幽霊のように、一切足跡を残さない。ある日プライスは、ふとした発見から結城の意外な生い立ちを知ることとなるー(『追跡』)。ハワイ沖の豪華客船を舞台にしたシリーズ初の中篇「暗号名ケルベロス」を含む、全5篇。【目次】(「BOOK」データベースより)誤算/失楽園/追跡/暗号名ケルベロス感想 ★★★★ 「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第3弾。 相変わらずかっこいいなぁ。 もともと持ってた異能を 極限まで訓練してさらに高めたスパイたちと 陰に隠れている結城中佐。 4つの中短編それぞれでの舞台設定と 彼らの活躍に気持ち良く騙され、 ほれぼれしました。 以下覚書。 「誤算」フランス・レジスタンス。 「失楽園」シンガポール・ラッフルズホテル 「追跡」結城中佐の過去 「暗号名ケルベロス」サンフランシスコ発・太平洋航路
2012年04月15日
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★★★いきなりギリシャ神話の世界にタイムスリップし、神々と融合した若者たち。彼らが目指すべき場所とは。ユーモアと感動の長編冒険小説。魔神航路2012年3月発行 PHP学芸文庫 324p【内容情報】(「BOOK」データベースより)高校卒業後、半年ぶりに故郷で旧友たちと集まった信之だったが、ある事故によって突然、ギリシャ神話の世界に時空移動してしまう。しかも頭の中から、信之と融合したという「魔神」の奇妙な声が聞こえてきて…。仲間たちはどうなったのか、果たしてもとの世界に戻れるのか、そしてこの不思議な現象に隠された秘密とは?神々と英雄たちが入り乱れる、奇想天外な新感覚冒険小説。文庫書き下ろし。感想 ★★★ うふふ、おかしかった。 日本の現代の若者が海で事故にあい、 気がつけばそこはギリシャ神話の世界。 主人公・信之は魔神・テューポーンと繋がり 仲間を探し元の世界へ戻る旅を始める。 日本の若者とギリシャの神々との認識のずれが面白く 各地での神様をまきこんだ争いにどきどき。 仲間で見つからない人がいて、 旅程の半分も行かないうちに ページの残りが少なくなって どうなるの?と思ったら、 ばたばたっと話がたたまれちゃった。 これは続編があるよね。 ないと怒っちゃうよ(笑)。
2012年04月14日
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★★★★あのころの、2012年4月発行 実業之日本社文庫 285p【内容情報】(「BOOK」データベースより)夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り、とまどい。不安、嫉妬、そして別れ。熱い注目を集める気鋭女性作家6人が、あのころー女子高生時代ーならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に紡が出す。いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー。【目次】(「BOOK」データベースより)リーメンビューゲル(窪美澄)/ぱりぱり(瀧羽麻子)/約束は今も届かなくて(吉野万理子)/耳の中の水(加藤千恵)/傘下の花(彩瀬まる)/終わりを待つ季節(柚木麻子)感想 ★★★★ 女子高生が主人公の6つの短編のアンソロジー。 きっと女性なら登場人物の中に 自分を見つけられると思います。 私も 物語ほどはきらきらしていなかったけれど、 それでもあのころの、 自分のときめきや苦しさなど 色んなことを思い出し胸いっぱいになりました。 参加している作家さんは窪美澄、瀧羽麻子、吉野万理子、 加藤千恵、彩瀬まる、柚木麻子の6人。 どのお話も素晴らしかったのですが、 私は特に吉野さんのお話の中に自分を見たと思いました。 ちょうどそれを読んでいるときに テレビから中島みゆきの「時代」が流れてきて 鳥肌がたちました。 高校時代をあのころ、にした大人だけでなく、 現役女子高生も読むと 様々な価値観に触れられ 次に進む勇気がもらえるのではないでしょうか。 まさに、柚木さんが書かれているように 「世界は広い。いろんな場所も価値観もある」 ということですね。 うん、ほんと素敵な1冊でした。
2012年04月13日
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★★★☆マンゴスチンの恋人2011年9月発行 小学館 253p【内容情報】(「BOOK」データベースより)あんたたちの好きやかわいいは薄っぺらいんだよ。すべての人に“刺さる”4つの恋の物語。第12回小学館文庫小説賞受賞作。【目次】(「BOOK」データベースより)マンゴスチンの恋人/テンナンショウの告白/ブラックサレナの守人/ヒガンバナの記憶感想 ★★★☆ 高校を舞台とした4つの恋愛に関する短編集。 そこにはセクシャルマイノリティというテーマが 与えられていて繊細な印象。 恋愛だけでなく 友情や クラスでの力関係なども 丁寧に描かれています。 綺麗ではかなくて傷つきやすい彼女・彼らが素敵でした。 表紙絵は内容にくらべて 少しカジュアルすぎるんじゃないかなぁ。 それに彼女はどうして眼鏡をかけていないのかな? 4つの短編の中では『テンナンショウの告白』が いちばん好きでした。 物語の後、ミモと雪村はどうなるのかな。 よい友情を育んでいくのだろうか。
