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2022.05.26
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​谷川俊太郎・文 白根美代子・絵「あいうえおつとせい」(さ・え・ら書房)​ ​​​​  「ことばあそびえほん」 という 「さ・え・ら書房」 という本屋さんが出していたシリーズの1冊です。最初のページに、この絵本の文を書いた 谷川俊太郎 ​「あいうえお讃」​ という文章で解説しています。そこから少し引用します。
 ​​​​ ​あいうえおの文字をおぼえることは、もちろんたいせつですが、文字より先に、あいうえおの音の豊かさを、身につけることも負けずおとらずたいせつだと思うんです。ただ棒よみするんじゃなく、、その一行一行の、一音一音の表情を味わってほしい。そのためには、あいうえおを、言ってみればおもちゃとして、親子で遊んでみるのもおもしろいんじゃないかな。​
​  というわけで、ことばあそびです。 ゆかいな仲間 ユナチャン姫 とか、ひらがなが読めるようになったばかりですが、大きな声で読めそうですね。 ​ラ行​ ​「ら、り、る、れ、ろ!」​ とかわかってくると楽しそうです。
いおんは
すの​
すに​
こーどを​
くおん​
​なか いい​
​うな と​
​ も ら​
​こか で​
​   もくならべ​
​  ​​二つめは少しむずかしいかもしれません。 「がぎぐげご」 とか 「ぱぴぷぺぽ」 とかいえるようになると、どんどんたのしくなるにちがいありません。​​
​ 先程の 「あいうえお讃」 の中で解説しています。​ ​​​
 各行の初めの文字、最終文字、または他の特定の文字を並べると、人名やある語や句になるこういう遊戯詩を、英語では アクロスティック と呼ぶんですって。この本では、ひとつひとつの詩に、五十音の各行がかくれています。さがしてみてください。
​​ アクロスティック というのは、英語の詩では 「不思議の国のアリス」 とかに出てくるのが有名だったと思いますが日本にもありますね。和歌に ​折句(おりく)​ とか ​沓冠(くつかぶり)​ とかいう技法がありますが、同じ遊びですね。​​​​
​唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ​
​  「カキツバタ」 が詠みこまれていますが、 ​「伊勢物語」​ ​東下り​ にある有名な一首です。高校時代に出会われたはずの和歌です。​
​  沓冠(くつかぶり) というのは頭もお尻もという遊びです。​
夜も涼し 寝ざめのかりほ 手枕(たまくら)も 真袖(まそで)も秋に 隔てなき風(兼好法師)
夜も憂し ねたく我が夫(せこ) はては来ず なほざりにだに しばし訪ひませ
(頓阿法師)
​  ​​ 兼好法師 の歌を、前から拾えば 「よねたまへ」 (お米下さい) 、後ろからも 「ぜにもほし」 (銭もほしい) と無心しています。​​
​​​ それに対して、返事をした ​頓阿法師​ 「よねはなし」 (お米ありません) 「ぜにすこし」 (銭なら少し) と答えているわけです。歌の筋もちゃんと通っているところがすごいですね。この場合は生活がかかっているようで、遊びといっていいのかわかりませんが、一般的に言えば、江戸時代に至るまで、和歌に関わる ​「ことばあそび」​ はいたるところい出てきますね。 谷川俊太郎 は、そういう文化の詩的な継承者だと思います。​​​
​​​​ お家で、 おチビさん お母さん の名前とかで アクロスティック とか 折句 とかで ​「ことばあそび」​ を遊ぶのもありそうですね。なかなか文化的なあそびですよ(笑)​​​​ ​​ ​​​​​

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最終更新日  2023.05.14 08:55:09
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