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またもや、ブレスです。試行錯誤、続行中です。前に作ったブレスをほどいてやり直そうかと思っていたのですが、しばらく時間をおいて、眺めたり身につけたりしていたら、あれはあれでしっくりまとまってきたように思われたので、新たにもう一つ組みました。テーマは同じく「ヒマラヤ山脈」そのために、使ってみたい石がありました。足を伸ばして探してみたのですが、見つからなかったので、はじめてビーズの通販してみました。使いたかった石は、これ。国内サイトでは、ゼブラ・ジャスパーとして紹介されていましたが、ジャスパーというより、サーペンティン。ビーズでサーペンティンというと、このような半透明のグリーンが美しい、ニュージェイドとか、オリーブジェイドとかいわれる石が思い浮かびます。もちろん、ジェダイト(硬玉)ともネフライト(軟玉)とも違う、翡翠とはまったく違う石です。サーペンティンとはいろいろな鉱物を含むグループ名で、写真のような「ニュージェイド」はbowenite(ボウナイト)というのだそうです。サーペンティンとは、たとえて言えば、ラブラドライトをもっと大きなグループ名である「長石です」と言っているようなものなのです。しかしながら、最初の写真の濃緑色に白い縞がある石は、サーペンティン「蛇紋石」ではなくて、サーペンティンを主成分とする「蛇紋岩」である可能性もあります。白い縞の部分は、ちょうど白いターガー・アイといった趣の繊維質の輝きを持っていて、石を動かすと光の筋が動きます。蛇紋岩の一種には石綿状になるものがあり(トレモライト/白石綿)、蛇紋岩中に脈状に産出するそうなので、これがそうなのかもしれません。濃緑色に銀という組合わせながら、セラフィナイトとは全く印象が違います。硬質で、野性的。石……と言うよりも岩。この質感を使いたかったのです。ヒマラヤという巨大な岩の塊を……大地の欠片をイメージするために。さらには、もう一つ石に込めたイメージあがるのですが、いまいち旨くブレスレットに組み込めていないので、また今度。
2007/01/31
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ストロベリー・クォーツと呼ばれる水晶があります。一般にゲーサイト(針鉄鉱)が内包されて赤くなっている水晶のことです。最近では、レピドクロサイト(鱗鉄鉱)が内包されている水晶もストロベリー・クォーツと呼ばれているようです。一方、チェリー・クォーツと呼ばれているガラスビーズがあります。クォーツと名前が付いていても水晶ではなくてガラスです。ピンク色が溶かし込んだようにまだらに入っていて、見た目とてもかわいい感じのビーズです。困ったことにこのチェリー・クォーツ(ガラス)は、堂々と「天然石ビーズ」の一角で売られていて、天然石と間違われます。ストロベリー・クォーツ(水晶)と勘違いされたり、ガラスなのに「ストロベリー・クォーツ」の名前で売られていてさらに混乱を拡大しています。私個人としては、ストロベリー・クォーツとはカザフスタンかメキシコ産の繊細なゲーサイト入りのふんわり赤い水晶のことを指していいたいです。最近では、インドからもかなりストロベリーな石が出るようになってきましたが、スモーキーが混じって、色味が暗くなるものがあるので、(カザフスタンでもスモーキーがかったのがあるけれど、それでもピンク)色味が明るい赤であればストロベリー・クォーツと言ってもいいかもしれないと、やや規制緩和(笑)。レピドクロサイト入りについては、個人的にレピドクロサイトならファイアー・クォーツか、またはハーレクイン・クォーツと区別しています。レピドクロサイトだと、オレンジ色……というか茶色っぽくなるんですよね。レピドクロサイト入りを含めるならば、結晶が小さく、繊細な感じに色づいているものを希望。先頃、思いあまってチェリー・クォーツ(ガラス)のビーズを買って、根性マクロで写してみました。見分け方の参考になればと思います。まず、チェリー・クォーツ(ガラス)ガラスだというのに、天然っぽく色づいています。アップ。ルーペで見ると繊維状にも見えるのですが、水に絵の具を垂らしたような、もやもやした感じです。よーく見ると気泡が入っているものも多いです。水晶では、こんな感じの気泡は入りません。さて今度はストロベリー・クォーツ(水晶、インド産)かなりストロベリーだなーと思ったルース。アップ。細い細いゲーサイトが内包されています。細くてもチェリー・クォーツ(ガラス)と違ってぼやけません。ピンクというより赤い色合い。角度を変えたアップ。ゲーサイトは光に反射してキラキラします。チェリー・クォーツ(ガラス)はキラキラしません。こちらはカザフスタンの「正統派」ストロベリー・クォーツ。まさに、いちごのかわいらしさ。原石でもかわいい次。レピドクロサイト入り。マダガスカル産ゲーサイトとは微妙に色合いが違うのがおわかりいただけるでしょうか。赤というよりオレンジ、茶色系統。結構ごつく見えます。ごついストロベリーって……ちょっと。
2007/01/30
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先日のブレス以来、またもや物作り熱再燃中です。ちょっくらおつきあい下さいませ。最初のブレスには「ヒマラヤ山脈」というテーマを決めたので、今度のブレスにもテーマを決めてみました。作りも作ったり一気に4つ(笑)。テーマは「ラピス・ラズリ」です。ラピスラズリを使っているからテーマがラピスラズリなのではなくて、ラピスラズリという石の歴史や人と共にあった時間のイメージで作りたかったのです。使った色は青と金の2色のみ。ラピスラズリの1センチ玉とさざれ、ほそ~い四角ビーズ、ラピスラズリ色のガラスビーズ、5ミリのルチル入り水晶と真鍮のビーズとパーツです。さざれと真鍮ビーズ&パーツは、アジアン雑貨の店で買ったブレスやネックレスをばらしました。私が作るブレスは、石以外の材料率が意外に高いみたいです。シンメトリー&規則性と同じく、石だけで作ることにはこだわりません。石がデザインの中にとけ込み、かつポイントとなっていればいいや、という感じです。ところで、シンメトリー&規則性にはこだわらないと言っておきながら、今回のブレスはシンメトリー&規則的。石ブレス=シンメトリー&規則的とはかんがえていませんが、このラピスラズリブレスでは、シンメトリーで規則正しいデザインでなければならなかったからです。ラピスラズリは、その深く輝く色合いに惹きつけられた人々によって、加工され、さまざまな人を飾り、交易品として共に旅し、祈りの道具や場所を彩ってきました。結晶ではなく(まれに結晶もありますが)、塊状で産出するということもありますが、長きにわたってさまざまに加工されて、人々と共にあったのだということを考えると、シンメトリー&規則的という、恣意的なデザインがふさわしいように思われたのです。同じような理由で人工物である真鍮やガラスビーズをたくさん用い、色を合わせることでとけ込ませました。ガラスの青と、ルチル入り水晶の金色は、決して質が高くはないラピスラズリの色と輝きを補うためと、ラピスラズリにあこがれた人の思いをイメージさせるため。1本ずつでも、さざれと細い方をそれぞれ対でつけても良いように、デザインの共通性を持たせ、2種類のデザインを2本ずつ作ることで、4本一度につけても、全体のバランスがとれるようにしてみました。問題は、4本つける機会があるかどうか。……ダメじゃん(笑)。
2007/01/29
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旧写真倉庫のサービス終了により、ブログのプロフィール画像がなくなっていたので、新しく作ってみました。
2007/01/29
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ロードクロサイトです。親指と人差し指で輪を作ったくらいの大きさの母岩に、ちょっと色が淡めの、しかし透明感は抜群の結晶がぎっしり♪最初に見たときは、「アメシストクラスターがピンクになったみたい」と思いました。ロードクロサイトは、ビーズや磨きを欲しいとは思えないけれど、結晶は美しくて好きです。もろくて壊れやすそうで、実際もろくて扱い注意。この石の結晶はそういう石の印象と性質そのままで、だから結晶の方が好きなのかも。いくらきれいでも、傷が付きやすくて、水がダメ、しかも恋愛系の石という強烈なイメージつきの石は、ビーズで持つにはちょっと……。ロードクロサイトでいつか欲しいと思っているのは、国産の、青森県は尾太鉱山の、しかも色が鮮やかなもの。母岩や水晶の上に鮮やかな薔薇色の層が被さっているような感じで、その採集現場では、一面沸々と煮えたぎっているような鮮やかな赤い色合いに覆われ、一種異様な雰囲気だったと言われている石です。ミネラルショーで一度実物を見たのですが(すばらしいお値段!)、煮えたぎるようなという描写がさもありなんと思わせる迫力ある石でした。
2007/01/28