2012年04月12日
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★★★「--恋と安眠、叶えたい」。神様だって不器用な恋をする。永遠の愛なんて、神になってから信じていなかったのにーー。序列が低い、力が弱い、信者は少ない。ないない尽くしの昼寝の神様がトイレの神様に一目惚れ!「寝る」以外の能力は通信簿1並だけど、この恋、本気です。昼寝の神様2011年7月発行 角川書店 275p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ぼくは昼寝の神だ。人は昼寝をする時、ぼくをあがめ奉る。「神様、もう少し寝かしてください」と。受験生を、サラリーマンを、有閑マダムを指先一つで眠らせる日々。そんな毎日を変えたのは…トイレの神様!トイレにチリ紙はなかったが女神はそこにいた。イケメンだけど怪しいライバルも現れて、彼女の周りは波瀾万丈。昼寝以外の能力は通信簿1並みのぼくだけど…この恋だけは、叶えます!明日の出会いが楽しくなるラブストーリー。感想 ★★★ タイトルと表紙絵に心惹かれて読みました。 昼寝の神様がトイレの神様に恋をして、 恋のライバルと闘う、っていうお話。 いろんなものに神様が宿っていて、 10月には出雲に集まって、っという 日本の伝統にのっとっているけれど、 現代的で賑やかなお話でした。 色んなことを詰め込みすぎて、 そのどれもが少し物足りなかったかなぁ。 のほほんとした神様や眷属、人間たちが かわいくて親近感があって、 いい世界観だと思うので(←何様?) 今回は恋の話、次はいじめの話、 その次は神様の覇権の話、という風に シリーズで読みたかったです。
2012年04月11日
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★★★絶対に<しんかい6500>に乗ってやる。ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞の俊英が贈る、爽快深海エンターテインメント!JAMSTEC(海洋研究開発機構)に勤務し、女性として初めて、有人潜水調査船<しんかい6500>のパイロットを目指す天谷深雪は、<しんかい6500>の建造に携わった父への不信から閉所恐怖症を発症し、船に乗ることができなくなってしまう。そんな時、広報部に中途採用の新人・高峰浩二がやってきた。高峰は、深海生物学者だった亡き父が18年前に日本海溝の海底で目撃したという未確認深海生物〈白い糸〉を自ら発見したいと公言する。そんな高峰に反発を覚える深雪だが、互いに父親への複雑な感情と、「<しんかい6500>に乗って深海に行く」という共通の想いを持つ二人は、次第に接近し、惹かれ合う。やがてついに、二人が<しんかい6500>に乗って深海に潜る日がやってくる。そこで待っていたのは、誰もが予想していなかった事態だった……。JAMSTEC全面協力のもと、圧倒的なリアリティとリーダビリティを備えた、爽快深海エンターテインメント!海に降る2012年1月発行 幻冬舎 330p【内容情報】(「BOOK」データベースより)女性初の有人潜水調査船パイロットを目指す天谷深雪。深海に棲む未確認巨大生物を追い求める高峰浩二。目的は違えど、想いはひとつ。爽快深海エンターテインメント。感想 ★★★ 有人深海潜水調査官にパイロットとして乗り組む女性と、 深海生物を探す男性を 中心とした海洋小説。 正直なところ専門用語が難しかったけれど、 登場人物の交流・成長が面白く ラストはおお!と思いました。 この分野に興味がある人は もっとのめりこんで読めると思います。
2012年04月10日
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★★★☆森絵都のすべてが詰まった、9つの作品集。中学2年の柊也は、クラスメイトの翼の策略により、中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまい……(「気分上々」より)。これまでに発表された短編から9つを選りすぐった、森絵都ワールド全快の作品集。 2012年2月発行 角川書店 287p【内容情報】(「BOOK」データベースより)「自分革命」を起こすべく親友との縁を切った女子高生、家系に伝わる理不尽な“掟”に苦悩する有名女優、無銭飲食の罪を着せられた中二男子…、人生、単純じゃない。だからこんなに面白い。独特のユーモアと、心にしみる切なさ。森絵都の魅力をすべて凝縮した、多彩な9つの物語。【目次】(「BOOK」データベースより)ウエルカムの小部屋/彼女の彼の特別な日 彼の彼女の特別な日/17レボリューション/本物の恋/東の果つるところ/本が失われた日、の翌日/ブレノワール/ヨハネスブルグのマフィア/気分上々感想 ★★★☆ 2000年から2012年までに いろいろな媒体に発表された9つの短編を集めた短編集。 テーマや長さは様々だけれど、 どれもユーモアがあり上品。 真面目な顔をして面白いことを話してる、 そんな印象です。 『異国のおじさんを伴う』もそうでしたが これも 繰り返してしみじみと味わいたくなる一冊でした。
2012年04月09日
