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主治医の見つかる診療所【名医の免疫力アップ法】!というテレビを見ました。冬本番、風邪、インフルエンザの予防法、感染症予防という話題です。このテレビによると、冬の感染症予防、免疫力アップの第一の方法は、『口の渇きをなくすこと』でした。この意見にはUromaster大賛成です。今までも、そのことをここでも説明してきました。テレビによると、その対策として1.よく噛むこと2.唾液腺マッサージでした。要は、唾液をいっぱい出させようということです。これ自体は悪いことではありませんが、これは、もともと唾液が出にくい人、医学用語でいえば『ドライマウス』つまり唾液の分泌が少ない人へのアドバイスと思います。私Uromasterのお勧めは、これとは違います。テレビでは、残念ながら、呼吸法の観点からのお勧めはありませんでした。風邪やインフルエンザの原因は、単純に唾液の量が少ないこともありますが、まずは1.口呼吸が問題です。十分に唾液が出ていても口呼吸で、せっかくの唾液を、常に蒸発させていれば、いくら唾液を産生しても足りません。口呼吸を行えば、呼吸をするたびに唾液は蒸発してしまいます。もし鼻呼吸ができているのであれば、次は2.渇きには、十分な水分を取ること水分を補給して、みずみずしい身体に保つことです。身体に水分が足りなければ、唾液も出てきませんし、脱水状態となって、すべての内臓機能は落ちてしまいます。大半の人の問題点は、唾液が少ないことより、口腔内が乾燥してしまうことが問題です。十分な、唾液が出ている人でも口呼吸が習慣化してしまえば、『ドライマウス』唾液が足りない身体と同じになってしまいます。1.よく噛むこと2.唾液腺マッサージは大事ですが、基本は呼吸法です。呼吸は、生きている限り必要かつ重要な生き物の営みです。皆さんの呼吸法は、どちらでしょう。口呼吸:口をあけて息をする、→ 口の中はカラカラ。鼻は詰まった状態。起きている間はともかく、寝ている間はどうですか? ウイルスや細菌、カビは乾燥した粘膜にはすぐにくっついて感染します。鼻呼吸:唾液に粘膜はしっかり乾燥せずに守られ、感染を防ぎます。というわけで。冬の感染症予防、免疫力アップの第一歩は、何よりもこちらが先です!口呼吸の人は、まずは鼻呼吸私も呼吸法を改めて、体調が非常によくなりました。風邪もひきにくいようです。心なしか、酸素がいきわたって頭の働きもよくなって、やる気が出てきています(笑)。是非皆さんに紹介したい、おすそ分けしたいと思うようになり、電子書籍でまとめました。興味のある方、もっと情報がほしい方、一読願います。呼吸法で変わるあなたの免疫力、健康、人生にほんブログ村
2015年01月28日
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◆◆ 1/23付 イクスタンジンのビッグニュース ◆◆昨日(1/23)、イクスタンジンの最新の研究結果が発表されました。Enzalutamide Phase 2 Terrain Trial Demonstrated Statistically Significant Increase in PFS as Compared to Bicalutamide in Metastatic Prostate Cancerほとんどの泌尿器科医はまだ知らないと思います。------------------------------------------------------------------◇ 去勢抵抗性前立腺がんになったら、全ての患者さんで、新しい治療を開始しなければならないか?◇ いつ新規薬剤を開始するか? AWS症候群はチェックする必要があるか? 抗アンドロゲン薬の交替療法は試した方がいいか? 女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)は? ステロイド剤は?◇ どの薬剤を最初に使ったらいいか?◇ どういう順番がいいか?------------------------------------------------------------------上のたくさんの疑問点の1つの答になるかもしれません。転移のある去勢抵抗性前立腺がんの患者さんの治療の臨床試験です。この治療は日本でもやろうと思えば可能な治療です。本当に効果があるのであれば、是非私も、治療の選択肢にしたいと思います。詳しくは、明後日(1/26)の電子書籍の配信で説明します。詳細なデータはまだ発表されていませんが、概要はこのウェブで見ることができます。TERRAIN 試験英語ですが、きちんと臨床試験の概要が説明されています。わかっている範囲のまとめの発表です。くわしい詳細は不明ですが、遠隔転移がある去勢抵抗性前立腺がんの患者さんに対して、早期にイクスタンジンを用いることでカソデックスを用いるMAB療法より、再発や進行までの期間を延長するという研究結果です。