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先日、別館サイトの新コーナー増設中と書きましたが、いまだに作り続けてます。例によって、めざせ「数だけでも一番!」をコンセプトにいろいろいろいろ情報を集めています。……で、アイコンも増えてます。最初のに比べて、だいぶ変なところまで踏み込んでいるのがおわかりいただけるでしょうか。いや~、ふつう目にする浄化の方法って、一部分なんですね……。浄化に使えるという「水晶の粉」があったりするとか、12時間石を凍らせて水で流す方法とか、風水の七星陣(ダビデの星を描いたプレート。各とんがりと図形の真ん中の計七か所に石を置く)で、石を置く方向で効果が変わるとか、動物のそば(特に猫)のそばに置くとよいとかヘマタイトやカーネリアンのタンブルでも浄化できちゃうとか……はじめて知りました。浄化方法としてメジャー(?)な、セージを焚いて煙に石をくぐらせる方法にしても、ネイティブアメリカンの浄化の儀式と説明されていることが多いですが、儀式の場を浄化するという意味の他にも、煙にのせて父なる空に祈りを届けるという意味があるとか、土に埋める方法では何ヶ月単位で埋めてもいいと説明しているところがあるとか……方法ありすぎ(笑)。いや、これだけ方法がいろいろあるということは、、いろいろな人が、浄化について考え、模索してきたということなのでしょう。どの方法が正しい、正しくないというのではなく、自分にとってどの方法が効果があるかを考えること、選んだ方法を実行して、効果があるかどうかを見極めるために、石をじっくり見つめることこそが大切なのかもしれません。海外サイトを見ていて、思わず「その通り!」と膝を打ったのは、「浄化とは精神的な儀式である」と説明していたことです。石ではなく、実は石を通じて自分の心に働きかけていくことなのだ……という説明を見つけたときは、思わず大きく頷きました。(注:KURO的意訳)石の浄化という考えは、アメリカなどで行われていたクリスタルヒーリングの分野から取り入れられたようです。もちろん日本でもクリスタルヒーリングは行われていますが、パワーストーンの分野にも浄化という考えは取り入れられています。しかし、アメリカにおけるクリスタルヒーリングと、パワーストーンとは似て非なるもの。そこに同じ「浄化」というアイデアが入り込んだとき、どこかで考えのズレが生じているようにも思われます。私自身は浄化をしませんが、浄化の意味、それがどういうイメージのもとで行われるものであるのか、形式ではなくて、内面を考えてみることも大切なのだと思いました。
2007/01/27
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先日作ったヒマラヤ・ブレス、さっそくバラしてしまいました。なんと、バジュラ・パーツがぽろり……。部屋の中だったからいいようなものの、外だったら行方不明です。そうも、パールにくっついていた丸カン(金属の輪)がとても軟らかい素材だったので、あっさり曲がってゴムから抜け落ちたようです。うむむ。これではイカン。やっと、探していたビーズを見つけて注文したので、届いてから組み替えを……と思ったのですが、今のままのビーズでいじってみました。どこがどう変わったのかわかりにくいので、比較画像もひとつ。ガネーシュのクリアビーズが3つ並んでいたのをちょっとばらし、カーネリアンの位置を移動、スモーキービーズもばらけています。目指したのは、規則性があるような無いような並び。メインのビーズを中心に左右対称だったり、一定の規則で石の並びを繰り返しているものが多いウェブショップなどで見かけるブレスレットとは、対極のデザインです。そもそも腕にはめてしまえば、全部のビーズを一度に見ることなどないですから、左右対称だったり、規則性がある並びは、あまり興味がありません。それよりも見る角度によって表情が違うことや、規則性をださずに、かつ、おさまりよい組み合わせを考えるのが面白いです。「ブレスレットは、腕に着けるグリッドだよね」という、知り合いの石好きさんの言葉が好きです。グリッドというものが何であるか、正しく理解できているかどうか心許ないですが、イメージを形にする、あるいは形にすることでイメージを明確にする。もしくは、形にできるよう、自分のイメージに……心の中に集中する。そういうことならば、いろいろ試行錯誤もいいんじゃないか。規則性を廃したのは、テーマである「ヒマラヤ山脈」とはそういうものであると思うから。私が頭の中で考えていることをあっさり越えたリズムを持っていると思うのです。規則性があるような、無いような。こんな小さなブレスレットにおさまるだけでは、欠片もとらえられなくて、もっともっと長くなれば、思いがけない規則性を持っているかもしれないような。そんなことを考えていたら、「ここが規則的に交互になっているのがいまいち」「これではバランス悪すぎ」とやり直すことなんと4~5回。ちょっぴりこだわってこんな感じになりました。新しいビーズが届いたら、やっぱりもう一度組み替えます。
2007/01/26
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か~な~り古い石です。たぶん、自分石好きだと自覚するより古いんじゃないでしょうか。ものは、ご覧の通りのアメシスト。タンブルになっているアメシストは、透明感があって濃いめの紫一色というのは意外に少なくて、色が薄かったり、濃いとこの石のように不透明度が増します。濃いめ不透明タンブルは、写真のようにさまざまに色合いを変えながら成長していった軌跡が層になって残っています。まあ、言ってみればファントム……ということになるのですが、模様を見ている分にはファントムと言うよりギザギザ縞模様。このようなアメシストに、実は呼び名があったのだということを知ったのは、意外に最近です。こういうギザギザ縞模様のアメシストを「シェブロン・アメシスト」というのだそうです。「シェブロン?」たしか、そんな名前のビーズがあったはず。さっそく検索してみると、確かにビーズにもシェブロンがあり、シェブロンという石油会社があり……パソコンのメニューバーにある「>>」もシェブロンと言うらしい。……想像するに、多分シェブロンとは、私が最初に形容したように「ギザギザ縞模様」……というような意味なのでしょう。ギザギザであるのは、これがアゲートなどではなく紛れもなく水晶だから。ギザギザは、結晶の形をかたどっています。原石も見たことがありますが、かなり大ぶりで、透明度は低く、表面はマットな感じになっていて、ダメージもたくさんあるものでした。だからこそ、原石ではなくこういうタンブルに加工されることが多いのでしょう。タンブルも、原石の状態のものを見ることができれば、なるほどなるほどとわかることも多いです。できうるならば……お店の方にお願いが。「シェブロン・アメシスト」などと聞き慣れない(であろう)名前で表示するのであれば、それが地名なのか、別の意味の言葉なのか、ひとこと説明があれば、うれしいのですが。
2007/01/25
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別館サイトのトップページをリニューアル。My Stonesに10点追加。Glossaryも相変わらずちょこちょこいじってます。
2007/01/24
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昨日に続いてガネーシュ産ヒマラヤ水晶です。今度はやや大きめ7センチ。KURO的分類によれば、ずんぐり系のクリアタイプ。表面がややフロスト状に見え、そこが逆に氷のような雰囲気を作り上げています。錐面には、↑のように「▽」に見えるようなくぼみがいくつもあるのですが、私が見るところでは、この「▽」は、蝕像ではなく、結晶の埋め残しによる▽なので、個人的にはトライゴーニックには分類しません。接合線びしばしのカテドラル……と言えるような言えないような複雑な側面の表情、ぴしっとしたエッジ。ずんぐり系に分類しながらも、厚みは意外になくて、タビーではないけれど平たい感じの結晶です。……そこでふと思いつきました。昨日の水晶と似ている。大きさは違いますが、ひとつひとつの特徴をあげていくと、何だかとても似ています。もしかして、似たような場所から採れたのでは……?たまたまクリアで平べったいというよりも、すんぐり系・クリアタイプの平たいバージョンとでも言うべき、そういう水晶の仲間があるのでは。そんな気がします。
2007/01/24
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クリアなガネーシュです。大きさは2センチちょっととミニサイズ。無色透明で小さいにもかかわらず複雑にでこぼこした表情を持ち、緑泥の付着やインクルージョンは全くありません。そのため、内包物やわずかな色合いなど、さまざまな表情を持つガネーシュ産水晶の中では、逆にちょっと目立つ石です。さらに、ここまで透明でシャープなエッジを持つなら、鋭くきらめくはずなのに、ごくわずかにふわりと白っぽく見えるあたりも目立ちます。緑泥石鉱脈から出るらしいとんがり系結晶と、接合線があり、透明なものが多いずんぐり系結晶に分類するとすれば、これは間違いなくずんぐり系。しかし、ずんぐりという言葉とは裏腹に、どちらかというと厚みは薄く、例えるならばやじりのような形をしています。小さいけれど、きらりときらめいて眼を惹きつけ、他とは違う表情で、心を捉えて離さない。ヒマラヤ水晶の中でも「他とは違う石」を探しちゃう私って……。
2007/01/23
