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こんにちは。先日ご紹介しました、「きく8号」の打ち上げ日程が決まりましたので、今日はその記事をご紹介します。まず、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は25日、技術試験衛星「きく8号」を、12月16日に鹿児島・種子島宇宙センターからH2Aロケット11号機で打ち上げると発表しました。そして、高度3万6000キロの静止軌道に乗せ、衛星を使う新しい携帯電話システムの基礎実験を行うとのことです。日程の詳細は、以下の通りです。打上げ予定日:平成18年12月16日(土)打上げ時間帯:15:32~15:44打上げ予備期間:平成18年12月17日(日) ~平成19年2月28日(水)打上げ場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場それと、H2Aロケット11号機の打上げに向け、極低温点検(※)を下記日程で行うとのことです。(※)打上げ当日と同じ手順で液体燃料を充填し、ロケットおよび地上設備の機能等を確認する点検のこと・極低温点検日時 1.実施予定日:平成18年11月9日(木) 2.点火想定時刻:10時30分頃きく8号は、携帯電話の中継局の役割を担う衛星を開発するための試験衛星で、テニスコートほどもある巨大なアンテナを2枚搭載、このアンテナと地上の小型移動端末との間で、音声や画像を直接通信する実験を行うということです。また、きく8号は、巨大アンテナを含めた全体の重量は5・8トンで、日本の宇宙開発史上、最も重い衛星となるそうです。このため、打ち上げに使われるH2Aロケット11号機は、推進力を増すため、従来の2本から4本に固体ロケットブースタ (SRB-A) を増やすことで、静止トランスファー軌道 (GTO) への打ち上げ能力を約6トンまで向上させた形態ということです。いよいよ、打ち上げ日程も決まりました。あとは、無事に打ち上げが成功しますようにお祈り&応援ですね~☆( ̄0 ̄)/ オォー!!従来のH2Aロケット「H2A202」型とH2Aロケット11号機「H2A204」型「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」技術試験衛星8型「きく8号」(ETS-8)宇宙空間でのイメージ図「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
2006.10.29
こんばんは。宇宙航空研究開発機構(JAXA) が、21日、12月にH2Aロケット11号機で打ち上げる予定の技術試験衛星8型「ETS-8」の愛称を「きく8号」にすると発表しました。今日は、「きく8号」についての記事をご紹介します。まず、この「きく8号」の全体の重量はおよそ3トン。衛星は2つの大型展開アンテナおよび2つの太陽電池パドルを持ち、端から端までが40メートルの大きさになるそうで、大型展開アンテナ1枚の面積はテニスコート1面分ほどだそうです。静止衛星としては世界最大級のサイズとなり、この大きさが、現在の携帯電話端末と同程度の大きさの端末でありながら、日本列島全域をカバーする静止衛星と直接通信を可能にし、移動体通信をこれまで以上にスムーズに行えるようにするとのことです。さらに、ETS-8のミッションは、携帯電話の通信環境の向上だけに限らずに、移動体向けの衛星通信デジタルマルチメディア放送システムの技術開発への貢献も期待されているそうです。それは、コンパクトディスク並みの高品質な音声や画像の伝送、移動体への通信・放送・測位といったサービスの提供、災害時の緊急車両の運行、被災者救援の迅速化、ドライバーへの情報提供まで、私たちの暮らしの身近な場面で重要な役割を担うことを意味しているとのことです。また、原子時計を用いて極めて正確な時刻を伝え、この時刻信号を利用してETS-8と G P S を組み合わせた測位実験を行い、カーナビゲーションなどに利用されている衛星測位システムの基盤技術の開発を目指すとのことです。また、JAXAは、21日、きく8号をモチーフにしたシンボルキャラクター「きくはちぞう」も併せて公表しました。衛星のキャラクターを作るのは初めてだそうで、衛星が広く親しまれるようにとデザインしたということです。それと、「きく8号」のキャッチフレーズは、大きなアンテナがひらく未来の扉、届ける安心 ―大型衛星を使った新しい携帯通信の世界へ― とのことです。私たちの生活には通信衛星の存在が不可欠なほど浸透してきていますが、"きくはちぞう"君のさらなる技術開発に期待ですね♪(^o^)/技術試験衛星8型「きく8号」(ETS-8)「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」シンボルキャラクター「きくはちぞう」「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」技術試験衛星8型「きく8号」(ETS-8)宇宙空間でのイメージ図「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
2006.10.23
こんにちは。今日は、先日宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、筑波宇宙センターで月周回衛星SELENEの機体を公開したという記事をご紹介します。「SELENE」は主衛星(月周回衛星)と、2機の副衛星(リレー衛星・VRAD(ブイラド)衛星)から構成されていて、縦・横それぞれ2.1メートル、高さ4.8メートルで、主衛星と、副衛星2機(それぞれが約50キログラム)を含めた重さが約3トン。主な目的としては、月の起源と進化を解明するためと、将来の月の利用のためのさまざまな観測だそうで、月表面の元素組成、鉱物組成、地形、表面付近の地下構造、磁気異常、重力場の観測を全域にわたって行うとのことです。これらの観測によって、総合的に月の起源・進化の解明に迫ると期待されているそうで、同時に周回衛星に搭載された観測機器で、プラズマ、電磁場、高エネルギー粒子など月周辺の環境計測を行います。