副作用などを含めた詳細なデータはまだ発表されていません。しかし、イクスタンジンはカソデックスやオダインに比べて、はるかに強力な抗アンドロゲン薬です。去勢抵抗性前立腺がんに対して、今までと違う使い方ができるはずです。この研究は、動物実験ではありません。研究対象は、生身の去勢抵抗性前立腺がんの患者さんです。前立腺がんに苦しむ人たちの参加を募った、悪く言えば人体実験です。このような貴重な研究成果は、尊重されなければなりませんね。Uromasterの定期配信最新情報 前立腺がんの診断と治療12/29号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その1』1/5号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その2』 1/12号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その3』 1/19号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その4』 1/26号 定期配信予定 『1/23付 イクスタンジンのビッグニュース』 より詳しく情報を知りたいという方、ご購読お願いします。にほんブログ村
2015年01月24日
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◆◆ インフルエンザに気をつけましょう! ◆◆風邪・インフルエンザが流行しています。みなさん、いかがでしょう。家族の方も大丈夫でしょうか?私の病院も感染対策で、しばらく前にほとんどの職員がインフルエンザの予防接種(ワクチン)を打っています。それでも、たくさんの職員がインフルエンザに罹患して強制的に自宅治療になっています。患者さんにうつったら大変ですものね。泌尿器科のスタッフの1人が、数日前に発症し、検査でインフルエンザと判明しました。今自宅で安静中です。これ以上の感染者が出ると診療が成り立たなくなるため、残った全員が毎日インフルエンザ治療薬を予防的に内服している状態です。ワクチンを打っていれば、インフルエンザにかからないというわけではありません。ワクチン、予防接種の利点は、たとえ発症しても前もって免疫(抗体)があるので症状も軽く発熱も低く重症化しない利点があります。インフルエンザにまだ罹っていない人でワクチン(予防接種)を受けていない人は今からでも遅くありません。すぐに予防接種を受けることをお勧めします。無駄に終われば、それはそれでいいではありませんか。インフルエンザで亡くなる方が増えていることは、新聞やテレビでも毎日報じられています。健康な方はもちろん、前立腺がんで体調が悪い方、体力がない方、高齢な方、ステロイド剤(プレドニン)や抗がん剤の治療を行っていて、免疫力が落ちている人はなおさらです。冬にインフルエンザが流行するのは、ウイルスにとって都合のいい条件がそろっているからです。-------------------------------------------------------------------------------------1. 空気の乾燥空気が乾燥した冬の気候では、感染した人の咳などで外に飛び散ったインフルエンザウイルスの水分が蒸発して、空中に漂いやすくなります。また、うつされる側も、のどや口腔内の粘膜が乾燥して、のどや口腔内の粘液や唾液が乾燥して防御が弱くなって、ウイルスがくっつきやすく、感染しやすくなってしまいます。2. 温度の低下冬で温度が下がって、体温が下がるとウイルスは体内で増殖しやすくなるといわれています。-------------------------------------------------------------------------------------ワクチン、予防接種は注射で身体にウイルス関連物質(抗原)を打つことで、体内の免疫を惹起します。免疫を惹起すれば、感染しないのかというと、そうではありません。インフルエンザが最初に体内に入る経路は“のど” “のどの粘膜”です。正常な状態では、口腔内には、唾液の中にもともと殺菌物質や自然の抗体などで、細菌やカビなどを防御する仕組みは備わっています。予防接種で体内に免疫ができても、のどが乾燥していていれば、唾液など障壁がなく、強力な防御とは言えず、ウイルスが侵入してしまいます。ここに1つヒントがあります。外からのウイルスの侵入を防ぐためには、口腔内の乾燥を防ぐのが重要です。ここでお勧めするのが、やはり『呼吸法』です。『鼻呼吸』です。鼻腔を通った乾燥した冷たい空気は、鼻腔内で湿潤化し、温まり、細菌やカビなどの微生物を除去することができます。この機会に是非、以下の電子書籍を参考にしてください。呼吸法で変わるあなたの免疫力、健康、人生 今日少し加筆修正しました。