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どうも「KUROさんは鉱物系」ひいては、「パワーストーンには縁がない」「鉱物的に珍しい石を集めているらしい」と思われていたところがあるみたいです。まあ、写真と文章が、ちょくちょく男性に間違えられるらしいというところと、今はパワスト派ではないあたりは自覚してますが、石世界の入り口は、パワーストーン。そして石選びの基本は、あまり変化していない私。「かわいくてついつい買っちゃったんです~」「ごついけど、ここらへんがおもしろいでしょ?」「……というイメージが楽しくて」などと、私の石選びを改めて見聞きした方が、おっしゃいました。「そういうのを聞いてると、KUROさんがパワーストーンから石好きになったっているのがわかりますね~」あ、バレた。しょっちゅう重箱の隅をつつきまくっている私でも、「そのために」石を買っているわけではありません。今も昔も石選びの基本は「心惹かれるもの」石への興味が深まるにつれて、「天然、未加工」「珍しくて変な石」「持っていない石」……と、条件がいくつか加わりましたが、要するに、天然未加工なものに「心惹かれる」。珍しくて変なところに「心惹かれる」。持っていない未知なところに「興味津々」。好きと興味が高じて重箱の隅つつき……なわけですから、やっぱり基本は「心惹かれるもの」なのです。第一、これだけ水晶に偏っている、ヒマラヤ水晶を偏愛しているという時点で、「鉱物的」「学問的」ではないことは歴然としているはず。さて、今日の石は、私の石好きルーツがパワーストーンだと物語るような石。オーストラリア産のアゲートのエッグです。買うきっかけは、古い大地であるはずのオーストラリア産の石に、なかなか出会う機会がないことがひとつ。瑪瑙は、地味な石ではありますが、その繊細な縞模様が実は好きというのがひとつ。そして、このアゲートエッグに「アミュレット・ストーン」という名前が付いていたことがひとつ。瑪瑙だしー、安いしー、オーストラリア産だしー、と軽い気持ちで、箱の中の卵石をころころ物色し、これぞと思う繊細な縞模様の瑪瑙をチョイス。写真の通りの、繊細なクリーム色の瑪瑙を、母岩ごと磨いたようなエッグです。買ったのが、新宿ショーのオーストラリアの店だったので、そのときは、「アミュレット・ストーン」というのは、「パワーストーン」や「ヒーリングストーン」のように、いろいろな石をまとめて呼ぶ名前だと思っていました。つまり「アミュレット・ストーン」という名前が付いていたというのは、石を選んだ理由の順位としては、おまけ程度の低いモノでした。しかし、パワーストーンと同じような言葉なら、いろんな石を「アミュレット・ストーン」として売っていてもいいのに、どうしてこれだけをわざわざ「アミュレット~」として売っているのかなあ。と、ちょっとひっかかり、調べてみました。すると!なんとも気になる、魅惑的な別名を発見。その名も「Uluru's Children」。Uluru(ウルル)と言えば、世界第2の大きさを誇る一枚岩として知られ、「地球のへそ」、アボリジニの言葉で「偉大なる岩」を意味する聖地であるオーストラリアのシンボル、エアーズロックのこと。その「子供」とは!?フリー写真でウルル(エアーズロック)を見つけたので、貼り付けてみます。ウルルは、↑このように、ざらざらとした岩のようですから、めのうが入り込み、石英のてざわりをした今回の石が、ウルルのかけらを磨いたもの、そういう意味での「子供」ではないと思います。ちなみに国内サイトではオーストラリアのこの石を指す「アミュレットストーン」も、「ウルルズ・チルドレン」もヒットしなかったので(2007年6月30日現在)、頼るは海外サイト。全く頼りにならない英語力を嘆きつつ(←英語「も」天敵)、調べていくと、どうも、母岩(これが何かはまだ不明)とその亀裂に晶出した瑪瑙のことをアミュレット・ストーン(ウルルズ・チルドレン)と言っているのは間違いないようす。何でもアボリジニの人々が「ウルルズ・チルドレン」と呼び、この石は、生き物と自然と地球の友好的な関係を確実にする(?)と思われていたそうです。気になるのは、『この(生き物と自然と地球)「三位一体」は、石の表面をマークする不思議な線にも反映されます。』という説明です。「表面の不思議な模様」というのは、写真の石ではわかりませんが、海外サイトで紹介されていた、丸い石に縦横にひびが入り、そこに瑪瑙が結晶している、その様子であると思われます。すると、単に(ある地域の)母岩と瑪瑙ではだめで、縦横にひび割れ模様が見えるものでなくてはならないのでしょうか。それとも、今回写真のようなひび割れ模様でなくても、瑪瑙と母岩の組み合わせならばいいのでしょうか。それより何より、ウルルとは違う質のこの石は、本当にウルルに関わりのある地域で採れているのでしょうか。説明の一部に「Rockhampton」という地名が出てきたんですが、これだとウルルから遠い沿岸の都市名のような……。アボリジニの人が「ウルルの子供たち」と呼んだというのが本当であるならば、それは、なぜか。オーストラリアの風土の中で歴史を重ねてきた彼らは、この石に何を思い、何を託したのか。この石の説明には、「生き物と自然と地球の三位一体(トリニティ)」と言うほかにも、皮膚にいいとか、胃や代謝や循環に効果があるとか、落ち込みから守って怒りを防ぎ、ネガティブなエネルギーをポジティブな波動に変えるとか、いろいろありましたが、そういうことはこの際ちょっと置いておいて、アボリジニの人々はいったいどのような石を、なぜ、「ウルルズ・チルドレン」……大いなる岩の子供たちと呼んだのか、いまは、それが知りたいです。
2007/06/30
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暑い……というか、うだる……というか。ここはもう、ざーっと雨が降って、空気中の水蒸気を雨としてたたき落としてくれると、何とかなるんじゃないかと、恨めしく空を見上げてしまいました。ダイオプテース、翠銅鉱です。ダイオプテースよりも、和名の方がこの石のすべてを表しているようです。すなわち、翠(みどり)の銅を含んだ鉱物である……と。この石の色合いを表すのに「翠」という字を用いているのが心憎い。「翠」というと「翡翠(ひすい)」を思い浮かべますが、「翠」という字にはカワセミの雄を指す意味もあるのだそうで、清流の宝石とたたえられる、美しく輝くあの翠をこの石の色に用いたのでしょう。発見されたときは、エメラルドと間違えられたそうですが、無理もない。見た目でエメラルドではないとわかっても「同じくらい美しい!」と、言う驚きを込めて「エメラルド!」と言いたくなります。ところがこの石、残念なことにモース硬度は5、劈開もあるので、宝飾品には向きません。あまり大きな結晶にもならないので、原石で出回ることが多いようです。原石派石好きとしては、そっちの方が嬉しかったりして……♪さて、写真のダイオプテース、例によって小さいのですが、全体が小さい割に結晶はやや大きめ。透明感もあって、結晶の形がきれいです。2005年の池袋ショーでゲットしたものの、やっぱり取り扱いがちょっと怖い。石そのものの柔らかさもありますが、なんだか母岩が不安です。持ち運びするする機会は無くても、眺めるために出し入れしたり、写真を撮るのにミネラルタックで固定するときが……!劈開がないはずの水晶でさえ、当たり所が悪いとぱたっと倒れただけとか、ひどいときには数センチの高さからことっと落ちただけで、欠けます。きれいな石は好きだけど、やっぱりある程度丈夫であって欲しいかも。
2007/06/29
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ウルグアイ産のシトリンです。詳しい産地はわかりませんが、Artigasではないかと言われました。アルティガスと言えば、つくつくタイプのアメシストの産地。そこで産出するシトリンは、このように柱面の発達したタイプなんでしょうか。色合いは、やや渋い感じではあるものの、しっかりとしたシトリン色。以前、かなりでかめのウルグアイ・シトリンが登場しましたが、形も、色もそっくりです。これは、たぶん同じ産地なのでは……。大きい方のシトリンを買ったとき、とにかく天然のシトリンが欲しくて欲しくて探していたんですが、待ってりゃそのうち手頃なサイズがやってくるんですね……。さて、シトリン、ビーズやパワーストーンの分野では、アメシストやスモーキーを加熱加工したものが多いようで、「天然のシトリンなんて、滅多にない」といわれておりますが、原石の分野では、探せば何とか見つかるようです。ところで、シトリンとは、黄水晶。鉱物的には色にかかわらず「Quartz」です。黄色く見える水晶であれば、「黄水晶」であるわけで、では、加熱によって色を変えられ黄色く見える水晶をシトリン(黄水晶)と呼ぶべきか否か。個人的には、天然の環境下で黄色くなったものだけを「シトリン」と呼びたいところですが、ベースが天然石であれば、染めたものでも「天然石」と言われるように、結果的に黄色ければいちおう、黄水晶(シトリン)であるわけで……。また、加熱や放射線照射は、自然環境下でも起こりえる変化であるから、天然のものか加工したものかは関係ないのだという意見もあります。ですが、この意見にはちょっと反対したいところがあります。たしかに、加熱は地熱によって、放射線照射は放射線鉱物がそばにあることによって自然界でも起こりえる変化ではありますが、自然界の、その場所では起こりえなかったからこその原石の色なのではないでしょうか。自然界でも可能であるけれど、その場所では不可能な現象、たとえば、地質的に放射線鉱物が含まれないところで結晶した水晶を、放射線処理してしまっては、それはちょっと違うでしょう。このような水晶の加工については、さまざまな基準や価値観があるので、一概にどれが良い、悪いとは言えませんが、加工して作った色を「レアな天然の色」として売ることは完全にルール違反です。また、石を買う場合も、さまざまな基準があるのだと言うことを理解した上で、自分はどのようなものを求めているのか(天然でシトリンなのか、加工してあっても良いのか)を、はっきりと示して納得した上で買う方が良いと思います。最後にこの水晶のもう一つの特徴は。側面からみると、茶色い斑点。極小の放射線鉱物がくっついたか内包されたことによって起こる部分的なスモーキー化。クリスタル用語では「ホットスポット」と呼ばれることがあります。シトリンのホットスポットは少ないそうなんですが、意外にあるんじゃない……?
