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携帯が突然震えた…彼女からの電話だった。「元気だった?入院、1月に延びたんだ」思ったよりも明るい声だ。「ダンナが3日間いなくてすごく楽。でも今日帰ってくるんだ。迎えに行かなきゃ」「いない間、彼のところ行ってたんだ」「行ってないってば。まじめに家にいました。今日時間ある?ご飯食べようよ」「それならいない時に誘ってくれればいいのに」「そんなのだめだよ…」「まあいいや。わかった」3ヶ月ぶりに会う彼女はいつものように30分ぐらい遅刻してきたが、表情は明るく元気そうに見えた。そのまま近くの店に…「いろんなこと考えたら元の鞘に戻るのがいいと思って」「仲良くやってるの?」「毎日監視されて外出も時間計ってチェックされてるし、ことあるごとに嫌味言われて…ちこちに話して歩いてる。酒飲んじゃ警察沙汰寸前のケンカしてる」「そんなことしてて夫婦でいる意味ってあるの?」「今は無理でもいつかまた離婚するわ」「私は自由になりたいの。誰のものでもない」それで飛び出したはずなのに、元に戻って以前よりももっと強烈に束縛されている。よくわからないが、彼女にしてみれば「愛されている」実感があるのだろう…これが彼女夫婦のカタチなのだろうか。それは夫婦にしかわからない、奥深いことなのだろう。「俺の気持ちはメールした通りだよ。抱きたい」「それはできない…あなたは結婚して普通の家庭があるじゃない。自分だけ変わらずに求めたってだめよ。私なんか離婚までしちゃったわ(笑)」「会えば抱きたくなるからもう会わないよ。その方がいい。決めたんだ」「そんなことしなくたって、こうして話してれば私はうれしい。今年のうちに会えてよかったわ」「ちっとも俺の気持ちわかってないよ」「わかってるからこそずっと避けてた…」だからこそ、後ろの時間が決まっているこの日に設定したのだろう。最後までその話はかみ合わなかった。「もう会ってくれないの?これが最後なの?」別れ際に見つめ合った瞬間、彼女がそうつぶやいた。「わかった。またいつかね」「会ってくれるのね?」「うん」この瞬間だけが昔の彼女の目に戻っていた。2時間のデートはこうして終わった。こんな関係もいいかな…いつかまた一緒に過ごせたらいいかも。そう前向きに考えようと気持ちを入れ替えた翌日、メールが来た。「携帯、ダンナに見られたから電話もメールもしないで。またこっちから連絡するから。元気でね」ありゃりゃ…最後?までこうなるとは。「夫婦って?」「婚外恋愛って?」「好きって?」会うたび難しいことを考えてしまう…彼女にはとにかく幸せになってほしい。
2006年12月08日
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この前、妻を待っていてちょっと時間があったのでファミレスで読みかけの本をめくっていたらドキッとする言葉に巡り会った。「慎重であるよりは、果敢であるほうがよいと断言する。なぜなら運命の神は女神なのだから、彼女に対して主導権を得ようと思うなら、乱暴にあつかうことが大切なのだ」(マキアヴェッリ『君主論』)二歩も三歩も引いてしまった自分の行動は間違っていたのか。逆に強気になって、自分の気持ちを前面に出せばよかったのか…ことあるごとに思い出しては自分に問いかけている。
2006年12月05日
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