乳酸菌でがんは防げるか? 何を摂るべきか? どのように摂るべきか?一部の乳酸菌には、インフルエンザ予防に有用であることが示されています。乳酸菌であれば何でもいいというわけではありません。乳酸菌というのは、乳酸を産生するたくさんの種類の細菌の総称です。きちんと効果が確認された乳酸菌を選択して、少しでも健康を維持しましょう。最新情報 前立腺がんの診断と治療 定期購読していただいている方には、2014年12月8日号にきっちり呼吸法も載せています。少しずつですが、購読していただいている読者の方が増えてきました。私も、気合いを入れて頑張ります。私も、体調を整えなければなりません。最後は、宣伝になってしまいました(笑)。これからまだまだ寒くなります。インフルエンザの季節は今からです。風邪は万病のもとといいます。万全の準備を怠らず、お互い気をつけましょう。Uromasterの定期配信最新情報 前立腺がんの診断と治療12/29号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その1』1/5号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その2』 1/12号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その3』 1/19号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その4』 1/26号 定期配信予定 『1/23付 イクスタンジンのビッグニュース』 より詳しく情報を知りたいという方、ご購読お願いします。にほんブログ村
2015年01月23日
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2014年にドセタキセル化学療法以外にイクスタンジンザイティガジェブタナの化学療法が『去勢抵抗性前立腺がん』に対して、日本でも使えるようになりました。いままでの、MAB療法AWS症候群のチェック抗アンドロゲン薬の交替療法女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)ステロイド剤はお役御免になったのでしょうか?1) MAB療法MAB療法は去勢術に抗アンドロゲン薬(カソデックス、オダイン)を加える方法です。男性ホルモンの90%は精巣から、残りは副腎から出ているといわれています。このMAB療法は、精巣と副腎両方から分泌される男性ホルモンががん細胞に作用するのを完全に遮断しようというものです。つまり、去勢術により、精巣からの男性ホルモンが低下した状態で、副腎からの男性ホルモンも、抗アンドロゲン薬でブロックしようというものです。日本では、以前より男性ホルモンを完全に遮断した方がいいのではないかということでMAB療法が好まれてきました。MAB療法がいいのか、単独療法がいいのかという点では、日本からの研究があります。Stage CまたはDつまり、局所進行前立腺がん(前立腺の外まで広がっている)と転移のある前立腺がん205人を2つのグループに分けて、1つは、去勢術単独療法、もう1つはMAB療法に分けて治療効果を調べています。平均5.2年観察しています。結果は、stage D2(所属リンパ節転移以外の遠隔転移あり)では、生存率に差がなかったのですが、stage C(前立腺周囲もしくは精嚢腺に浸潤)とD1(所属リンパ節転移のみ)の患者さんでは、明らかにMAB療法を受けた患者さんの生存率が去勢術単独療法と比べてよかったと報告されました。(赤座ら、Cancer Sci. 2011 Jan;102(1):51-6) 日本でMAB療法が愛用されているのは、上の研究もありますが、できるだけの治療は行おう(完全に男性ホルモンを遮断した方がきっとメリットがある)という意思が働いていると思います。患者さんの中に、このMAB療法が長期間奏効する方がいるのも事実です。ただし、この場合MAB療法が効いているのか、その前立腺がんが、おとなしくて制御しやすいのかは、実はよくわかりません。結果オーライなのです。2) AWS症候群チェックMAB療法を行っていてPSAが上昇してきたら、抗アンドロゲン薬(カソデックスやオダイン)は一度休薬してみるのも1つです。抗アンドロゲン薬を中止すると、PSAが低下することがあります。この現象をチェックせよということです。つまり、わかり易くいえば、抗アンドロゲン薬を前立腺がん細胞が逆に餌にしてしまう状態で、このような病態をAWS症候群(アンチアンドロゲン除去症候群)の状態とよんでいます。オダイン、プロスタールでは、4週間、カソデックスでは8週間休薬してPSAの低下がないか、変化をみることが推奨されています。3) 抗アンドロゲン薬の交替療法MAB療法を行い、PSAが上昇して、AWS症候群チェックし、それでもPSAが上昇してくれば、抗アンドロゲン薬を別のものにする方法です。