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実に久しぶりにブレスレットを作りました。前回作ったのが2005年末でしたから、何と一年以上前です。(2005年の池袋ショーに付けていって「にや~っ」とされた覚えが)やはり原石派石好きには、ブレスが遠い。今回作ったブレスレットは、11月の別館サイト2周年にむけて星座の石やチャクラの石について調べていたときに作りたくなったもの。思いついたテーマは「ヒマラヤ山脈」ヒマラヤ・ブレスを作るなら、ヒマラヤ水晶ビーズを使えば良さそうなものですが、それだけでは「山脈」にはなりません。アレとアレとコレと……入れたいビーズ、作りたいデザインを思い描きつつ、地道にパーツを集めること数ヶ月。まだ最後のビーズを手に入れていないのですが、とりあえず作ったのが写真のブレスです。つまり、これは「未完成確定」のブレスなのですが、いろいろ試行錯誤して、何度もビーズの順番を変え、パーツを差し替えて作ったので、途中経過の記録として載せてみました。最後のビーズを手に入れたら、たぶん一部のビーズをごっそり入れ替えるかもしれないし、このブレスはそのままにペアとなるべきブレスを作るかもしれません。使ったのはクリアなヒマラヤ水晶ビーズ(ガネーシュ産)とヒマラヤ・スモーキー(ガウリ産)、カーネリアンとシルバービーズ、シルバーではないメタルビーズ、メタルのバジュラ(金剛杵)パーツ、そしてベルチットというネパール・インドの木の実ビーズです。テーマは、すでに申し上げたように「ヒマラヤ山脈」……のはずが、ビーズがそろっていないので山脈未満。例によって、脱・数珠デザイン、めざせ左右非対称です。結果……思ったよりも左右対称度が高い……かも。予想以上にベルチットがいい味を出してくれました。これならカーネリアンをはずしてもいいかもしれません。逆に扱いが難しかったのがカーネリアン。アクセントとして、そしてイメージ上のバランスととるために入れたのですが、若干透明度があって、カーネリアンよりも落ち着いた色合いの石があれば……。うーん。ブレスには1センチ玉を使うことが多いのに、ヒマラヤ水晶では大きなビーズが作りにくいそうなので、ガウリのスモーキー・ビーズは6ミリ。ビーズの小ささによるボリュームを補うためにあえてペンダントヘッドであるバジュラ・パーツを入れたところ、これがおもりになってブレスが回転しにくくなりました。おもりがないと、たぶんガネーシュのクリア1センチ玉が重みによって手首の内側に回ってしまうでしょう。それが、このバジュラのおかげで手の甲側から動きません。あえてバジュラを手の甲側にして付けても良い感じです。んー、今のところ80点。気長に完成を待つとしましょう。
2007/01/22
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昨日の石会に持っていった石のひとつがコレ。直径4センチほど……と、丸玉としてはやや大ぶり。ベースとなる水晶部分には、ルチルと思われる繊維状の結晶が太いものも細いものも混ざり合ってぎっしり内包されて、ほんのり黄色っぽく見えています。そこに、やや褐色を帯びた緑色の、緑泥と思われるものがご覧のように斑点状というか、ぽつぽつぽつぽつと内包されております。……という具合なので、「ヒョウ柄水晶だよ」と出したところ、意外に不評。「金魚のフン?」「掃除していない水槽?」「きれいじゃないかも……」そ、そうかなあ……?「掃除していない水槽」説は、言い得て妙な形容なので、私としても「それはそうかも」と思ってしまったのですが(笑)。それはさておき、この内包具合も、どのように出来上がっていったのかが不思議に思える水晶です。ルチルの内包は、最初にルチルがわさわさと結晶していたところへ水晶が結晶したのだと考えることができますが、(繊維のように細いルチルが、水晶に覆い尽くされるまでそのままでいたというのも不思議です)ぽつぽつと内包された緑泥は……?これがファントム状に、つまりかつての結晶の表面状にくっついていた状態であればわかりますが、そうではありません。どうやったら、こんな風にランダムに「浮かんだ」感じになるのでしょう。小さな結晶が層を重ねるように徐々に大きくなっていったと言うよりも、ゼリーが固まるようにある程度の大きさの結晶がぶよぶよ軟らかい状態を経て、大きく固まったと考えた方が納得できます。結晶の形を残した水晶と、塊状の石英では、実は結晶の仕方が違う……ということはないのでしょうか。
2007/01/21
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今日は、某石好き先輩のところで、石好きさんの集いがありました。出かけたついでにちゃっかり石屋をチェックし、石会の会場へ。私も含め、8名の石好きさんが自慢の石を持ち寄りました。たちまちテーブルの上には石がひしめき、石の話題が飛び交います。楽しかった~!8名がそれぞれ石を持ち寄っても、ひとつとして同じ石はなく、それぞれに違う傾向の石だというのは、さすがというか、何というか。他の石好きさんの石に混じった自分の石を見てふと思いました。「今度から、『きれいな石』も買おうかな……」おかげさまで、すっかり「KURO=変な石」という図式が定着していますが、やはり、きれいな石を見せていただくと心揺れちゃう、懲りない石好き。でも、たぶん目の前に石があったら「変な石」を買っちゃうんだろうな……。
2007/01/20
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紅水晶です。クォーツというと結晶の形をしていても、塊状でも「クォーツ」ですが、「水晶」は、結晶の形をしているもののこと。つまり、ローズクォーツの中でも、結晶の形をしているものが「紅水晶」、塊状で産出し、磨いていろいろな形に加工されるものが「紅石英」です。(塊状で産出するタイプのことを「結晶していない」というのは正しくありません。あれでもちゃんと結晶しています)……ま、厳密にはそう言うことになっています。ローズクォーツの中で結晶の形をしているものはとても少ないです。これまでは、ブラジルで僅かに産出するだけだと言われていましたが、最近では、アフガニスタンやアメリカなどでもわずかに産出していることがわかってきました。さて、今回の写真は、ブラジル産です。私がはじめて買った紅水晶です。やけに立派なクラスターに見えますが、実は、ちょっと寝そべり加減で厚みの薄めなものをミネラルタック立てて撮影しています。さらに、全面がピンク色ではなくて、先端部分は色がほとんど無く、さらに先端はちょっとスモーキーがかったりもしています。そういえば、こちらのへんてこローズや今回のローズクォーツのように、ローズクォーツとスモーキーが一緒になっているものはあります。スモーキーシトリンと言われるように、スモーキーとシトリンも仲が良いです。エレスチャルに見られるようにスモーキーとアメシストもまざります。しかし……よーく思い出してみても、ローズクォーツとアメシスト、ローズクォーツとシトリンがまざっている石は……ないような。たまたまそういう条件がそろわなかったのか、アメシストやシトリンの発色の原因である鉄イオンが何か関係してるのか。もしかして、世界のどこかにはアメシスト+ローズ、シトリン+ローズという水晶があったりするのでしょうか。
2007/01/19
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グリーン・ヒューランダイト2号です。1号は、愛知万博のキャラクター「モリゾー」に化けられそうなもこもこコロリとした形でしたが、今回の2号は、ヒューランダイト(輝沸石)らしい、ちょっと湾曲した菱形の結晶です。ぷちぷちとくっついているのはスティルバイト(束沸石)でしょうか。色も、1号は深緑ですが、2号は浅い抹茶グリーン。光沢も1号に比べて鈍いものの、色合いにふさわしい柔らかな質感です。最初グリーン・ヒューランダイトについて調べていたときは、その色合いは鉄によるものかもしれないという説を見つけたのですが、今回は緑泥石を内包していることによるものかもしれないという説を見つけました。今回の写真の石の色合いや質感を見ていると、緑泥石の内包による色合いだという説の方があり得そうです。普通、ミネラルショーやショップで見かけるヒューランダイトは、インド産が多く、アポフィライトやスティルバイトなど、他の鉱物と共生していて、ちょくちょくスティルバイトと間違えられます。困ったことに、鉱物ショップでも間違っていることが多いので要注意。ヒューランダイトを見分けるポイントは、上でも書いた湾曲した菱形の結晶の形。複雑にくっつきあったりしているとなかなかわかりませんが、スティルバイト(束沸石)の代表的な形と、ヒューランダイト(輝沸石)の形を覚えておくと、何となく見分けが付きます。ヒューランダイトは、ほぼ透明なもの、淡いピンクのもの、赤っぽいオレンジ色など、いろいろな色合いがありますが、なぜか緑のものが好きですね。しかし……スティルバイトにも緑色があるので、悩むことがあります。
2007/01/18
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またもや別館サイトで新コーナー計画中です。そのためにイラスト……というか、アイコンを作っていたら、これが以外に面白くてノリノリ♪ついついたくさん作ってしまいました。これはその一部です。さて、どんなコーナーを計画しているのでしょうか?
