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2007.01.04
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 飛行機は主翼の上下面に風を通すことによって飛んでいるわけですが、その主翼の断面は揚力を発生させるよう特徴的な形をしています。しかし、その主翼に雪がつくと断面の形が変わり、揚力が発生しなくなってしまいます。
「離陸滑走するときは時速200kmぐらい出るんだからそのスピードで雪なんか飛んでいっちゃう!」と思われる方もいるかもしれません。しかし、冷凍庫に冷やしておいたスプーンに唇をつけるとくっつくように、一度冷えた機体には雪がドンドン付着していきます。特に空気を上面下面に分ける主翼の前方部分では雪が空気に押しつけられ、氷の塊が作られていくのです。これではますます飛行機は舞い上がることができません。

 そこで私たち整備士は雪が降り始めると機体に除氷液をかけて雪が凍りつかないようにします。それは除氷液をかけるための車でディアイシングカー(DE-ICING CAR)と呼ばれています。車両の本体部分は除氷液とお湯のタンクがあり、この車両にいろいろな高さに調整できる小さな操作室が取り付けられています。その操作室には人が1人乗れるようになっていて、そこから竿のようなものを伸ばし、先端から除氷液を機体に振りかけます。
 これで一安心と皆さんはお思いになるかもしれませんが、実はこの除氷液は外気温によって効果のある時間が定められています。この時間のことをホールドオーバータイムといい、気温が低ければ低いほどこの時間が短くなってしまいます。

 羽田空港のような大きな空港で雪が降り、気温が下がると滑走路の端につく前にホールドオーバータイムが切れてしまうことがあります。そうすると飛行機はまた除氷液をかけるために駐機場に戻らなくてはならず、大幅な出発時間の遅れとなってしまうのです。
 このホールドオーバータイムは飛行機に除氷液をかけ始めたときから始まるので、飛行機が出発するぎりぎり前にこの除氷液を主翼および水平尾翼に手早くかけています。

 子供たちには待ち遠しいかぎりの「雪」ですが、飛行機が定時に安全に出発できるように、私たちはこんなところで雪と時間を相手に戦っています。

文=足原 靖(日本航空羽田整備





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最終更新日  2007.01.04 07:29:44
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