例えばカソデックス → オダイン または オダイン → カソデックスといった具合です。2014年に発売された、イクスタンジンも抗アンドロゲン薬の1つです。そういう意味では、この抗アンドロゲン薬の交替療法がある程度効果があった患者さんでは、ここでイクスタンジンを使うというのも1つかもしれません。4) 女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)去勢抵抗性前立腺がんに対してこれらの薬剤は、エビデンスのある治療ではありません。しかし、効果が長続きする患者さんがいるのも事実。進行がゆっくりした患者さんでは、使ってみることは、ダメとまでは言えないでしょう。ただし、副作用があるので、使用には注意が必要です。女性ホルモンの副作用には乳房腫大と血栓形成(血管内に血液の塊できること)があり、特に心血管障害に注意しなければなりません。心血管系の疾患の既往(脳梗塞や心筋梗塞などを起こした)がある方は、使用しない方がいいでしょう。また稀ですが、去勢術単独療法やMAB療法を行っていて、血液中のテストステロンが十分下がらない(50 ng/dl以下にならない)場合に、女性ホルモンを追加する場合があります。エストラサイトは女性ホルモンと抗がん剤の両方を含む薬剤です。エストラサイト独自の副作用として嘔気や食欲不振、貧血、肝機能障害、浮腫などがあります。副作用に注意が必要ですが、効果が出る患者さんがいるのも事実です。5) ステロイド剤去勢抵抗性前立腺がんの新規薬剤が使えるようになる前は、様々な内分泌療法が効きにくくなったときに、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)を使う場合がありました。良く用いられるものに、内服薬のデキサメタゾンやプレドニゾロンがあります。別に注射薬もあって、点滴で使う場合もありますが、それは入院での治療で用いる事がほとんどです。転移性前立腺がんや去勢抵抗性前立腺がんで、様々な治療が効かなくなったとき、病状が深刻となった時に、以前は最後に頼る薬剤でした。ドセタキセル化学療法や新規薬剤のザイティガ(アビラテロン)やジェブタナの化学療法では、プレドニンを併用しますので、最近では最後に頼る薬という役割ではなくなってきています。ただし、いったんステロイド剤を使いだして、ある程度の量、ある程度の期間、使いだすと、急にやめると、身体がびっくりして強い症状が出るので注意が必要です(離脱症候群)。急に内服を中止すると『副腎機能不全』となり急激に体調を壊す可能性があります。服薬を中止する時は徐々に減量することが肝要です。体の中で副腎という臓器が、ステロイドを分泌しているのですが、体外からのステロイド投与で、機能不全になっているため急にやめるとステロイドが副腎から出ないのです。ステロイド剤を長期間使うと、この副腎が働かなくなるため、急にやめるとステロイドが枯渇して強い症状がでます(虚脱、疲労、全身倦怠感)。ドセタキセル化学療法、ザイティガ(アビラテロン)、カバジタキセルなどでステロイド剤を使うため、いったん去勢抵抗性前立腺がんでプレドニンを使うと、やめられない、やめにくい可能性があります。本題に戻りましょう。いつ新規薬剤を使うかMAB療法AWS症候群のチェック抗アンドロゲン薬の交替療法女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)ステロイド剤は、もうしない方がいいのかです。私Uromasterは、『去勢抵抗性前立腺がんになり方』がまず重要と考えます。1. 内分泌療法は効果があったか?あったならどれくらい効果の持続期間があったか?2. いまの年齢(余命)はいくつか?3. 全身状態はどうか?重篤な併存疾患はないか(心臓病、肝腎機能、他のがんは)?4. PSAの上昇の速度は速いか、遅いか5. 病気の進行具合は 転移はあるか、転移の部位は?、遠隔転移は骨転移か、肝臓などの内臓への転移はあるか、新たに出現した転移はあるか、6. 症状はあるか7. もともとのグリソンスコアはいくつだったか?去勢抵抗性前立腺がんというからには、内分泌療法が行われてきたと思います、内分泌療法は、いったんは効果が出る患者さんがほとんどです。この内分泌療法の効果の持続期間が長い方と短い方がいると思います。また、去勢抵抗性前立腺がんの診断で、PSA上昇のみの方、症状も伴っている方、骨転移が出現したり、数が増えた方、画像検査(CTなど)で内臓転移が出現した方など状態は様々です。治療をするうえで重要なのは、『誰一人として同じ前立腺がんは発生しない』ということです。前立腺がんは、前立腺の中で発生しますが、多発することが知られています。最近の研究では、同じひとりの患者さんで発生した前立腺がんでも様々な性質が異なった前立腺がん細胞を持っていることがいわれています。