2007/01/17
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ペンダントヘッドです。ロードナイトです。ロードクロサイト(菱マンガン鉱)ではなくてロードナイト(ばら輝石)。しつこく言うのは、このペンダントヘッドは、「色の濃いロードクロサイトですね~」と言われることはあっても「色の濃いロードナイトですね~」と言われることはないからです。ふつうロードナイトというと、シックなピンク色に黒筋がまざった落ち着いた色合いの石。それはそれで私としてはロードクロサイトよりも好みの色合いなんですけど、そのロードナイトに赤くて透ける結晶があると知って、探しているんですが、いまだ買う機会がなくて、その変わりにペンダントヘッド。見る機会は何度かあったんですが、二度ほど高くて見送り、(高い石であるのはわかっているんですけど、KURO基準に照らして高すぎたので)もう一度は……昨年末の池袋で、そこそこ透明感のあるスライスを見つけたのに……買うのを忘れてしまった!(値段を聞いていないので、あきらめた可能性もあり)もっとも、このペンダントヘッドも、鮮やかなのに深い色合いで、濃い色の服に付けても、浮くことなく負けることなく、色が沈むこともなくしっかり存在を主張してくれるところは気に入っています。困るとすれば、ロードクロサイトに間違えられることと、どちらにしても「恋愛系の石」というイメージで見られること。……そういうところには、価値を置いていないんだけどな。個人的には、ロードクロサイトよりも気合いの入った、力強く「熱い」色合いだと思っているのですが……。さて、ばら輝石という石は、輝石と名前は付いていても、リチア輝石(クンツァイトなど)と同じ輝石の仲間ではありません。最初は輝石だと思われていたものの、その後別の石であるとわかったのですが、名前だけはそのまま残ってしまったそうです。
2007/01/17
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ヒマラヤ水晶です。ガネーシュヒマール産です。KURO的に分類するならば、とんがり系結晶の緑泥付、角閃石入り。大きさは、かわいく2.5センチほど。ガネーシュ産としてはごく普通の特徴でいながら、何故かとても写真写りが良い石です。きっと、緑泥と角閃石のバランスが良いのでしょう。しかし、エッジもシャープできりりと透明度も高いのに、こちらの背筋まで伸びるような厳しさではなくて、どことなく日だまりでくつろぐような、柔らかな雰囲気。ヘンな石、ワイルドな石、ゴツゴツ厳しそうな石……が多い中にあって、ちょっと珍しめの穏やか系石という感じです。さて……先ほどから「角閃石入り」と繰り返していますが、そのせいでちょっと困ったことになっています。今まで写真の石のような針状の内包物を持つものを、なんの気なしに「ルチル入り」……などと呼んできたのですが、やはり、これはルチルではないだろうという結論に達しました。ルチルらしい結晶系も、金属光沢もなく、他産地のルチルと見比べても、ルチルらしくないのです。国産で「ススキ入り」と称されるものに似ていて、それらは角閃石入り、時にドラバイト(茶色トルマリン)入りだとされているので、ルチルではないとすると、角閃石の一種だろうと思うのです。(緑色のものはアクチノライト/緑閃石)ルチルと(ネパールのヒマラヤ水晶の)角閃石との見分け方は、以下の2点●光沢の有無 ルチルであれば、金属光沢があるものが多いです。 ガネーシュ産ではシルバー・ルチルと呼ばれている白い内包物がありますが、あれは金属光沢と言うより、真珠光沢っぽいので様子がちょっと違います。●結晶のしなやかさ ガネーシュ・ヒマール産に内包される角閃石は、ちょっと「ぼそぼそ」した感じがします。 草っぽいというか、「ススキ入り」と言われるとなるほどと思ってしまうような感じ。 ルチルは細くて長くしなやかに曲がっていたり、短い針状で内包されていても固くてシャープな感じのものが多いです。この観点で見ていくと、見れば見るほどガネーシュの「ルチル」はルチルっぽくありません。逆にこれはちょっと見分けが付かない……という、実は変わり種も見えてきます。ルチル改め角閃石。そこで困っているのが、過去の雑記。書き直すべきか、否か……。書き直すべきとは思うんですが、ブログとホームページ両方となるとけっこうな数。しかも、ネタ石がヒマラヤ水晶のところ以外にも書いたかも……。自分が書いた、量だけはたっぷりな雑文を前に、「めんどくさ~」……と怠け心が…………。
2007/01/16
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パキスタン産のアクアマリンです。これは確か、2005年の池袋ショーで「掘った」もの。のちに来るとは思っていなかった、パキスタン・アクアマリンの局地的個人ブームの先駆けとなった石のひとつです。あのときは、ナチュラルで、透明で美しいアクアマリンが手の届く価格帯でやってくるとは思ってなかったんですよね……。お値段も驚きなら(なんと3ケタ)、アクアマリンが「単結晶ではない」と言うことにも驚きでした。それまでアクアマリンというと、えんぴつみたいな六角形の結晶がころりと単独……というイメージしか無かったのです。いろいろな(私にとっての)驚きと、慣れないアクアマリンを前に、何をどう選べばいいのかどきどきしながら、おそるおそる選んだので、この石はとてもかわいい大きさ。結晶そのものは長さも直径も1センチ弱です。それでも結晶形は美しく、くっついている雲母は花びらのよう。アクアマリンの母岩はできれば石英希望ですが、こういう感じならば雲母もいいかんじ。
2007/01/15
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アデュラリアという美しい響きの名前を持つ長石(正長石の一種)があります。和名は「氷長石」。これまたいかにも透明で美しそうなお名前。さらに、「アデュラリアン・ムーンストーン」と呼ばれている、透明な中に神秘的な青い光が浮かぶ、美しいムーンストーンがあります。ついでに申し上げますと、ムーンストーンとは、正長石の中でカボションカットなどに磨くことによってシラーと呼ばれる月の光のような美しい効果が現われるものを言います。この効果のことを「アデュラレッセンス」と呼ぶ場合もあります。……とくれば、「アデュラリアン・ムーンストーン」は、アデュラリア(氷長石)の中でシラーが現われるものである。……と思って当然ではないでしょうか。だって名前が「アデュラリアン」ですよ?ところが、それが大間違い。しかも、アデュラリアンにムーンストーンはない。それがどうして「アデュラリアン・ムーンストーン」?まずはアデュラリア(氷長石)とはどんな石か。それが今回の写真です。実は、この石買ったときは正体不明でした。お店の人に聞いてもわからず、正体不明ゆえに500円♪なんといいますか、断面が細長い菱形(◇)の結晶がいくつもくっつきあったような形。透明度は全くないわけではありませんが、クラックだの層だのがたくさんあるようす。よく見るとビソライト(繊維状の緑閃石)が内包されています。水晶ではもちろんないし、カルサイト……ではなさそうだし、ドロマイトかな~? などと頭をひねっていたのですが、ある時、ネットでそっくりな石を発見。……え、氷長石?意外な名前に驚いて調べてみたら、断面が細長い菱形の結晶形は、間違いなく氷長石です。そのときはアデュラリア=アデュラリアン・ムーンストーンだと思っていた私は、あまりにムーンストーンからかけ離れた形にびっくり。もちろん、正長石でも不透明な石はたくさんあります。でも……氷のように美しいから氷長石で、アデュラリアン・ムーンストーンでは無かったの?さらに調べてみて、アデュラリアにムーンストーンが無いとわかってさらにびっくり。これは一体何ごと!?さて、ここでちょっとややこしく鉱物としてのムーンストーンのお話をば。なぜ、ムーンストーンにはあの美しい光が現われるのか?まず、長石という鉱物がちょっくらややこしいのです。長石とはグループ名で、その成分や結晶形によっていろいろな種類に分けられます。