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★★★★あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は……。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。すべての人に捧げる、心ふるわす物語。ナミヤ雑貨店の奇蹟2012年3月発行 角川書店 392p【内容情報】(「BOOK」データベースより)夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。感想 ★★★★ 雑貨店でおじいさんが始めた悩み相談。 時代が流れてその悩み相談の回答は どういうふうに相談者の人生を変えたのか、が 明らかにされていく。 ネタバレになるので詳しくは書けないのですが 技を駆使して描かれる温かな物語に なぜだか感謝の気持ちで読み終えました。 東野さんらしくない、という声も聞きましたが 別にどういうのを書かれてもいいじゃないか、と 私は思いました。
2012年04月08日
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★★★☆「この店は私たちが守り抜く!」。27歳の新婚書店員と、40歳の女性店長が閉店の危機に立ち向かう。元気が湧いてくる傑作お仕事小説。書店ガール2012年3月発行 PHP文芸文庫 397p【内容情報】(「BOOK」データベースより)吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が…。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読。感想 ★★★☆ 書店で働く理子と亜紀という二人の女性のお仕事小説。 仕事に対する考え方はそれぞれで衝突も激しいけれど、 「本を売りたい」という気持ちは同じ。 熱意をもって仕事する姿に気持ち良く、 爽快な気分で読み終えました。 書店の仕事についてのあれこれも楽しいです。 これは2007年に新潮社から出された 『ブックストア・ウォーズ』を 大幅加筆修正されたものです。 そちらも以前読んていたのですが、 今回、 理子の地元の小さな書店のエピソードが入っていたり、 今時の事情に合わせて修正されたり 接客や仕事についての描写が細かくなっていたりと 手がかけられて、 さらに内容に深みが出て 理子や亜紀が生き生きとしたように思います。
2012年04月07日
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★★★泣きたいときは、思いきり泣けばいい。シングルマザーに育てられた奈々は、結婚を来年に控えた12月、実の父親が軽井沢で働いていると聞いて訪ねていく。そこで聞かされたのは意外な真実だった……。(第1話「ひかりのひみつ」)こころのつづき2011年11月発行 角川書店 294p【内容情報】(「BOOK」データベースより)結婚を控えた娘が知った両親の真実、愛犬を亡くした男の悲哀、義母の介護を続ける主婦の本音…。毎日を懸命に生きている人たちの日常を丁寧にすくい取った、慈愛あふれる8つの絆の物語。【目次】(「BOOK」データベースより)ひかりのひみつ/シッポの娘/迷い桜/小さな傷/Fの壁/押し入れ少年/ダンナの腹具合/お日さまに休息を感想 ★★★ 人と人との心のつながりが温かい8つの短編。 読んでいるときは 家族の中で起こる軋轢に胸が痛む思いもするものの、 読み終えると心休まりました。 それぞれの話は直接にはつながっていませんが、 ちょっとした仕掛けがあって それを探すのも楽しかったです。 あとがきによると、 この本には前作『ほのかなひかり』があるそうなので そちらも読んでみたいです。 しかし、この森さん、 SMAPの「青いイナズマ」や「ダイナマイト」などを 作詞した森浩美さんなんですよねぇ。 詞のシャープなイメージとは全然違うのでびっくりです。
2012年04月06日
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★★★☆武闘派のキヨとシゲ、頭脳派のノリ。“三匹のおっさん”が万引きや不法投棄など地域の問題に立ち上がる! 痛快活劇小説第2弾。三匹のおっさんふたたび2012年3月発行 文藝春秋 443p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ご近所限定正義の味方、見参!武闘派二匹&頭脳派一匹が町のトラブルに立ち向かう還歴ヒーロー活劇シリーズ最新刊。感想 ★★★☆ 前作の方が現代版捕り物帳、って感じ全開で 痛快だと思うけれど、 現代の社会問題に 一本筋の通った姿勢で取り組むおっさんたちが やっぱりかっこいい。 本屋の万引き、ゴミ放置、 親子関係と地縁と神社のお祭りを絡めた話、 そして放火と偽三匹など どの話も印象深いです。 巻頭と巻末におまけあります♪
2012年04月05日
