異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

異論・極論・直言――マスコミが言わない解説、提言

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

東聖山

東聖山

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

Iさん@ 違和感に同意する者として 解かります。 安倍元総理が、長期に政権…
873@ Re:納得出来ない日本のカーリング・チームの作戦・戦術(02/22) 昨日今日の韓国戦以来の連敗を見て、 つく…
ええええ@ Re:いじめられっ子の親に責任はないのか(11/01) 親の責任というが、すべての親が対処法を…
『昆布茶と塩麹』 @ 初めまして 私も危惧する一人です。 テレビも新聞も情…

Freepage List

2010.09.11
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
(先進国の中で、一番低俗な日本のテレビ番組)

のオンパレードである。司会だけでなく、並び大名と言われる並ん
だ席で、司会者に振られて何かコメントをする人もお笑いタレント
と、何も特に芸はないがテレビによく顔を出しているテレビタレン
トだらけである。そして、リポーターもこうした人が務めている。

 今の若い人は、こうした番組を見続けていて、それが普通だと思
っているかもしれないが、日本でも、少なくても10年前はこうで
はなかったし、欧米の主要国に旅をすると、こうしたシーンはほと
んどなく、日本のテレビ番組の低レベルに気付かされる。


はわからなくても、どういう人が出て、何をしているかは大体わか
るので、それを見て、「これだけ技術や教育が進んだ日本で、どうし
て、これだけひどい番組を流しているのか」とよく質問してくる。

 日本のテレビがこのようになってきたには理由がある。それは日
本のテレビ局、いや、日本企業社会が抱えている大きな二重構造が
あるのである。

(高収入で何もしない人がゴロゴロ)
 東京や大阪のキー局と言われ、その制作番組を全国に流している
放送局の社員の給料は高いことで知られる。女子アナで入社、数年
の人は年収が1千万円になり、社内には、部下を持つ部課長職の管
理職でなくても、ほとんど仕事らしい仕事をせずに、年収1500
万円以上の人はゴロゴロしているという状態である。


くはないが、今は不況で広告収入が激減し、赤字のテレビ局が増え
てきているのに、そうした状態が続いている。一度高くした給料を
下げるのは至難の技というのが人事の世界の常識である。

 そうすると、どうするか。番組の制作費をカットするしかない。
放送局の番組制作は社内ではほとんどしていない。下請けのプロダ

で、テレビ局のディレクターが立ち会い、その目の前で番組が収録
される。余程のことがない限り、その段階で、テレビ局が文句を言
って作り直しをすることはない。

 こうした下請け制度は別にテレビ局だけではなく、自動車や電機
業界でも、建設業界でも、広く日本社会で行われている。今は流行
らなくなったマルクス経済学でいうところの、「日本経済の二重構
造」である。

 しかし、自動車や電機、建設など他の業界では、トップの企業が
大きければ、一次下請け、二次下請けといわれるような会社も上場
企業で、それなりの配分がされている。ところがテレビ業界はまっ
たく違うのである。

(制作費1億円で、制作会社には5百万円)
 ねつ造、やらせなどで問題になった「あるある大辞典」という番
組では、その後、なぜ、そうしたことが起きたかが検証された。そ
こで、凄まじい下請けの実態が浮き彫りにされた。

 スポンサーだった自動車会社は番組の提供料として、1億円を支
払っていた。しかし、番組を全面的に下請けして、取材から制作ま
で手掛けていた会社に渡されていたのは、たった5百万円であった。

 テレビの制作費、取材費は交通費も、宿泊代もかかる。取材をす
るのには、ビデオカメラを担いで取材するカメラマンの他、ライト
マン、音の収録係、取材ライターなど多くの人が現場に行く。事前
リサーチで取材し、データを集め、面白いと思った内容を、今度は
カメラをもっと再度取材に行く。

 そして、収録した膨大なビデオを今度は細かく編集して、番組に
作り上げて行く。編集マンは別の人で、専門家がこれにあたる。ま
た、放送の際の字幕処理なども、これはこれで別の担当者が必要で
ある。こうした膨大な作業の末に、番組が出来上がるのである。

 業界に関係ない普通の人には、数字感覚が理解できないかもしれ
ないが、人気のある報道番組できちんと取材すると、10数分の取
材企画で、数百万円の費用がかかる。そういう中で、50分くらい
の番組を取材、制作して5百万円となったら手抜きをするしかない。

(芸なくテレビ常連で年収数千万円)
 普通にきちんと取材をすれば、大きな費用がかかる。スタッフも
何人も必要だし、時間も手間もかかる。ではどうしようか。そこで、
外に取材に行かずに、社内で済ませようということになる。スタジ
オは会社のものだし、それを使うのだから、経費はほとんどかから
ない。