たとえば、ムーンストーンと呼ばれるシラーが現われる長石は正長石(オーソクレース)です。アマゾナイトはマイクロクリン(微斜長石)の一種で、ラブラドライトは曹灰長石。そのほかにも「アルバイト(曹長石)」だとか「オリゴクレース(灰曹長石)」「アンデシン(中性長石)」……書いているだけで頭がこんがらかってくるのでやめておきますが、とにかく、やたらとたくさんの種類があるのだとご理解下さい。ムーンストーンはその多くが正長石、つまりカリウムを含む長石ですが、純粋に正長石だけというよりも、いくらかナトリウムを含んでいます。(※インドやタンザニア産では、別の長石のムーンストーンもあるようです)このような長石は、結晶して冷えていくとカリウムを含む長石(正長石)とナトリウムを含む長石(曹長石)に分離し薄い層になります。層といっても顕微鏡サイズの非常に薄いもので、それがたくさん重なった状態になっています。この層の厚みがちょうど良く、さらにこの層状構造に対して平行にカボションカットすると、ムーンストーンのあの美しい光があらわれるのだそうです。大雑把に言うと、成分による層構造とその厚さ、カットの仕方がムーンストーンの輝きの大切な要素だということです。では、アデュラリアンにムーンストーンが無いというのは、この要素の何かが欠けているわけです。ここで重要な意味を持ってくるのが、最初の方でちょこっと書いた、アデュラリア(氷長石)はオーソクレース(正長石)の変種であるということ。私が調べたところによると、アデュラリアはほぼ純粋な正長石であるため、輝きのもととなる顕微鏡サイズの層状構造にならないのだそうです。ムーンストーンは、薄い薄い層状の構造によって光の錯乱や干渉がおこってシラー(アデュラレッセンス)と呼ばれる輝きが生まれています。その層状効果を持たないのでは、ムーンストーンになりようがありません。なるほど。では、アデュラリアン・ムーンストーンとか、アデュラレッセンスという、誤解されて当然のあの名前は……?これは、まだ、鉱物の成分をくわしく分析できない頃、アデュラリアン・ムーンストーンは、その透明さゆえに、氷長石だろうと思われていいたそうです。それにちなんでアデュラレッセンスという言葉も作られたのですが、のちによくよく分析してみたら、実は氷長石ではなかったのだそうです。とんだどんでん返しの結果ですが、透明度が高く青く美しい光を保つムーンストーンをアデュラリアン・ムーンストーンと呼ぶ習慣や、アデュラレッセンスという言葉は生き残り、私のような大誤解を生み出し続けているのです。ややこしすぎ。最後に。氷長石はムーンストーンとならなくても美しい石です。念のため。
2007/01/14
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いつも「掘らせて」いただくお店で見つけた、小さくて透明な石。水晶(石英)かとも思ったが、若干色味と割れ方が違う。さわったときの冷たさも、ちょっとだけ違う感じ。この産地で透明な石ってなんだっけ?……と思ってひねくり回していたら、蛍光灯を反射して光が見えた。あ、わかった。透明な中から、ふわりと浮かび出た青白い光。長石だ。ムーンストーンと言った方がいいのかもしれませんが、光を見つけた瞬間に浮かんだ名前は「長石」。思ったよりも「鉱物系」入ってます、私。さて、ちょっと堅苦しい話を続けます。ご存じのように「ムーンストーン」という名前の鉱物はありません。長石の中の「正長石(オーソクレース)」の中で、内部構造によって光の散乱が起こり、磨いたとき(あるいは原石でも)月光のようなふわりとした白や青の光(シラー)が浮かび出るものを宝飾の方面で「ムーンストーン」と呼ぶのです。ラブラドライトも長石の一種ですが、ムーンストーンとは成分が違う別の長石で、光が現われる仕組みも違っています。ですから、ムーンストーンとレインボームーンストーンを比べて、「光の色が青一色ならブルームーンで、他の色が混じっていたらレインボームーンストーンである」という言い方は、見分け方の面では正しいですが、石の成分としては間違っています。「レインボームーンストーンの青い光の部分だけを削ったらブルームーンストーン」という説明に至っては、全くの間違い。ブルームーンストーンとレインボームーンストーンは、もともと別の長石なのです。最近では、「ブルームーンストーン」と呼ばれている石の中でも本来の「正長石」とは別の長石である「ペリステライト」と呼ばれる長石のものが見つかっています。これは、どちらかと言うとラブラドライトに近い長石の仲間のようです。くわしく説明すると、かなりややこしそうなので、ここではちょっとパスします。話がズレましたが、ムーンストーンです。透明な中から、どこからともなく青い光が浮かび出るさまは、とても神秘的。磨いていないごつごつした石に光が現われると、それはもう不思議のひとこと。うまく磨けばルースがとれるかもと言われましたが、もったいないのでそのままにします。さて、2年ほど前だと思うのですが、私のまわりで「アデュラリアン・ムーンストーン」と呼ばれるムーンストーンが人気でした。たいていはアクセサリーに加工されていて、ほぼ無色透明な中に青い光が浮かぶ、美しいムーンストーンです。残念ながら私に会うサイズが無かったことと、どうも私の肌色にはムーンストーンの青い色が合わないようで、手に入れる機会はありませんでした。ところで、ムーンストーンが属する「正長石」の中には「アデュラリア(氷長石)」という変種があります。「アデュラリアン・ムーンストーン」を手にする機会がなかった私は、氷長石と言うくらいだから、アデュラリアというのは透明度が高い長石で、ああいう美しいムーンストーンがとれるのだろう……と、漠然と考えていました。そうこうしているうちにやってきたのが今回の石。透明な中に青い光が浮かぶ……これがアデュラリア?そう思って、改めて調べてみたら……違うじゃん。結果を言うと、今回の石はアデュラリアではありませんでした。アデュラリアン・ムーンストーンと呼ばれる美しいムーンストーンがあるというのに、同じ名前である「アデュラリア(氷長石)」は、ムーンストーンにならない長石だったのです。これはビックリ。ムーンストーンにならないアデュラリアはどんな石?……それは明日をお楽しみに。
2007/01/13
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インド産スコレサイトです。スコレス沸石と言った方が通りがいいかもしれません。しゃきっというか、しゅびっというか、透明で細い結晶がホウキのように結晶した特徴的な形をしています。時々無性に欲しくなるんですが、もろくてぽきぽき折れそうで、なかなか大型の結晶に手を出すことができません。ショーで見かけても、見かけたときは別の石が欲しかったりして、なかなかタイミングが合いません。このホウキ状結晶に、カルサイトなど他の鉱物がきれいにくっついた美しいものもあるので、いつも気をつけて見ています。今回の石は、5センチくらいの小さなもので、ミネラルショーにて500円。欲しいときには大きいものに巡り会えなかったりします。最近見かけてビックリしたのは、「スコレサイトのタンブル」。不透明白に半透明の筋が放射状に入っているもので、それを作るにはさぞかし大きなスコレサイトの塊が必要だったことでしょう。面白そうなのでこれも手頃なのが欲しいところですが、やはり手頃なものに巡り会えず……。2006年の池袋ショーでも探しましたが、あいにくとペンダントになっていました。できれば石のそのままのが欲しいと見送りました。見送って、次に見つけられるかどうかは賭ですが、「見つけられないかもしれない」と思って買ってしまうと、やはり思っていたような石が欲しくなって、もう一度買うはめになるので、これぞと思う石でないときは、ぐっとがまんしなければなりません。しなければならないんですけど……(笑)ところで、「クリスタルバイブル」の著者が書いている別の石の本でスコレサイトの写真に「スティーブナイト」と名前が付いていました。スティーブナイトは沸石ではないし、見かけはガンメタル色の金属光沢の鉱物です。そういうところで間違っていて大丈夫なんだろうか?