2007/06/28
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ・ヒマール産です。大きさは5センチくらい。透明度が劣って見えますが、それは内包物のため。よく見ると、針状または太い繊維状のものが根本から螺旋を描くように内包されています。実は、先端にもぎっしり内包されていて、そのために先っぽがちょっと欠けたように見えてしまっています。ヒマラヤ水晶初心者だった頃にこれを見たら「ルチル」と言っていたことでしょう。今では、「ルチル改めたぶん角閃石」「ホントにそうなの!?」と詰め寄られたら、「たぶん……おそらく……」……とちょっと弱腰加減ではありますが、「でもルチルには見えないなー……と」と一応主張。ルチルに見えない理由は、○しなやかさに欠けること(ススキ入りというのがふさわしいような、ぼそぼそした感じに見えます)○光沢がないこと(真珠のような光沢が見られるものがありますが、ルチルとはちょっと違うような)○厚みがないこと(ルチルは細いものでは糸のようですが、太くなるとまさしく針。それなりの厚みをもつようになりますが、ガネーシュ・ヒマール産水晶の内包物は、幅があっても厚みがなかったりします。○ルチル特有の内包のされ方が見られないこと。(籠目のようになったり、1点から潮吹き状に生えるとか)とにかく、なんだか違うのです。もしも、実物を見る機会があれば、じっくり見比べて見てください。そのうち、別館サイトのうっかり系そっくり石コーナーに、ルチルもアップ予定。
2007/06/27
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一日中曇りで、どんより色味のない一日だったので、気分を変えてこんな石。マダガスカル産の水晶です。大きさは4.5×3×3センチくらい、一般的なタンブルより二回りくらい大きい、ころんとした形です。色は、ごらんの通りのほんわりイエロー。しかしながら、シトリンではありません。ベースは透明水晶です。水晶にクラック(ひび)が入り、そこにおそらく鉄分であろうと思われる(ヘマタイトと説明されていました)成分が染みこみ、そのために全体がふんわり黄色に見えています。ブラジル産の水晶で、表面を薄く鉄分がコーティングしているために黄色~オレンジに見える「タンジェリン・クォーツ」がありますが、これは、中に染みこみバージョンというわけです。結晶ではなく、塊状の石英だたっためにこのように磨かれているのでしょうが、なんだか、ぷるるんとしたみずみずしい雰囲気です。梅雨時期のどんよりした天気には、ちょっと嬉しい華やかさ。さて、今回の石にかこつけて、考えてみたいことがあります。ネットでいろいろなサイトやショップを徘徊していると、「水晶を染めてあります」というような説明を見かけることがあります。気を付けていないと、ふーん、染めてあるんだ……とそれで終わってしまいますが、ちょっと待ってください。この説明は、時に危ないことがあります。「水晶を染めてあります」これがお店の説明だった場合。「加工してあります」と、自己申告してくれる、良心的なお店…………とばかりは言えません。なぜならば、この言い方は、「加工してあるけれど、ベースは天然水晶です」というイメージを植え付けている場合があるからです。水晶を染める。では、どうやって染めるのか、ということを考えてみなければなりません。水晶の仲間であるカルセドニーやアゲートは、ミクロサイズの石英の結晶が固まった、つぶつぶ構造の石。つまり、ミクロサイズの隙間がたくさんある石なので、染料が染みこみやすく、簡単に染められます。しかし、水晶には、そのような隙間はありません。奇抜な色に染められている瑪瑙のスライスも、途中に結晶している水晶の部分が合った場合、結晶の隙間に色が入っていても、結晶そのものは染まっていませんよね。水晶に染料をきれいに染みこませるのは、できません。水晶を一度熱して染料の中に漬けて急冷し、急冷することでひびをいれて、そこに染料をしみ込ませる技法があるそうですが、これは、要するに今回の写真の場合と同じで、「中に何か入っている」「ひびに染みこんでいる」のがバレバレです。この方法では、全体的に透明な色を付けることはできないのです。表面に色を塗ってみてはどうでしょう。これは水の染みこまないガラスに色を塗るのと同じで、なんとか色が付けられたとしても、こすったり濡れたりしたら色落ち必至。やるだけ無駄な、ばかげた方法です。「水晶を染めてあります」と説明されたその石が、染めてあることが一目でわかるものではなく、透明で全体的に色づいているものだとしたら。まず考えられるのは、水晶に放射線や加熱による加工を施したもの。アメジストを加熱して黄色くする、透明な水晶に放射線を照射して、スモーキーやモリオンに加工するのは有名です。しかし、これは「着色」とは言うかもしれないですが、「染色」「染める」とはちょっといえないような。もうひとつは、溶かして色を入れて固めたもの。つまりは練り水晶と言われているものと同じです。残念ながら溶かした時点で結晶ではなくなり、水晶(石英)ではなくてガラスとなります。これでは「水晶を染めた」とは言えません。ひどい場合には、原料が水晶ですらないガラスということもあるかもしれません。クリスタル・ガラスというのがありますが、これはガラスに鉛を混ぜてきらめきや透明感を増したもの。名前がクリスタルであるからと言って、水晶が原料ではありません。中国産で、天然の水晶の上に緑や紫、黄色の層を人工的に結晶させたものがあります。これは……原石状態のものばかりなので、ビーズなどの加工品では、可能性は低いでしょう。この場合は、ベースが天然の水晶なので、「天然緑水晶」の表示は間違いではありませんが、「天然の緑」ではありません。残るひとつは、人工的に結晶させた水晶です。「人工水晶」と言ってしまうと練り水晶を含んでしまう場合があるので、合成水晶と呼ぶ場合もあるようです。この合成水晶では、シベリアンブルーやシベリアングリーンと呼ばれる透明感のある青や緑、赤、黄色、など各色があります。アメジストやローズクォーツにも人工的に結晶させたものがあります。しかし、これも「染めた」とは言えないでしょう。さて、水晶を染めたって、いったいどうやって。お店でそんな説明をきいたら、ぜひともツッコミを入れてください。ここに書いていない新たな技法があれば、ご一報を!
2007/06/26
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パキスタン(もしかしたらアフガニスタン)産の水晶です。「え、違うんじゃないの?」と、つっこまれそうな気もするのですが、登場です。どうにもこうにも写真に写らないので困りものですが、全体の形は、ごつごつしたカテドラル状。凸凹の表面が光を反射させていますが、中はかなり透明です。問題は、水晶の中に内包されている、茶色いもの。アップにしてみるとこんな感じ。なにやら、海中のワカメにも見えそうな、茶色に透ける薄いフィルム状のものが内包されております。いったいこれは?唯一の手がかりは、海外のインクルージョンもの水晶を集めた本の中に同じような石が載っていて、「バイオタイト入り水晶」であると書かれていること。バイオタイトとは黒雲母のことです。雲母と言われてみれば、薄っぺらで透けて見えるのも納得です。パキスタン北部からは、雲母の中にガーネットや、アクアマリンやフローライトが結晶しているものもたくさんあって、とりあえず、雲母は産出します。いや、黒く見えるから黒雲母じゃなくて、違う雲母ということはあるかもしれないけれど、これは、雲母入りと言うことでいいんだよね?……と思っていたら、見ていただいた石屋さんや他の方が、「雲母じゃないかも」とツッコミ。こういう場合、もう一つ疑うのが、水晶の中に薄い膜状のクラックが入り、そこに鉄分とか泥とかが内包されている場合。ルチル入りのトパーズとされていたものが、実はルチルではなく、結晶内の薄い管状欠陥に褐鉄鉱が入り込んだものだったということがあったときいたことがあるので、同じことあ水晶にも起こらないかと考えたのですが、フィルム状の内包物に見えるものは、ひびにはいりこんだものにしては、色合いが均一です。形もだいたいが細長い三角形状に見えていて、通常の水晶内のひびのようには見えません。たぶん、雲母……と思いたいのですが、塊ならばいざ知らず、こんなぺらぺら状のものが、まるで海中を漂う海藻のようにひらひらと、水晶の中に内包されるものでしょうか。それに、雲母の結晶ならば、六角形とか、きちんとした結晶っぽい形になりそうだし……。便宜上、「バイオタイト入り」と呼んでいますが、実は、正体不明の不思議石。ちなみに、ネパールからも同じような内包物入りが出ます。
2007/06/25
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リンゴみたいなタイトルですが、石です、石。インド産のルビーの丸玉。ビー玉よりも小さいミニサイズ。以前登場したサファイア(コランダム)玉とおそろいのようなサイズ。そういえば同じ店で別々のタイミングで買ったような……。インドのルビーは、(鉱物標本分野では)大きな結晶を見かけるものの、透明度には乏しく、黒みを帯びた色合いが多いようです。このちび玉は、ちびサイズであることが幸いしてか、色合いのきれいな部分が磨かれているらしく、インド・ルビーにしては赤みがきれいに出ている方だと思います。それでm、サファイア玉に比べると、表面のつやつや具合にはやや劣ります。磨き方が悪いわけではないと思うので、元々そういう石なのでしょうか。さて、写真には、左上からの光を丸く反射している部分と、それを中心として、細い同心円状の光の反射(細い白い光の輪)が写っているのがおわかりいただけるでしょうか。インド・ルビーや、不透明なサファイアなどを磨くと、方向によって、このような光の輪が見えます。なぜか、この光の反射具合が好き♪角度によって細い細い光の我が無数に浮かび出るさまは、ちょっとぞくぞくします。先だっての新宿ショーでは、ルビー・イン・フックサイトならぬ色の渋い「コランダム・イン・フックサイト」の丸玉を買ったのですがそれが「コランダム」であると見分けられたのも、この光の反射具合でした。
2007/06/24