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★★★ルーズヴェルト・ゲーム2012年2月発行 講談社 440p【内容情報】(「BOOK」データベースより)「一番おもしろい試合は、8対7だ」野球を愛したルーズヴェルト大統領は、そう語った。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門、青島製作所野球部。創部以来の危機に、野球部長の三上が招いたのは、挫折を経験したひとりの男だった。一方、社長に抜擢されて間もない細川は、折しもの不況に立ち向かうため、聖域なきリストラを命じる。廃部か存続か。繁栄か衰退か。人生を賭した男達の戦いがここに始まる。感想 ★★★ 池井戸さんの本だから 話の行方は予想はできるのだけど、 それでもやっぱり面白くて惹きこまれました。 業績不振の会社の野球部の監督、エース、4番が ライバル会社に引き抜かれ、 会社自体もその会社に窮地に追い込まれる。 そこから始まる逆転劇。 人情味があり痛快でもあり。 読み終えて満足の一冊。 オチだけは予想を超えていて にやりとさせてもらいました。
2012年04月04日
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★★★今日のごちそう2012年3月発行 講談社 283p【内容情報】(「BOOK」データベースより)ふっくら、ことこと、こんがり、とろり。悲しい時もせつない時も、ごはんが元気を連れてくる。おいしいものいろいろ詰め合わせ、心がほっこりあたたまる極上お料理小説。【目次】(「BOOK」データベースより)伊達巻/伊勢風雑煮/豆/ごまかしのカルボナーラ/アンコウ鍋/花見弁当/のり弁/うどん/トマト味の煮込み/煮豆/漬け物/ポトフ/オレキエッチ/クロックマダム/お好み焼き/素麺/味噌漬け/ラタトゥユ/ホットコーヒー/団子/ココナッツミルクのカレー/シャンパン/ローストチキン感想 ★★★ 帯には「お料理」とあるけれど 「料理」せずに飲食することもある23の短編。 ほとんどの話には作り方が織り込まれています。 さすが橋本さん、どれも美味しそう。 どんな状況で 誰と 何を 作り食べるか。 食事って前に向かって生きていく力をくれるのだと 思わせてくれました。 中の一話「トマト味の煮込み」では 10時間以上寝ている間ずっと コンロをつけっぱなしだったのだけれど 大丈夫?って心配しちゃいました。 ワンルームの小さな「コンロ」って ガスコンロのことかと思ったけれど 電気でも「コンロ」っていうのかな。 電気なら大丈夫なのかもしれないですね。
2012年04月03日
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★★★平和な動物園から「怪盗ソロモン」の貼り紙と共にイリエワニ、続いてミニブタが盗まれた。僕は獣医の鴇先生と事件解決に乗り出す。午後からはワニ日和2012年3月発行 文春文庫 302p【内容情報】(「BOOK」データベースより)「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。【目次】(「BOOK」データベースより)のたのたクロコダイル/ごろごろポットベリー/ばさばさピーコック/がっかりホモサピエンス感想 ★★★ 動物園でワニが盗まれたことから始まる事件。 飼育員の僕が犯人探しに乗り出す。 ほのぼの日常の謎系の連作短編かと思えば、 シビアな真相を突きつけられる長編でした。 でもまとう空気はゆるゆると。 動物園のお仕事についての知識も得られて 楽しい一冊でした。 似鳥さん自身によるあとがきがまた楽しいです。
2012年04月02日
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★★★【文学/日本文学小説】謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が魂の遍歴の末に見たものは……。至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚ーー。まさに浅田文学の真骨頂!降霊会の夜2012年3月発行 朝日新聞出版 292p【内容情報】(「BOOK」データベースより)罪がない、とおっしゃるのですかー死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が見たものとは…。至高の恋愛小説であり、第一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。感想 ★★★ 別荘地の嵐の夜、見知らぬ女に導かれた先で 降霊会がはじまる。 出会ったのは9歳、19歳の時の友人たち。 主人公の知らなかったこと、気づけなかったこと、 気づこうとしなかったことが明らかになって、 という人情話。 当時の世相にのせて語られます。 昔の真実を聞いたからどうなの、っていう つっこみはあるかも。 ただ、物事は表面に表れていることだけじゃなくて どうしようない真実っていうのがあるんだな、と。 語り口がするするとたいへん読みやすかったです。 最初の話が戦後すぐのことかと思ってたら 昭和35年のこととわかりびっくり。 私の生まれる3年前だけれど あのころ戦争の名残なんて何もなかったと思うのに、 すごく戦後ということを強調していてへぇ~と。 東京と関西では違ったんだろうか。 それとも3年で劇的に変化したのだろうか。
2012年04月01日
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