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朝から小雨。
「雨よ。」
「なんやねん。見たらわかるがな。出かける気が失せるやろ。今日な 『春の青春18』
最終日やねんな、使わんかったら、終わりやねんから。行くで、今日は。ああ、雨か!」
「どこいくの?」
「 醍醐寺
や。桜見てたら思い出してん 。醍醐の花見
いうやろ。」
「花の名所?」
「花見やろ。茶会か? 秀吉
ちやうか。なんか、たいそうな絵になってへんか。 安土桃山文化
みたいな。」
「どこにあんの?」
「 京都
や。 山科
から行くみたいや。バスで行けるらしいからな。行ったらわかるやろ。このくらいの雨、春雨じゃ、濡れていこうやな。」
「ほな、頑張って行っといで。ちょっと寒いんちゃう?」
「とほほほ・・・」
・・・・・・・・・・・
JR山科駅
から、 京阪バス
です。京都のバス停は名前が楽しいですね。 「一本道」、「椥辻(なぎつじ)」、「八反畑(はったんばた)」、「蚊ケ瀬(かがせ」
、どれも読めません。
「キョーレツやな。読めんの 一本道
だけやん。行先 六地蔵
やし。」
お昼前につきました。 京都、伏見
のちょっと東北です。 東山
が霧でかすんでいました。
醍醐寺
ですね。
バスを降りるとすぐに門前でした。 枝垂桜
が満開です。いい風情の春の雨(ほんとはかなり寒かった)にぬれながら、境内へ入ります。
こちらがメインの桜のようですが、ほぼ散っていました。でも、これが満開なら、こんなにノンビリはできないでしょうね。
境内の桜は盛りを過ぎていて、客足もまばらです。このノンビリ感がいいですね。小ぶりな枝垂桜が可愛らしく枝垂れています。。
霧雨に、すこし霞んだ 五重塔
が向うに見えて、絵葉書みたいでよろしいな。白と写真とは思えまへん?そうでもないか、単なるピンボケか。赤い 仁王門
もあるようですね。
三蔵院
の庭に面した縁側にたたずんでボンヤリ座りました。周りに人はいません。手入れされた石庭、池、東山の借景、ようできてますね。落ち着いていて美しいです。
「秋に来るとええなあ、きっと。 チッチキ夫人
も、ここならええんちゃうかな。でも、秋は秋で、おおぜい人が来そうやなあ。」
枝垂桜
の大木が何本もあるところは、さすがだけれど、みんな立派に散っていて、一週間も前にきていたら大変な人だったろうと、返す返す、ほっとする。
「でも、まあ、あの桜は一度見に来てもええな。」
「さあ、 五重塔
を見行こか。」
(その2に続く)
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