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解答例(その一) もう少し突っ込んだ話になると、少々面倒ですが、ちょっと歴史が絡みます。 解答例(その二) のパターンだとこうです。
「あのね、 『み』 っていうのは漢字 『御』 を見てもわかると思うけど敬語ね。ただし、漢文で出てくるこの字は 『御者』 、馬車の運転手とか、馬に乗っている人のこと。
『くし』 は髪の毛を梳かす櫛。使うでしょ。あれ、君らも。直接 『髪』 といえばいいのに、使用する道具とか、表現したい本体に近接するもので本体を表現するのは比喩の一種。
換喩 っていうの、知ってるかな。カタカナだと メトニミー っていうの。赤頭巾ちゃんと白雪姫って、両方、比喩の一種だけど、違うでしょ。わかるかな?赤頭巾ちゃんは 『~のような』 で説明できないでしょ。こういうのを 換喩 っていうの。
だからあ、おそらく、もともと 『櫛』 の字で書いていたけど、実態が髪の毛だから 『髪』 の字で書くようになったんじゃないでしょうかね。以上ですが、わかった?」
解答例(その二) ちなみに、 解答例(その三) になると、喋ってるノリの結果であって、脈絡も際限もなくなりますが、モノのついでなので書いてしまいましょう。
『みぐし』 って言うけど、 『みち・道』 とか 『みや・宮』 とか、漢字一字で書かれるから別物みたいだけど、おんなじ 『み』 の使いかただと言ったら驚くかな?
『みち』 とか 『みや』 というのは、和語としての原型は 『み』 プラス 『ち』 とか、プラス 『や』 の形で出来ていて 『みぐし』 の 『み』 とおなじもの。ほかに 『都』 とか 『岬』 、 『峰』 とかあるわけ。
その 『み』 というのは霊的な言葉につく接頭語らしくて、たとえば 『みち』 の 『ち』 に霊威がこもってるという話から始まるの。
『チ』 というのは、漢字でいえば、 『巷・コウ』 とか 『衢・ク』 の意味で、四つ辻、交差する、人が行きかうところね。そういう所には 『霊力』 があると考えて、 『み・ち』 になったらしいの。
『宮』 は高貴な人が住んでいる、神さんとかがね、その 『屋根』 の下、つまり、建物ね。だから神社は 『お宮さん』 ね。ついでに言えば、そういう屋敷、宮殿ね、がある土地が 『みやこ』 。わかりましたか?まあ、テストに出るわけじゃないけど。
解答例(その三) もちろん、 小山さんの本 は、 (その二) までの参考書。実は、小学生くらいの子供向けの装丁の、ことばの本なのですが、子供に読ませるには、ちょっと難しいかもしれない。高校生で、やっとかな、ぼくはそう思います。
さっきの字ですけどね、 『八衢』 と書くと 「やちまた」 と読むんですがね、『街』という字と同じ。たぶん『八街』という町が、どこかにありますね。
でも、ここでは少し違う話でね。江戸の国学者で、 本居宣長 って知ってますよね。古典で出てくるでしょ。 『玉のおぐし』 とか。
彼には男の子がいたんです 『春庭』 っていう。天才的な人だったんだけど、三十を過ぎたころに、ひどい眼病を患って失明するんです。それでも 『詞八衢』(ことばのやちまた) という古語の動詞についての書物を残したわけ。みんな下二段とか言ってるあれね、あれをまとめた人。
それでね、 足立巻一 という、皆さんはご存じないかもしれないけどね、そこの 神戸女子大 で先生してたりした人なんですが、 『やちまた』 っていう春庭の伝記を書いたわけ。
この小説も作家もすごいんです。ぼくがそう思うだけかもしれませんが。 朝日文庫 に 上・下巻 であります。でも、まあ、高校生には無理だから、将来、文学部とか行って、国語学とか興味を持ったら探してください。まあ、そんなことも思い出すわけですね。 「やちまた」 とか、ぺらぺらしゃべっていますけど、わかりましたか?
ああ、これは、テストとは、全く関係ありません。じゃあ、今日はこれで終わります。えっ、行かなかったテスト範囲はって?もちろん自分でやりなさい。
追記
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