達人のひとりごと(JKLab)

達人のひとりごと(JKLab)

2011.12.15
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カテゴリ: 真空管一般
 ステレオサウンドの最新号を書店で立ち読みしていたら、上杉アンプの新作が今年のグランプリに選ばれていて、上杉氏自身は、管球王国57号に発表した遺作で採用した新しい構成のアンプをとても気に入っていたと書いてあった。はて、管球王国57号にそんな記事があったのか? と言うわけで、見直してみた。

 なるほど。回路図を全部コピーすると怒られるので、初段と2段目だけ紹介しよう。まず入力に音量調節VRが入り、1段目はPG帰還のプリアンプ、2段目が通常の初段となる。初段のGainは5.6倍だそうである。シングルアンプであるが、プッシュプルにも応用でき、マラード型位相反転を用いたアンプならば、プリアンプと2段目が双3極管1本で済ませられるので、ぴったりである。
 この回路の利点としては、NFB回路が入力の影響を受けないため、安定度がよいことである。難点としては、初段の入力インピーダンスが低いため、入力VRのカーブが少し変わってしまうこと、反転アンプが入るため入力と出力の位相が反転してしまう可能性があること、などである。最初の問題点は、せっかく電流入力型のアンプにするのであれば、NFBを制御するタイプの音量調節を採用するのもよい方法であろう。2番目の問題はスピーカーの接続を逆にすれば問題ないだろう。
 私としては、あまり大量にNFBをかける趣味もないので、どうしてもこの回路でなければならないと言う必然性は感じないが、完成度の高い回路であると思う。





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最終更新日  2011.12.15 22:44:05
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