ちょっと休憩

ちょっと休憩

2009年02月14日
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今更だけど、1月に読んだ本の続き。




北村薫「野球の国のアリス」

講談社ミステリーランド(少年少女のためのミステリーシリーズ)といいながら、これはミステリーというよりはSFでした。
パラレルワールドに紛れ込んだ野球少女アリスの活躍、という内容ですが、穏やかで優しさに満ちた北村薫の語り口は、ここではさらにパワーアップです。
まるで親戚のおじさんが甥っ子たちに優しく語ってくれるような感じ?




清水義範「幕末裏返史」

幕末、明治維新……と日本は有史以来の最大の転換期を迎えました。
急激な転換だったために、「あの時、こうしてれば、この時、この人が殺されなかったら、その後の日本はよりよい発展をしていたのではなかろうか」という後世の人間が悔いても仕方ない歴史的エピソードもたくさんあります。
そんな歴史Ifにお答えした、「もしも」小説です。
小さく実際の歴史的事実を変えていく経過が、ちょっと「してやったり感」があって気分がいいです。





柳広司「ジョーカー・ゲーム」

昭和初期、陸軍特務機関として発足したスパイ養成所。
伝説的スパイだった所長、そして育っていったスパイたちの活躍を描く連作集。
スパイ小説といっても、「007」のような華々しいアクションもラブシーンも皆無。
既存のモラルとか愛国心とかそんなものは一切不要というか、無用というか、逆に邪魔というスパイというあり方にすごくシビアな哲学を持ったスパイ養成小説といった感じです。
スパイ同士の裏の裏の裏の裏の裏をかいたような応酬も、楽しいです。
シリーズ化するといいのになあと期待。
でも、私はスパイにはなれないなあと適性のなさも実感。




和田竜「忍びの国」

昨年のベストセラー。
織田信雄軍による忍びの国・伊賀侵攻を描いた歴史小説。
テンポよい展開で読みやすいです。
忍びという生き方は、やはり通常の常識が通用しないもので、伊賀の国の人々のそのモラルのなさにちょっと辟易させられるものの、主人公・無門のどこかにくめない可愛げのあるキャラクターが救いとなってます。





奥田英朗「サウスバウンド」


はじめは、国家を否定し続け、社会性のないハチャメチャな父を、主人公の少年同様にうっとうしくじれったく感じます。
でも、次第に、何があっても、ぶれないし、群れないし、意思のある彼の生き方が、やはり主人公同様に格好よく思えてきます。
全般にコメディータッチの小説だけど、終盤は痛快&感動で気分は大盛り上がり。

映画化もされているようです。

サウスバウンド スペシャル・エディション [DVD]







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Last updated  2009年02月15日 22時30分46秒
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