2007/01/12
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なんだか、画面に占める石の割合が最小なんじゃないでしょうか、今回の石。ブラジルはディアマンティーナ産のレーザークォーツです。ずいぶん昔にこのフォルムに一目惚れして買いました。長さも太さも、きれいに六角形の断面といい、これは、どうにもこうにも太めのえんぴつ。よくもまあ、こんなにスリムにすくすく伸びたものです。この石は根本が折れていますが、元はクラスターだったのでしょうか。こんな結晶がにょきにょきしているクラスターがあるなら、ぜひ見てみたい!多重に重なるファントムなどで水晶の成長の具合想像してみると、結晶の縦と横では若干縦方向の成長が早いようですが、他の水晶は結晶が伸びるほどに太さも増しているようです。でも、この水晶は、太るよりも伸びた、太くなる分長くなった感じです。太くなる結晶とこのように細長い結晶では、どこに違いがあったのか……これも不思議。けっこう初期にこういう石を買ってしまったので、私の中では「これがレーザークォーツ」という基準になってしまい、以後、「レーザークォーツ」として売られている石を見ても、「もっと細長くなければレーザーじゃない」「こんなの、普通のポイントじゃん」と、思ってしまうことが多々。ところが、ジェーン・アン・ドゥ氏の著書によると、レーザークォーツとは「タビュラーのように平たい」「側面が波打っているような感じ」もので、どこにも「細長い」とは書かれていません。添えられているイラストで「細長いものを言っているのだろう」とわかる程度です。「エネルギーが一方の端からもう一方へと流れている感じ」ともあるので、形は細長くても、レーザーとは言えない石があるのかもしれません。写真の石は、表面は僅かに波打っているような感じですが、平べったくないし、エネルギーの流れとやらに関しては、私には全く判別不能。さーてこれは、レーザーか否か。このような問題はしばしば持ち上がるのですが、ここで私は決めました。「自分がレーザだと納得できれば、レーザーということで決まり」注意していただきたいのは「○○と思えば」ではなく、「納得できれば」というところです。パワーストーン、あるいはスピリチュアルな分野では、イメージが大きな力を持ちます。石に力があるのではなく、石に重ねたイメージが人の心から力を呼び起こすのだ、とも考えます。つまり「これはレーザーなのか、もしかして違うかも」とイメージがふらついているよりも、「エネルギーを収束させて先端からレーザーのように放射する」というイメージにぴったりの形だから、これは「レーザー」と言っても大丈夫!……と、自分自身を納得させられれば、それはその人(この場合は私)にとってレーザーとなり得ると思うのです。要するに、「○○と思えば」と同じような意味ですが、パワスト・スピリチュアルからややそれて脇道を行く私には、これこれこういう理由で、と自分に対して説明しできなければ「これは○○で決まり!」と心おきなく言い切ることはできないので、やや堅苦しく理屈をこねることになります。「納得する」ということは、石の名称だけに留まりません。「この石を持ったら、何だか調子が悪い。石との相性が悪いのか、浄化が足りないのか」「どちらがパワーの強い石か」「良い石をどのように見つけたらいいのか」「あちらではこの組み合わせがいいと言われたが、こちらでは違うことを言われた」……などなど、たいていのことが「自分でこうだと納得できれば」解決するのではないかと思うのです。「聞いて知る」だけでなく「納得すること」。言い換えれば、自分の意識の中に落ち着き先を見つけ出すこと。石に心をつなぐだけの、イメージの基礎を築くこと。パワーストーンやスピリチュアルな石の楽しみ方は、イメージの分野の話ですが、ならば、もっと真剣にイメージの力を考えてみてもいいのではないでしょうか。たぶん正解などない、いろいろな石の説明に右往左往するよりは、とりあえずでも「自分の説(基準)」を決めて、心おきなく楽しんだ方が石のパワーを引き出すと思うのです。以前、石のパワーがわかる人に、我が家の「変てこ水晶」を見ていただいたら、「こんな水晶が弱いわけがない」と言われたことがあります。それは、たまたまその石にパワーがあったのかもしれないけれど、もしかしたら、「こんなに変てこでも、そこがいいのよ!」と自信を持って叫ぶことで、石のパワーが強くなってたりするなら、それもいいなあ……。
2007/01/11
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ワイルド水晶好きさんには、たぶん有名な産地……オレンジリバー産のスモーキーです。オレンジリバーは、アフリカ南部、南アフリカとナミビアの国境沿いを流れる川で、その周辺で産出する水晶を「オレンジリバー水晶」と呼んでいることがあります。地図で言うと、こんな感じですね。オレンジリバー産、またはオレンジリバー水晶といってもタイプはさまざまで、エレスチャルのようなものがあったり、色の濃いアメシストがあったり、中にはもしかして赤いペンキを塗ったんじゃ……? と、つい疑いたくなるようなヘマタイトの鮮やかな赤に彩られた水晶や、それがファントムになったものがあります。全体的には「土がついたまま」とでも言いたいような、プリミティブで大らかな水晶が多いので、ワイルド水晶好きさんにはたまりません。その例に漏れず、私もオレンジリバー水晶大好きで、いくつか持っているんですけど、どれも小さなものばかり。どうも我が家ではマダガスカル産にちょっと後れをとっているような……どうしてなんだろう、面白い水晶が多いのに。さて、今回の水晶は、やはり小さなオレンジリバー産水晶です。2006年に新たに発見されたそうな、透明感と照りに優れたスモーキーです。スモーキークォーツは、水晶(石英)としてはありふれたもので、僅かに色づいているものも含めるならば、産出量は無色透明な水晶に匹敵するか、もしくは多いのではないかと思われます。しかし、水晶として(つまり、結晶の形を残していて)形が美しく、透明度や輝きに優れたもの……、内包物や共生鉱物ぬきで、エレスチャルのようなものを省き、純粋に原石状態で観賞に堪えるスモーキーとなると、意外にその産地は限られているかもしれません。美しいスモーキーとして名高いのはアルプス産。産出量が多いだめに美しいものも出てくる、ブラジル産。そのほかとなると、私が知っている限りでは、ロシア、ウラル山脈のプイバ、パキスタン北部。話には聞くけれど、実際にきれいな原石を見ていないのがマダガスカル。もうちょっと規定をゆるめるならば、アメリカのコロラド、オーストラリア、カザフスタン、マラウィ。中国は、ガーネット付と言うことで有名ですし、ネパールのガウリシャンカールは、表面がいまいち美しくない。インドは、アメシストと混じったり、内包物の美しさで知られています。もちろん、ひとつひとつの石を見ていけば、他の産地でも美しいスモーキーがあるでしょうが、まとまって品質の良いものが出る所となると……。意外にこれが難しい。そこにこの度、オレンジリバー産が加わったわけです。この産地と、ナミビアなどでは、これまでにもエレスチャル状のスモーキーが出ていましたが、今回の産出はスタンダードなスモーキー。しかも照り良し透明度良しの美人石です。どれくらいの量が算出し、これからも安定して出回ってくれるのかどうかはちょっとはっきりしませんが、ツヤツヤきれいだったので、ついひとつ……。スピリチュアルな分野では、やれグラウンディングだ、第1チャクラだと、ちょっぴり地味で「縁の下の力持ち」的な扱いのスモーキーですが、透明度と照りに恵まれたスモーキーは、本当に美しい!その色合いにもかかわらず「光の石」とでもいいたい感じなのです。
2007/01/10
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水晶の中で何色が好き?……と、色の好みを聞かれたら、なんと答えましょうか。その色合いや表情は千差万別で、「○色」と即答するの難しいですが、たぶん、上位に来るのは黒と青。透明ももちろん捨てがたいですし、時に荒々しい表情を見える赤もいい。紫は、淡色と濃い色をまとめて「アメシスト」と言ってしまうのが惜しいほど。ヒマラヤ水晶でおなじみのクローライトが醸し出す緑色も、当然半分よりは上にランクインしそうです。そんな中で、意外にも下位に落ち着きそうなのが、ローズクォーツ。結晶(の形)をしていたり、アフガニスタン産だったりすると、見逃さずに飛びついてしまう可能性大ですが、これは、希少性と水晶にはあるまじき色合い(アフガニスタン産ローズクォーツにはむちゃくちゃ濃い色があります)などに対する興味が珍しもの好きのツボにヒットするからであって、「ピンク色かわいい~♪」……という理由では、あまり選んでいないのです。自動的にお店やショーでも「ローズ・クォーツ」を目当てに探すことは少ないです。だから、我が家の水晶の中では少数派……のはず。……はず……はず、なのですが。あれ……意外に、多い。写真に写したほかにも、タンブルや丸玉が数個。そしてこちらのペンダント・ヘッド。これでは少ないとは言えないでしょう。