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カテゴリ: 言語



 英語なんて要するに親が勝手に決めた結婚相手みたいなもので、「政略」上、いっしょに住んでいるけれど、いくら努力しても好きになれない。好きでもない相手と一生仮面の夫婦を演じるなんて最悪である。

 ところが、若気の至りというか、いくら嫌いでも英検の1級くらいはとっておかないと、ろくな就職口もないんじゃないかと思ってしまう。
 それに海外には強烈なあこがれがある。
 日本から一歩外に出れば、日本語はいっさい通用しない。

 英語ができない。話せない。英語のテープを聴くと気分が悪くなる。それでも海外には行きたい。こういうとき、ぼくは現実的にモノを考えることはしないで、いつも数学的に考える。それなら、英語以外のありとあらゆる言語を身につけてしまえば、英語を省略することができる。しかも、この方法なら、他の文化に多少なりとも関心をもつ英米人とも話をすることができ、英語さえできれば世界中どこでも行けると思っている傲慢なアメリカ人とだけは話をせずにすむ。まさにいいことずくめである。バイキンマンじゃないけれど「オレ様、なんて頭がいいんだろう」

 そこで、まず独学でスペイン語に取りかかった。話せるようになった。腕試しに習いに行ったときには、キツイ冗談を連発して先生を困らせることもできるようになっていた。

 当時ぼくは、英語ができなかったのは嫌いだからで、スペイン語ができるようになったのは好きだからだと思っていた。
 ところが、あれから30年たって、それがまちがいであることがわかった。それもほんのつい最近のことである。



 人間はだれでもある年齢までに母語の神経ネットワークができあがってしまう。外国語を勉強するときに、その神経ネットワークの上に新しい知識を積み重ねようとするのでうまくいかないのだそうだ。
 若いうちにやっておかないと身につかないというのはまったくの邪説で、歳をとってからでも、もうひとつ別の神経ネットワークを作れば、外国語も母語並みに身につくというのが、脳科学が辿りついた結論である。

 当時、ぼくはそんなことはもちろん知るよしもなかった。知らなかったけれども、無意識のうちに別の神経ネットワークを作ろうと必死で格闘していたのだと思う。
 スペイン語ができるようになって、人格的にも今までとは違う人間になりたいと思った。これこそがまさに、もうひとつ別の神経ネットワークを作ること、精神医学の観点から見て二重人格になることにほかならない。
 このことは脳科学で証明されている。

 そうなると、フランス語は比較的簡単に成功したけれども、イタリア語が案外苦戦した理由も説明できる。フランス語は日本語やスペイン語とは発音がなりちがうので、ここでももうひとつ別の神経ネットワークを作ろうとしたにちがいない。ところが、イタリア語はちょっとズルをした。ここまでスペイン語をやったらには、もうこれ以上しんどいことはしたくなかった。イタリア語はよく似ているので、スペイン語のネットワークを利用して学習しようとした。

 ヨーロッパの人たちは何ヵ国語もできると言われるが、あれはウソで、人によりけり。めちゃくちゃすごいやつもおれば、これだけ似てる言語がどうして身につかないのかと思える人もいる。それもみな、神経ネットワークの考え方で説明がつく。新たに別の神経ネットワークを作った人は上達し、母語のネットワークの上に外国語の知識を積み重ねようとする人はうまくいかない。ただ、日本人とちがうのは、相互によく似た言語が多いので、母語のネットワークそのままでも、ある程度のことはできるということだ。

 これですっきりした。

 次は、情報量理論と成人教育論と脳科学の合体だ。これで革命を起こせる。


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最終更新日  2008年09月16日 04時02分21秒
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