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慢性化しております、ものづくり症候群。夏に付けても暑苦しくないブレスレットを作ってみました。多分、とりあえず、使っているのはヒマラヤ水晶です。あやしい、あやしいといいながら、実物を手にとってみないことには、とカンジロバ・ヒマール水晶をちょっと買ってみました。このブレスレットの透明丸ビーズ部分がカンジロバです。じっくり見てみて、当初思っていたほど無傷ではないことが判明。最初に見たときは、ガラスではないかと思うほど無傷無色透明だと思ってましたが、ごくわずかミストが混じっていたり、クラックがほんのり入っているもの、わずかに磨き残しっぽいへこみがあるものもある様子。それでも、丸さといい、透明度と言い、粒のそろい具合といい、これでガネーシュヒマール産水晶だったら、かなりのグレードになりますね。個人的には、加工と仕入れの話を聞いて、ガネーシュ間違いなしと安心できるものほど「丸くない」という感じがするんですけど。ともあれ、夏に付けて暑苦しくないと言うことで、使うのは、さくっと潔くクリア・クォーツのみ。この間からちょこちょこ使っているガネーシュ産水晶のさざれビーズがあったので、それを使い、どうせあわせるなら、と、カンジロバ。ちょっと贅沢な総ヒマラヤ水晶ブレスです。ガネーシュの丸玉オンリーのブレスもありますけど、KURO的には、これでも贅沢。手元にあるガネーシュ・さざれは、ふつうの水晶さざれにくらべて丸みのある粒が多いので、原石とは逆にちょっと柔らかな雰囲気。付けていても痛いと感じることがありません。さざれを連ねると、形の複雑さが光をはじいて、ちょっとフリルにも似たかわいらしさがでますが、かわいらしくなりすぎないように無色でシャープなカンジロバと、多めのメタルビーズをあわせました。使っている丸玉ビーズは最大で8ミリなので、いつもよりも細めで華奢。色がなくて輝きのみのデザインであるため、案外服装を選びません。しかも、さざれを使ったことで、肌への設置面積が少なく、暑い季節に付けていても汗ばむことが少ないし、(フラットなビーズを使っていると、この季節はしんどいです)何より軽い。手首の周りにきらきらとヒマラヤの輝き~♪ と考えるだけでもちょっと涼しい気分で、しばらくお気に入りになりそうです。さて。ちょっと話は変わりますが、ちょくちょくおじゃまする石屋さんで「ブレスを作るのは楽しいけれど、貯まるんですよね」とぼやいていたら、「良ければお店に置きますよ」と言っていただきました。これまでにも「ネットで売れば?」と言われたことがありますが、ネットで写真のみで……というのがどうにも引っかかっていて(自分の写真が実物と違うとわかっているので)乗り気になれなかったのですが、お店ならば、限られた範囲の方とはいえ、手に取って見ていただくことができるわけで……。ブログ3周年記念で単発的にお願いしてみようかな、とちょっと気分が動き中。もちろん、自分が使ったものを置いてもらうわけにはいかないので、新しく作ることになるわけですが、作るのは楽しいので、そこのところは願ったりかなったり。でも、私のブレス、自分に合わせて作っていると、ゆるめのが好きなのでどうもサイズがでかいのです。(腕が太いとも言う)このままじゃ、絶対合うわけがない(笑)。皆さんのお手持ちのブレスって、内周何センチくらいなのでしょう?具体的に話が進んでいるわけではないのですが、参考までに。
2007/06/23
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ブログ3周年ということで、いろいろ更新しました。お久しぶりの素材サイト「チャクラマーク」のコーナーを追加チャクラのマーク、壁紙などを大量アップ。石とチャクラは関係も深そうだ……ということで。こういうマークや壁紙があります 別館サイトではブログ3周年記念壁紙と名前や見た目が似ていて間違いそうな「そっくり石比較コーナー」をアップ。こんな壁紙あります。
2007/06/23
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3年目の記念石は、ロシア産で。ロシア水晶と言えばウラルかダルネゴルスクが多いです。この、虹色に輝く水晶はといえば、へんてこ水晶のメッカ、ダルネゴルスク。このように、おそらく長石であろうと思われる母岩の上に、ほぼ錐面だけの水晶が、仲良く二つ。この水晶は、表面が不透明な黄色い層に覆われ、それだけでも十分かわいいのですが、さらに天然コーティングによって、母岩を含めて虹色に輝きます。全体で10センチに満たない大きさなので、小さくてきらきらで、むちゃくちゃかわいい!見た人は、「夕日に照らされた砂漠のピラミッド」みたいだとおっしゃるのですが、私の第一印象は「ムーミン谷」。整った形の水晶が、ムーミンの家のとんがり屋根に見えるんです。どっちに見えます?
2007/06/22
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本日、当ブログは3周年を迎えました。実は、「さんしゅうねん」と入力して変換したら、「産執念」と変換されてしまいました。(何をやっとる、ATOK15!)「石の上にも3年」といいます。これは、「冷たい石の上にも3年座りつづければ温まるように、つらくても我慢して続ければ、必ず成功する。辛抱強く根気よく勤めることが大切」という意味だそうですが、「産執念」では、「3年も続けると執念が生まれる」みたいで、ちょっと複雑な心境です。ともあれ、今日の段階でトータル370000アクセス超、一日平均アクセス399。まことにありがたく、深く御礼申し上げます。ほとんどが石の話題で、時に暴言を吐き、特に重箱の隅をつつき、間違え、個人的意見オンパレードのこのブログを、かくも多くの方々が訪れてくださっているかと思うと、嬉しくて緊張感があって、それがブログを続けていく原動力の一つであると思うのです。石の上にも3年ということで、とりあえず3年経って、新たなスタートラインに着いた気分で、執念でも何でもできる限り続けていきたいなーと思ってますので、どうか、ゆったりのんびり(心広く)おつきあいくださいませ。
2007/06/22
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のっけから叫んでしまいましょう。「好きだわー!!」何がって、もちろん石ですよ、石。石にもいろいろありまして、産出が希で、手に入れるのが難しいレアな石。量は豊富だけれど、質にこだわるとなかなかこれというものが見つからない石。そして、希産でもなければ質も高いわけではないけれど、これはもう、巡り会うのは運でしょう……!というしかない石。特に最後の石は、KUROの石好き心にクリティカル・ヒットする変な石であることが多いです。こういうカタチに成長したのも運ならば、それが目の前にやってくるのも運でしょう。そんな「運命の石」……はこれ。先ほど、希産でもなければ……と書きましたが、ちょっと正しくないかもしれませんね。水晶の中では、やや珍しい種類に分類されるであろう、ファーデン・クォーツです。「ファーデン」とは「糸」の意味。その名の通り水晶の中に白い筋が入っているのが特徴です。何度目かの繰り返しになりますが、ファーデン・クォーツは、成長した水晶が地殻変動か何かの衝撃で割れ、割れ目が再結晶して修復した痕跡が、この糸状の白い筋である……というのがよく見かける説明です。でも……やっぱり信じられない!だって、写真をよくごらんください。中央に横になっている細長い水晶の中心に白い筋が見えます。これがファーデン……「糸」です。何がどうなったら、こんな風に器用に水晶が割れますか。絶対、こんなふうに割れるわけがない。奇跡的にあったとして、このように細い水晶が長軸方向にまっぷたつ、というような奇跡が、たくさん起こるわけがない。個人的パキスタン石ブームによって、ファーデン・クォーツをたくさん見る機会を得たのですが、こういう、細い水晶の長軸方向にファーデン・ラインが入っているものは、少なくありません。そのほかにもくっつき方、ラインの入り具合、ラインと水晶の厚みの関係……どれをとっても割れた水晶修復説を裏付けるようなものはありませんでした。さて、写真の「ファーデン」は、長さわずかに32ミリ、太さはさらに驚異のたったの4ミリ。4ミリの水晶がまっぷたつに割れますか。さらに、ご覧ください。このたったの4ミリの太さから小さな小さな水晶が、ちょこちょこと3つ「生えて」おります。くっついているのではありません「生えて」ます。小さいために、この水晶の「根本」もよく見えるのですが、どうも「ファーデン・ライン」の部分から生えている様子。ちょっと話はずれますが、「飛行機雲」をご存じでしょうか。上空を飛行機が飛んだ後、その後を追うように細く長くのびる雲のことです。飛行機雲のでき方には二通りあって一つは飛行機の排ガスとともに排出された多量の水蒸気が、急激に冷やされて微細な氷となり、雲となるもの。もう一つは翼の大きな飛行機が、湿度百パーセント以上の空気中を通過するとき翼の先端などで気流が発生し、圧力などに変化ができて水蒸気が水滴となるため雲が発生するものです。でも、どんなときでも飛行機雲ができるかと言うと層ではなくて、上空で、湿度が100%を越える状態になっているにもかかわらず、雲ができない、過冷却という状態になっているときに飛行機が飛んで、燃料の排ガスや水蒸気を排出したり、気流の乱れを起こすと、そのときにできた微細な氷を核にしてまわりの水蒸気が水滴に変わり雲になるのだそうです。私が考える、ファーデンクォーツのでき方も、これに似ています。圧力や珪酸の濃度など、今にも水晶が結晶し始めそうでできない状態になっているところへわずかな亀裂かなにかから、新たな熱水が細く鋭くぷしゅーっと流れ込み、それが刺激となって結晶下のではないかと思うわけです。つまり、飛行機雲に当たるところがファーデン・ライン。それに伴ってできた雲が、周りの水晶というわけ。今回の水晶のチャーム・ポイントである、ちょこんちょこんと「生えた」水晶も、きっと新たな熱水の刺激によってできたもの。ファーデン・ラインの周りに水晶ができるのと同じくして成長したために、ファーデン・ラインから生えたように見えるのだと思います。
2007/06/21
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中国産です。ぱっと見て、何の石かわかりにくいですが……スティーブナイト(輝安鉱)と水晶です。黒い金属光沢を持つスティーブナイトが、木の枝のように広がり、その隙間に水晶が結晶しています。これは2006年9~10月のIMAGE2006で買ったもの。荒々しくて、渋くて、でも魅力的な石なのです。産地はおそらく湖南省。おそらく、というのは売っていたお店の方が、石についてあまりご存じでない中国の方だったため。意思の疎通と知識の不足で、ちょっと不安ですが、他に扱っていた石が、湖南省のヤオガンシャンと思われるものが多かったので、まあ、湖南省であることは間違いなかろうと思うわけです。また、スティーブナイトはアンチモンと硫黄の鉱物です。湖南省のアンチモンの埋蔵量は中国国内トップクラスと言われているそうです。ですからやはり、湖南省の可能性大。本当は、スティーブナイトにフローライトがくっついているのを探していて、これも見つけたときに、すわ、フローライトか!?……と思ったのですが、よく見たら水晶でした。なぜ、フローライト付きスティーブナイトを探していたかというと、湖南省のフローライトはスティーブナイトなどの鉱物とともに産出することも多いと聞いていたので、ならば、湖南省らしいフローライトとは、実はスティーブナイトにくっついたものではないかと考えたのです。水晶やフローライト、アクアマリンなど、単体でも美しい石は、大きさと価格の関係から、ついつい単結晶を集めてしまいがちです。でも、母岩も忘れるわけにはいきません。鉱物標本は、母岩付きの方が価値がある……という、そういう話ではなくて、母岩は、その鉱物が育った場所の様子を伝えてくれるからです。それはさておき、フローライトではなく水晶付きだったスティーブナイト。これはこれで、似たような石をあまり見かけない上、まるで、金属の枝に水晶をちりばめたようなその様子は、やはり魅力的で、どうしよう~どうしよう~と迷いながら(カルサイト付きのロシア水晶を買った後だったので)それでもえいっと買ってしまいました。掌にすっぽり収まる大きさですが、これがもっともっと大きかったら、さぞかし見栄えがすることでしょう。かつて、日本では巨大な輝安鉱が産出したそうですから、なかにはそういうきらびやかな石はなかったのでしょうか。しかし……この輝安鉱という石、時とともに変色するんですねえ……。この黒っぽい金属光沢を、なるべく長く保って欲しいものです。
2007/06/20
