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2004年12月04日
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彼女は言った。

大人になるとこの星の人たちはペアで星を買い取り

そこへ移住することができるんだ。

「直径10m?だめじゃん、

星の王子様の世界じゃないんだから、」

「そぉー、」

「第一、 大気がないし、どうやって暮らすの?」

「お客様、そちらの星は倉庫用です。

人体に有害な核廃棄物を取っておく場所ですから。」

パンフには倉庫用と書いてあった。

「こちらの星はいかがですか?」

ここのスペース不動産の営業マン、ウーマンだ。

やはり髪の毛は緑色で顔つきは人間だが、

皮膚はパステルグリーンのうろこで覆われている。

目は爬虫類のそれに近いが慣れれば愛着もわきそうな

くりくりとした感じだ。

すらっとしていて、スペースウェアを着ていると

モデルのような体型だった。

「あら、直径7000kmで大気もあって

植物や食用動物もあるの?

これでこの値段はやすいわね――」

値段を見ると僕の一生分の給料で買えないこともない、

あとは子孫にローンを回すだけで買い取れる仕組みだ。

ちなみに取説も読んだが問題ないようだ。

「もし、よろしければ、

体験できますがいかがでしょうか?」

「いいわね、行って見ましょう。」

宇宙船からやってきたように、

僕らはまたテレポートに乗る。

一瞬のうちにスペース不動産の部屋が消えて、

またたく宇宙を意識が飛んでいく。

かたわらの彼女は目をうるるとさせて光景を見ている。

宇宙船のワープ走行だと直線の光にしか見えない星々も、

テレポートだとしっかりと見ることができる。

黒いビロードの上に無数のカラービーズを散らばしたよう

闇が開けて朝もやが漂うように

僕らを包んでいる銀河のベール

漆黒ではない光と影の絶妙なハーモニー

そんな至福の時が数秒間で終わり、

僕らは目的の星へ舞い降りるように着いた。

そこは海岸だった。

「まるで

ジュール・ベルヌの本に出てきそうな海岸ね――。」

そういいながら両手を広げ

日の光を浴びようにぐるっと一回りして

波打ち際まで走った。

「ねぇ、こっちこない?」

僕は、反対側の崖で土を触ったり匂いをかいだり

立っている砂を手ですくったりしていた。

いい星だ。

僕は彼女のところへ小走りで追いつくと

普通の若いカップルがそうするように、

互いに波をかけっこし始める。

季節は初夏だろうか、

こんなきれいな星に僕ら二人だけいるのも

もったいないと思った。

しばらくして僕らは彼女のバッグに忍ばせた、

折りたたみコテージを広げて、

椅子を並べコーヒーの時間にする。

彼女はお気に入りのクッキーを入れ忘れたと

パタパタしていたが。

「いいんじゃない?ここ。」

どちらからともなく言った。

風もたおやかで気温も過ごしやすく申し分ない。

ただ、どうしてこんないい星がいままで残っていたかは

二人とも気づかないでいた。

テレポートで戻る事もなく、

そのまま契約し、スペース宅急便で家財道具一式

折りたたんで移動してもらった。

ペットのゴールデンレトリバーも大丈夫、

一緒に入っていた。

僕らはアメリカの開拓者がそうしたように、

二人で家を建て、

二人で畑を耕し、そうして何年か暮らしていった。

ある時彼女は言った。

「もっと大勢の人がいたほうが楽しいかもしれないわ。」

「そうかい?

最初、二人だけで暮らしたいと言ったのは君の方なのに―」

「子どもも欲しいし、そうしたら学校や先生も必要よ。

子どもだって一人や二人じゃかわいそうだと思わない?」

「そうかな?いろんな家族が増えるってことは

それだけこの星の空間が狭められることだよ。

第一、 この星には国もなければ村もない。

統治する人はいないんだ。」

「あなた、そうだけど、私たち二人だけでずーっとこの星で

暮らすの?」

「何不自由なく暮らしていけるじゃないか。」

「私的に考えればこの幸せをたくさんの人にも

分けてあげたいなって。

もちろん子どもたちの事も考えて――。」

人は人の間で成長し幸せになっていくんだろう、そ

んな古臭いフレーズが頭の中をよぎった。

彼女の言ったとおり100人に限定して家族を迎え入れた。

もちろん適正検査や抽選も行った。

資源豊富なこの星に村ができた。

そして皆幸せで何不自由ない楽園のような生活を

その星で過ごすはずだった。

あるとき宇宙船が広場に現れて不動産証書を僕たちに示し、

スペース不動産が悪徳不動産に買収され債権の委譲で

立ち退き命令が下されるまでは。

















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最終更新日  2004年12月05日 19時26分04秒


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