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講談社ノベルス著者/訳者名 : 島田荘司/著 出版社名 : 講談社 (ISBN:4-06-181168-1) 発行年月 : 1985年02月 価格 : 924円(税込) <感想> 名探偵御手洗潔の初登場作にして日本本格ミステリーの金字塔とされる作品。作品前半に繰り広げられる謎の連発、話の規模の大きさは「こんだけ風呂敷広げて、話の収集つくのか?」って読んでるこちらが心配するほどの内容でした。 確かに460ページに及ぶ大作なのですが、話の収集はきっちりつきます(当たり前だけど) 占星術による殺人というロマンチシズムと40年前の殺人事件に挑むという壮大さに恍惚を感じます。 ちょっと話はそれますが、この「~殺人事件」という響きに感じるある種の憧れ、ロマン、興奮、気分の落ち着き、好奇心はいったい何なんでしょうか?これが「UFOの謎」とか「幻の猿人はいた」みたいのじゃだめなんだなー。 ミステリーが面白いのは、「殺人トリックの構築という人間の冷静かつ緻密な部分」と、殺人の動機といった「人間くさい部分」がつくるリアルなドラマがあるからなんでしょうね。 そして舞台は日常と非日常との微妙な間の物語が良い。当然リアルなだけの話じゃ生臭いし、空想に飛んでいってもSFになってしまう。 「島の伝説」とか「わらべ唄」とかの伝承方面と結びつけるか、「祇園」「みちのく路」みたいなちょっと憧れの地あたりで殺人がおきるとそのバランスがちょうど良くなるわけですね(笑) この占星術殺人事件は「緻密なトリック」と「人間ドラマ」「壮大なロマン」の三角形が実にバランス良く、それも大きな三角形をなしています。 私的には、劇中の「昭和初期の怪事件の謎」をめぐる40年間の日本中を巻き込んだ論争のあたりが最高に面白かったです。謎をめぐってなされるマスコミや素人探偵達の推理、騒動、珍事件。 自分で考えたトリックをめぐっての日本中の騒動を描ける著者というのは実にうらやましい(笑) あと気になる点も少々 主人公が物語後半、京都に行くくだりがあるですが、ここは神戸か長崎のほうが「占星術」っぽくて雰囲気が良かったんでないのかなーってのが一点。 あと、御手洗潔と石岡のコンビがどうもバタバタしてる印象がぬぐえない。(まあデビュー作だからこの後に落ち着いていくのだと思うけど) とにかく本格ミステリー好きの人にはオススメの一冊ですが、読む前に、「絶対に」パラパラめくって挿絵を見たりしないこと。でないとせっかくのお楽しみがパーになる可能性80%(笑)
2005.01.26
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DEATH NOTE 1 ジャンプコミックス著者/訳者名 : 小畑 健/大場 つぐみ 原作 出版社名 : 集英社 (ISBN:4-08-873621-4) 発行年月 : 2004年04月 価格 : 410円 <感想> 少年ジャンプ連載の人気漫画。名前を書いただけで人を殺せる死神のノート「デスノート」を偶然手に入れた天才高校生が起こす事件を描いた内容となっています。 「死神」なんていうものが登場するわりに、事件やマスコミ、警察の描き方が少年誌にしてはやたらリアルで、精巧なミステリーを読んでる気分になってきます。 インターネットや携帯といった新しい情報機器をうまく劇中に登場させてるのもポイント。あとなんといっても抜群に絵がうまい。こういう漫画で絵が下手だったらちょっとマズいけど(笑) 緻密な推理劇と鋭い絵、独特の緊張感は漫画を超えた「新たな一ジャンル」といっても差し支えない気もしてきます。 で、私的なこのストーリーのポイントは「悪を裁くとは何か?」「悪人は殺してもかまわないのか?」という倫理の問題です。というのは劇中、「デスノート」を手にした主人公(ライト)は世界の救世主きどりで、ニュースで報道される悪人を殺していくわけです。その影響によって犯罪者を減らしていこうという考え方をします。 一見正しいようにも見えるこの考え方が矛盾しているのは明らかで、すなわち主人公自身が大量の虐殺者になっているわけです。そこにある論理は「自分の嫌いな人間は消す」という身勝手なものでしかありません。 その主人公、ライトに対抗するのが世界的探偵(?)L(エル)なる人物です。ライトと一緒に大学に入学しても違和感がないほど若く、非常に行儀が悪かったり(?)するのですが、抜群の推理力でライトを追い詰めます。 ライトとのやりとりの緊迫感はスゴイの一言。この漫画の魅力です。 しかし、ライトとエルの間に多くの議論はあるものの、そこには殺したか殺してないのか、証拠があるのかないのか、理論は矛盾してないのか等、犯罪事実の確認、まさに「取り調べ」的な会話しかなされず、犯罪者を無作為に殺すのは倫理的にどうなのかとかいう議論は一切なされません。 まあそういう漫画なんだからいいんですが、そういう倫理的な問題に触れずに、「取り調べ」的な議論しかなされないのはいささか「薄い」気がしてなりません。 もっとライトとエルの本音の部分、日頃何を考えているかが見たいような気がします。(例えばライトは将来、警察幹部になって実際何がしたいのか?とかエルが信じる「正義」とか何か?将来の夢はあるのか?とか非常に興味がある) たとえばどんどん悪魔化していく主人公ライトは学生であるのに対し、エルはそれなりの大人のはずですから、倫理的な議論で攻めるという構図があってもいいのかなという気がするわけです。(エルは「正義」なんて言葉を堂々と口にしてますし) とりあえず、コミックの第4巻までしか読んでないので連載のほうはどうなってるかわかりませんが、エルにもライトにも犯罪の証拠うんぬんとかいう話の向こうに、「倫理的な何か」を確信する内容になっていってほしいと思います。 この漫画は、最後は感動で終わって「名作」になってほしいなあ。別に手塚治虫になれとは言わんけど(笑)。
2005.01.18
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