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お久しぶりのロシア石。チャロアイトです。シベリアのチャロ川流域で発見された、比較的新しい石です。最近では、ビーズでもかなり見かけるようになってきましたが、ここでちょっとご注意を。チャロアイトは、チャロアイトではなく、いろいろな石とまざって産出します。黒っぽい部分はエジリン、オレンジ~茶色のチナクサイト、やや透明感のあるクリーム色~灰色の部分が長石です。チャロアイトビーズとして売っていても、紫色のチャロアイトが、かなり少ないものもあったり、長石部分(たぶん)が多くて、透けて見えるものもあります。色の濃い薄いや長石が多い少ないは、石の表情として好み次第ですが、チャロアイトビーズといいながら、チャロアイトが少ないのはちょっと悲しいかも。さて、このチャロアイト、誰が言い出したのかはわかりませんが、「三大ヒーリングストーン」と呼ばれております。「三大○○」というのは、なかなかいい加減なものが多くて、説によっては三つのラインナップがいろいろなものがあるのですが、「三大ヒーリングストーン」については、「ラリマー、スギライト、チャロアイト」のラインナップは不動です。ならばなおのこと、誰が言い出したのかわかっても言いと思うのですが……。さて、写真の石は、チャロアイトがビーズとして出回る前に買ったもの。今思うと、ちょっと高く買っちゃったかなあ……という値段でしたが、色合いと、チャロアイト特有の絹糸のようなマーブル模様はっきりしています。パステルトーンの優しいチャロアイトもかわいいけれど、チャロアイトと言ったら、このマーブル・薄巻き模様でしょう!……という具合なので、私には、どうもチャロアイトがヒーリングストーン:癒しの石に思えません。少なくともこの写真のチャロアイトは、「癒し」という優しい雰囲気ではありません。マーブル・渦巻き模様は、荒々しいほど。きっとどの石も、水晶だから、チャロアイトだからというような種類ではくくれない個性と、そこから生まれる個性的なパワーを持っている。そのように思えてなりません。
2007/06/19
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梅雨入りしたとたんに真夏晴れで、いったいこれはと思っていたら、今日は一転、雨こそ降らないものの、湿気の多い梅雨らしい一日でした。写真には適さない曇り空を眺めつつ、そういえば、梅雨っぽい石だよなーと思ったのが翡翠。一応、国産の……タンブルです。翡翠は、このようなタンブル状で採取するとそっくりな石がたくさんあるようで、私にはとてもとても見分けられないので、お店の表示を信じて「翡翠」とします。翡翠を取り上げるたびに繰り返してしまいますが、翡翠と呼ばれる石は2種類、ジェダイト(硬玉)と、ネフライト(軟玉)です。どちらの石を翡翠と呼んでも間違いはありませんが、宝石的価値が出るのは、ジェダイト(硬玉)の中の質の良いものです。とはいえ、古代から中国では、鉱物としての種類ではなくて、見た目、半透明でとろりとつややかな質感を持つ石を玉や翡翠と呼んできたのだそうです。成分や結晶系による石の分類と、そうではない石の区分けが、翡翠をめぐるあれこれの混乱の根本にあるというわけです。しかしながら、今の段階では、翡翠はジェダイトとネフライトを指すこと、ニュージェイドはサーペンティンの仲間で翡翠ではなく、インド翡翠や××翡翠などの名称も、緑で半透明で翡翠にちょっと似ていることから付けられたあだ名のようなものであり、やはり翡翠とは全く別の鉱物なのだ……ということは、覚えておいた方がいいかもしれません。さて、翡翠であるジェダイト(硬玉)は、意外に産地が限られていて、日本はその数少ない中の一つ。新潟産であるこの石も、硬玉ということになります。質は決して高くなくて、透明感はほとんどなく、色合いも全体的に淡い緑色に見える程度。見方によっては、そこら辺の砂利石に見えそうですが、改めて手に取り、眺めてみると、明るい日差しよりも梅雨空という日本特有の気候の元で見た方が、しっとりと雨に濡れた色合いの方がふさわしいような気がします。以前、翡翠展を見に行ったときに見た、「ろうかん」と呼ぶのであろう、輝くような緑の勾玉が印象に残っていますが、それでもそれは、ダイヤモンドなどの「宝石」のきらめきとは違った系統の美しさに属するのだと思いました。もしかして、私の元にある各国の石も、その国の光の下で見たら、違った輝きや美しさを見せるのでしょうか。
2007/06/18
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サンストーンと呼ばれる石があります。ムーンストーンと呼ばれる石もあります。ここでちょっとはっきりさせておきたいのですが、サンストーン、ムーンストーンという鉱物があるのではなくて、長石に、ヘマタイトや銅の薄片が内包されてきらきら輝くものをサンストーン、アルカリ長石の中で、独特の層状構造により、ふわっとした月光のような光が浮かぶものをムーンストーンと呼ばれています。つまり、条件を備えていればサンストーン、ムーンストーンですが、同じ成分、結晶の仕方でも、極端に言えば、同じ結晶であったとしても、別々にカットされたときにきらきらや月光のようなシラーという要素を満たさなければ、サンストーン、ムーンストーンと呼ばれないということです。……というように、見た目で命名されているわけですが、そのために両方を兼ね備えた石、というのも存在します。つまり、ムーンストーンの条件である月光のようなシラーを持つ長石にヘマタイトのきらきらが内包されれば、それはサンストーンであり、ムーンストーンでもあると言うこと。そういう石が実はあります。それが、今回の写真の石。小さいルースの上、シラーとヘマタイトを同時に写すのが大変!それでも、なんとかヘマタイトの薄片が内包されているのと、石の左側、光が写り込んでいるあたりがうっすら青白く光っているのがおわかりいただけるでしょうか。これは、ロシアの石。ムーンストーンとして思い浮かべる、透明や白い地の石ではなく、部分的に白かったり黒かったりする石ですが、青白い光とラメのようなきらきらが浮かぶ様子は、なかなかおもしろいです。惜しむらくは、なかんか見かけないこと。見つけようと思ったらミネラルショー……ですが、意外に高い。小さいルースでやっとゲットしたもの。でも、太陽と月を同時に兼ね備えた贅沢な石。探す手間は、惜しめません。あとは写真でがんばらねば。
2007/06/17
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なんだ? このタイトル……とおっしゃらず。そのまんま、でございます。なぜならば……国産、乙女水晶!国産水晶の産地として有名だった山梨県の乙女鉱山産の水晶です。「乙女」という名前は、明治時代にタングステン鉱を採掘していた頃、坑道の奥で働くのは男性、掘り出した石をより分けるのが老人や子供の仕事、坑道から鉱石を運び出すのは若い女性の仕事であったことから付けられたと言われています。この鉱山で水晶が採掘されていたのは明治から昭和初期の、比較的短期間だそうです。水晶が枯渇したと言うよりも、海外から輸入した方が安くなったことで、採掘は行われなくなったとか……。そのため、国産の水晶を入手するには、コレクター放出品か、個人コレクターが採取したものに頼ることになります。そのため、機会でザックザックと掘り出すブラジル産のように、あちこちで見かけるのはちょっと難しいですが、ネットやミネラルショーで根気よく探せば、時々見つかります。写真の乙女水晶は、2006年の池袋ショーで手に入れたもの。「KUROさん、乙女水晶置いてる店があったよ、見る?」「えっ、国産!? 見る見る見る!」ネパール産好き、ロシア産好きですが、やはり国産はちょっと特別。自分が生まれ、育った国の大地の底で結晶したと思うと……。連れて行ってもらったブースは、国産の鉱物をいろいろと扱っているようでした。外国産鉱物に比べれば、地味な石がならぶ一角に、紛れもなく水晶!長さ13センチほどと、予想以上の大きさ。乙女鉱山が大きな結晶も産出したことは知っていましたが、「国産水晶も欲しいかも」と探しだした時には、小さなものしかみかけなくなっていました。しかも、予想以上の安さ。即決!端正な単結晶で、表面はややマットで、少々付着物はありますが、透明度は高く、成長線が刻みつけられているさまは、シャープでなかなかかっこいい。では早速写真を……とカメラを向けてみて、アラ?表面に付着していると思っていた、ちょっと茶色の部分は、実は結晶の内部に内包されていました。さらに、霧状の内包物・ミストと思っていたものは……これは、もしかしてファントム?買ったとき、会場では気がつきませんでしたが、間違いなく、これはうっすらファントム!写真にも、真ん中あたりにうっすら写っているのですが、おわかりいただけるでしょうか。海外の水晶のように派手やかではないけれど、日本の風土にとけ込む「自然な」雰囲気。穏やかさだけに終わらない、静かな強さ。そんなイメージが浮かぶ「乙女」水晶です。
2007/06/16
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6月22日は、当ブログの誕生日。なんと、なんと石の上にも3年目。記念すべき3周年記念に、何かできないかと考え中です。
2007/06/15
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュ産です。大きさはかわいく3センチ弱。ずっしりどっしがっしりな大ぶり水晶は、それだけで存在感がありますが、こういうミニサイズ水晶は、小技が勝負。さて、このおちびちゃんは、小さいボディに技をみなぎらせています。まずは、根本の部分から緑ルチル……ではなく、アクチノライトが勢いよく生えております。先端にはなにやら内包物が。鏡のように光を反射するコレは、クラックではありません。雲母です。六角形の結晶形もばっちり。結晶が小さいために存在感もしっかり。クラックにじゃまされることなく、細部までくっきり。落としたらころっとどこかに入り込んでしまいそうな、小さな水晶ですが、小さいなりに、いや、小さいからこその魅力があるのです。
2007/06/15
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どうやら、梅雨入りのようです。日光で写真を撮ってる身としては、ちょっぴり恨めしい季節。曇っていても、何とか撮れるといえば撮れるんですが、やはり色と立体感が。雨となったら、まるでだめ。蛍光灯の光は好みではありません。ふー、ストックでしのぐか……。じゃ、さっそくストックで……じゃなくて。石の写真というと、皆さん全体的に光を当てたくなるんじゃないでしょうか。少なくとも手に持ってみる場合は、日陰よりも日向。明るい方が綺麗ですね。(クンツァイトやヒデナイトなど、光にめちゃめちゃ弱い石を除く)でも、石の写真を撮る場合は、光と影のコントラストがキモ。全面に光が当たっているより、光が当たっているところと影になっているところのバランスが良い方が立体感が出て、写真としてみたときに綺麗です。写真としてきれいだという観点であれば、「透ける石なら透かして撮る」のもポイント。鉱物標本なら専門家さんがきれいにお撮りになるでしょうし、第一、水晶に偏りまくって集めている私が、学術的資料としての写真を撮っても仕方ないし。……というわけで、私は、石を撮るにあたって、角度と光の当たり具合をちまちま調節し、カメラを覗いて、見え方をチェックし、「よーし、その美人カットもらい~」とばかりにシャッターを切るわけです。ですから、実物とはか~な~り印象の違う石も多々。前置きが長くなりましたが、今回の石はブルー・スピネル。産地はパキスタン。例によって「ギルギット」と言われましたが、ネット検索の結果、ギルギットよりちょっと北のフンザではないかと思っています。パキスタン北部からは、真っ白な母岩に埋もれたスピネルやコランダムが出ます。スピネルも各種の色があり、赤もあれば、ワイン色もあります。そんな中で惚れ込んだのが、青。そういえば、以前にもよく似た季節にブルースピネルを取り上げていました。おお、それからまた増殖しています。白い母岩に埋もれた深い青の石は、どうやら梅雨の湿度の高い空気にしっくりととけ込む様子。わざと光を遮り、スピネルだけに光を当てて浮かび上がらせた青は、深い水面の色のようでした。石をカメラで撮ることで「石と会話している」と言ってもらえるのは、とてもうれしいです。おそらく、私が石から何かを感じるとしても、会話、言葉によるコミュニケーションという形にはならないでしょう。たぶん、私の頭は、石から感じた何かを会話という形に翻訳しない、むしろ拒否するかも。なぜなら、言葉・会話にしてしまうと、石を「人間のようなもの」という枠にはめてしまいそうだから。私の場合は、枠にはめてしまうことで、どこかをゆがめてしまうだろうから。石から感じるとしたら、わずかな気配やイメージ、あるいは連想。……というものではないかと思うし、そういうものであって欲しいという思いもあります。曖昧模糊としたもの。だから自由なもの。だから不思議なもの。たくさんの「本当」を許してくれるもの。いそいそ雑記として書いているけれど、そのいずれもが本当であり、本当でない。同じように、私が撮る石の写真は、実物の石そっくりではないけれど、その石の表情の一つである。曖昧模糊とした石の世界に今もどっぷりはまり中……。
