2010年02月22日
XML
カテゴリ: その他
これは2007年のモーターショーでのインタビューなので社長になられる前のビデオだが、

Tokyo Motor Show 2007 Interview Akio Toyoda, Toyota
http://www.youtube.com/watch?v=Bzqf0pc-Ots

このビデオから伝わってくる豊田章男さんの印象は、悪くはないがたいして良くもない。才気にあふれていたり、如才のなさが伝わってくるわけではない。どちらかというとのんびりとしたボンボン系で、意味のない馬鹿笑いをする子分がついていそうな感じだ。もちろん実際の豊田さんは、あの大トヨタの社長に選出された人だから並みの人物ではないはずだ。

しかしそれでもなお、アメリカ連邦議会で証言を求められるような企業人といえば、われわれ大衆とは違って、あふれる才能が外見にまで表れたような人物で、立て板に水、理屈を美しいほどに操れる人が多いから、それに比べると豊田社長はじゃっかん見劣りするように思う。

失敬な話であることは百も承知だか、悪いことばかりではない。才気キラキラで大企業の重役然とした人物はワシントンやニューヨークのエリートにはうけがいいが、その重役を自分たちとは別世界の人物と感じる一般大衆には好かれない。豊田社長はそういう人物の一人であると見なされないほうがトヨタにとっては都合がいい。

では公聴会の席で豊田社長は何を語るべきか。

一言でいえば苦労話。トヨタがアメリカに進出したころの苦労。日本車といえば安かろう悪かろうでバカにされていたころの話。誰にも相手にされない中、少数ながら自分たちを支援してくれたアメリカ人もいた話。うれしかった話、悲しかった話。努力を重ね少しずつ少しずつ信用評価を得ていった話。ケンタッキー州ジョージタウンに初めて工場を建てたさいの苦労話。消費者、従業員、取引先への感謝。創業者の孫にしか語れない話。豊田家の子供という理由でいじめられた話。祖父や父親の涙なくしては語れない苦労を背中越しに見てきた話。

物語は人の心に残る。理屈はすぐに忘れられてしまう。訴訟を恐れるがあまり不誠実な応答を繰り返すより、authenticで genuineな苦労話、車への思い入れをポツポツと語るほうが移民の国の民の心を打つ。トヨタを信用しようという気にさせる。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年02月22日 20時03分41秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

soudenjapan

soudenjapan

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月
2025年04月
2025年03月
2025年02月

コメント新着

soudenjapan @ Re[1]:リスニングは難しい(11/05) コメントに気づくのが遅れました。ごめん…
永田 弘明@ Re:リスニングは難しい(11/05) I've sold many services for highly tech…
soudenjapan @ Re:そういえば(03/19) 一点集中力さん 英国の政治家の話し方…
soudenjapan @ Re:確かに!(03/17) そのとおりですね。 でも彼らなりの合意…
soudenjapan @ Re:うう~~ん(05/29) 平和な日常、友好に笑顔に親切。現地にい…
一点集中力 @ うう~~ん モロッコもバリバリのシーア派ですが、こ…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: