2019.10.06
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プロのつぶやき1023「さかもとこーひーの商い26年を振り返る」

8月にはじまった「さかもとこーひーの26年を振り返る」シリーズ・・・「26年を振り返り」・・・「焙煎」を振り返り・・・「ブレンド」を振り返り・・・10月になってしまいました。

10月だと言うのに昼間は30℃前後が続いている千葉ですが・・・朝晩は心地よく、仕事終わったら・・・ジャパンオープンテニス、世界陸上、ラクビーと忙しいです。

テニスはベスト16に4人・・・ベスト8に2人・・・しかも錦織が肘の故障で欠場しているのに・・・いやぁーみんな実力アップしてきて嬉しいです。錦織選手が世界のトップで活躍しているのを身近で見てきた影響があると思います。100mの10秒の壁も同じだと思いますが・・・誰かが壁を破ると・・・後に続く人が出てきますね。ラクビーもベスト8に進んだら、さらに変わっていくでしょう・・・まぁ、チーム戦よりも個人戦好きなんですが(笑)

因みに、テニスでのランク100位以内はとんでもない天才の集まりです・・・個人戦、体重別無しでの100人・・・メジャーリーグならオールスターに出るクラスでしょうか?・・・ボクシングならパウンドフォーパウンド10位以内・・・トップ10に長く当たり前のようにいる錦織選手は野茂やイチローと並ぶ凄さでしょう。(個人的にはマニーパッキャオと並ぶと思っています)

そんなこんなで・・・「さかもとこーひーの26年を振り返る」は・・・商いの26年を振り返ってみます。

まぁ、商売のセンスが無くて・・・金銭欲も物欲も拡大欲にも欠けて・・・しかし嫌なことはしたく無くて・・・組織で働けない性格で・・・好きなことして、のんびりした一生を送りたいと思った10代で・・・職人に憧れ、食べたり飲んだりが好きで、しかし手先が不器用で・・・19才で喫茶の道に進みました。

紅茶の店テ・カーマリーで10年、コーヒー豆さかもとこーひーで26年・・・なんとか食べて、二人の子供が店に入って・・・後継が出来てきました。

紅茶でもコーヒーでも職人としての自分に疑問を持ったことは無いのですが・・・経営者としては自分のあまりの力不足を実感したのが・・・紅茶の店テ・カーマリーを開店してすぐでした。

最初から独立を考えていたので、二十歳くらいから業界誌読んだりしてましたが・・・経営よりはコーヒー紅茶そしてお菓子、料理にフォーカスしていました。

そして、25才くらいからは経営についても考えるようになったのですが、飲食業界誌にはトレンド関係の情報はあっても、どうしたら長く商売ができるのかの情報が無くて、異業種の業界誌も読むようになったんです。

で、27才で独立して、ランチは満席で、ケーキも毎日21cmのホールを6台7台焼いてよく出ましたが、それでも店を潰さないのがやっとな状態でした。

紅茶やお菓子は人気だし、自信たっぷりでしたが経営は難しい・・・そこでショックを受けたのが、当時お世話になっていた税理士事務所のセミナーで・・・セミナーの先生が・・・「お客さんに必要とされれば売上になる・・・売上にならないと言うことは必要とされていない」との言葉でした。

35年前に千葉市で紅茶の専門店と言うことで、遠くからのお客さんが来られていましたし・・・ランチは近所の女性のお客様で満席になりましたが・・・それでもやっとと言う状況なので・・・近所の方に必要とされていないんだと思いました。

その頃から真剣に経営と言いますか、商売について真剣に学び出したのです。

職人としては迷いはなかったので・・・その職人を生かす経営者としての力不足なんだと。

最初から、商売を大きくしたいと思っていませんでしたし・・・そのような欲望が欠けているので・・・拡大とか有名になりたいとか全く無いのですが・・・職人として腕を磨いて、子供を育てて、長く働ける・・・そんな商売にするにはどうしたら良いのか。

そこで、最初に出会ったのが顧客管理できる商売ということでした。

小商圏商法と大商圏商法ということを知って、小商圏商法は顧客管理のできるもの、大商圏商法は顧客管理のできないもの・・・大商圏商法は、成長期だったら面倒な顧客管理とかしないで拡大できます・・・喫茶や飲食は戦後から長く成長期が続きましたし・・・店出せばお客さんが来て・・・あとは美味しくとか接客きちんととか・・・1980年くらいからは原価計算とか店舗の管理とか出てきましたが・・・集客は看板、チラシくらい・・・最近はネット・SNSが増えたくらいで基本は変わりませんね。