2007/06/14
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別館サイトに新コーナーを企画中です。石には、この石はアレとコレのどっちだ!?と頭をひねる石がありますね。その名もギリシャ語で "だます" を意味する "apate" に由来するアパタイトとか、ギリシャ語で詐欺師の意味する"phenax"に由来するフェナカイトとか。私などは、鉱物が好きといっても、知識が中途半端なので、見分けられない石も多々。でも、見分けるのがそんなに難しくないのに、ショップやオークションで、名前が間違って表示されてる石もあります。セールスネームが同じになってしまって、そのために誤解が生まれる石。そんな石を写真とともにコメントしてみようかと考えています。まず第一弾はルビー・イン・ゾイサイトとルビー・イン・フックサイト。↑こちらがルビー・イン・ゾイサイト赤いルビーの周りの緑の部分がゾイサイト。黒い部分は角閃石。区緑の中に黒いものが混ざっていいるのも、見分けポイントのひとつ。別名をアニョライトと言われることがあるが、厳密には不透明緑のゾイサイトの別名がアニョライト。ちなみに宝石として知られるタンザナイトも鉱物としてはゾイサイトの仲間。↑こちらがルビー・イン・フックサイト。赤いルビーと緑色のフックサイト(クロム白雲母)の間に白い部分があるのが特徴。緑・白・赤のスイカ・カラーを覚えておくと区別しやすい。(白い部分がほとんどないものもある)フックサイトの部分はちょっとミルキーな感じの緑のものが多いが、最近は濃い緑のものも見られるようになった。ゾイサイトと比べて雲母のきらめきをチェックするのがポイント。思い立って画像検索してみたら、海外サイトでもこの二つを取り違えていることがあるんですねえ。やはり、ミネラルショップより、ヒーリングやジェムストーンショップの方が間違え率が高かったです。で、おまけでもうひとつ。さて、これは?写真に撮りにくくて困るんですが、渋い青紫の部分と、粒子が粗く見える渋い緑の部分が混ざってます。お店の人は、新しく見つかった石だと言っていましたが……。青紫の部分は光を反射させたときの様子から、コランダム(サファイア)であることはわかりました。では、緑の部分は。あっちこっちひねくり回して、部分的に光る様子から雲母、緑なのでフックサイトだろうと検討をつけました。つまり、コランダム・イン・フックサイト。ルビー・イン・フックサイトの色違いと言うわけです。このほか、どちらも十字石と呼ばれてしまうことがるスタウロライトとキャストライト、放射状アクチノライト入りの出現によりホランダイト入り水晶との間違いが発生した「星入り水晶」、二種類あるファイアー・アゲート、二種類どころか四種類のレモンクォーツ、チャロアイトとスギライト、スティルバイトとヒューランダイトとエピスティルバイト、ブルームーンストーンとレインボームーンストーン、ルチルエピドートとグリーントルマリンなどを予定。ブルームーンそっくりのペリステライトとか、スギライトと間違えられそうになったレピドライト(ビーズ)とか取り上げたいけれど、モノがないものもあったりします。
2007/06/13
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ブラッドショット……といえば、アイオライト。紫がかった青のアイオライトに、ヘマタイトの小さな薄片がたくさん内包されて、赤みを帯びたきらきら(アベンチュレッセンス)が現れる石です。棗さんちのすてきなアイオライトはこちら。しかるに、我が家のは水晶です。ブラジル産の透明水晶の中に、鮮やかな赤い色。よく見ると赤い薄膜状のものが内包されています。石屋さんのお話では、おそらく鉄であろうということ、このように赤い内包物が見えるのを、ブラッドショットと呼ぶことがあるよ……とのことでした。ブラッドショット(bloodshot)とは、「充血した」「血走った」という意味だそうですから、言葉に比べて赤みがささやかすぎますが、アップで見ると不思議な模様に見えます。
2007/06/12
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ロシアのシホテアリン隕石です。全体像ももちろん撮影したんですが、表面の溶けた様子がワイルド……(ホレボレ)と、アップで写してみたら、予想以上にかっこよかったので、こちらを採用。シホテアリン隕石は近年最大の隕石の落下として知られています。時は1974年2月12日午前10時38分。ロシアのタイガ地帯6キロにわたって、106個以上の小さな隕石孔をつくって落下したそうです。落ちた隕石の総重量は約23,000kg。もっともこの重さのものがまとめて落ちたのではなくて、100個以上の隕石孔を作っていることからもわかるように、大小さまざまの破片となって落ちてきたのです。それでも、最大のものは1745kgあったそうです。このシホテアリン隕石は、ミネラルショーなどでよく見かけます。黒くすすけたような小さな塊が、山積みになっていたり。こんな金属の破片を振りまきながら、隕石が落ちてきたのだと思うと、そのときの光景はいかなるものかと想像をたくましくしてしまいます。(隕石落下の様子は、切手になっているそうです)さて、隕石は大きく3つに分けられます。一つは石隕石。最近ビーズでも見かける「サハラ」隕石は石隕石です。もうひとつは鉄隕石。ギベオン、カンポ・デル・シエロ、そしてこのシホテアリンも鉄隕石です。最後は石鉄隕石。鉄隕石に石がまじっているもので、鉄の中にペリドットがはめ込んだように混ざり込んでいるパラサイト隕石やブラピン隕石がこれにあたります。以前はガラス質隕石としてモルダバイトやテクタイトも隕石の仲間に入れられていましたが、最近は隕石衝突の衝撃で溶けて飛び散った地球の岩石などだと考えられているようです。石隕石や鉄隕石などは、成分や構造によってさらに細分化されますが、ややこしいし、ボロが出そうなのでやめておきます(笑)。鉄隕石はその名の通り鉄が主成分ですが、詳しくは鉄とニッケルの合金です。今回しみじみとカメラを向けた、この表面の表情は、隕石が大気圏を毎秒1km~14kmの速度で落下する時の摩擦によってできたものなのだそうです。空を切り裂き、吠え叫び、炎をまとってやってきた宇宙のかけら。今回の写真では、まるで年を経た竜のように見えてきました。鋼の体の内部に炎を宿し、空を翔る、猛々しい竜の最期の姿……。そう考えると、隕石と竜とは、どこか似ているようでもあります。全体像はこんな感じ。
2007/06/11
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュヒマール産です。この水晶、どこも欠けていません。天然状態でこの形に結晶しました。接触痕もありません。これをなんと言うべきか。変な形!説明不要!……何を思って結晶したのか、聞けるものなら聞いてみたい。この石の実物を見た人は、皆さんにやっと笑います。「KUROさんらしい」なのか、「笑うしかない形」なのか。そんなこんなをすべて差し置き、変な形!以上ッ!※たまには短い雑記で(笑)
2007/06/10
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雨が降る降ると言われながら、思ったより日差しが得られたので、これ幸いと石の写真を撮っていました、新宿ショー後。さて、ミネラルショーともなると、やはり、珍しい石や新しく発見されたという石に注目してしまいます。そういう石を、実際に手にとって選ぶことができるのが、(英語ができる人なら、お店の人に話を聞くことも可能)ミネラルショーの醍醐味の一つではありますが、石の絶対量の多さも見逃すことはできません。絶対量が多いということは、おなじみの石であっても普段とは比べものにならない数を見て、選ぶことができるという、選択肢の多さを約束してくれるからです。おなじみの種類の石であっても、石の表情は一つ一つ違います。中には、「おお!」と言いたくなるような個性を持った石もあります。「変な石」が大好きな私のチョイス条件には、「石の個性」というのは見逃せない重大ポイント。「個性」というポイントで石探しをすると、申し訳ないですが「○○石の意味は◇◇◇◇」というおおざっぱなパワーストーンの解説は、右から左にすっぽ抜けます。否定はしませんが、目の前の石にとっては意味をなさなくなってしまいます。たとえば、先日紹介したアメシスト・ファントム・エッグも、石の種類として言えば、「ファントム」あるいは「アメジスト・ファントム」ですが、では、一般的に言われている意味がこの石に当てはまるかと言えば……?まあ、どうでもいいという感じになりますね。レア石・新発見石を見つけるのは、運とタイミングですが、個性石を見つけるのは、体力・気力・見る目勝負。時に昼ご飯を忘れるほどの勢いで石を見て回り、その中から個性ある石を探し出したときの満足感!もう、癖になります。今回の新宿ショーの希少性・新発見部門の石ローズ石だとすれば、個性部門の石はこちら。ルチル入り水晶です。レッドルチルと言ってもいいですが、このふんわりした色は「赤」というのともちょっと違うかも。実は、平べったいドーム状に磨かれた中にぎっしり内包されているのではなくてごらんの通り、密度はそんなに高くないのですが、上の写真のような角度で見ると、なんともふんわりやわらか~。ルチルという内包物が、こんなにも優しい色で、こんなにも河合らしくしなやかな表情を見せるとは!この内包物が角閃石ではなくてルチルであると判断した理由は、毛並みが輝いているように写っているその光沢。これはルチルの金属光沢です。そしてしなやかさ。角閃石もしなやかですが、どちらかというと長さが短くてもさもさからまった感じになりがちです。繊維状の結晶が長くなると、フェルト状にからみます。そんな様子がなくてしなやかにふさふさしているのはルチルの特徴。よく見るとやや太めのルチルもちょこっと内包されています。ローム状に磨かれたガーデンクォーツを「シャーマニック・ドリーム」と呼ぶそうですが、その心は「石の中に異世界を見る」と言うことだと思うので、この石だって、ガーデンクォーツではないけれどりっぱに「シャーマニック・ドリーム」。この世ではない別の世界に日が昇り、世界が燃え上がるように目を覚ます、その壮大な一瞬。ああ、このふわふわの中に寝ころびたい!
