青森の弁護士 自己破産 個人再生 

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2012.10.10
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カテゴリ: 労使関係
いわゆる管理監督者に該当する労働者が深夜割増賃金を請求することの可否
最高裁平成21年12月18日判決

「事案の概要」

 Yは退社した後,引抜き行為等をとがめられて損害賠償訴訟を提起された際,反訴として時間外賃金の支払を請求した。

「判旨」

 労働基準法41条2号所定のいわゆる管理監督者に該当する労働者も,同法37条3項に基づく深夜割増賃金を請求することができる。

 労働基準法37条3項は午後10時から午前5時までの間において労働させた場合には,その時間の労働については,使用者は通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない旨規定している。他方,同法41条2号は,労働時間,休憩及び休日に関する規定は「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理に地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」については適用しない旨規定していることから,両者の関係が問題になる。

 最高裁は,次のように判示した。労働基準法における労働時間に関する規定の多くは,その長さに関する規制について定めているが,同法37条3項は労働が1日のうちどのような時間帯に行われるかに着目して深夜労働に関し一定の規制をする点で,労働時間に関する同法中の他の規定とはその趣旨目的を異にする。また,管理監督者と同じく労働時間等の規定が適用されない労働者として,同法41条1号は牧畜業等に従事する者を定めているが,同法61条4項は,牧畜業等に深夜業の規制に関する規定を適用しない旨を別途規定していることからも,同法41条にいう「労働時間,休憩及び休日に関する規定」には深夜業の規制に関する規定は含まれていないと解される。したがって,管理監督者に該当する労働者であっても,同法37条3項に基づく深夜割増賃金を請求することができるものと解するのが相当である。

 なお,本判決は,管理監督者の所定賃金が労働協約等によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められていることが明らかな場合には,その限度で深夜割増賃金の支払を受けることを認める必要はないとも判示した。

 判例タイムズ1316号129頁






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Last updated  2012.10.10 14:28:49


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