今トレンドに乗って流行っても・・・5年後10年後20年後はどうなるのか?・・・こちらは一生やっていきたいので・・・さぁ、どうしたら良いのか?・・・お手本が業界に無いので・・・自分で試行錯誤・思考錯誤・・・まぁ、面白かったんですけど(笑)

で、組合せができます。

-小商圏で小商圏商法(最近のコンビニ)

-大商圏で小商圏商法(通販等)

-小商圏で大商圏商法(ファミレス、ファーストフード、コンビニ等)

-大商圏で大商圏商法(デパート等)

喫茶店は小商圏なのに、顧客管理していないので、一番弱いってことが分かったのです。

まぁ、35年前の話しなので、今なら喫茶店やカフェでも地域で繁盛するノウハウだいぶ分かっていますが、当時は喫茶店では子供育てて一生やっていけないと思いました。

まぁ、フードを充実させたり(スリランカカレーとか、それも早すぎるか(笑))・・・アルコール充実させたり・・・方法はあったはずなんですが・・・紅茶の店なんで、お茶専門しか頭に無かったんです。

ちなみに、千葉市のインドカレーの名店シタールさんは、さかもとこーひーより少し早く開店したのですが・・・今だに同じ場所で(建て替えて広くなっていますが)繁盛しています・・・シタールさんの社長と知り合って、専門性と長く繁盛していることに驚くしかなく、自分に無いものを気がつかされました。

そんなこんなで・・・柴田書店の編集者に話したら・・・月刊喫茶店経営で「カスタマーコントロール」というテーマで特集されましたが・・・それっきりでした。多分、あまり反響が無かったんでしょう。

で、良く聞かれることなんですが・・・何故紅茶から自家焙煎コーヒーに変わったのか?

今回人生はじめての大きな台風で被害を受けましたが・・・実は紅茶の店テ・カーマリー時代に3回洪水にあってまして・・・県庁やNHKの近くなのに・・・店が地下でしたから、ほんと水浸しで・・・1週間は掃除と消毒でした。その後流石に治水工事して洪水なくなったようですが。

一つが、その洪水・・・次が紅茶は仕入れて淹れるだけなので、自家焙煎なら同じ生豆でも焙煎やブレンドの仕事で職人度が高いってこと・・・最後は元々暮らしの中の紅茶やコーヒーを意識していたので・・・家庭向けにコーヒーを届けたい・・・そして顧客管理ができるので、地味でも毎年毎年常連さんが増えていけば、一生続けられそう。

テ・カーマリー開店した時は27才になる数日前でしたし・・・それから数年経っても30代・・・そのころは意識しなくても若いお客さんと同世代でしたが・・・時間は怖いもので、10年20年あっと言う間で・・・今スペシャルティコーヒーのカフェで元気にしている若い皆さん、10年20年経つとお客さんとも世間ともズレてしまいます。

怖い話しがあって・・・さかもとこーひーの30代の女性の常連さんの何気ないひと言・・・子供の頃パパママと一緒にコーヒー専門店に通って豆買っていたそうなんで、自家焙煎店には慣れているんです・・・それが、そのお店の話しになったら・・・あのお店はパパママが行く店で自分は行かないと・・・暗くて、茶色で、豆が瓶に入って並んでいて・・・頑固そうなおじさんが一人で・・・幸い、さかもとこーひーは選ばれたのでひと安心でした。

ランチタイムに満席になって・・・ケーキも出て・・・それでも大変・・・喫茶店の構造的な問題を考えるようになりました。母が生保の営業していたので・・・母の友人もよく来てくれたんですが・・・成績優秀な方とそうで無い方の行動を見ていると見えてきたり・・・水商売の知り合いもいたので、水商売でも地道に長く商売している店からも見えてきたり・・・徐々にわかってきました。

さかもとこーひーの商い26年に入る前に長くなってしまいました・・・続きます。

さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。








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Last updated  2019.10.06 09:58:34
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青森県南の稲刈り@ Re:プロのつぶやき1331「コーヒーは平和な仕事」(09/14) 青森県南の稲刈りについては、 089624018…
aki@ この様な書き込み大変失礼致します 日本も当事国となる台湾有事を前に反日メ…
T.E55@ Re:中古焙煎機でました、FUJIROYAL R101 半熱風(06/06) 焙煎機購入検討したくお見積りをお願い致…
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