2007/06/09
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終わってしまえばあっという間……だった新宿ショー。その中で、局地的に、詳しく言えば私の周辺の石好きさんの間で大いに盛り上がった石があります。売り方が地味なのか(石は地味ではなかったと思う)、小振りな石ばかりだったせいなのか、人にあふれた会場の中で、比較的平穏だったお店なのですが、私たちは、入れ替わり立ち替わり、顔見知りの石好きさんを捕まえてはその店に舞い戻ったので、お店の人は、「お、また人を連れてきたぞ」と言っていたとかいないとか。このように私を含めた一部石好きさんの心をわしづかみにした石はこちら。ローズ石です。正確には、ローズ石(ローゼライト)の上を、水晶のドゥルージーが覆ったもの。ローズ石、まさしく深いバラ色の石にふさわしいこの名前は、「薔薇」ではなくベルリン大学の鉱物学教授ガスターブ・ローズ氏にちなんで名付けられたそうです。でも、どう見てもバラ色のローズ石ですよねえ!この石を見てしまうと、ロードクロサイトやロードナイトなどは、「まだまだだねえ」と言いたくなります。ローズクォーツに至っては、アフガニスタン産のローズクォーツを除いて、ピンククォーツに解明しなさいと言いたい気分。まさしくバラ色。しかしながら、ローズ石単体ではモース硬度は3.5、劈開は完全。つまり、傷つきやすく割れやすいという、佳人薄命な石なのです。でも、このように水晶に覆われていれば、心配ご無用。水晶のきらきらが加わって、ますます華麗な雰囲気になりました。実物は、3センチ四方ほどの小さい石ですが、ローズ石そのものがあまり大きい結晶を見かけないので、仕方がありません。この際、写真で拡大して、たっぷり楽しむことにします。このバラ色の正体は、コバルト。同じ山地からはやはりピンク色が美しいコバルト・カルサイトが産出します。しかし、不思議なことが一つ。コバルトと言えばコバルト・ブルーというように、青を連想します。実際シベリアン・ブルーの名前で知られるロシア産の人工青水晶はコバルトによって輝くような青に発色しますし、スピネルではコバルトによって青く発色したブルー・スピネルがあるようです。しかし、こちらは美しいバラ色。片や青、片やバラ色。不思議です……。さてこのローズ石、ちょっとした成分の変化や結晶の形によって似たような石が数々あるようです。とてもとても見分けることなどできそうにないので、ここはお店の人のラベルを信じて「ローズ石」と言うことにしておきたいと思います。こんな石が何の前触れもなく出てくるのですから、石業界は目が離せません。この石が、今後どんどん産出して出回るか、この一時だけで終わってしまうのか……それも謎に包まれています。
2007/06/08
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別館サイトの「My Stones」に10点追加しました。なんだかんだで久しぶりです……。
2007/06/08
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今回は、突撃インタビューをしたわけでもないのですが、石屋さんと話をしたことで、記憶に残っていることをちょっとメモします。今回話の中で出てきたのは、「アゼツライトありませんか、って聞いてくる人がいるんだよねえ……」……アゼツライトですか。ご存じ、アゼツライトは1976年頃、ノーズカロライナのベリリウム鉱山で採掘された水晶で、Naisha Ahsian氏がリーディングで「Azez」を名乗る存在(?)につながるイメージを得たことから、アゼツライトの名前があります。その後、バーモント州やコロラド州でも見つかったとされ、インドのサチャロカ寺院周辺の水晶も「サチャロカ・アゼツライト」と呼ばれています。コロラド産がどこまでの範囲でアゼツライトと呼ばれているのかちょっとわからないのと、(コロラド産のが、かつてメテオラ水晶と呼ばれていたものとそっくりなのも気になる)アゼツライトの発見者であるというRobert Simmons氏が、サチャロカ・アゼツはアゼツライトではないと言っているとかいないとか、ちょっと不明なところがあるのですが、要するに、アゼツライトは、ヒーラーのイメージから名付けられた名前なのです。そのあたりはブラジルのレムリアンシードと同じですが、レムリアンシードが、「レムリアンシードと言えばこんな感じ」と客観的にも判断できる外見の特徴を備えているのに対し、(※見かけだけで区別すると、厳密にはレムリアンシードと言えない産地のものも入ってしまいますが)アゼツライトの外見は、白濁した塊状の石英が多く、たまに自形結晶のものがあっても、見た目で他の産地と区別できる特徴を備えていません。もう一つの違いは、レムリアンシードではあくまでもイメージ的な理由が中心であるのに対し、アゼツライトでは妙に科学っぽい根拠が引っ張り出されることです。これまで聞いたことがある理由では、「周波数が高い」「専門家が石の性質を調べれば、通常の水晶とは性質が違うとこも明らか」「ベリリウムが含まれている」「シリカが含まれている」……というようなもの。はっきり言っちゃいますと、私は、アゼツライトは水晶だと思っています。しかし、そのパワーを否定するつもりはありません。自分では全くわからないのですから、わからないことを理由に否定するわけにもいかないでしょう。一方で、イメージ的な分野に対して科学的根拠を振りかざし、「根拠がない! 嘘っぱちだ!」というのも、無粋ですね。石の楽しみ方が、鉱物ばかりではあるまいし。それを言うなら、私が大好きなヒマラヤ水晶も、「たまたま産地がネパールであると言うだけの、一般的な石英」です。人が石のどこに価値を見いだし、楽しむかは、個人的な問題なのです。しかし、石の権威を高めるために「科学的根拠(のようなもの)」を引っ張り出すとなると話は違います。科学には「仮説-実証」と言うシステムがあります。システムというのはちょっと変かもしれませんが、科学の分野において仮説が立てられた場合、仮説が正しければその正しさを裏付ける結果(実証)が得られるし、仮説に反する結果(反証)が出た場合は、仮説が修正される……科学とはそういう仕組みを持つのです。ですから、イメージ的な石の分野においても「周波数」だの、「専門家が調べれば」だの、含まれる成分が特殊である……というような言い方をすれば、「その周波数の数値は」「専門家が調べたデータは」とつっこまれ、成分がと言うのであれば、科学的に分析されてその結果が明らかにされ、「一般的に見られる石英と同じものである」という結果になるわけです。これに関しては、私は無粋であるとは思いません。科学という分野を引っ張り出すならば、科学の流儀に従って反論されても仕方がないと思います。石屋さんのお話では、別の石屋さんが「珍しい水晶だ」というのでアゼツライトを仕入れ、分析してみたら「(成分的には)ただの水晶」だとわかって激怒していたということでした。さらに、最新の技術で水晶を調べれば、水晶はごく微量ながら実にいろいろな成分を含んでいるので、ベリリウムを含んでいてもおかしくないし、逆に言えば「●●が含まれている」といっても間違いではないけれど、それは別に珍しいことでもないのだということです。また、ヒーラーは鉱物の専門家ではないので、勘違いしていたり専門家の言うことの一部を取り上げて、大げさに言ってしまったりすることもあるので、鉱物的な分析の結果とつきあわせると、食い違いが多いということもあるようです。ちょと厳しく言ってしまえば、アゼツライトなどという鉱物名を思わせるような名称を付けず、科学的な根拠をにおわせるような話題を出さす、イメージ分野だけにとどまっていたら、「不思議なパワーがある(らしい)」石としておさまり、あちこちで物議を醸すこともなかったでしょう。さらに個人的意見を言わせてもらえば、Naisha Ahsian氏と言う方、アゼツライト以外にも「ホワイト・モルダバイト(カルサイト)」や「メルカバイト」など、ちょっと誤解を招くネーミングが多いようですね。石のイメージ的な側面は、「信じる人は信じればいい、その人次第」であるわけですが、私は、このことが「誰かが言っていたことを疑わずに信じること」とイコールであるとは思いません。アゼツライトが産地とリーディングで得られたイメージに重きをおくなら、「アゼツライト」という名前だけでなく、間違いなくノースカロライナやバーモント産であるか、自分なりにつっこんでみてもいいでしょう。石のイメージ的な側面は個人的価値観にゆだねられてはいるけれど、それは、自分の感覚をいかに掘り下げるか、集中するか自分の価値観はどこにあるのかということを問われていることでもあると思います。石についてのあれこれの説明は、手がかりにはなるけれど答えではない。答えを出すのは、あくまでも自分なのだと言うことを、忘れてはならないでしょう。……あ、最後に、お店で聞く場合は、そのお店の傾向を考えましょう。見るからに鉱物屋さんで「アゼツライト……」と聞くと、お店の人も困惑します。
