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モリモトユカリ・プロデュース『語り女たち』(原作/北村 薫)於 日比谷図書館文化館 地下1階日比谷コンベンションホール(大ホール)2013年1月18日(金)19:00~21:00 人気作家で直木賞受賞作家・北村薫原作『語り女たち』を下敷きにした芝居は、一人の男性(作家本人を想起させる「作家」という設定)が、実務に長けた弟に一切を任せ、海辺の一室を借りて悠々自適な文筆生活を送る中で、いにしえの異国の王のごとく、その創造のインスピレーションのために「語り女」たちを招いてそれぞれの話に耳を傾けるという筋書き。これを、一人の男優と8人の女性で展開する。 作家独自の世界観をなるべく壊さぬように、という意図から、その脚本は可能な限り原作に忠実に書き起こされているため、台詞の言い回しは独特で、同時にとてつもなく長い。8人の女性は、暗転したカーテン越しの椅子に座って傾聴する作家のために、これを演じ、語りまくる様は演出家の言葉通り実験的である。 しかし、堂々たる男優の力量のため、そこには、傾聴はするが、あくまでインスピレーションの源を前にするだけで、深く語り女たちの内面にコミットしない拒絶的な距離感―一人芝居をさせるような距離感―にすら、断絶しきれないかすかな、しかし絶妙な関係性を紡いで物語を一人歩きはさせない。 結局、原作を読んでいないため正確かははなはだ覚束ないが、語られる話のどれも、それが奇譚めいたものが混じっていたにせよ、「他者
2013/01/20
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ようやく2013年のテーマが言葉になりました。ずばり、今年は「名誉ある委任」です。委任、というと、なんだかあまりいい響きはないかも知れません。他力本願なような、少し事務的なような…。 しかし、この字をよく見てみますと、「委ね」「任せる」という語から成り立っています。大切な何かを委ね任せる、ということは、まず受け皿としてそれだけの「委任」に応える対象なり人が存在することが絶対条件です。非常に難しいし、ハードルが高いですね。 さらに、そのような受け皿に恵まれても、いざとなると、大切なことほど、人は委ね任せることができないものです。委任には信頼に加えて、覚悟が必要になります。覚悟して委任し、結果には文句を言わない覚悟も必要です。二段構えの覚悟が必要な訳です。 さて、昨年は、「死との舞踏」を受けて、「吟味」する年でした。予想に反し、それは動的な吟味、少々慌ただしいながらも、未消化にせずとにかく噛み砕いて本物を味わってみるということを目標に掲げてきた訳ですが、それらをいったん経験として内側に携えていよいよ、今度は少し、委ね任せることにトライしてみようと思ったのです。 ただし、これだけアグレッシブに動いた一年で手にしたものすべてを委任するのですから、相当な覚悟が必要になります。つまり、私自身にとって実は、時の流れ、人の流れ、思いの流れに身を任せてみる覚悟ができるか否かを験す、ということが今年の本当のテーマになるのだと思います。 といって、そう悲壮感に満ちたテーマでもありません。なぜ「名誉ある」と頭につけたか。もともと「誉」という字には、「楽しむ」「楽しい」というような意味があるそうです。名誉ある委任とは、つまり覚悟と同時に、心のゆとりの多寡、有無を自問することであります。たとえやせ我慢でも、自分の心にゆとりが作れたら、きっと委任を楽しめるのではないか。どうせ委ね任せるなら、そこにちょっとホッとできるような、ゆとりを伴う楽しい委任であった方がいい。そう思い、「名誉ある委任」というテーマにたどり着きました。 悔いは残したくない。し損じたくもない。だからこそ、「吟味」した本物を信じて委任する。どこまで覚悟ができるか、そして、実り豊かな刈り入れの季節を迎えることができるか、楽しみながら、あたたかいゆとりを自分の内と周囲に拡げながら、この一年を味わっていきたいと思います。(了)
2013/01/06
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遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。やっぱりこれがないとはじまらない。お節コレクション2013、Winter&Spring!!毎年このタイトルでやってますが、考えてみたらSpring&Summer、ないよなぁ(笑)。 ともあれ、このかた30年近く継続の儀式的行事。何かしら手伝ってきましたが、ここ15年〜20年は、もっぱら栗きんとん、錦糸玉子、淡雪寒担当です。 今年は、昨年寒天の種類を変えたためイマイチ納得がいかなかった淡雪寒が、ここ数年で最高点に達するほどの出来映えでした(笑)。最近の寒天(ないしゼラチン)は、凝固が速いのですが、凝固のスピードに合わせて設定された水の分量も、長年我が家で手本となってきた教本とは、だいぶ異なるはずなのです。この辺の塩梅がなかなかうまくいかず、固めて冷やしたら水が出てしまったり。しかし今年は、水の分量の調節が上手くいき、見た目、歯ごたえ、歯触り喉ごし、四拍子そろった淡雪寒が完成。錦糸卵、栗きんとんは、ペースと道具にこだわった昨年の方法で合格点。 年々家族それぞれの多忙さは増し、皆が思うように手伝えなくなった今、年末年始一人忙しい実家の母をラクさせてあげたい…。 2013年の課題は、単に年末の作業であることを越えてコミュニケーションのきっかけと魂の継承として、“ゴッドファーザー”的当家の大事な家族行事である“お節づくり”の中で、何を効率化し、何を“我が家流”通り手間かけるのか、を考えることかも知れません。(了)
2013/01/02
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