これら計測データは、科学的に高い価値を持つと同時に、将来月の利用の可能性を調査するためにも重要な情報となるそうです。2007年夏に種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられるそうです。この計画は「SELENE(セレーネ:SELenological and ENgineering Explorer)」と呼ばれ、アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査として、各国からも注目されているとのことです。そして、計画では主衛星が月に到達すると、高度100キロメートルの極周回円軌道に投入されるとのことです。また、リレー衛星は、その途中の遠月点高度2400キロメートルの楕円軌道に乗り、月の裏側の重力場計測のため、地上局と主衛星との間の通信を中継するそうです。さらに、VRAD衛星が、遠月点高度800キロメートルの楕円軌道に投入されて、電波を送信することで、月の周りの重力場を測る役割を担うとのことです。また、主衛星は約1年間運用され、その間に月の全球観測を行うということです。日本初の月探査機「SELENE」に頑張ってもらいたいですし、大いに期待ですね。そして月の裏側の観測データなどが解ることは楽しみですね♪月探査機セレーネ「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」月探査機セレーネ「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」H2Aロケットに納まるセレーネ「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」セレーネの観測時(イメージ図)「提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
2006.10.22
こんにちは。昨年の12月2日の日記でご紹介しました、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打上げましたX線天文衛星「すざく」についての最新記事をご紹介します。まず、巨大ブラックホールは、ほとんどの銀河の中心にある、太陽の数100万倍から数10億倍もの質量が太陽系ほどの大きさにつめこまれたもので、「すざく」にとって最も重要な観測対象の一つだそうです。そして、これまでにない精度で銀河の中心に潜む超巨大ブラックホールのまわりの時空のゆがみを示すと考えられるデータを「鉄輝線」と呼ばれるX線を通じて得たそうです。また、「すざく」がとらえた観測データの時々刻々の変化は、ブラックホールの強い重力でX線の進路が曲げられることで説明されることがわかったそうで、これらのデータにモデルをあてはめることで、ブラックホールの高速回転の速度、物質がブラックホールへ吸い込まれていく角度が測定できたとのことです。今回、「すざく」を使って研究を行った二つの国際共同チームは、サンフランシスコで行われている米国天文学会 高エネルギ-天文学部会の中で、発表しました。最初に、英国ケンブリッジ大学のアンドリュー・ファビアン(Andrew Fabian)教授らの国際共同チームは、MCG-6-30-15と呼ばれる銀河の中心にあるブラックホールが、まわりの時空を引きずりながら高速で回転していることを確認したとのことです。また、ブラックホールの近くで発せられたX線が、ブラックホールの重力を逃れようとしながらも、ブラックホールまわりの円盤の中へと重力によって進路が曲げられている証拠があったとしています。このように進路が曲げられることはアインシュタインの一般相対性理論が予言していましたが、過去の観測ではその気配を見ることすら難しかったそうですが、「すざく」によって、それを示す観測結果が得られたということです。一方、リーブズ博士らの国際共同チームは、MCG-5-23-16と呼ばれる銀河で、ブラックホールへ物質を落とし込んでいる円盤(降着円盤と呼ばれています)が私たちから見て45度の角度を向いていることを明らかにしました。このような精密な観測はこれまでは不可能だったそうです。そして、リーブズ博士は「幅の広い鉄輝線はブラックホールのごく近くにある物質やエネルギーを見に行くための近道です。極端に強い重力を調べることだけが、アインシュタインの理論に欠陥があるかどうかを知る方法なのです。」と話しているとのことです。「すざく」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって2005年に打ち上げられた日本の5番めのX線天文衛星です。今回の「すざく」によるデータで、ブラックホールの凄まじい重力の強さが明瞭に観測されました。データの解析に用いられた手法は将来のX線天文衛星による観測にも応用が期待されるそうです。今後の「すざく」の活躍に益々期待ですね♪(^o^)/(図1)「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」すざくによる観測で得られた「幅の広い鉄輝線」。左下がMCG-5-23-16 (ポンプ座の方向、距離1億2千万光年のところにある銀河)、右下がMCG-6-30-15 (ケンタウルス座の方向、距離1億1千万光年のところにある銀河)。上図はブラックホールの回転によって円盤の様子と観測される鉄輝線の広がりがどのように変わるかを示した模式図。「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」円盤の内側と外側の輝線の幅の違い。円盤の外側で放射された鉄輝線は幅が狭いのに対して、円盤の内側、ブラックホールの近くで放射された鉄輝線は裾を引いた、幅の広い輝線になります。「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」と「提供:NASA」銀河の中心にひそむ巨大ブラックホールからのX線放射の例。1キロ電子ボルト以下から数百電子ボルト以上まで特徴的なX線が放射されます。すざくはこれらのすべてをとらえるために必要な性能を備えた唯一のX線天文衛星です。
2006.10.21
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