2007/06/07
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ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれる水晶があります。パワーストーンの某「バイブル」には、ハーキマー・ダイヤモンドの項に一言も「水晶」と書かれていなくて目が点になりましたが、言うまでもなくダイヤモンドではなくて水晶です。小粒で、透明感が高く、照りが良くきらきらと輝くため、「まるでダイヤモンドのような」というイメージで、採掘された鉱山の名前を冠して「ハーキマー・ダイヤモンド」と呼ばれます。「ハーキマー鉱山で採れた」「まるでダイヤモンドのような」水晶ですから、ハーキマー以外で採れたものは、いくら小粒で透明できらきらでもハーキマー・ダイヤモンドではないですし、(ハーキマー・タイプなら、あり得るかもしれませんが)ハーキマーで採れた水晶でも、骸晶化して透明きらきらの要素を持たないものは、本当はハーキマー・ダイヤモンドの名前にふさわしくないのでは……と思います。このように、ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれるのは、アメリカ、ニューヨーク州ハーキマー鉱山産のもののみですが、世界には同じように「ダイヤモンド」の名前を持つ水晶がいくつかあります。ハーキマーの誤植ではないかと疑われそうな、アーカンソー産の「アーキマー・ダイヤモンド」、赤くてキューブ状の外見がユニークな「ペコス・ダイヤモンド」、写真も見たことがないので名前だけ……「アラスカ・ダイヤモンド」。そのほか、まだ決まった名前はありませんが、国やパキスタンからもハーキマー・ダイヤモンドそっくりの水晶が出ます。堂々と「パキスタン産ハーキマー」なんて売られていてがっかりさせられます。コマーシャルネームが必要ならば、ちゃんと名前の由来を知って、すてきなオリジナル・ネームを付けていただきたい。(※パキスタン産のきらきら水晶は「ダイヤモンド・クォーツ」と呼ばれていることがあるようです)しかし、きらきら小粒水晶としては、ハーキマーの知名度は高いです。ハーキマー・ダイヤモンド好きさんは、多くいらっしゃるらしく「やっはりハーキマーの輝きは違うよね」「ハーキマーが一番!」……というような話を聞くことがあります。しかし。無礼を承知でちょっと反論しちゃいましょうか。母岩コミならば、ハーキマーを超える水晶があります。はい、ハーキマーよりも美しいです。その名は「カラーラ・ダイヤモンド」。母岩コミならば、ハーキマーよりも美しい水晶。そして、今回の新宿ショー戦利品。ハーキマーは、地味~な灰色の母岩のくぼみにきらり、ですが、カラーラ・ダイヤモンドは違います。純白の大理石の上にきらきらしたドゥルージー状の水晶、そのうえに純粋無垢なきらきらダイヤモンド水晶!純白と、無色透明の輝きと。この組み合わせを美しいと言わずして何というか。ちょっと気恥ずかしい気もしますが、「ピュア」という言葉が似合いそうです。見る機会が少ないので、もしかしたら間違っているかもしれませんが、タールとも言われる黒い内包物を含むことが多いハーキマー・ダイヤモンドに比べてカラーラ・ダイヤモンドは内包物を含むことは少ないようです。「カラーラ」とは、イタリア、トスカーナ地方の地名です。世界一の大理石の産地として知られ、そこでは、山がすべて大理石なんだそうです。この地で採れる純白の大理石は、「ビアンコ・カラーラ」と呼ばれます。古くはローマ人が彫刻や建築に用い、かのミケランジェロもこの地の大理石を彫刻の素材にしたと言います。真っ白な大地にいだかれて結晶した水晶……だからこその美しさ。そう、言いたくなります……が、同じくイタリアには、白い大理石に真っ黒不透明な水晶が埋もれているものがあります。ああ、水晶って不思議。
2007/06/06
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行ってきたぜの最終日。ぐぐぐっと気を引き締めて、昨日今日はほとんど石を買っていません。ショーなのに石を買わずに何をしているかと言われそうですが。今日はカメラ持参で、写真を撮って欲しいと頼まれたお店をぱちり。10月のIMAGE展や12月の池袋ショーには、プリントアウトして持って行かなければ。この会期中に、買った石を早速写真に撮ったり、以前買った石の写真をプリントアウトして、お店に「里帰り」させていたので、あちこちで顔を覚えていただいたようです。され、会場ではこれまでの4日より2時間ほど早い5時の終了なのに、お店は2時、3時をすぎたあたりから片づけが始まります。今夜のうちに飛行機に乗る海外業者さんは、特にはやいです。次々に梱包されていく石を見ていると、「あー、終わっちゃう……」と、寂しくもあり、「何かを買い忘れているような気がする」と焦りを覚えるようでもあり。昨年はこのタイミングで、「▽付き触像ヒマラヤ水晶」を見つけて撃沈していたのですが、今年はそのようなこともなく無事終了。実は、最後の最後でメキシコのストロベリー・クォーツの原石を見つけてしまったのですが、珍しくて欲しいことは欲しい石でも、状態がちょっと悪すぎたので、えいっと気合いを入れてパスしました。ストロベリー・クォーツといえば、今ではカザフスタン産ですが、それより以前はメキシコ産のものが知られていたそうです。そういう意味でも、初代ストロベリー……と言うことになりますが、確かに赤くても表面に付着物が多く、光に透けない赤さでは、ちょっと……。残念。中国産のモリオンのクラスターも、半額プライスでしたが、これも表面に付着物が多くて、せっかくの真っ黒さが楽しめないので、パス。縁があればまた出会うでしょう。「ほ、欲しい。でも買えない、でも欲しい~」と後ろ髪引かれる石がないので、心静かにショーを終えることができます。明日は早速写真撮影予定。あさってからは天気が悪いらしいので、明日の日差しは逃せません。
2007/06/05
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ショー4日目♪出撃3日目ともなると「石を買う」というより「人に会う」方が目的です。私は、割と知り合いの石好きさんと行動を共にできる機会がある方だと思うのですが、石好きというのはふだん、周りに石好きさんがいなくて~……という感じではないでしょうか。ところが、ミネラルショーというのは、石も盛りだくさんですが、石好きさんも盛りだくさん。いろんなお店の人とも話し放題。これが楽しい!予算が底をつき、このあとしばらく地下に潜伏するとしても、この機会は逃したくないのです。買わねば! という石を買ってしまって、財布もすっかり軽くなり、あとは、他人に石を勧めるだけ……という危険物と化しながら、会場を徘徊してました。初日、2日目は人でぎっしりなので、石をじっくりゆっくり見るなら、今日ぐらいのタイミングが適しています。そんな中で鞄や写真んを頼りに私を見つけてくださった方、会場でお会いした方と、話をしたり石を見たりしていてとりあげたく思った石を一つ。エピドートです。和名は緑簾石。エピドートというのは、成分が若干違う仲間石がたくさんある石です。おなじみなところでは、ピンクオレンジと緑が混じったような石、ユナカイトにも含まれていたり、プレナイトのビーズに内包されていたり、もちろん、水晶に内包されていたりします。ところが、ちょっと残念なことにこの石、いろいろと勘違いされていることが多いようなのです。まず、ユナカイト。たまに、ユナカイトの和名が「緑簾石」になっていることがあるんですが、違います。ユナカイトの和名(?)は「ユナカ石」。その正体は、エピドート・石英・長石などが混じった岩です。プレナイトの場合は、トルマリン入りと言われている場合が多いです。ショールという表記もありますが、これは黒いトルマリン、あるいは鉄電気石の意味。ところが、プレナイトに内包されているのもエピドートです。よく見れば、黒ではなくて緑名ので、ショールではないとわかりそうなものですが。プレナイトにはエピドートにくっついて結晶しているものもあります。トルマリンと間違われると言えば、水晶に内包されたものも、緑のトルマリンと間違われることが多いようです。これは、ちょっと仕方がないかと思うほど似ているのですが、色を比べると緑のトルマリンより黄色~褐色がかった色合いです。結晶の断面も、丸みを帯びた三角のトルマリンに比べて、エピドートはひしゃけて薄い菱形と言う感じです。案外エピドート単体で見かける機会が少なくて、別の石に内包されている場合が多いのに、内包されると、トルマリンにまちがわれてしまうとは、ちょっとかわいそう……。こんなに綺麗な色合いの石なのに。緑のトルマリンと思っていたけど、もしかして?そんな石はありませんか?
2007/06/04
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いくら何でも今日はおとなしく自宅待機(笑)中です。いつもならば、石を手に入れたら、「KURO流お近づきの儀式」とばかりに写真撮影なのですが、新宿ショーのように、「石好きのお祭り!」のようなことがあると舞い上がった頭は、なかなか元には戻ってくれません。初日こそゴホゴホして、皆さんにご心配いただいた風邪も、2日目からは、アラ? というくらい良くなりました。頭(心)も体も、どれくらいほくほく興奮状態になっているかわかろうというものです。そんな状態なので、最終日に「あ~、終わっちゃったァ……」と、一息つかないことには、落ち着いて写真も撮れやしません。そのため、戦利品の撮影本番は、ショーの後。しかし、見つけたとたん、顔がにやけた「掘り出し物」があったので、まだまだ正常に戻らぬ頭をなだめなだめ、写真を撮ってみました。ファントムやルチルの磨きものが箱にどっさりで、いつもいつものぞいてしまうおなじみのお店で見つけた一品。アメシストのファントム入りエッグ。長さ約3センチ、濃い色合いが美しいアメシストの中に、「くっきり」ファントム。そのくっきり具合たるや、かつての結晶の面の形だけでなく、面と面の合わせ目のエッジもくっきり、なんと、かつての結晶面が光を反射するほどのくっきりさ。写真に撮れば、まるで紫たなびく中にそびえる、雪を戴いた霊峰!うはー、美しい!ファントム(幻影)という名前に似合わぬ存在感と実体感です。いつもお世話になっているお店の人に見ていただいたところ、このようにかっちりと実体感のあるファントムのことを「ソリッド・ファントム」と呼ぶ場合もあると教えていただきました。ソリッドとは「固体の、硬質な」というような意味なので、ファントムという単語とくっつくにはいささか不釣り合いですが、なるほど、かっちりくっきりファントムという感じです。普通のファントムでは、結晶の途中で表面に不純物が付着し、それがかつての結晶の形を縁取ってファントムとなります。そのために、付着した不純物の粒の大きさや密度によってはぼんやりした形になりがちで、まれにしっかりとしたファントムになっても、かつての面の形がわかるものは少なく、その面が光を反射するようなものは皆無です。クリアな水晶の中にアメシストのファントムとか、スモーキー・クォーツをよく見ると色の濃淡がファントムになっている場合もありますが、この場合はまさしくファントム(幻影)で、立体感はあまりありません。今回の写真のファントムのような「ソリッド」なファントムは、かなりの少数派なのです。近いものと言えば、ファントムよりもむしろ貫入水晶。水晶に別の水晶が食い込み、食い込んだ様子が内部に見えているものです。このばあいは、面の形もくっきり、接合面では光の反射は虹が見えることも珍しくありません。では、今回のファントムは、ファントムに見えて貫入水晶では?……私は違うと思います。理由は2つ。ひとつは、観入水晶で小さな結晶が丸ごと飲み込まれたマニフェステーションではなく、食い込み型の貫入水晶の場合、貫入、つまり食い込んだ部分が綺麗にポイントになっているものは少ないこと。もう一つは、結晶の成長方向の一致です。このエッグをファントムの先端方向から見ると、アメシストの色が斑に見えます。このまだらは、単に無秩序に濃淡があるのではなくて、エッグに磨かれる前の結晶が「ブラジル式双晶」と呼ばれるタイプであったことを示す特徴を示していて、その濃淡から判断する限り、元々の結晶とファントムの成長方向は一致しています。貫入水晶の場合は、全く別の結晶が食い込むので、食い込んだ水晶とそれを飲み込んだ(包み込んで成長した)水晶の成長の方向は別々です。完全に一致することはないでしょう。成長の方向が一致していると言うことは、貫入ではなく同一の結晶であることを示していると思います。何より、この石の他にもくっきりファントム入りエッグがいくつかあったので、貫入水晶ではあり得ません。もちろん、ファントム入りもなしも同じお値段。見つけ得のお買い得♪ もしかしたら、いったん結晶してから再び結晶が再開されるまでかなり間があいていたのではないだろうか、という話も伺いましたが、それは真偽を確かめようもありません。しかし、間があくことで結晶が一度かっちりとかたまり、そのためにこのようなくっきりファントムになるというのなら、層ではない普通のファントムの場合は、「一度かっちりと固まらなかった」と言うことになるわけで、水晶の成長具合と速度を考える上では、おもしろい題材になりそうです。
2007/06/03
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「懲りない石好きの新宿ショー行き」とは、もしかしたら、「飛んで火に入る夏の虫」と同じ意味なんでしょうか。行ってきました、無事、ショーの餌食になってきました。餌食にならないはずがない。(←もはや開き直りの境地)私の新宿ショーとは、たいてい1日目は、新発見の石や珍しい石さがし。2日目以降は、お店の隅つつき……となります。探すレベルというか、見るポイントが違うので、初日に買ったから……とはならないのですね。全く困った。逆に、買い損ねたら悔しい石を無事ゲットしたあとなので、2日目だというのに集中力アップ。石探しの目は今日も快調です(笑)。さて、お店の隅つつきモードに入ると、見慣れた種類の石でも「この石のここがスゴイかも!」……と、まさに石の特徴のピンポイントをつつくことになります。そのうえ、やはり会場で自然集合してしまう顔見知りの石好きさんも、同じような状況なので、相手に薦め、薦められ、自分の目だけでなく他人の目まで借りて石探し。「買おうか、どうしようか」と相談しても(されても)返事は間違いなく「買っちゃえ~♪」なので、見つけたらそのあとは、自分で悩まなくてはなりません。初日に一通り見たはずなのに、興味をひく石は引きも切らず。アフガニスタンの、まさしくローズ・ピンクなローズクォーツもありましたし、(スモーキー・クォーツの上に、濃いローズクォーツ!) 非研磨のガーデンクォーツが一つ1000円とか、ギラライト(ジラライト)入りのルースとか。雷水晶も何店か扱っていて、選び放題の雰囲気。惜しいのは、例年あやしさと疑惑を振りまきつつ、時に掘り出し物を提供してくれる中国のお店が少なかったこと(たぶん)。見るからに現地からの直接買い付けで、卸風の店なのに、まるでセレクト小売りショップなみの高値を付けている店が増えたこと。しかしながら、やはり、ミネラルショーは石を見る目勝負、体力・根気勝負。見慣れたアメジストでも、エッグの中にっじつはくっきりファントムとか、(ちなみにファントムありもなしも同じ値段)インドの丸玉コーナーに、実は見慣れない石とか。ミネラルショーに足を運んだからには、普段買えない石、見ない石を探すのも、もちろんありですが、見慣れた石の、新たな魅力を発見するのもありなのです。そんなわけで、原石未加工派なのに、ショーでは磨きものの数を増やしてしまいます。磨き派の人は、この機会に原石を。原石派の人は、磨きものを。ちょっぴり冒険してみるのもいいかもしれません。最後に、昨日のショーでビーズを……発言、失礼しました。私が見かけたのは、ビーズの1000円均一コーナーでした。そのコーナーの上の棚の石をのぞきに行って、判明しました。1000円均一なら確かにお得で人気でしょう。ミネラルショーと言うだけあって、ビーズを売るショップは少数派。ビーズ以外の石と比べて選択肢も少なく、1000円均一だとは思わなかったので、ショー価格というのも意外にないし、種類と質と価格を天秤にかけたら、あまり得でもないかも……と思ってしまったのです。逆にラリマーやシャーマナイト(ブラック・カルサイト)は、専門店が出店してきているので、実物を見てしっかり選ぶには良いチャンス。インド店さんでは、インドが産地であるラブラドライトやムーンストーン、カーネリアンなどのビーズが選び時であるように思います。天然石の大ぶりなペンダントヘッドは、かなりお得かも。さりげなーくピンク・ラブラドライトが混じっていたりもします。あ、アクセサリーで、つい、欲しいかも……と思ってしまったのは、アメジストのクラスターを、下の瑪瑙の部分ごと使って作ったくりぬき指輪。アームの部分が瑪瑙、指の上にくる指輪の飾り部分がアメシストのクラスターです。ごついと言えばごついんですけど、つぶつぶしたアメシストがなかなかかわいく美しい。あまりにも非実用的そうだったので買いませんでしたが……。
2007/06/02
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そのほか見覚えていた物を思い出すままに……。オレンジ・ルチルと称される、従来の金ルチルよりもオレンジっぽいルチルの未研磨石や、リチウム入り水晶をころころと置いている店あり。そこのお店の「エンジェル・クォーツ」なる、白~黄色の角閃石ファントム入り水晶がちょっとおもしろいかも。ゼブラロックは今年も売られていました。今年はビーズもあり。アトランティサイトは、ちょっと値上がり?ネックレスにするようなセットのビーズがありましたが、これは予想以上に高すぎ。インドのお店もいくつかあって、その年によって沸石が豊富だったり、磨きの石がおもしろかったりするのですが、今年はぱっとしません。ビーズを売っている店もいくつかあって、そこではビーズを大量買いしているお客さんがたくさん。ミネラルショーでビーズを買わなくても……と、思ってしまうのは失礼でしょうか。KURO的には「触像ヒマラヤ水晶」、ネットでは「ヒマラヤ・アイスクリスタル」とか呼ばれている水晶は、今年は小振りな物がいろいろと。ああ、去年は安かった。たぶん、明日以降じっくり隅々までチェックすると、それなりにお買い得な品がいろいろいろいろあるのでは。明日も水晶アップリケ鞄を持ってうろついておりますので、見つけた方は声をかけてくださいね。……人が多すぎて、誰も鞄まで見てないような気がするんですが。
2007/06/01
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行ってきました! 新宿ショー!朝イチで駆けつけるはずだったのに、急用にてお昼からの参加でした。午前中に目印の水晶鞄を探してくださった方がいらっしゃったら、ごめんなさい。で。ちょうどお昼頃に会場入りしてみたものの、人、人、人ッ!!!!しかも去年に続いてブースの場所が移動しており、あの店は来ているのかいないのか、あるはずのあの店はどこにあるのかが、ビミョーにわかりません。私としては、買うぞ買うぞ、あれを買うぞという捕獲予定品があるような、ないような状態なので、まずは、人をかき分けかき分けかき分けかき分けかき分け……マジメな話、石を見るよりも、人をかき分けて移動することで体力使います。ふう。ただ一つの幸いは、去年の初日よりも幾分気温が涼しく、会場がゆであがりそうな蒸し風呂状態にまではなっていなかったこと。それでも結構暑いので、水分補給をお忘れなく。話はもどって人をかき分けかき分けかき分け、いつもなにがしかの戦利品があるお店をまずはチェック。うーん、あんまり元気がありません。移動しながらさらに捜索範囲を拡大。東京国際ミネラルフェアは、新規参入が難しいと言われていて、たいていは毎年同じ顔ぶれなのですが、個人的理由で休んだお店や、パワーストーン系のお店がはずされたこともあり、昨年のショーは場所と顔ぶれに若干の移動がありました。それに続いて今年も、幾分お店の顔ぶれが違うような。その割に目をひく石がないのは、ちょっと悲しいです。あ、私の目をひく石ということであって、他の人が見たら、ちがう感想を持たれることでしょう。そんな中で、やはり頼りになるのは石好きさんネットワーク。こんなに混雑している会場でも、不思議と顔を合わせるもので、無事に遭遇、そしてすてきな石があったと教えていただきました。結果……今日の新宿ショーは、私にとって「モロッコ・デイ」。やるな、モロッコ石、と唸ってしまいました。一部石好きさんをわくわくさせた石は、ローゼライト、および、ローゼライト入り水晶。メキシコ産のローズピンクのグロッシュラー(ガーネット)もローゼライトと呼ばれますが、今日のローゼライトは、カナダ、ドイツやモロッコが主な産出国であるという、「ローズ石」。その名の通り、濃いローズピンクのあでやかな石です。ローズ石単体でも、なかなかに美しい石なのですが、その上をドゥルージー状の水晶が覆うと、水晶越しにローズピンクが透けて、何ともかわいい。あまりのかわいらしさに二つも買ってしまった私……。そしてもう一つ、「Cobaltolotarmayrite」という、酔っぱらったような名前(注:お店の人が何度も読んでくださったのですが、どうにもなんだか酔っぱらっているように聞こえてしまう名前)の赤い鉱物が入った、やや妖しげな雰囲気のカルサイト。そのほかに買った石も偶然モロッコ産だったので、まさしく、今日は「モロッコ・デイ」。
2007/06/01
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