さて、今回の主役はこのローズ軍団の一番上に写っております丸玉。昨年末、池袋ショーの直前に買った石です。色合いは、ご覧の通りとろりと濃いめ。クラックなどはさほど無いのに、向こうが透けて見えるまでの透明感はありません。光に透かすと、かろうじて透ける感じ。どうしても「とろり」と形容したくなる色合いです。一足先に知り合いの石好きさんに写真を見ていただいたところ、「桜ういろうのようなかんじだね」なるほど! 平均的ローズクォーツよりは濃いめながらも、まだまだ濃いものはたくさんあるので、ディープローズとまでは言えません。桜ういろう、まさしくそんな感じです。そんな話から、桜ういろうのようなローズクォーツ ↓ういろうのようなローズクォーツ ↓ういろうローズ ↓ういろーずというあだ名が付きました(笑い)。さて、この「ういろーず」、普段の私のツボではない石という他に、見どころがあります。ご覧の通り、スターが出ます。ローズクォーツでスターが出るものというと、透明度が高い石というイメージがあったのですが、こういう半透明タイプでもスターが出るとは。水晶のスターにもきちんと6条見えるもの、4本しか見えないもの、時には倍の12条見えるものなどさまざまあって、そのスターも、きっちりシャープに見えるものもあれば、やや線が太くてぼやけて見えるものもあります。この「ういろーず」は、ややぼやけ気味、光の筋が交わるところは実はあまりはっきりしていなくて、写真の方がくっきり見えています。しかし、ベースの色が半透明の「桜ういろう色」であるせいか、スターを形作る光の筋そのものはかなりはっきり見えていて、どんな角度から見ても、光の筋がキャッツアイのように見えています。ときには光の筋が2本、平行に並んでいるようにみえていることもあって、光のあて方しだいでは、スターが二つ並んで見えるんじゃないかと思うときもあります。
2007/01/09
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ブラジル産のルチル入り水晶です。内包物入り水晶が好きな私のこと、ルチル入りも大好きです。ただ、内包物として面白いかどうかがポイントなので、あんまり色にはこだわりません。でも、ちゃんと金色ルチルは持ってます。たしか、2003年池袋ショーで手に入れた、未研磨もの。結晶の形はきちんとしていますが、トップ部分に派手なクラックが入っています。そこが強烈に光を反射するので、ちょっと写真が撮りにくい石。しかしながら透明度とルチルの色合いはきれいで、がんばって写せば、全体がほんのり金色に見えるおめでたい雰囲気の石です。新しく我が家にやってきた石ばかりでなく、前からある石もちょくちょく写真に撮るんですが、今までなかなかこれという写真が撮れなかった石が、思いがけずきれいに写ると、満足感もひとしお。ちょっぴり夕日の力を借りました。
2007/01/08
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ブラジル産のガーデン・ファントムのポリッシュです。ご存じ、ガーデン・クォーツといえば、水晶の中にクローライト(緑泥石)などが内包されて、庭園のごとき景色を作りだしているもの、ファントム・クォーツと言えば、水晶の成長途中で結晶の表面に不純物が付着し、水晶がさらに成長したため、それがそのまま結晶の中に取り込まれて、不純物がかつての結晶の形となって水晶の中に見えるものです。この場合の不純物には、当然クローライト(緑泥石)などもあるので、クローライトによって形作られた緑色のファントム(グリーン・ファントム)というのもあれば、もっとたっぷり内包された結果、ガーデンがファントム状になっているガーデン・ファントムというのもあるわけです。どこまでがグリーン・ファントムで、どこからがガーデン・ファントムかという基準などあるわけがないので、それは見る人次第というわけですが、私の場合は、ファントムが透けて見えるようなものはグリーン・ファントム、ファントム内部にクローライトがぎっしりの場合はガーデン・ファントムと呼ぶことにしています。ところが、今回の写真の水晶はの場合は、ファントム内部に緑泥ぎっしりの密度の高いファントムのように見えますが、実は内部は透明。石の下の方を見ると、そのことがよくわかります。磨いてある底から見ると、ファントムの裏側も見えます。KURO的わがまま規定、「透けて見えるようなのはグリーン・ファントム」に従えばこれはグリーン・ファントムということになってしまいますが、このもこもこ具合、緑一色ではなくいろんな色が混じった様子は、ガーデンの要素大。まるで、森を空から見ているようです。そこで、ここは特別判定で「ガーデン・ファントム」ということに。まるで森のようであることと、アマゾン川を擁するブラジルの石ということから、「ジャングル・ファントム」とでも呼んでみましょうか。さてさて、この「ジャングル・ファントム」、もう一つ見どころがあります。2枚目の写真は、1枚目の写真のちょうど反対側から、ファントムの先端付近をアップにしたものなのですが、おわかりいただけるでしょうか。なんと、ファントムの先端付近から別の小さな水晶が「生えて」いて、それも母体の水晶の中に取り込まれてしまっているのです。水晶の中に別の小さな水晶が完全に取り込まれてしまっているので、これは「マニフェステーション」……ということでしょうか。水晶の中のもう一つの世界……それがファントム&ガーデンの醍醐味です。
2007/01/07
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パキスタン産、アメシストです。片手にずっしりの、我が家の石にはあるまじき大きさで、間違いなく最重量アメシストです。産地を聞いたところ、お店の人は「ギルギット」。たいていの石は、何でもかんでも「ギルギット」。昨日の雑記に書いたように、本当のギルギット産ではなくて、その周辺、もしくはパキスタン北部で採れた石がギルギットに集まり、そこで仕入れられたために「産地はギルギット」になっている可能性は大。事実、後日ネットで調べてみると、ブルー・スピネルはギルギットじゃなくてやや北のフンザだろうとか、ショールががっちり付いているのはDassuかもしれないとか、いろいろな産地がヒットしてきます。さて、このアメシスト、お店の方の言葉を信じるならば、ギルギット産。言うまでもなく、ギルギットはヒマラヤ山脈の西の端。……ということは、これは、ヒマラヤ・アメシスト!しかも、このボリューム、淡いとはいえ、まごうことなくアメシスト。わーい♪……と、喜ぶにはやや疑問が残ります。お店の扱っている品からいくと、パキスタンもしくはアフガニスタンであることはほぼ間違いないのですが、もうちょっとくわしい産地が別れば……。そんなことを考えていたら、意外な産地が浮上してきました。きっかけは、2006年10月のIMAGE2006です。この石を買ったのとは別の、しかし、同じくパキスタンやアフガニスタンの石を扱うお店の前を通ったところ、「これは同じ産地だろう」と思わせるアメシストを見かけました。淡いラベンダー色も、やや鉄分っぽい付着物も、母岩の感じもそっくり。たぶん、同じ産地でまちがいありません。その産地は「K2」。パキスタンと中国の国境にそびえる、世界第2位の高さを誇る山です。(※このあたりはカシミール問題が影を落としている地域です)高さは8611メートル。K2とは、最初にこの山を測量した際、カラコルムの「K」をとって仮に「K1」「K2」「K3」……と名前を付けたのが、未だに残っているのだそうです。ちなみに、その後「K1」や「K3」などほかの「K」の山は、別にちゃんとした名前が付けられたそうですが、「K2」だけはそのまんま。現地では「チョゴリ」と呼ばれることもあるようです。ネットで調べてみても、同じようなアメシスト、もしくはK2の石は出てこないので、確認しようがないのですが、「K2」産だったらいいなあ……。高さは世界2位でも、険しさはエベレストを凌駕し、登頂者はエベレストよりも少ないという「天空の王者」K2。以前、K2産のラベルが付いたファーデンを見かけたものの、高くて買いそびれ、悔しい思いをしたことがあったので、ここで再びK2石に出会えたとなれば、これはラッキー!(片や5センチくらいのファーデン、こちらは片手ずっしりのクラスター。なのに、クラスターの方が安かった……)ただし、これがK2産となると、ヒマラヤ・アメシストとは言えなくなってしまうのでしょうか。ヒマラヤだ、カラコルムだといいながら、その位置関係がいまいち頭に入っていないので、パキスタン北部の地図を作ってみました。ついでに、ギルギット(Gilgit)やスカルドゥ(Skardu)、フンザ(Hunza)、Shigar、Dassuなど、石の産地として見かけた地名を落とし込んでみました。おお、地図に落とすまで、K2はもっとアフガニスタンよりだと思ってました。こうしてみると、カラコルム山脈は、ややヒマラヤ山脈に重なりながら平行に伸びていて、さまざまな産地は二つの大山脈にはさまれた谷間に並んでいることがわかります。ギルギットやShigarが、ときどき「Valley」を付けて呼ばれているのはきっとそのせいなのでしょう。また、参考にした地図に道路も載っていたので、ついでに載せてみたら、やはり落とし込んだ地名は道路沿い。ここに落とし込んだ地名は、純然たる産地というよりも、集積地の意味合いもかなり濃いと見た方が良いようです。この地図を元に考えると、狭い意味でのヒマラヤ水晶と言えるのは、ギルギットやスカルドゥ、Shigar産のもの。フンザやK2はカラコルム山脈です。ところで、ヒマラヤ山脈にはいくつかの範囲の考え方があって、一番狭いものは、こちらの地図に記した、インドの東端からブータン、ネパールを経てギルギットに至る部分。それにカラコルムやヒンズークシを加えることもあるようで、もっとも広く解釈すると、遠くテンシャン山脈まで含めてしまう説もあるのだとか。そこまで拡大解釈しなくても、K2はヒマラヤとカラコルムが平行している部分にあるので、とても近いと言えます。ここはひとつ、個人的わがまま希望で「ヒマラヤ・アメシスト」にしたい気分。拡大ヒマラヤ範囲内であるヒンズークシ山脈が走るアフガニスタンからは、濃いアメシストが出ているので、今後、狭い意味でのヒマラヤ山脈からもっと濃いアメシストが出る可能性も皆無ではありません。そうか、こういう位置関係だったのか。地図を見ながら石を見ると、さらに見えてくるものがあるようで楽しいです。