 今度は出演陣である。司会者がいて、少し名の通ったゲストコメン
テーターと言われる人が、何人か出演して、司会者の説明や質問に
コメントをするというスタイルで1時間番組に出た場合、その出演者
には、特別料金の人は別として、通常は1人あたり、手取り(税抜き)
で7万円から10万円くらいが支払われる。

 リハーサルを含めると、1時間番組でも、1時間半から2時間は拘
束される。それで、7万円は安いと思う人もいると思うが、テレビに
よく顔を出すタレントは、月にそうした番組に何回も出る。1週間に
1回放送される番組にレギュラーで出ていれば、月には4.5回だか
ら、1回7万円で月額30万円にはなる。

 いくつかの番組からお声がかかってくるタレントは、月に百万、2
百万円という金額になる。年収はあっという間に、千万円単位になる。
別にテレビドラマや映画に出ている訳ではなく、別にこれという芸が
ある訳ではないタレントがよい生活をしているのは、こうした事情が
あるからである。

(無料出演でも顔が売れるという発想)
 しかし、特に芸のない人、特に頭の回転が優れてよい人でないと、
何回出ても話は一緒で、視聴者から次第に飽きられてくる。そして、
1人7万円でも、何人か出れば、月にすれば、一定の金額になる。

 そこで、目をつけられたのが、無名とか、ほとんと知名度のない、
お笑いタレントである。一応お笑いとして練習もしているし、とっ
さに何かを言うことも始めてではない。何もできないで、名前だけ
知られているタレントよりは、テレビ局側も気軽に使いやすい。

 少し有名になると、タレントの方も、何かをすることを指示され
ても、例えば、何かを食べろと言われても、何かわからないものは
食べたくないというような反応になる。これに対して、無名に近い
お笑いタレントは指示されたことは何でもする。話も自分でオチま
で考えている。余程使える。

 こうしたタレントは、プロダクション側は、売り出すのに懸命な
ので、出演料は7万円など要求しない。千円単位でよい。場合によ
っては、無料でもよいという対応になる。テレビと言うのは不思議
な媒体で、何もない人でも、テレビに何回も出ている内に、顔が売
れてくる。そうすると、他から仕事が来るようになる。

 だから、出演料は無料でも、広告料だと思えば、とにかく、出る
方が得だという考える人も少なくない。NHKの紅白歌合戦が他局
の歌番組に比べて、ずっと安い出演料で歌手を出演させているのは、
紅白に出たということで仕事が来るということを出演者もNHKも
理解し、暗黙の合意ができているからである。

(CS番組視聴者が急増)
 最近、テレビ番組でクイズの番組が多い。クイズを出題し、並び
大名のタレントがそれに答えていくという番組である。このクイズ
形式は、視聴者も参加できるし、知識が得られるというので、一定
の視聴率もとれる。

 そして、放送するテレビ局にすると、本や資料を少し調べるだけ
で、制作費はほとんどかからないから、非常に安く制作ができる。
その結果、クイズ番組ばやりということになってしまっている。

 最近、東京のフジテレビで朝の奥様向け番組で、究極の手抜き番
組が登場した。それは、10時くらいから始まるのだが、内容は、
今日の朝のワイドショーで、どの局は何を伝えましたというように、
それぞれの番組で放送された内容を紹介していく番組である。

 司会者はテレビ局の局アナの男性がして、並び大名は3人。少し
顔が知られているテレビタレントやテレビによく顔を出すが、別の
仕事をしている人である。3人への合計20万円くらいに出演料を
除けば、費用はほとんどかかっていないという番組である。

 筆者は、お笑いタレントを中心に、スタジオで並び大名がコメント
する形式の番組だらけの日本のテレビ番組は、テレビ局の自殺行為
だと考える。自分たちは腹一杯に、たらふく高いビーフステーキを
食べながら、視聴者には、100円ショップの品物を見せているよう
な感じである。

 日本のテレビ番組がひどいと言われ出して少し経つが、次第に視聴
者のテレビ離れが起きてきている。アメリカのテレビドラマや、CNN
などの報道番組を流すCS放送の視聴者が1千万人を越え出したという。
当然である。番組作りにかける費用が違う。当然、作りの丁寧さは全く
違う。筆者もそうだが、日本のテレビの地上波をほとんど見ないという
人が増えている。

 それでなくても、ネットとの競争に負けて、大変だと言われるテレビ
局は、近い将来、大きな改革をしないと、テレビ局という仕事の仕組み
自体、何かということが問われるようになってくると思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.09.11 11:47:26
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: