辞書も歩けば

辞書も歩けば

PR

カレンダー

フリーページ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

shivaji03atTwitter (よしやま)@ Re:トライアルに落ちない方法(11/04) 懐かしい、です。
椎名林檎 大人の女性美 ヌード @ 椎名林檎 大人の女性美 公開! 椎名林檎 大人の女性美 公開! ギブ…
浪速のつっこみ男@ Re[1]:再びロシアの小噺(10/22) ほにゃさん >>その速さなら10分じゃ。 …

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2008年09月20日
XML
カテゴリ: 言語
 二言目にはNative、Nativeと言うが、日本人はみな日本語のnative、アメリカ人は最近の移民を除いてみな、英語のNativeって、馬鹿げているというか、なんというか。

 これまでぼくは、そういうNative神話を打ち崩すことを考えてきた。
 でも、そういうことって、わかっている人はちゃんとわかっているのだから、打ち崩す意味がまるでない。

 スポーツで言うと、5000メートル20分が、体育会系の大学生の平均的なレベルだそうだ。
 なるほど、ふつうの人間は走れない。ある程度、マラソンにのめりこんでいる女の子でも、5000メートル25分で走れれば、かなり速い部類に入る。

 だけど、25分はもちろん、20分でも陸上長距離ではお話にならない。
 それでも、一応これだけの走力があって、あとは技術を身に着ければ、サッカー選手として一流になれる可能性は十分にある。

 要するに、5000メートル20分というのは、スポーツをする人間とそうでない人間とを隔てる境界線のようなもので、そのうえに何かをしようとしている者には、こんな境界などなんの意味もない。

 Native(母語話者)のレベルというも、所詮その程度のもので、陸上で勝負しようとしている者に、5000メートル20分はどうでもよい。


 医学翻訳をやろうとする者が母語話者のレベルなどを最終目標にしていては始まらない。ぼく自身もヨーロッパの数ヵ国語で医学論文はすらすら読める。母語話者には絶対に負けない。さしずめ英語なら、アメリカ人の上位10パーセントには入っていると思う。

 どの国の母語話者も、その大半は日常の卑近なこと、ごくごく狭い範囲のことしか話題にできない。だから、政治のこと、経済のこと、歴史のこと、文化のことを話題にすれば、外人にもつけいるすきはいくらでもある。

 アラビア語を習っていたとき、エジプト人の先生は日本語のボキャブラリーが貧困な生徒をつかまえては、「ボキャブラリーが貧困だなあ、何なら私といっしょにもう一度日本語を習いに行こうか」と言っていた。

 アラビア語には胸の奥から、臓腑を絞りだすようにして悲しみを表現することばがある。ぼくなんかは聞いた瞬間に「日本語ならさしずめ、慟哭の念をしぼりだすかのように」とでも表現するほかないですかねと言えるが、たいていの日本人はそれができない。できなければ、その瞬間にエジプト人に負ける。


 そもそも、翻訳者たる者、スポーツ選手で言えば、実業団。
 5000メートル20分のレベルにこだわる理由が理解できない。

 もちろん、スポーツにもいろいろある。だから5000メートルは20分でもよい。よいけれども、何かで母語話者に勝てるものがなくてはならない。
 医学を目指す者なら、医学用語では勝っているとか、医学文献のある特定の動詞の使い方、さもなければ、アイルランドの研究者の癖なんてものでもよい。

 要するに、母語話者を上回っているものがどれだけあるかが勝負になるわけで、届くはずがないけれども、どこまで近づけるかということで、母語話者を目標、基準にするなんて馬鹿げている。

 座右の銘



 そのさい、

 百里を行く者は五十里をもって半ばとする。

 そう、当たり前のことを当たり前に考えてこそ、道が開ける。


人気ランキング青バナー ←ランキングに登録しています。クリックおねがいします。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年09月21日 17時36分03秒
コメントを書く
[言語] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: