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あいうえおの文字をおぼえることは、もちろんたいせつですが、文字より先に、あいうえおの音の豊かさを、身につけることも負けずおとらずたいせつだと思うんです。ただ棒よみするんじゃなく、、その一行一行の、一音一音の表情を味わってほしい。そのためには、あいうえおを、言ってみればおもちゃとして、親子で遊んでみるのもおもしろいんじゃないかな。 というわけで、ことばあそびです。 ゆかいな仲間 の ユナチャン姫 とか、ひらがなが読めるようになったばかりですが、大きな声で読めそうですね。 ラ行 は 「ら、り、る、れ、ろ!」 とかわかってくると楽しそうです。
ら いおんは
り すの
る すに
れ こーどを
ろ くおん
なか が いい 二つめは少しむずかしいかもしれません。 「がぎぐげご」 とか 「ぱぴぷぺぽ」 とかいえるようになると、どんどんたのしくなるにちがいありません。
うな ぎ と
も ぐ ら
こか げ で
ご もくならべ
各行の初めの文字、最終文字、または他の特定の文字を並べると、人名やある語や句になるこういう遊戯詩を、英語では アクロスティック と呼ぶんですって。この本では、ひとつひとつの詩に、五十音の各行がかくれています。さがしてみてください。 アクロスティック というのは、英語の詩では 「不思議の国のアリス」 とかに出てくるのが有名だったと思いますが日本にもありますね。和歌に 折句(おりく) とか 沓冠(くつかぶり) とかいう技法がありますが、同じ遊びですね。
唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ 「カキツバタ」 が詠みこまれていますが、 「伊勢物語」 の 東下り にある有名な一首です。高校時代に出会われたはずの和歌です。
夜も涼し 寝ざめのかりほ 手枕(たまくら)も 真袖(まそで)も秋に 隔てなき風(兼好法師) 兼好法師 の歌を、前から拾えば 「よねたまへ」 (お米下さい) 、後ろからも 「ぜにもほし」 (銭もほしい) と無心しています。
夜も憂し ねたく我が夫(せこ) はては来ず なほざりにだに しばし訪ひませ
(頓阿法師)
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