2007/01/06
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フローライトです。産地は、ちょっとマニアでモンゴル産。真っ白でざらざらもこもこした母岩に、ちょっと磨りガラスっぽい、クリーム色のフローライトが結晶しています。内部がほんのり緑色なので、どことなく青リンゴ風味な色合い。モンゴルというと、一面の草原、ぐるり360度地平線というイメージですが、こういう鉱物が採れるところもあるんですねえ……。そりゃまあ、広い国土を持つ国ですから、いろいろな環境があっても不思議ではありませんが、ちょっと意外。……というわけで、初めてにして今のところ唯一のモンゴルの石であります。石ブームの折から、鉱物標本としてだけでなくスピリチュアルな分野でも、いろいろな産地の石を見かけるようになりました。さらには、「ヒマラヤ産の水晶がパワーが強い」などのように、水晶ならばどこのものでも同じというのではなく、産地も注目されるようになってきました。産地の個性を楽しむならばまだしも、希少性や、ヒーラーの注目度によって産地がブランド化し、石のグレードに釣り合わない価格が付いていたり、産地偽装の石が出回ったりするのは悲しいです。ところで、産地は正しい(たぶん)けれど、個人的にどうなのよと眉間にしわを寄せてしまうことがあります。ひとつめは「カタカナ表記」。石の名前は元が英語のものをカタカナ表記しているので、アメシストとアメジスト、ヒューランダイトとヘウランダイトのような「表記ゆれ」が発生しやすいです。これについては、個人の好みや慣れもあるので、どれが正しいとか間違っていると言うことはできませんが、webショップなどの場合は、ちょっとばかり意識していただきたい。ざっと検索し、より一般的な表記を選ぶくらいの手間は惜しまないで欲しいです。というのも、今回のモンゴル産フローライトを「モンゴリアン」と表記しているのを見かけたためなのですが、なぜ、モンゴル産ではなくモンゴリアンなのか。ブラジル産水晶は、ブラジリアン水晶と書いていないのに、なぜ。モンゴル産がモンゴリアンならばまだ見当が付きますが、ペルー産がペルビアン、四川省産がシチュアンなどと書かれると、表記になじみがないだけに、そのうち、「なにか新しくてすごそうな石」と、勝手に誤解しそうでコワイです。小さな結晶がぷちぷちたくさんくっついた水晶を、クリスタル用語で「バーナクル」といいますが、「バーナクル」とは「フジツボ」のこと。だからといって「フジツボ水晶」では、イメージぶちこわしなのでなんでもかんでも訳せとは言いませんが、産地表記くらいは「○○産」でいいでしょう。もう一つは「集積地」。石の産地表記の理想をいえば、鉱山名までがわかっていること。しかし、鉱山名までが表記されているラベル付の石というのは、鉱物ショップでもさほど多くありません。今回のフローライトも、鉱物系の店で買いましたが、モンゴルのどこかはわかりません。しかし、仮に国名以外の地名があっても、油断は禁物です。たとえば、ブラジル、ミナスジェライスとあったとしても、ミナスジェライス州はむちゃくちゃ広いですし、おなじみヒマラヤ水晶で、ガネーシュ・ヒマール産といっても、ガネーシュ・ヒマールという山のてっぺんで採れたわけではありません。さらに、パキスタン産の石では、産地を聞くと「ギルギット」と言われることが多いのですが、必ずしもギルギットで採れたものとは限りません。ギルギット周辺、もしくはパキスタン北部で採れた石がギルギットに集められ、取り引きされ、「ギルギット、パキスタン」のラベルを付けられて、日本にやってきている可能性は高いです。こういう例は、ギルギットだけでなく、ブラジルなどでもあり得ます。鉱物標本として、集積地のことも承知した上で、「だいたい、パキスタン北部の産なのね、と目安にするのであれば、まあ、それはそれですみますが、問題は、スピリチュアルな分野で「産地のパワー」に価値が付いてしまうこと。「ギルギットの水晶は、特にパワーが強く……」と書かれていても、実はギルギットからちょっと離れたところの水晶だったということも無きにしもあらず。買う方が注意しても、どうにもなりませんが、気になる方は、こういう場合もあると言うことを意識にとどめておいても良いのではないでしょうか。
2007/01/05
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年末の新聞で目にとまった「ローツェ南壁攻略」の文字。中身も読まずに、即、「ネパール、ヒマラヤ!」と反応してしまったヒマラヤ(水晶)好きがここに約一名。かなり、キてます。(笑)……というわけで、年の初めはヒマラヤ水晶でいきたいと思います。ここで、ローツェ産の水晶が出てきたりするとかっこいいのですが、ローツェは、エベレスト、K2、カンチェンジュンガに次ぐ、世界第4位の山。高さは8516メートル、世界屈指の難ルート、標高差3300メートルの南壁を擁するかなり険しい山であるようです。もしかしたら、アンナプルナ産水晶のように、知らない間に他の産地の水晶にまざっていたりするかもしれませんが、いまのところ、ローツェ産は聞いたことがないので、登場するのは、おなじみガネーシュ産。産地はおなじみですが、形はとても個性的。「ガネーシュらしい」というより、「なんじゃこりゃあ」と言いたい形です。説明するにもしようがないので、写真をもう一枚。同じ石を真横から見たものです。むりやり説明しますと、角閃石と緑泥を内包した太めの結晶が、折れた……というか、曲がっていて、曲がったところから細い結晶が飛び出すように生えています。太い結晶の両端にはどちらにも錐面はありませんが、折れているわけではなく、母岩に接していたようです。これは、2006年夏の「石探横町」の最後に買った石で、居合わせた知り合いの石好きさんたちに「魚っぽい」「いや、虫かも」「やがて手が出る足が出る」と言われてしまいました。その評だけを聞いた別の石好きさんは、「何か、ものすごい形を想像しちゃうんだけど……」と、首をひねっていましたが、たぶん、期待(?)通りの変な形ではないでしょうか。しかしながら、「散財しちゃったあとなのに、どうしよう~」といいつつ、この石を買ってしまったのは、単に「変」というだけではありません。変なことは変なのですが、私には意味のある「変」に思えたのです。この石を見て、強烈にイメージしたのは「龍」です。長大な体をくねらせて空を馳せ、ヒマラヤの雲海の中から一瞬見せた、その姿。途中から生えている細い結晶は、龍の手足、あるいは鱗。さらには、押さえきれずにあふれ出す大地の力。衛星写真で見るヒマラヤ山脈は、まるで大地に横たわる龍のようです。大地をここまでたわませたその力の大きさを思うと、「世界の屋根」「最大の龍脈」という言葉や他の場所であれば、「そのイメージの根拠は」とつっこみたくなる「パワー・スポット」という言葉までも、すんなり頷いてしまいたくなります。この石は、ヒマラヤ山脈に重ねた「龍」のイメージを、強く刺激する石なのです。
2007/01/04
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お正月帰省から帰ってまいりました。毎度毎度タイミングを逸してしまって失礼していますが、ともあれ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。石だらけ言いたい放題のこのブログ、今年も、何を言いたい放題しようかと、頭をひねり中です。別館サイトの用語集に、もうひとつコーナーを追加しようかとか、そろそろブリンギングアニマルのニューバーションでも作ろうかとか、いろいろ夢はふくらむお正月。何かいいネタがありましたら、どうぞ教えて下さいませ。
2007/01/03
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