また遠隔転移した前立腺がん細胞と元々の前立腺の中にある前立腺がん細胞の性格が変わっていることも報告されています。また、一定期間治療されて、生き残った細胞は、もともとあった前立腺がん細胞とかなり性格が変わることも分かってきました。治療をするうえでもう1つ重要なのは、『誰一人として同じ患者さんはいない』ということです。心臓病で重篤な方、腎機能や肝機能が悪化している方、他のがんが進行していて、前立腺がんの治療どころではない方、非常に高齢な方、若い方、病気による症状が強い方、病気の進行で生命維持が大変な状態・・・・『誰一人として同じ前立腺がんは発生しない』『誰一人として同じ患者さんはいない』さらにもう1つ『治療後に生き残った前立腺がん細胞は、治療前の前立腺がん細胞と性格が変化している』これは考えてみれば、ごく当たり前です。生物は細菌であれ、人間であれ、様々な試練を受けて多くの犠牲をはらうものの、必ずもともと生き残る抵抗力があるグループや、遺伝子変異が起こって抵抗力を増したグループが出現します。これと同じことが、体内の前立腺がん細胞で起きていると考えられます。『誰一人として同じ前立腺がんは発生しない』『誰一人として同じ患者さんはいない』『治療後に生き残った前立腺がん細胞は、治療前の前立腺がん細胞と性格が変化している』前立腺がん、とくに去勢抵抗性前立腺がんの治療においては、この3つをいつも考えながら、治療を行っていかなければなりません。ある意味テーラーメイド治療(既製服ではなく、オーダーメイド)をやらなければなりません。日本語では個別化と言いますが、現時点での前立腺がんの診断と治療では、テーラーメイド治療を行う準備というか、寸法計りがまだまだ不十分なこともみとめなければなりません。そうは言っても、今、治療中の患者さんは、待っていられませんね。なんとか、そのとき、そのとき、そして現時点での私Uromasterの考えをまとめていかなければなりません。Uromasterの定期配信最新情報 前立腺がんの診断と治療12/22号 定期配信 『前立腺がん手術後の再発に対する診断と治療』12/29号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その1』1/5号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その2』 1/12号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その3』 出来立てほやほやです。より詳しく情報を知りたいという方、ご購読お願いします。にほんブログ村
2015年01月12日
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◆◆ 去勢抵抗性前立腺がんの治療について考える その1 ◆◆2014年の年末と2015年の新年は、去勢抵抗性前立腺がんの診断と治療について考えています。この文章を読んでいただいている方は、前立腺がんの患者さんかその家族の方と思います。手術や放射線療法や内分泌療法など様々な治療を受けた方がほとんどでしょう。いずれの治療でも、ある一定の割合で、再発や悪化する可能性があります。去勢抵抗性前立腺がんは、前立腺がんの再発の1つの形です。去勢抵抗性前立腺がんについては、前回解説しました。簡単に言うと、『去勢抵抗性前立腺がんとは、去勢術・内分泌療法をしているにもかかわらず、PSAが上昇する病態、新病変などが出現して病状が悪化している病態』です。去勢抵抗性前立腺がんに対する薬剤・治療は1) ドセタキセルの化学療法2) イクスタンジ3) ザイティガ(アビラテロン)4) 従来使ってきた治療(MAB療法への転換、AWS症候群のチェック、抗アンドロゲン薬の交替、女性ホルモン関連薬剤、ステロイド剤)がありますが、以下の疑問点が出てきます。◇ 去勢抵抗性前立腺がんになったら、全ての患者さんで、新しい治療を開始しなければならないか?◇ いつ新規薬剤を開始するか? AWS症候群はチェックする必要があるか? 抗アンドロゲン薬の交替療法は試した方がいいか? 女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)は? ステロイド剤は?◇ どの薬剤を最初に使ったらいいか?◇ どういう順番がいいか?なかなか難しい問いです。わかっていることがまだ少なく、明確な答えは実際はありません。今後新しい考え方が出てくる可能性があります。しかし、治療中の患者さんでは、待っていられませんね。なんとかそのとき、そのとき、そして現時点での私Uromasterの考えをまとめていかなければなりません。新規薬剤(イクスタンジン、ザイティガ、ジェブタナ)がでてくるまでは、去勢抵抗性前立腺がんに対して、明らかに効果が認められた治療というのは、ドセタキセルの化学療法しかありませんでした。注射の治療です。治療開始は入院で行うことが多いのと抗がん剤治療ということで、敬遠する患者さんも多く、また患者さんも高齢者や併存疾患が重篤な方もいて、容易に選択できる治療ではありませんでした。そのため、比較的安全に使えて、外来でも治療できる以下の方法が用いられてきました。MAB療法AWS症候群のチェック抗アンドロゲン薬の交替療法女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)ステロイド剤ドセタキセルの化学療法をやらないとすると、今までは、他に方法がないので、上の5つの治療を順々に行っていました。ヨーロッパ泌尿器科学会の前立腺がん治療における内分泌療法のガイドラインを、参考までにお示しすると、内分泌療法は、進行前立腺がんの急激な進行やひどい痛み、症状が強く出たときの進行を抑えたり、症状を和らげる目的で使用する。ただし、生存期間を延長するあきらかな証拠はない。転移性前立腺がんでは、去勢術に非ステロイド性抗アンドロゲン剤(カソデックスやオダイン)を加えたMAB療法は、去勢術単独療法に比べて、いくらかの有効性が報告されている。ただし、副作用が増加したり、医療費が上がる難点がある。進行前立腺がんに対する去勢術(外科的去勢術、内科的去勢術、女性ホルモン)は、効果に関して、どの方法を用いても、効果は同等と考えられている。局所進行前立腺がんに対しては、去勢術のかわりに、非ステロイド性抗アンドロゲン剤を用いてもいいかもしれない。転移性前立腺がんに対して、内分泌療法はすべての患者さんに使うというより、対象を限った方がいいかもしれない。進行性前立腺がんに対し、診断がついてすぐ内分泌療法を行う方法は、症状が強くなってから内分泌療法を開始する方法より、病気の進行を抑え、また進行による合併症を少なくするが、がんに関連した死亡率を抑える効果は、あってもわずかなものである。転移性前立腺がんによる症状が出てきたときは、外科的去勢術(両方の精巣を摘除する)は、内分泌療法のなかで、一番コストがかからず、効果的な方法である。内分泌療法は、生存期間を延長するあきらかな証拠はない。とはいうものの、これは平均点の話です。実はまったく効果のない患者さんがいる反面、効果が出る患者さんもいるのです。こういう患者さんが事前に分かればいいのですが・・・2014年にドセタキセル化学療法以外にイクスタンジンザイティガジェブタナの化学療法が『去勢抵抗性前立腺がん』に対して、日本でも使えるようになりました。いままでの、MAB療法AWS症候群のチェック抗アンドロゲン薬の交替療法女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)ステロイド剤はお役御免になったのでしょうか?現に、いまこの治療を続けている患者さんがたくさんいるのではないでしょうか次回に続くUromasterの定期配信最新情報 前立腺がんの診断と治療12/22号 定期配信 『前立腺がん手術後の再発に対する診断と治療』12/29号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その1』1/5号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その2』 1/12号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その3』 出来立てほやほやです。より詳しく情報を知りたいという方、ご購読お願いします。にほんブログ村
2015年01月12日
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◇◇ 呼吸法で変わるあなたの免疫力、健康、人生 ◇◇ 通勤電車の中で、口をあけて眠っている人を見たことはありませんか。少しだらしないですね。中には大きないびきをかいている人もいます。あなたは、笑えますか?残念ながら、私Uromasterは笑えません(笑)。自分もやる可能性があるからです。夜中に目が覚めた時、口の中がカラカラに乾いていませんか?夜中に大いびきをかいていて、家族にやかましいといわれませんか?息が臭いと言われたり、顔をそむけられた覚えはありませんか?『今』、貴方の口はどうなっていますか。きっちり閉まっていますか?だらしなく開いていて口で息をしていませんか?呼吸をすることは、生物の生きる基本です。酸素が取り入れられなければ、3~5分で、脳障害が出始め、それ以上になると不可逆性(元に戻らない)脳障害ひいては死に至ります。『低酸素脳症』という医学用語があります。低酸素脳症とは、呼吸不全などによって、脳に酸素が十分に行き渡らず、脳機能に支障をきたした状態です。身体に酸素がいきわたらなくなると、十分な活動はできませんし、脳の働きも低下します。身体に十分な酸素が取り入れられない状態、不十分な酸素しか取り入れられない状態が長く続けばどうなるでしょう。一部の認知症も低酸素脳症の結果かもしれないのです。慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病的な呼吸不全の患者さんは、重症となれば酸素吸入を行わないと、生活していけません。慢性閉塞性肺疾患(COPD):日本呼吸器学会が2009年に発表した、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第3版 」によると「COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨床的には徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とする。」十分な酸素を取り入れないと、健康な身体は維持できません。COPDといった病的な状態ではなくても、身体に十分な酸素を与えなければ、生き生きとした生活活動、健康な身体の維持は困難となります。健康な身体が維持できなければ、当然免疫力、抵抗力は、低下します。病気と戦う前に自滅した状態といえるでしょう。私Uromasterも、病気で体調が悪化した患者さんをたくさん診てきました。身体が弱ってくると、大きく口を開けて呼吸するようになります。口の中は乾燥して荒れて、ついには、口腔内のケアが必要になります。こうなると悪循環『体調悪化→口呼吸→酸素取り込み悪化→口呼吸→体調悪化』になってしまいます。体内に十分な酸素を取り込むことは、健康、生命維持の基本といっていいでしょう。つまり、人間にとって呼吸というのは健康、生命維持の基本とも言い換えることができます。呼吸は酸素を単に取り入れるだけではありません。効率よく、細菌やカビなどをできるだけ除いたきれいな、湿潤した空気を、つまりは十分な酸素を肺の中に、体内に取り込めるようにすべきです。呼吸がうまくいっていない状態が数日間であれば、そうは大きな影響は出てこないかもしれません。これが数年、数十年、死ぬまで続くとすればどうでしょう。ちょっとした、日々の積み重ねが、最終的には大きな違いになるのは明白です。私Uromasterは、毎日実践している健康法が2つあります。1つは電子書籍にも著した『乳酸菌製剤の毎日の内服』です。気をつけている健康法がもう1つあるのです。何が言いたいかというと呼吸法です。健康の維持には、呼吸法が重大な役割を果たしているのです。あなたはどちらですか。口呼吸、鼻呼吸夜中に目が覚めると、口の中はカラカラで、唾液も出ていない状態ではありませんか。大いびきをかいて、家族からやかましいといわれることはありませんか。これらの状態は主に口呼吸から引き起こされます。ぜひ改善したいものです。口呼吸の弊害を簡単に羅列すると1)感染症の増加2)のどを乾燥させ、加湿不十分な空気が肺に入る 3)鼻腔や副鼻腔に細菌やウイルスが増殖しやすくなる4)花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の引き金5)舌根沈下による大いびき、気道閉塞や無呼吸症候群、酸素摂取不足、睡眠障害、夜間頻尿6)口腔内乾燥 → 口臭、虫歯、歯周病の進行7)味覚障害(舌の粘膜乾燥による)8)嗅覚障害9)歯並びが悪くなる10)冷たい空気が直接肺内に入るため、酸素の取り込みが悪くなるこれだけの弊害が口呼吸にはあるのです。呼吸法で変わるあなたの免疫力、健康、人生呼吸法についての考察と治療法をまとめました。歯科医やさまざまな関連領域の専門家とも討議しました。さまざまな呼吸法の改善方法があります。この書籍の中で、いくつかの改善法を紹介しました。私自身が実際に行っている絶対お勧めの方法も紹介しています。私も呼吸法を改めて、体調が非常によくなりました。風邪もひきにくいようです。心なしか、頭の働きもよくなって、やる気が出てきています(笑)。是非皆さんに紹介したい、おすそ分けしたいと思うようになり、電子書籍でまとめました。興味のある方、もっと情報がほしい方、一読願います。呼吸法で変わるあなたの免疫力、健康、人生にほんブログ村
2015年01月07日
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◆◆ 去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 ◆◆2014年年末と2015年の新年は、去勢抵抗性前立腺がんの診断と治療について考えています。このブログを読んでいただいている方は、前立腺がんの患者さんかその家族の方と思います。手術や放射線療法や内分泌療法など様々な治療を受けた方がほとんどでしょう。いずれの治療でも、ある一定の割合で、再発や悪化する可能性があります。去勢抵抗性前立腺がんは、前立腺がんの再発の1つの形です。去勢抵抗性前立腺がん:去勢術には、両方の精巣(睾丸)をとる(摘出する)外科的去勢術(手術)と、薬で精巣でのテストステロンが出ない状態にする内科的去勢術があります。内科的去勢術には、リュープリン、ゾラデックスやゴナックスを用いる去勢術のことをいいます。内科的去勢術は、継続して治療(定期的な注射)を行う治療です。前立腺がんは、男性ホルモンを餌にして増殖することから、去勢術で精巣からの男性ホルモン分泌を低下させて前立腺がんを抑え込もうという治療です。これらの去勢術は、前立腺がんに対し効果が長期間続くことも多いですが、完全に前立腺がんを治す(根治する)事はできません。内分泌療法により十分男性ホルモンが低下しているにもかかわらず、去勢術が効かなくなる場合(PSAが上昇したり、新病変が出現)が出てきます。この治療が効かなくなった場合を、『去勢抵抗性前立腺がん』とよびます。<去勢抵抗性前立腺がんの患者さんとは>1) 血液中のテストステロンレベルが、50 ng/ml以下の低値で去勢レベルである。2) PSAの3回連続の上昇を認める。3) 内分泌療法を続けているにもかかわらず、PSAの上昇が続くもの。または、4)骨シンチで2ヶ所以上の骨転移の出現、もしくは軟部組織の転移の増大した場合(ヨーロッパ泌尿器科学会)を『去勢抵抗性前立腺がん』と定義しています。簡単に言うと、『去勢術・内分泌療法をしているにもかかわらず、PSAが上昇している場合、新病変などが出現して病状が悪化している場合、去勢抵抗性前立腺がんと呼んでいいでしょう。』ただし、非常に稀ですが、前立腺がん自体の性質で、PSAが上昇していなくても、増悪する場合があります。こういう場合はPSAの値は病状を反映していません(PSAの値はあてにならない)。去勢抵抗性前立腺がんになる道筋はいくつかあります。1. 内分泌療法(去勢術) → 去勢抵抗性前立腺がん2. 根治手術 → 再発 → (放射線療法)→ 内分泌療法(去勢術) → 去勢抵抗性前立腺がん3. 放射線療法 → 再発 → 内分泌療法(去勢術) → 去勢抵抗性前立腺がん2014年には、去勢抵抗性前立腺がんに対するいくつかの新規薬剤が日本でも使えるようになりました。効果や生存率の延長効果が証明された、イクスタンジ、ザイティガ、ジェブタナの3剤の登場です。イクスタンジとザイティガは内分泌療法薬で、ジェブタナはいわゆる抗がん剤(化学療法剤)です。去勢抵抗性前立腺がんになった時に効果が証明されている薬剤はこの他にドセタキセルがあります。ジェブタナはこのドセタキセルの化学療法の後にしか使えませんが、イクスタンジやザイティガはドセタキセルの化学療法の前後のどちらかでも使えます。去勢抵抗性前立腺がんに対する薬剤・治療には1) ドセタキセルの化学療法2) イクスタンジ3) ザイティガ(アビラテロン)4) 従来使ってきた治療MAB療法への転換、AWS症候群のチェック、抗アンドロゲン薬の交替、女性ホルモン関連薬剤(プロセキソール、エストラサイト)、ステロイド剤がありますが、以下の疑問点が出てきます。 ◇ 去勢抵抗性前立腺がんになったら、全ての患者さんで、新しい治療を開始しなければならないか?◇ いつ開始するか? AWS症候群はチェックする必要があるか? 抗アンドロゲン薬の交替療法は試した方がいいか? 女性ホルモン関連薬剤(プロセキソールやエストラサイト)は? ステロイド剤は?◇ どの薬剤を最初に使ったらいいか?◇ どういう順番がいいか?Uromasterの定期配信最新情報 前立腺がんの診断と治療12/22号 定期配信 『前立腺がん手術後の再発に対する診断と治療』12/29号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その1』1/5号 定期配信 『去勢抵抗性前立腺がんとの診断と治療 その2』 出来立てほやほやです。より詳しく情報を知りたいという方、ご購読お願いします。にほんブログ村
2015年01月04日
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新年あけましておめでとうございます。2014年は、去勢抵抗性前立腺がんに対して、きちんと効果が証明された(寿命を延ばす)新規薬剤(イクスタンジンやアビラテロン)が日本でも使用できるようになりました。また、これらの薬剤がドセタキセル化学療法の前後で使えるようになって、前立腺がんの患者さんにとっては福音でした。ドセタキセル化学療法の効果が無くなっても、カバジタキセルで効果が期待できます、しかし、まだまだ根治療法ではありませんし、薬剤が効きにくい前立腺がんの患者さんがいらっしゃるのも事実です。私も、『なんとかブレイクスルーの研究や提言ができたら』と、もがく毎日です。今まで以上に研鑽しなければなりません。今後も、様々な場所で、皆さんに情報発信できればと思います。2015年も、皆様にとって、平穏で実り多い年でありますように祈念します。本年もよろしくお願いします。
2015年01月02日
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